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「星のカービィ夢の泉の物語」は、没データを探したけどそんなにたくさんは存在していなかったし、 没になったコースまるまる一つ、みたいなのもなかったしデータの並び順はそれはそれは美しく、 無駄がなく、隙間なくぴっちり入っていました。

だからきっと、箱の裏にも特に新しい発見なんてないんだろうな、と思ってくるっと見てみると…ん??

箱の裏には画面写真が一つだけ。 それがこの1枚です。パラソルをコピーしたカービィと、右下にはパラソルワドルドゥがいます。

カービィの残り人数は2、スコアは47400、バイタリティは5、特に変わった様子はありません。 ちょっと床の色が緑が濃い気がするけど、これは印刷の関係かもしれない…?

右から左に進んでいるのにちょっと違和感ですが、 多分これは「コピー能力という新要素をアピールするため、見た目が変わるコピー能力として パラソルが選ばれ、そのパラソルが映える雲のあるコースをカービィが飛んでいる ところを撮影」したものであり、撮影ベストポジションのために左を向いただけでしょう。

だけど、それよりもものすごい違和感がある。この画面を見た瞬間、 猛烈な違和感に襲われたのです。もうお分かりでしょう。そう……。

こんなコース、あったか??

パラソルワドルドゥがいて、こんな模様の床で、空には大きな雲。 背景にキャンディバーのようなもの、空を飛ばないと越えられないほどの高さの壁…どこだここは?

雲がある背景、空を飛ばないと 越えられないほどの高さの壁…となると、真っ先に思い浮かぶのが1-1のこの辺り。

デモ画面でもおなじみのこの辺です。でも床を構成するマップチップがチェック柄じゃないし、 背景の雲の形も違います。それにパラソルワドルドゥも出てこない。

スコアが47400という辺り、最初のコースということはなさそうか…。

あるいは、ここだろうか。2-4の最後のエリアです。 キャンディバーのような背景、雲が浮かぶ空、しかも道中Mr.チクタクと戦う直前に パラソルをコピーすることも可能なコース。

だがやはり…床の色が全然違う。緑と黄色のチェック柄でなければいけないのだ。 そういう床が使われているコースはといえば…あった!

こちら、1-3の最初のエリアです。 シャッツォがブロックの上に乗っているので、空を飛ぶと安全だけど シャッツォを落としながら進んだ方がスピーディ、という感じの場所。

しかも右からはワドルドゥもやってくるし、何より背景の雲が同じ!!

改めて箱の裏の画面写真を見てみましょう。 雲の形なんて完璧に同じです。実際の画面より写真の方が縦に潰れていますが、 このエリアで間違いなさそうです。…なわけがない。

違う!全然違う!!大体、1-3にはパラソルワドルドゥは出てこない。 地形も、穴がなくこんな広々とした場所はない!!

じゃあ、ほかにないのか!?こういう床の模様で、空が見えていて、パラソルワドルドゥがいるエリアは!

なんと、ありません。というか、そのチェック柄の床が使われているのは1-3だけであり、 そして1-3にはパラソルワドルドゥが出ないし画面写真のような地形の場所はないのです。

パラメータの部分の色と床の黄色の部分が実際のゲーム画面も箱の裏も同じに見えるので、 床の色は本当に印刷の関係で緑が濃く、黄色が薄く見えているだけなのでしょう。 しかし、箱の裏の画面写真の条件を満たす場所は、ゲーム内に存在しません。

没データにもこんな場所はないので、それは開発中の画面の写真ということになります。

1-1から普通にコピー能力を取りつつ敵をまあまあ倒し、ゴールのジャンプでは2を取る(5000点入る) ようにしていると、1-3の最初のエリアに来た時点で37000点ほどになりました。 画面写真の47000点には少し届かないので、1-3のプロトタイプだとしたら1-1と1-2も 変更された、もしくは各アクションに対する得点が違った…というような理由があるかもしれません。

それか、普通にプレイしていたら1-3の 最後のエリアで47000点ぐらいになるのでそのチェック柄のエリアが最後だったとも考えられます。

箱の裏の画面写真のカービィの残り人数が2(つまり2回死んでる)ということを 加味すると、それぐらいが妥当かもしれません。

というわけで、「星のカービィ夢の泉の物語」の箱の裏にも開発中の画面、 もしくは没になったコースが印刷されているというお話でした。 ファミコンソフトの箱の裏は説明書以上に開発中のものが見られる気がします。ありがたいことです。

2021年6月19日


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