◆「ひみつのコハク」と「つばさのカセキ」◆
初代のカセキポケモン「プテラ」と、 それを復元するためのアイテム「ひみつのコハク」の謎に迫ります。変な方向から迫ります。



「初代ポケモンの開発中のアイテム名」のページで 初登場した、「かいのカセキ」と「こうらのカセキ」の仲間のカセキアイテム「つばさのカセキ」。

それがプテラのカセキであることは確定的に明らかだったわけですが、 しかし「つばさのカセキ」というアイテムが存在していた時期に、 製品版でプテラを復元するために必要なアイテム「ひみつのコハク」も存在しているという謎もありました。

初めてβ版赤緑のアイテム名について情報をくださったBlackmushさんは、 「つばさのカセキ」と「ひみつのコハク」の関係について、このようにコメントをくれていました。

プテラを対象としたと思われる未使用の「翼の化石」というアイテムがあることも注目に値します。 一部の匿名者は、開発チームが「ジュラシック・パーク」に触発されてアイテムを「琥珀の化石」に切り替え、 最終的にそれを廃棄したと推測しています

これについて話す前に、先日上げた「ベータ版ポケモン赤緑のアイテム名」の動画 に頂いたグラムさんからのコメントも掲載させていただきます。

当時ジュラシック・パークによる恐竜ブームで「琥珀に閉じ込められている古代の蚊から 恐竜のDNAを取り出して現代に恐竜を復元」という技術が有名になっていた時代なので、 「化石から古代のポケモンを復活させるシステムのためにまず最初にコハクが作られた」 →「コハクだと復元先のポケモンが想像しにくいのでコハクは一旦ボツにして○○のカセキ3種が作られ、 対応する3種の古代ポケモンも作られた」→「作ったものの、よく考えると甲羅や貝はともかく翼は化石として残りにくい」 →「つばさのカセキはボツ、プテラはコハクから復元することにした」という流れかなーと想像しました。

…はい。色々とお詫びせねばならないことがある。

恥ずかしながら「ジュラシック・パーク」なるものをまっっっったく知らなかったため、 最初にBlackmushさんから説明を頂いたのにそれについて何も言及ができなかったのでした。 そしてこのたび頂いたグラムさんの説明により、ようやく理解!なるほど!!

「琥珀に閉じ込められている古代の蚊から恐竜のDNAを取り出して現代に恐竜を復元」するという アイデアが映画にあったのか!「ヒミツのコハク」⇒「プテラの復元」というのは明らかにそれがモチーフ! 「ジュラシック・パーク」をご存じの人ならば当たり前田のコラッタなオマージュだったのか…!!

「ジュラシック・パーク」について知っていることって、「ジュラシック・パックン」だけだった…。 (「マリオパーティ」の巨大なパックンフラワーに食べられないように逃げるミニゲーム)

「しー!内緒だけどこのコハク、ポケモンの遺伝子が 残ってると俺はにらんでるんだ!もし生き返らせたらポケモンの一大発見だ! でも、ここの仲間は俺の言うこと信じないんだ。……それで、きみに頼みがある! これをどこかの研究所に持っていって、調べてほしいんだ!」…と言われて 「ひみつのコハク」を預かるわけですが、これも意味が分かってなかった。

なぜプテラの遺伝子が琥珀に残っているのか?ゲームの話ではなくなってしまうが、 「ポケットモンスタースペシャル」で「ひみつのコハク(漫画内では「ひみつのこはく」とひらがな表記だった)」が 登場したので初めて絵で「ひみつのコハク」を見ることになった。

その時に「中に小さな虫みたいなのが入ってる」と言われているのが至極謎だった。 ゲーム内では「ひみつのコハク」の説明文がなく、「ポケモンの遺伝子が残ってる」らしい、「黄金色に透き通った綺麗な琥珀」 ということしかわかりませんでした。

なので、なぜ虫が入っているんだ?と完全に意味不明だった。 ということはプテラは小さな虫なのか?とすら思っていた。マジです。

あれ、蚊だったのか〜…。つまりプテラは蚊に刺されたのか〜…。

ところで「つばさのカセキ」というアイテムはゲーム内には登場しないけど、 それらしきイラストはゲーム内に登場しています。

それは、ニビにある博物館に展示されているプテラのカセキ。 やたら精巧に描かれたドット絵、初代ポケモンの容量はカツカツのはずなのに、 別に来なくてもクリアできる場所でしか表示されないグラフィックに 贅沢に容量を割いているというフシギです。

ついでに展示されているプテラのカセキのそばにいるご老人は 「ありがたや!ありがたや!竜神様の骨を拝めるとは!」と喜んでおられますが、 残念ながらプテラは竜(ドラゴン)ではありません。「いわ・ひこう」です。 まさか元はプテラはドラゴンタイプだった…?だからワタルも使ってくる…?? い、いやいやまさかまさか…。

…ってか、博物館の研究者たちとグレンのラボの研究者たちは連絡を取り合っていないのか? 一般人(りかけいのおとこ)ですら「グレンではカセキを復元する研究をしている」ことを知っているというのに、 なぜそこに展示してあるご立派な竜神様の骨を復元してみようと思わない?

小さな琥珀に入っているさらに小さな虫が吸ったかもしれないさらに微量のプテラの体液から 復元を試みるより、そこにあるデカい骨を使った方がいいんじゃないか…? 万が一、小さな虫がプテラの遺伝子を含んでいなかった場合、小さな虫が復元されるだけになるぞ…。

骨には復元に使える遺伝子も化石化してしまっていて残っていないので使えない… と思いそうになるが、オムナイトとカブトから化石から復元できるのでそんなことはない。 爬虫類と魚介類の違いとかそういった非常に苦しい後付け設定をコテコテしなければいけなくなるだろう。

ついでに言うと、「ひみつのコハク」に含まれていた微量のプテラの遺伝子から レベル30のプテラが1匹まるまる復元できたのだから、 恐らく展示中のプテラのカセキを細切れにすればプテラが大量に復元できるということだよな… うーん、いろいろと問題がありそう…。

…ところで、「ひみつのコハク」や「つばさのカセキ」は最初期からアイテム名が存在しているのに対して ポケモンの内部コードを見てみると プテラはなんと最後から14番目という遅さです。 ポケモンは151匹いるのに、作られた(データが入れられた)のは最後の最後。

もしかしたら、「ひみつのコハク」はおろか「つばさのカセキ」ですら、 プテラを復元させるアイテムではなかった可能性もあるのかもしれない…?

などと、風呂敷を広げていたらこんがらがってまいりましたのでこれ以上面積を大きくしないでおこうと思います。 同時期に存在していた「ひみつのコハク」と「つばさのカセキ」。しかしそれと同時期には プテラは存在していなかったかもしれない。

「琥珀」に「ポケモンの遺伝子が残っている」、それを復元すると「恐竜」に似た姿のポケモンになる、 というのは「ジュラシック・パーク」が元ネタである。自分は全く知らなかったが、 もしかしたら他にも知らなかった方がおられるかもしれないのでここに書き記しておくのであった。 みんな知ってるよなあ…。

最後に、ちゃんと言ったことはなかったのでここであえて。

これはさっきも掲載した、博物館で調べると表示されるプテラのカセキ。 ここまで綺麗な化石が発掘されるなんてなんとも素晴らしいことです。 きっと支柱などを駆使して翼を広げた状態で展示しているのでしょう。

そしてこちらは青やピカ版におけるプテラのカセキ。 そう、わざわざグラフィックが変更されているのです。 クリアに必須ではないこの施設の、1マスを調べた時にしか出ないこの画像に なんとも力が入れられています。

もしかしたらそれだけ製作者様にとっても「ひみつのコハク」のイベントは思い入れのあるモノなのかもしれない…。

ちなみに、よく見ると赤緑と青ピカ版のプテラのカセキ、ポーズは違いますが顔のパーツは共通です。 重ねてみたらほとんど一致、影や口が数ドット違って青の方が耳が少しだけ長くなっています。 顔を切り取り移動してそれからも顔に修正を加えるという仕事の丁寧さ。プテラ、お前は大事にされているんだなあ…!

だが、幼少期に友人宅で読んだ攻略本の最下段のコラムに 「プテラは使えない。」と一言だけ書いてあったのを俺は忘れていない… なんたる屈辱!四天王の手持ちポケモンだというのに!プテラ、いわなだれ!!なに、覚えない!? 根性で繰り出せ!あとそこのヤドラン、お前もソニックブームだ!!

2022年4月18日


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