◆金銀’97のポケモンの「わざ」について・その6◆



前のページの続きで、ついに金銀'97の「わざ」の検証の最後のページです。 さあ、いよいよ最終ページなんだけど、ここからが本番というぐらい超絶重要な技が揃っています。

まずはF5、金銀だと「しんそく」でしたが、金銀'97では「ひっこぬく」という聞いたこともない技です。ピクミン・・・?

その効果も敵を掴んで放り投げて、大ダメージを与えるというもの。な、なんて力強い・・・!! その割りに威力がたったの30しかないのがちょっと気になるが・・・。

バトルで使ってみると、無音で画面が縦に揺れてダメージが少々。大ダメージとは。何かを引っこ抜くようなエフェクトは出てきません。

いい顔がついた野菜も、ストップウォッチも、どせいさんもボム兵もビームソードも出てこないし、ましてや開幕直後に出すと不正扱いされて 24時間ネット対戦ができなくなるということもありません。何の話してるの?(現在はとっくに修正済み)

そしてこの「ひっこぬく」、フィールドで使用可能です。 「えさをまく(あまいかおり)」も「ミルクのみ」も「ずつき」もフィールド技として設定されていないのに、「ひっこぬく」はちゃんと「ポケモン」の項目で表示されるのです。

しかし、使ってみても「ここでは つかえません」と出るのみ。ちなみに「あなをほる」や「テレポート」を使えない状況で使おうとすると 「ここでは つかえません!」とビックリマークがついたので、同じメッセージが表示されているわけではないようです。

ついでに「テレポート」を町の中で使うと「とびさきが みつかりません」という通常プレイでは見たことのないメッセージが出ました。

さて、この「ひっこぬく」を使える場所は一体どこなのか。なんと「ひっこぬく」は「ひでんマシン01」で覚えることができる秘伝技なので、 ストーリー攻略には必須であり何か障害物を引っこ抜いて取り除くような技だったと考えられます。

さらに「いあいぎり」は金銀'97ではフィールド技に設定されていないので使えず、細い木を切って通ることができないのです。 ・・・となると、「ひっこぬく」は細い木を取り除くための技なのでは?!木を切るのではなく、根こそぎいくのでは?!

・・・と、期待に胸を膨らませて「しずかなおか」の下にある細い木を引っこ抜きに行ったのですが「ここでは使えません」と言われるのみ。 うーむ、どこでなにを「ひっこぬく」というんだ・・・。

さて、こんな情報をいただいていました。

「ひっこぬく」は静岡周辺の草むらやいあいぎりの木には使えませんが、 他の町や道路にある「何故か当たり判定のある草むら」や「アンノーンの遺跡の右などにあるいあいぎりの木」には使えます。マップチップが変更されたのでしょう

情報どうもありがとうございます。なかなかすぐに検証が始められなくて申し訳ありませんでした・・・って、なにぃっ!!ちゃんと使える場所がある・・・!? 早速、他の町や道路にある「なぜか当たり判定のある草むら」を探してみました。すると、発見。

ここは「オールドシティ」の西にある道路。草むらがたくさんあります。 この草むら、当たり判定があって壁と同じです。看板があるので、道路の名前か西にある町の名前か、もしくはここが通れない理由が書いてあったのかもしれません。

ではここで「ひっこぬく」を使ってみると・・・!

○○は くさかりを つかった!と出て、草が消えました。「ひっこぬく」は?? 初代のように草が刈られるアニメーションはなく、ただパッと草が消えるのみです。

草が刈られたあとはこんな地面の色になり、自由に歩けるようになります。 いや、「ひっこぬく」は??

そう、なぜかフィールドで使うと「くさかり」という技名が表示されてしまうのです。元は「くさかり」という名前だったのを「ひっこぬく」にしたのか、その逆だったのか・・・。 「ひっこぬく」という技を覚えそうなのは、手があって力強そうなポケモンというイメージがあります。ニョロボンとかゴーリキーとかが覚えそうです。

そういえば没テキストの中にも「ぼく、鳥ポケモンに乗って飛んでいる最中、言うことを聞かなくなってぼくをこの中に落としてしまったんだ。 「ひっこぬく」を覚えているポケモンがいなくてずーっと困っていたんだ!」というセリフがありましたが、これは「くさかり」が「ひっこぬく」になってから作られたイベントのテキストっぽいです。

穴に落ちている人を「ひっこぬく」で助けたっぽいけど、それだと草を刈る技とはちょっとイメージが違うな・・・両立させるのは難しそうです。うーん、ホント大変そう・・・・・・。

さらに教えていただいた木も刈ってみました。なぜこの木だけ切れるのか・・・。 自分では絶対に気づかなかったことでしょう。情報本当にありがとうございます。

・・・しかし、どうして「いあいぎり」じゃいけなかったんだろうか?「ひでんマシン01」で「いあいぎり」じゃなく「ひっこぬく」を覚えるようにしたならば、 もうタイムカプセルを通して持ってきたポケモン以外は「いあいぎり」を使えるポケモンはいないということになります。

「いあいぎり」ではなく「ひっこぬく」もしくは「くさかり」でストーリーを進めていくようにしたかったということなのか・・・そして結局「いあいぎり」に戻ってきたのか・・・。大変だなあ・・・。

F6は「かぜにのる」という、風と共に敵に体当たり。クリティカルヒットが出やすいという威力40、ひこうタイプ技です。 バトルで使ってもエフェクトは「ひっこぬく」と同じく絵は出ず画面が揺れるだけで小ダメージを与えるのみ。急所に当たりやすいわけでもなかったです。 そしてこの「かぜにのる」もフィールド技であり「ひでんマシン02」で覚えられる技です。

使ってみると「そらをとぶ」です。 初代のように上下キーで場所の選択が送られて一周する、という操作ではなくちゃんと自分で上下左右を押さないといけません。(例えば右上の北海道の位置からさらに上を押しても反応がない)

場所を選ぶと、風に乗っているというかクルクルと回転して浮き上がり、ポケモンセンターなどのワープ地点に着地。テレポートとかに似た挙動ですが、あれよりは少しだけスローモーです。

だが、特に風に乗っている様子もないしフィールドでポケモンのアイコンに主人公が切り替わることもなく、ただのスローモーなテレポートです。 そしてこれも「そらをとぶ」から「かぜにのる」に切り替えたかったからこういう技を作ったということなんだろう・・・わざわざ「そらをとぶ」とは別でこんな技が設定されているのだから・・・。

F7は「みずあそび」という技。後にルビサファで技名だけは復活した・・・ような?使ったことがないのでよく分かりませんがとにかく金銀'97の時点でこの技名は存在していました。 タイプは「みず」で威力は30、そして技の説明文はコメント作成中でした。開発中感がひしひしと感じられます。エフェクトはなく「ひっこぬく」と同じでした。

しかし威力が設定されているということは、攻撃補助の技ではなく通常攻撃の技だったということか・・・威力が低いが、まあ水遊びは本来ダメージなさそうだしな・・・。 たまたま近くにいたイワークに大ダメージという程度だよな・・・。そしてこれもフィールド技であり、ちゃんと「ポケモン」の項目で表示されます。

使ってみると、「なみのり」です。 「○○は○○をのせた!」と出て、ラプラスアイコンになり水のマップを移動できるようになるというまさに「なみのり」です。

なぜ「みずあそび」・・・。「なみのり」のままでいいじゃないか・・・まあ、そういうことになって金銀では「なみのり」に戻されていたわけだが・・・。

タイムカプセルで「なみのり」を覚えたポケモンを送られると困るから?でもバッジがないと使えないようにするとか、 水を渡ってもいいようになったら「なみのり」を解禁するトリガーを用意すればいいだけで、初代から「なみのり」を覚えたポケモンがやってきても別に問題はなさそう。 それとも「みずあそび」というモノに、もっと深い何かがストーリー上かかわる予定だったんだろうか・・・。

ちなみに「みずあそび」中に陸に向かって「みずあそび」を選ぶと「みずあそび」を終えて1歩進むということはなく「ここでは乗ることができません」と言われました。もう乗っております。 そしてということは、「みずあそび」中に海に向かって「みずあそび」を選ぶと「○○は○○をのせた!」と出てまた1歩前進するのみでした。開発中だからそういうものです。

F8は「てつわん」という技。「ひでんマシン04」で覚えられる「かいりき」ポジションの技です。 タイプはメタル、威力は30、太い腕で敵を攻撃。攻撃が上がることがあるという技で「コメント作成中」ではなく少し進んで完成してそうな感じです。

バトルで使ってみると、ちゃんと金属っぽく硬くなった後相手にパンチをお見舞いするというエフェクトで、これは完璧な感じでした。 「ほのおのパンチ」の系統っぽく「メタルパンチ」って感じ?いや後の「コメットパンチ」・・・?!

使おうとすると開発中です。今は使えませんと出て使えませんでした。 マップ上に動かせそうなオブジェクトがなかったのであちこちで試すことはしていませんが、このメッセージが出るってことはフィールド上での効果自体を設定していなさそうです。

「かいりき」ではなく「てつわん」というメタルタイプの技が活躍するというのはイイ感じだったかもしれません。

・・・しかし金銀では「かいりき」に戻り、「てつわん」という技は影も形もなくなったのであった・・・名前とタイプの一致っぷりがステキだったので没になっちゃって残念です。

F9は「ひかりゴケ」という「ひでんマシン05」で覚えられる「フラッシュ」ポジションの技です。 説明文は辺りを明るくして、技の命中率を上げるという「くさ」タイプの技でした。

フラッシュは相手の命中率を下げる技だったが、「ひかりゴケ」はその逆らしい。だがバトルで使ってみると相手の命中率を下げました。まだ効果は設定されていなかったようです。 そしてフィールドで使おうとしても「てつわん」と同じく「開発中です。今は使えません」と言われるのみでした。

FAは「うずしお」。金銀でも登場した秘伝技です。やっと金銀でも続投している技が来た・・・!! 金銀ではPPが15でタイプは「みず」、威力は15の「2-5ターンの間、敵を渦の中心に閉じ込める」という技でした。 金銀'97ではPPは10、タイプは「みず」、威力は30で技の説明文は同じ。ちゃんとフィールドで使える技として設定されています。

こんなにうずしおっている場所があるので金銀'97でもこれを何とかする技だったのでしょう。 しかし残念ながら「開発中です」と出るだけで、この渦の前で使っても何も起こりません。

ところでこの大量の渦、マップ画面だけが見られていた時代には金銀の渦と同く2コマでくるくる動いていると思っていたんだけど、 この渦は不動。こういうものが配置されているだけで渦を巻いている様子はありませんでした。なのでこの渦たちも開発中という感じです。

FBは「とびはねる」。金銀では「ふくろだたき」になっていましたが、「とびはねる」っていう技は後に「1ターン目で跳びあがり、2ターン目で攻撃、 3割の確率でまひさせる」という効果で登場しました。なんと金銀'97の時点で「とびはねる」は存在していたとは・・・!

その効果ははねるだけで、何も起こらない・・・って、「はねる」じゃないか!! なんと「はねる」と全く同じ説明文で、威力がないというところも同じ。だが「はねる」はノーマルタイプなのに対し「とびはねる」は「みず」タイプです。だからわざわざ別の技として作られたということ・・・?

実際に使ってみると「ひっこぬく」と同じ画面が揺れるだけのエフェクトで、ダメージは入らないので効果としては「はねる」と同じです。

FC以降は金銀'97も金銀も技のデータは入っていないので実質「ふくろだたき」と「とびはねる」が最後の技になります。「ひでんマシン07」で覚えられるので、 「とびはねる」がストーリー上、ゲーム攻略上必要になる場面があったということなんだろうが・・・どっちにしてもはねるだけで何も起こらない技を主力メンバーに覚えさせるのはきついです。

「ひでんマシン07」は金銀では「たきのぼり」になっているが、まさか滝をのぼるための技だった・・・とか?それとも「とびはねる」ことにより崖を上る、とか?なんにしても高い場所に上れるようになりそうです。



これにて金銀'97の個々の「わざ」の検証は終了です。 ポケモンの「わざ」に応じてストーリーと秘伝技の解放、マップを作って通れない場所を決める、など色々兼ね合いがあって本当に大変そうです。想像するだけで目が回ります。

金銀と同じものもあれば変更されているものもあり、開発中はこんなんなんだなということが知れて、またひとつ幸せになった。 ちなみにきょうのあなたの運せいは、大キョウ! です。

それたまに言うけど、みんなが知ってると思うんじゃないよ。
2018年9月28日


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