◆◇タマゴのパラメータの乱数調整 その1◇◆
このページは2013年に書かれ、2016年9月に簡潔に書き直されました

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このページでは「ハートゴールド・ソウルシルバーのタマゴの孵化の乱数調整」だけの説明をします。 「厳選」よりも時間短縮はできますが、ゲームで普段はランダムで起こることを「調整」してその結果を得るというのが「乱数調整」です。

ゲームで起こるランダムは多種多様、その途方もない数の中のひとつの結果を得ようとするため、 やはり仕組みは少しややこしいし、100%成功するわけではなく、練習して成功率を上げるものです。 いきなり原理を全部説明するよりも、1回成功させてみてからアレンジする方が分かりやすいです。 なので、まずは「個体値が高いオオタチ」でも手に入れてみましょう。

性格は「いじっぱり」、性別は「♂」で、「とくこう」以外のパラメータが全部31。 つまり「いじっぱりで5Vのオオタチ♂」を乱数調整して出す手順から説明します。まずはやり方に慣れるのが大事です。



◆用意するもの◆

・ハートゴールドorソウルシルバーとDS(DSかDSLiteでやりましょう)

・PHSという「おひるごはんさん」が作った素晴らしき乱数調整補助ツール。 こちらからダウンロードできます。

・0.00秒まで計れるストップウォッチと、0.03秒まで正確にボタンを押せる力

・ジョウトとカントーを駆け回っているポケモン複数匹(なくてもできなくはないが、確認が面倒)

これだけです。慣れればどんどん成功率は上がるのでただの時計の秒針でもいいです。PHSは解凍して、jarファイルを起動させてください。 ちなみに自分がやったとき、jarファイルが開けなかったのでJAVAソフトを入れ直したら動きました。

ここからが実際の手順です。まずは1回乱数調整を成功させるため、これと同じことをして下さい。

育て屋さんに行って、オタチのタマゴを作ります。まずは確実にやるために両親合わせて必要なパラメータが2V以上にしましょう。 例えば♂が「こうげき」がV、♀は「すばやさ」がVのようにかぶらないように。♂は「ぼうぎょ」と「とくぼう」がV、♀はVはない、というパターンでもOK。 今回Vが必要ない「とくこう」以外のパラメータで、2V以上になる両親を預けます。

今回はHPがVのメタモンと、「こうげき」がVのオタチをあずけました。 「いじっぱり」のタマゴになるようにオタチは「いじっぱり」な性格で、「かわらずのいし」を持たせました。 「パワーアンクル」のような、遺伝アイテムは親に持たせてはいけません。

親を預けたら「タマゴができた」という電話がかかってくるまで駆け回り、タマゴができたら受け取る前におじいさんのすぐ隣でレポートを書きます。 次にタマゴを受け取り、その卵を孵して性格と性別を見ます。今回の目標である「♂」で「いじっぱり」だったらリセットします。 上の画像が生まれたオタチです。

「タマゴができた」時点で決まるのは性別と性格だけで、まだパラメータは決まっていません。パラメータは「タマゴを受け取った」時点で決まるからです。 「いじっぱり」で「♂」のオタチのタマゴができたのはもう確定なので、受け取る前に戻ってこれからそのタマゴのパラメータを決定します。

さっきダウンロードしたPHSを起動すると、こんな画面になります。 上にいくつかタブがありますが、使うのは「条件から検索」、「初期seedを検索」「seed調整」の3つだけです。 まず「伝説(シンクロ不可)」というリストボックスがありますが、そこから「孵化」を選びます。

すると、こんな小さいウィンドウが出てきます。 「前親」というのがありますが、これは「先に育て屋さんに預けた方の親」という意味。

重要なので間違えないように、前親が♀後親は♂と決めておきましょう(メタモンとの組み合わせでも)。

ここに数値を入れるわけですがVの部分だけ書けばOKです。それ以外は遺伝させないので0のままでOK。 今回は前親(メタモン)がHPがVなのでHPに「31」、後親(オタチ)が攻撃がVなので攻撃に「31」と入力。 (これに入力する前にウィンドウを閉じてしまった場合は、「サブパネル表示」を選べば出てきます)

次に「条件から検索」でタマゴのパラメータを決めます。 「とくこう」以外のパラメータがV(31)であってほしいので、それぞれのパラメータは「31〜31」のままにします。 ただし「とくこう」はVじゃなくていいので、「特攻を無視」にチェックを入れます。

他にも色々項目がありますが今回は触らず、目標の「いじっぱり5Vのオタチ♂」に必要な設定だけにしましょう。 各項目は本当にそのままの意味なので、後々こだわる場合は活用しましょう。 まずは1回乱数調整を成功させるため、同じことをしてください。

「3〜3だけ前のseedを出力」とありますが、 これは駆け回っているライコウ、エンテイ、ラティアスorラティオスによります。 自分はライコウは捕まえてしまっていたのでエンテイ、ラティアスの2匹だけが駆け回っている状態です。 ここには「駆け回るポケモンの数+1」の数字を入れます。 エンテイ、ラティアスの2匹なので2匹+1=3、「3〜3だけ前のseedを出力」と入れます。

その下に「450〜1000Fで出てくるポケモンを表示」とありますが、あんまり小さいと大変なこともあります。 今回は「450」を「500」にしたので、初めてやる人は画像と同じ「500」にしちゃいましょう。 両親のV、「特攻を無視」にチェック、3〜3だけ前のseedを出力、これだけ入力したら「実行」を押します。

すると右側に結果がリストとして表示されます。今回は両親合わせて2Vしかなかったため、 候補が一つしか出てきませんでした。 「1匹目」というのは、条件に合う個体値のポケモンの候補の見つかった順で1匹目ということです。

今回はこの条件では1匹しか出てきませんでしたが、2匹目、3匹目、と連なって出てくるものです。 個体値の赤い数字が前親から遺伝したパラメータ、青は後親から遺伝したパラメータです。 この場合はHPと特攻を前親(メタモン)から遺伝し、攻撃を後親(オタチ♂)から遺伝したパターン。

「めざパ:電59」とありますがこの個体値で「めざめるパワーは電気タイプで威力は59」ということです。 メタモンの特攻が遺伝し、そこが入力しなかったので0として計算されているので実際は違います。 4行目に「初期seed:5c0f022f」という暗号のような文字が並んでいますが、これが今回狙う乱数の名前です。 数値を細かく解析したりするわけではなく、「文字列」として扱うだけなので難しくありません。

次に「月×日+分+秒:92 or 348」書いてありますが、これが「5c0f022f」を出すための条件その1です。 つまりこの式の通りの数値を得られるようにDSの日時を設定するということであり、 「92 or 348」とあるのはそのどっちでもいいということです。今回は「348」を使用。

月×日+分+秒で348になるような計算式は色々なパターンが考えられますが、 今回は「12月24日」と「30分30秒」にしました。 12×24=288で、30+30=60。 288+60=348です。 「時:15」というのはそのまんま「15時」ということです。 なので「5c0f022f」を出すためのDSの設定日時は「12月24日の15時30分30秒」ということになりました。

次に「フレーム+年-2000:559」とありますが、これは電源を入れて「ハートゴールド」を選んで、 「つづきから始める」を選ぶまでに「待つ時間(フレーム数)」のことです。 この式によって「待つべきフレーム数」を得ます。「年」は自分で好きに決められるので今回は「2007年」にします。

するとフレームをxとしてx+2007-2000=559となり、x=552で「552フレーム」という数値が出ました。 だが559フレームと言ってもどれぐらいかピンとこないので、役立つのが「フレームと時間の計算機」。

PHSの右下にフレーム数を入れて「F→時」を押すと、552フレームは9.20秒です、という計算をしてくれます。 これで「ハートゴールド」を押してから「つづきから始める」を押すまでに9.20秒待てばいい、ということが分かりました。

「seedを3個消費して出るff9b47d0を狙う」は気にしなくてOK。 つまりこの両親で5Vのタマゴを孵すための条件は、

「DSを起動して「ポケットモンスターハートゴールド」を選んでから 「つづきからはじめる」を押すまでに9.20秒経過させる」こと。 「2007年12月24日15時30分30秒に「つづきからはじめる」」ということ、この二つだけです。 これをやればどのハートゴールド(ソウルシルバー)でも必ず5Vのオタチのタマゴを受け取れます。

さて、この二つの条件を満たす為にもう一つ計算しないといけないことがあります。 「つづきからはじめる」時間は決まりましたが、「ハートゴールドを選択するべき時間」を求めます。

2007年12月24日15時30分30秒から9.20秒を引いて、 2007年12月24日15時30分20.80秒・・・と行きたいところなのですが・・・。 ここが、乱数調整一つ目の関門です。1回成功すればあとはラクなのでくじけず参りましょう。

「ハートゴールド」を選んだ後、画面が真っ白にフェードアウトします。その後しばらく白い画面が続き、 「ボーン」という鐘の音と共に画面が真っ暗になり、白い文字が出てきてホウオウが表示され、 ボタンを押せるようになります。1回ボタンを押したら「つづきからはじめる」などを選ぶ画面に行きます。

この間に9.20秒が経過すればいいのですが、 「画面が真っ白にフェードアウトします。その後しばらく白い画面が続き」の時は時間が経過していないのです。 白い画面の間は、フレームが経過していません。この白画面の時間はカウントしてはいけないのです。 それは面倒なので、白画面の時間を9.20秒にプラスする必要があります。この時間を白時間と略します。

白時間は、なんと、その人の環境によってちょっと違うのです。 これが「同じことをして」と言いたいところなんですが人によって違うので説明がややこしいところ・・・!

自分は白時間を何度もストップウォッチで計って平均値を出し、5.80としました。 「START+SELECT+L+R」を同時押しした瞬間にソフトリセットがかかり、画面が真っ白になります。 ソフトリセット直後が白時間開始の瞬間なので、そうやって何度も計測してみましょう。

でも0.1秒ぐらいの精度で測れればOKです。 実は自分の白時間は平均値だと厳密に言うと5.84だったのですが、5.80ということにしています。 一度「この時間」と決めてしまって、あまりにも本当の白時間と違いすぎていなければ大丈夫。

「ハートゴールド」を選ぶ時間を今度は本当に正確に決定します。流れで行くと、 ハートゴールドを選択⇒白時間(5.80秒)⇒9.20秒⇒「つづきからはじめる」。 この「つづきからはじめる」を押す時間が「2007年12月24日15時30分30秒」ということです。

なので、逆に計算します。 2007年12月24日15時30分30秒から待機時間である9.20秒を引いて2007年12月24日15時30分20.80秒。 2007年12月24日15時30分20.80秒にハートゴールドを選んでも白時間は時間が進んでいないので、この時間も待つ。 自分の白時間は5.80なので、それを引くと2007年12月24日15時30分15.00秒ということになります。

・・・ここでさっきの「フレーム+年-2000:559」で年を決めるときになぜ2000年にせずに2007年にしたか という話をします。2000年にすれば559フレーム待てばいいのに、なぜ2007年で552フレーム待機にずらしたのか。 それは白時間の「5.80秒」を引いたときに小数点以下が「00」になるような数字にしたかったからです。 ここからはタイミングが命になってくるので、少しでもタイミングがとりやすいようにしたいところ。

もしもこれが「2000年」だったら2007年12月24日15時30分14.88秒にゲームを選択です。とても正確に押せません。 「2015年」だったとしたら2007年12月24日15時30分15.13秒にハートゴールドを選択する必要があります。

なのでタイミングが取りやすい2007年12月24日15時30分15.00秒というキリのいい数値になる「2007年」にしました。 ただしこの数値はその人の白時間によるため、例えば白時間が6.35秒の人には待機フレームが同じく559だとしても、 何年に設定すれば小数点以下が「00」になるかは全く変わってきます。計測した白時間を使って計算しましょう。

さて、白時間を含めた最終的な時間が確定しました。

「DSを起動し、2007年12月24日15時30分15.00秒に「ハートゴールド」を選択する」・ 「白時間の5.80秒が経過し、次に待機フレームである9.20秒(つまり合計で15.00秒)を経過させる」・ 「2007年12月24日15時30分30.00秒に「つづきからはじめる」を選択する」の3手順です。

この動作をしてゲームを再開し、目の前にいるおじいさんにA連打で話しかけてタマゴを受け取ります。 この条件を満たした時に、5Vのオタチのタマゴが受け取れます。 「ハートゴールド」を選択する「2007年12月24日15時30分15.00秒」は 15秒であれば15.20秒でも15.55秒でもよくてつまりは1秒の猶予があるのですが・・・。

「2007年12月24日15時30分30.00秒に「つづきからはじめる」を選択する」ために待つ、 「15.00秒」というのは非常に正確でないといけません。 14.95でもいけないし、15.05秒でもいけない。本当に「15.00秒」でないといけないのです。 まあ0.03秒ぐらいの誤差はあってもいいんですが、みんなならきっと0.00秒の壁を乗り越えられる・・・!

ここから0.00秒を正確に押すことに成功するまで繰り返しの作業になるわけですが、 その手順やその前にやることの説明の、次のページをご覧下さい。

2013年11月14日


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