◆バッヂ名とトレーナーランク◆

◆目次に戻る◆



没アイテムには「なかよしバッヂ」や「はやぶさバッヂ」などの謎の「バッヂ」系のアイテムや、 「ブロンズ」や「ひよこ」、「プチキャプテン」などの何なのかよく分からない名前のものもあります。

「没アイテム」の名前のページで その名称が「この頃は図鑑評価が無くて、代わりに捕まえた数で 称号がグレードアップしていく感じ」だったのではないかという見解を頂き、 なるほど「ひよこ」ってピヨピヨ言う可愛い生き物しか想像していなかった (+MOTHER2の「ひよこ」がチラついてた)ので非常に納得で目からあかいウロコでした。

で、この度初代ポケモンのソースコードから、決定的な記述を発見しました。 「たまご」や「ひよこ」は、本当に称号の名前だったようです。

ソースコードの中に「status badge name data」 というひとまとめにされたデータがあり、それぞれの文字列が…。

かみなりバッヂ
かいがらバッヂ
おじぞうバッヂ
はやぶさバッヂ
ひんやりバッヂ
なかよしバッヂ
バラバッヂ
ひのたまバッヂ
ゴールドバッヂ


という風に並んでいました。見慣れた、有用なアイテムになることすらある「バッヂ」系アイテムの名称です。

今まで自分は「かみなりバッヂ」〜「ひのたまバッヂ」までの8つと 「ゴールドバッヂ」の1つはなぜか別物として認識していたのですが、 このように9つで一塊のデータになっていることから 元々「バッジ(バッヂ)」は8つではなく9つだったということが確定してしまいました。

「status badge name data」ということは 「ステータス画面で表示されるバッジの名前」であり、 どのようなレイアウトかは不明なものの主人公のステータス画面に表示されるはずのものだった と考えると自然なような気がします。

「バッジ」ではなく「バッヂ」なのは、ポケットモンスターシリーズが「MOTHER」 の影響を受けており、MOTHER及びMOTHER2における重要アイテム 「フランクリンバッヂ」から取られた名称だと考えると納得です。

ジムリーダーは開発初期には存在していなかったため、 ジムリーダーに勝利したらこれらのバッヂがもらえたかは不明。 もし上から順にもらえたとしたらいきなり「でんき」タイプがモチーフと思われる 「かみなりバッヂ」が一つ目なのでトキワジムは「でんき」タイプのジムだったことに…!?

そして次のニビジムのタケシは「みず」タイプっぽい「かいがらバッヂ」を渡す人になってしまうことになりますが、 やはり開発初期・開発中期にジムリーダーは存在していなかったので、タケシが元は「みず」タイプの トレーナーだった、というわけではないのだと思います。

しかしバッヂの名前がタイプに関係していそうなのは事実。 「かみなりバッヂ」は「でんき」、「かいがらバッヂ」は「みず」、「おじぞうバッヂ」は「いわ」か「ゴースト」辺りか。 「はやぶさバッヂ」は「ひこう」か没タイプ「とり」、「ひんやりバッヂ」は「こおり」…これも「ゴースト」も当てはまる? 「なかよしバッヂ」は「ノーマル」っぽいが…。

「バラバッヂ」はそのまま考えると「くさ」タイプ。ゲーム内では「しょくぶつポケモン」というように 「くさタイプ」ではなく「しょくぶつタイプ」だったのでは…と思うメッセージが存在するため この時代は「しょくぶつタイプ」のバッヂだったのかもしれません。

次が「ひのたまバッヂ」。どう考えても「ほのお」タイプだと思います。ドラゴンということもなくはないのか…? 最後の「ゴールドバッヂ」は、製品版でヤマブキジムでもらえる「ゴールドバッジ」のことを考えなければ 「金のバッジ」であり、「かいがら」や「ひんやり」よりも高級感があり最後に目指すべきバッヂのようなネーミングに思えます。

さてもう一つの項目、「たまご」や「ひよこ」などの「称号」だったのではと思われていた名称の方です。

ソースコードに「Monster Tranaer's Rank」という記述を発見。 「モンスタートレーナーランク」。これは…どっちだ…?

その前に、先ほどのようにとりあえず全部箇条書きにします。

たまご
ひよこ
ブロンズ
シルバー
ゴールド
プチキャプテン
キャプテン
プチマスター
マスター
エクセレント


以上、10種類。これらは「ランク0」から「ランク9」という風に下になるにつれてスゴくなっていくように並んでおり、 最後の「エクセレント」はアイテムとして表示すると終端を表す50が「ト」の後についていないため バグ名称が続いてしまうので変な感じでしたが、晴れて「エクセレント」も正式な単語であることが確定しました。

「モンスタートレーナーランク」というのが「ポケモン図鑑の完成度」ではなく 「ポケモントレーナーとしてのランク」だとしたら 強ければ強いほど、強い相手に勝った数が多いほどランクが上がっていきそうです。

ソースコードによると「rank_0」は「たまご」であり「Badge Number = 0」と いう記述もあります。0だと「たまご」で「かみなりバッヂ」に対応、「ひよこ」のときは「かいがらバッヂ」 …となるのか?だとするとランクが10、バッヂが9という数が1違う理由にもなるが…。

でもそうすると「ひよこ」=「かみなりバッヂ」、「マスター」=「ひのたまバッヂ」という風に 称号に応じたバッヂの名称は常に一致してしまい、極論項目を分ける意味がないということになってしまいます。 意味があるとすれば「たまご」のときだけバッヂの表示がない…ぐらい。

最後の「エクセレント」には、隠さずいっそ書いてしまうと、 「Ending After The Battle Win」という記述があります。 英単語の意味は何とか分かる…が、他のソースコードの記述から察するにこれは 「エンディングの後のバトルに勝った」という意味になるんじゃないかなと思います。

エンディングをどうやって迎えるのかは分かりませんが、もしかしたらサカキがラスボスであり、 ロケット団を壊滅させてエンディング、マサラタウンからリスタートして裏ボスは 「オーキドせんせい」…というのだったらいろいろ納得。

今までのベータ版や没データを見てきた雰囲気から、「エクセレント!」というセリフを オーキド博士に言わせることにしたのも本当にニュアンス的なことだけどすんごくありそうだな、と個人の感想を抱きます。

というわけで勝手にそう仮定すると、サカキを倒す⇒エンディング⇒裏ボスであり最強の「オーキドせんせい」に勝つ ⇒トレーナーランクが「エクセレント」になり、「ゴールドバッヂ」をもらえる…という流れになります。 製品版と全然違うけど、開発初期のシステムからしたらこういうのもありそうです。

もしも「バッヂ」が「バッジ」と同じように「秘伝技」の使用許可に関係あるものだとしたら、 最初に「かみなりバッヂ」で「フラッシュ」が使えるようになり、 真っ暗だったと思われる「オツキミやま」を通れるようになる…という序盤の攻略手順はしっくりくる気もします。

だが次に解放されるのは「かいがらバッヂ」による「なみのり」…というのは早すぎる気がするので、 バッヂが秘伝技の使用許可に関わっていたかは製品版の攻略手順の観点からすると不明です。

製品版の固定観念を捨てて、製品版のバッジとは全く違う存在、役割を持つものだった可能性もあります。 「バッジ」つまり「外から見えるもの」だから、イベント床を踏んだら「それは〇〇バッジ!」と 複雑なやり取りも不要で通行許可を出すのも自然。攻略手順に関与するものとしては非常に適しています。

そもそも、バッジがない時に秘伝技を使おうとすると 「新しいバッジを手にするまでまだ使えません!」というメッセージが出て 目の前にいるポケモンがバトル中は問題なく出せる技をなぜかフィールドのギミックに対して 使えないというのは「ゲームシステム上そうなっている」だけであり、 単純にポケモンが技を出さないというのはなぜ??となります。

他にも、人からもらったポケモンがバッジを見て大人しく言うことをきくのも、 ポケモンの能力値が上がるのも、「ゲームシステム上、バッジの設定でそうなっている」だけであり 深く考えたらなぜ??案件です。

もしかしたら…「かみなりバッヂ」の時代はそこら辺がもっと納得がいく設定だったのか? 「秘伝マシン」ではなく「ひでんのしょ」や「ゴーリキーハンド」、「?????(ラプラス)」が 新しい地形を進めるようになるトリガーだった時代、そこにバッヂがどのような影響を及ぼしていたのか、 今は推測するしかありませんがもし今と全然違ったら…と思うとワクワクさんです。

ちょっと推測が入りまくってしまいましたが(これでも2回書き直した)、 ソースコードから分かる事実は「バッヂの名前はステータス画面に表示されるものだった、 9つ目のゴールドバッヂはエンディング後にもらえた」ということと、 「「ひよこ」や「ブロンズ」などの単語は「モンスタートレーナーランク」の名前であり、 10種類の称号が用意されていた。エンディング後のバトルに勝利すると「エクセレント」というランクになった」 ということぐらいです。

後に登場した「トレーナーカード」は殿堂入りをしたり図鑑を完成させたりすることによって 「ブロンズカード」や「シルバーカード」、「ゴールドカード」などにランクが上がるものですが、 それは初代で密かに没になっていた「ブロンズ」などの「トレーナーランク」がリサイクルされ、 ついに実装されたものだったのかもしれません…。

2022年5月17日


◆目次に戻る◆






inserted by FC2 system