2020年7月のプレミアムラジオPart.2で話した「リザードンが「そらをとぶ」を覚えない理由」について、 ふみかさんからリザードンなどのそらをとぶができないひこうタイプ(おそらくとりではなかった現ひこうタイプ)に じめんわざをうつと「こうかはない」ではなく「はずれた」になるのもその名残なのでしょうか。…という一言を頂き、ついつい検証してしまいました。

ポケモンのタイプの「相性」によって、技の威力や効果は変わります。さらに表示されるメッセージやHITしたときの音も変わります。

効果が普通(1倍)だった場合は、「バシッ」という音。 効果がいまひとつ(半減)のときは「ゴッ」という鈍い音。効果抜群(2倍)だった場合は「ドガシャーン」という景気のいい音です。

1倍のメッセージはナシ、半減は「効果はいまひとつのようだ」、2倍は「効果は抜群だ!」、そして相性が最悪でダメージがなかった場合、 「効果がないみたいだ…」とテンション激下がりな一言が出ます。

頂いた情報によると、「リザードンに「じめん」タイプの技を撃つと「効果がない」ではなく「外れた!」となる」とのこと。マジですか。 確かに今まで普通にポケモンで遊んでいて、タイプ相性とHIT音、メッセージがおかしいなと思うことはあった。

例えばサンダー(でんき・ひこう)に「10まんボルト」を撃てば、でんき⇒でんきは半減、でんき⇒ひこうは2倍なので2分の1を2倍すれば1倍、 本来なら何のメッセージも出ずに「バシッ」と音がして1倍ダメージ、というのが正しいはず。 しかし実際にやると「ガッシャーン」と抜群音に「効果は抜群だ!」というメッセージが出ます。(ただし威力は1倍になっている)

一時コレについて検証したことがあり、他のタイプでも起こるし法則性もめっかったはめっかったんだけど 結局ページにはしませんでした。で、今回は「ひこう」にのみ焦点を当ててしまいます。

さて改めて確認してみると、初代の「ひこう」タイプを持つポケモンは19種類。「ひこう」だけのポケモンは存在しません。 内訳はポッポ(+ピジョン、ピジョット)、オニスズメ(+オニドリル)、バタフリー、ドードー(+ドードリオ)、 リザードン、ズバット(+ゴルバット)、カモネギ、プテラ、ギャラドス、ストライク、サンダー、ファイヤー、フリーザー、カイリューです。

この中で「そらをとぶ」を覚えないのは、リザードン、ギャラドス、ストライク、カイリュー、ズバット、ゴルバット、バタフリー。 ギャラドスが覚えない理由はまあ翼がないし、空を飛びそうもないし、乗ったら「まんが日本昔ばなし」みたいになりそうだし、 まあ妥当という感じがします。

バタフリーとズバットは力不足にしてもゴルバットが覚えないのはちょっと不思議か。ポッポに乗れるならゴルバットなら余裕 だと思う我々の感覚はきっと正常です。「ひんし」のオニスズメ(高さ0.3m。ピカチュウより小さい)の背に乗って、 セキエイからセキチクまで飛んだりするんだぜ…?

ストライクに乗れないのもまあ、分かる気はします。彼は鳥ではないし、図鑑説明を見る限りでは 飛ぶのは非常に貴重なシーンなようなので、人を乗せて飛ぶようなイメージはありません。

だが、カイリューとリザードンが「そらをとぶ」を覚えないのはやはり不思議。カイリューは翼は小さいけど非常に早く飛べるポケモンだし、 リザードンはピカ版で覚えるように「修正」されているぐらいだから、覚えない設定だったこと自体が不思議です。

ただ「不思議」や「不自然」だというところは「考察」になってしまうので多くを語らないでおくとして、 攻略ページでは「検証」によって判明した「事実」のみを書いておくことにします。 ただし、ベータ版や開発中の資料で判明したデータを踏まえてはいます。

さて、そろそろちゃんと検証しましょう。「リザードン」に「じしん」を撃ってみると…。

本来なら「ひこう」タイプに「じめん」タイプの技を撃てば 問答無用で「効果がないみたいだ…」となるはずなのに、「しかし○○の攻撃は外れた!」と出ます。

外れたのならば、いつか当たるときが来るのか?!と希望を持って撃ちまくろうとも、 「外れた!」と出るだけで絶対に当たることはありません。

それでも何とかならないだろうかと、命中率が100%になる「カナラズアタール」を ポケモンに使ってから「じしん」を使ってみても、結果は同じ。「はさみギロチン」ですら100%当たる状態に できるアイテムを使おうとも、「外れた!」という表示が出るだけで当たることはありませんでした。

同じ「ほのお・ひこう」タイプであるファイヤーでも同じで、「外れた!」と出て「効果がないみたいだ…」の表記にはなりませんでした。 「むし・ひこう」のストライクやバタフリー、「どく・ひこう」のズバットやゴルバットでも同じ。ついでに先ほども出てきた 「でんき・ひこう」のサンダーでも、「はずれた!」と出ます。

しかし「こおり・ひこう」のフリーザーに「じしん」を撃つと、 「効果がないみたいだ…」という表示になりました。ファイヤー、サンダーは「外れた!」だったのに、 この違いは一体なんなんだ…!?

さらに「みず・ひこう」のギャラドスも、「ドラゴン・ひこう」のカイリューも「効果がないみたいだ…」という正しい表示が出ました。

そして今出てきたポケモン以外の「ひこう」タイプを持つポケモン全ては「効果がないみたいだ…」となります。 つまり、ポッポ、オニスズメ、カモネギ、ドードーとその進化系たち。

で、これが検証しながら書いていた表です。


うーん、分かりづらい。内部番号でソートするからこうなるんだ…。

さて、「1倍」や「抜群」と書いてある行は「飛行ではない方のタイプと地面タイプの相性」です。 それを書いてみてやっと分かりました。

「効果がないみたいだ…」と出るのは「もう一つのタイプが地面タイプに対して1倍のとき」であり、 「もう一つのタイプが地面タイプに半減or抜群のとき」に「外れた!」となる、ということです。

例えば「じめん」タイプの技を「みず」タイプのポケモンに撃つと効果は1倍。 そして「じめん」タイプの技は「ひこう」タイプのポケモンに効果はない。すると「効果がないみたいだ…」となる。

「じめん」タイプの技を「ほのお」タイプのポケモンに撃つと効果は2倍。 そして「じめん」タイプの技は「ひこう」タイプのポケモンに効果はない。すると「外れた!」となる。

そういや昔の実況プレイで一度も「すなかけ」を食らっていないポケモンが イワークに「どくばり」を撃っても撃っても一度も当たらず、「外れた!」としか出ない現象が起こった記憶があります。

これはダメージが0だったから「外れた!」と出ているだけだったんだろうと思います。

「じめん」タイプの技を「ひこう」タイプに撃つと「効果がないみたいだ…」のメッセージが出ることとダメージが0になることが確定するけど、 もう片方のタイプとの相性により「抜群だ!」or「いまひとつのようだ」のメッセージが出ることが優先される。

だがメッセージ表示の分岐の最後の砦である「ダメージ0=外れた!」により、「外れた!」と出る… ということが起こっているのではないか?と思ったのでした。検証結果からの推察であり、 なんか難しいデータを見て判明したことではないのでお気をつけ下さい。

そしてここからは蛇足の考察。 さっきのっけた表を「そらをとぶ」を覚えるポケモンをピックアップする感じにソートすると…。

こうなります。見事に「ノーマル・ひこう」が皆勤賞です。 没タイプである「とり」タイプは「ひこう」よりも番号が後ですが、もしかしたら「ノーマル・ひこう」のポケモンは 元は「とり・ひこう」タイプであり、「そらをとぶ」を使えるのは「とり」タイプであることが条件だったのでは…と、 勝手に思っています。

だからドードーなんて翼のないポケモンが「そらをとぶ」を覚えるのに翼がバッチリあるリザードンが 覚えなかったんじゃないだろうか。内部番号順では伝説の鳥ポケモンはしっかり固まっているので、 それらができた頃に「とり」タイプは没になったのかもしれない…? (ファイヤーなんかは見た目タイプの炎、属性的に飛行、そして鳥ポケモンだから鳥…と、 タイプが3つになってしまうので「とり」タイプを廃するのが都合が良さそう)

…じゃあ、内部番号ABのプテラが「そらをとぶ」を覚えるのにそれより後のB4リザードンが覚えないのはなぜ? となると…やはり、ピカ版で「修正」されているのだからミス…いや、いやいや、そんなまさか…。

なんにしても「そらをとぶ」を使える条件は「ひこう」ではなく「とり」の方だったんじゃないだろうか、 という蛇の足な考察でした。

攻略ページにおける中途半端な考察はさておき、真実はいつも一つ。 「ひこう」を持つポケモンのもう一つのタイプとの相性に優劣があった場合、 「効果がないみたいだ…」と出るはずが「外れた!」という表記になってしまう、ということが分かったのでした。

ちなみにあと5パターンある「効果がないみたいだ…」の表示である「ゴースト⇒ノーマル」、「ノーマル⇒ゴースト」、 「かくとう⇒ゴースト」、「でんき⇒じめん」、そして初代のミスっぽい「ゴースト⇒エスパー」はどれもメッセージの優先順位が 「効果がないみたいだ…」の方が後に来る(=優劣メッセージの後に効果ないメッセージの判定が来て上書きされる)上に ゴーストタイプのポケモンの複合タイプは「ゴースト・どく」しかいないのでどれも正しい表記になります。

もしも「ゴースト⇒こおり」が効果いまひとつで「ゴースト⇒エスパー」のメッセージの方が後だった場合は、 ルージュラに「したでなめる」をしたら「外れた!」という表示になったはずです。うーん、わかりづらい。 「じめん」との複合も「いわ」か「どく」しかなく、その二つのタイプと「でんき」とのタイプ優劣は1倍しかないのでメッセージは「効果がないようだ…」しか出ません。

…という、タイプ優劣のメッセージの話+「とりタイプ」や「そらをとぶ」の話でした。 「ヨクアタール」を使っても外れるメッセージが出るというのにはビックリだった…!

◆全然見なくていいおまけコーナー◆

リザードンの話のついで。もはや攻略ではありません。リザードンが「そらをとぶ」を覚えない理由…それを、逆に考えてみました。 つまり「覚えるはずだったのに覚えない」のではく、「使えそうもなかったから覚えなかった」としたら?

そう…リザードンにはあの立派な翼があるけど、技の設定がなされたときに「とり」タイプなど全く関係なく、 リザードンには翼がなかったと考えれば納得がいくのではないだろうか!?

こちら、リザードンの画像です。ポケモンの画像は真四角に収まるように描かれており、 つまりは「制約」がある中で必要な情報を詰め込み、表現がされているのです。素晴らしいですね。 このリザードンの絵も非常に迫力があり、非常に勇ましくキッズの心をわしづかみです。

だが失礼ながら、しっぽに着目してみましょう。なんか妙に急に細くなっている感がないでしょうか?

その「真四角」の制約にきっちりと収まるように、尻尾が直線を描いています。もしも、この尻尾が一度描き直されたものだとしたら。 尻尾を縦に伸ばさなければいけなかった理由とは。尻尾があった部分に、何かが描き足された?背中の部分に何かが…ハッ!

そう思って、翼を消して尻尾を背の方へ曲げてみました。 ヒトカゲやリザードのようなスッキリとしたシルエットになりましたがカッコわりい。

下半身のどっしりした感じが、背中に空間ができるだけでこんなにも威厳を失うとは…。

ところでリザードンの口元には炎があります。灼熱の火炎を口から吐けるポケモンなので、火を吐いている画像にするのは至極当然。 だが、この炎…よくみると「吐いている」というにしては方向がおかしくないか?ここには元々何かがあった?リザードンの背後に何かが…ハッ!!

そう思って、翼を消した後に尻尾を曲げて口の前に持ってきて 尻尾の先の炎としてリサイクルしてみました。だからカッコわりーよ。 無理矢理感がすげーよ。

背後に空間があるだけで、こんなにも最終進化系としての風格を失うとは…。

…と、いう風にリザードンの尻尾の角度からしょーもないことを考えてしまったのでした。 「リザードンに元々翼がなかったのなら「そらをとぶ」を覚えなかったのも納得」という説ですが、 パッケージを飾る主人公ポケモンがそんなにデザインをコロコロ変えている暇はなかったはず。つーわけで聞き流しましょう。

久々にドット絵が描きたくなっただけともいいます。
2020年7月4日


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