◆金銀’97のポケモンの「わざ」について・その5◆



前のページからまだまだ続く、金銀'97の技の検証。そろそろ終盤です。

DC〜DFの「いたみわけ」「せいなるほのお」「マグニチュード」「ばくれつパンチ」は金銀とほぼ同じ。 エフェクトはマグニチュードが結構画面が点滅してビックリしたので、金銀ではマイルドになったようです。 ただ「せいなるほのお」は追加効果が「やけど」ではなく「ひるませる」という説明になっていました。 金銀では威力は100でPPは5だが金銀'97では威力は80で、PPは10。ほのおタイプの技なのに「ひるみ」だけなのか・・・。

E0は「メガホーン」。金銀では「かたいツノをものすごい勢いで突き出して攻撃」という、威力120の「むし」タイプの技でした。

金銀'97ではすごい音で敵の気を散らせて、特殊攻撃を下げさせる・・・って、全然違う。 タイプもノーマルだし、ツノ要素がどこにもない。すごい音という辺り「メガホン」的なものでありホーンはツノのことではないようです。

すごい音を出すってことは後のハイパーボイスか、気を散らすということは後の「さわぐ」か・・・と思いきや、特殊攻撃を下げるだけ。 音の攻撃というとダメージデカそうですが、直接攻撃をするわけではない。

実際に使ってみると、星のカービィの「マイク」の1つ目のメガホンみたいなのを出して、サント・アンヌ号が出航するときの「ボーボー」という音が鳴って、 本当に特殊攻撃を1段階下げました。ちゃんと技として完成しています。ボーボーが覚える技だが、相応しい感じです。ボーボ〜

E1の「りゅうのいぶき」とE2の「バトンタッチ」は金銀とほぼ同じ。E3の「アンコール」は金銀ではアンコールは「2-6ターン」とあるのに対して金銀'97では「2-5ターン」という説明文になっていました。

そして使ってみると、効果が終わるときこっちがアンコールしたのにこっちのアンコール状態が解けます。 ポケモンを交代すると、例えばバリリーナがアンコールして次のターンでノロワラと交代すると「ノロワラのアンコール状態が解けた!」と出ます。

アンコール状態の敵もちょっとおかしいことがあり、「さいみんじゅつ」のエフェクトで「○○のさいみんじゅつ!」とメッセージも出ているのに 「たいあたり」の効果でダメージを食らうなんてことも起こりました。

他にも、技がひとつしかないポケモンに「かなしばり」をしてからアンコールをすると、その一つしかない技を出したメッセージが出るけど 実質「わるあがき」を出していて反動ダメージを受け、アンコール状態で「かなしばり」が解けたあとも「わるあがき」を出し続けました。

逆にアンコールをしてから「かなしばり」をすると、「○○が出せない!」と出るだけで「わるあがき」は出しませんでした。 あとは途中で「かなしばり」が解けても「わるあがき」を出し続けたり、アンコールと「かなしばり」が同時に解けたターンはまだ「わるあがき」を出してきたりと、 技の設定ってなんて大変なんだとしみじみ思ってしまいました。

E4は「おいうち」で、金銀では「相手が交換するときに使うと大ダメージを与える」という、あくタイプの威力は40の技でした。

金銀'97では敵が逃げるときに使うと大ダメージを与えることができるというもの。 金銀'97の「まきびし」も「敵が逃げるときに」という表現がありましたが、あっちはそういう説明文というだけでちゃんと交代して出てきたポケモンにダメージが入るという金銀の「まきびし」と同じ効果の技でした。

というわけで、この金銀'97の「おいうち」もきっと同じように実際の金銀と同じ「おいうち」の挙動なのでしょう。

・・・と、思ったら使っても何も起こりませんでした。えっ?

金銀の「おいうち」は、敵が逃げるときというかこちらが「にげる」を選択したときに野生のポケモンが「おいうち」を使っていた場合ダメージを受けたり、 トレーナーがポケモンを引っ込めるときにダメージが増えたり、という技であり、そういったシチュエーションでなくても通常攻撃としてもダメージは入るという効果でした。

だが、金銀'97では、本当に何も起こらない。メッセージすら出ない。「おいうち」を選んだら相手から攻撃を受けてターン終了。「1回休み」です。「パス」のようなものです。 技が出ている扱いにすらなっていないようで「アンコール」も効かない。というかPPも減らない。まだ技として設定されていない、いかにも開発中という感じの技でした。

E5は「こうそくスピン」。説明文や威力は同じですが、「やどりぎのタネ」を吹き飛ばすという効果はまだ金銀'97ではありませんでした。

E6は金銀では「あまいかおり」で、「甘い香りで気を逸らせて敵の回避率を下げさせる」というものでしたが、 金銀'97では「えさをまく」という技でした。そんな、バトル中にどこからエサを持ってくるんだ・・・?

使ってみるとすごくショートケーキ。おいしそうです。 このケーキを目の前にポイッと投げると、相手の回避率はちゃんと下がりました。ポケモンのエサは、ショートケーキの形をしていたのか・・・。

「あまいかおり」はフィールドで使うと野生のポケモンが出てくるという効果もありましたが、「えさをまく」はフィールド技として表示されることはありませんでした。

E7は「アイアンテール」。金銀では威力が100でしたが、金銀'97ではタイプはメタルで威力は60でした。

E8は金銀では「メタルクロー」ですが、金銀'97では「いしあたま」という技です。タイプは「いわ」で威力は90。 固い頭で敵を攻撃。敵を怯ませることがあるという説明文。 後に「とくせい」として「いしあたま」という単語は登場しましたが、元は「ずつき」の「いわ」タイプ版のような攻撃技だったようです。

E9は「あてみなげ」。金銀では「後攻めになるが、必ず攻撃が当たる」という威力70の技でした。

金銀'97では攻撃を受けずに攻撃できる。外れると大ダメージを受けるという技。・・・ん?? こ、攻撃を受けずに攻撃できる!?外れるとダメージってのは「とびひざげり」などと似ているが、当身投げということは・・・どういうイメージだ・・・?

相手が攻撃補助技ではなく普通にダメージを与える攻撃を選んでいれば、そのダメージを受けずに威力50の技を出せる、だが相手が攻撃をしてこなかった場合は大ダメージを受ける・・・という感じか!?

格闘ゲームの「当身」技はそんな感じです。ダメージは受けないけど隙だらけになるので、当身技を外してフルコンボ頂いてしまったら大ダメージです。 実際に使ってみると、こちらの「あてみなげ」のダメージが入った後普通に相手の攻撃も受けました。攻撃を受けずに攻撃できるとはなんだったのか!?

さらに、相手が「なきごえ」などのダメージを与えるわけではない技を選んでいた場合、自分にダメージは一切入りませんでした。外れると大ダメージを受けるとはなんだったのか!? 後に「ふいうち」などに受け継がれたのかなあという気はしますが、金銀'97の時点ではただの通常攻撃でした。

EA-ECは「あさのひざし」「こうごうせい」「つきのひかり」でしたが、金銀'97ではPPが10あるということ以外はあまり違いはありませんでした。

EDは「めざめるパワー」。ベータ版金銀の情報が出てきた直後にレイさんから手持ちポケモンに目覚めるパワーを覚えさせた上で、個体値をオール0に変えたら相手に与えるダメージが0になりました… 当時のめざパは完成版金銀のものとちょっと違ったようです。という情報をいただきました。

さらにその直後、2Pさんから完璧な説明をしてもらってしまいました。

めざめるパワー気になったので調べました。定数項が無くて、製品版よりも個体値の差が大きく反映されます。能力低すぎて全くパワー目覚めないって何か哀しい

== 結論から言うと ==
「2で割って31足す」処理が無いのが製品版との違いです. 定数項がないので"すべての個体値が8未満" 且つ "特殊の個体値が4または0" の場合, 威力ゼロとなります.最大威力は78です: (8 + 8/2 + 8/4 + 8/8)*5+3

== 逆アセンブル == (クリックで展開します)

…と、いうことだそうです。むず。ポケモンwiki様の「めざめるパワーの計算法」のページ によると「めざめるパワー」の威力を決める計算は、

個体値が8以上か否かによって変わる数値があり、それぞれのステータスに応じた数値の和(A)を求める。さらにとくしゅの個体値を4で割った余り(B)を求め、 {(A×5+B)÷2}+31 (小数部分切り捨て) がめざめるパワーの威力となる。 とあり、ベータ版には最後の「÷2+31」がないようです。

このため、金銀で全部の個体値が0のポケモンは計算の結果0になるんだけど最後の「+31」のおかげで威力は31となります。 しかしベータ版ではそれがないため、0という計算結果が技の威力となるため、威力が0になってしまうという 悲しいことが起こるようです。

威力0というのは悲しすぎるので、ベータ版ではまだ「めざめるパワー」の威力計算は完成していなかったということなのでしょう。 じゃないと目覚めないしパワーもないという名前と何も一致していない技になってしまう…。

さて「めざめるパワー」は金銀ではPPが15でタイプはノーマルだったが、金銀'97ではPPは10でタイプは「???」でした。 確かにポケモンによって技のタイプも変わるから、この技こそ「???」に相応しい・・・? エフェクトはほとんど同じなんだけど、パワーの回転がゆっくりなので金銀ではスピードアップしていました。

EEは金銀では「クロスチョップ」でした。しかし金銀'97では「クロスカッター」という、 むしタイプの威力50の技で説明文はハサミを交差させて攻撃。クリティカルヒットが出やすいというものでした。 実際に使ってみるとそんなに急所に当たりやすくはありませんでした。なんでやねん・・・。

EFは「たつまき」。金銀では威力は40でしたが、金銀'97では60でした。竜巻なんだからもっともっと高くてもよさそうだが・・・。 F0は「あまごい」、F1は「にほんばれ」。金銀'97ではPPが10になっていてどっちもノーマルタイプでした。 使ってみると、「あまごい」はちゃんと「みず」タイプの技は2倍ぐらいになっており、「にほんばれ」は「ほのお」タイプの技が2倍以上になっている感じ。

大雨だと「かみなり」が必中になることはなく、日差しが強いと「ソーラービーム」が撃ち放題、ということもありませんでした。 ところで、天気が「おおあめ」になっているときのメッセージが・・・。

あめが ふりついているになっている・・・。 いや、これはもはや誤字ではなく、開発中はこうしている、というだけのことなのかもしれない。「メモリガたりません」みたいな、 開発中だからプレイヤーの目に触れることのない状態だから「みちずれ」とか「つずく」になっちゃっているのかもしれないな。うーん・・・。

それと金銀では「あめが ふりやんだ!」ですが、金銀'97では「あめが やんだ!」だけでした。

F2〜F4は全て「?」になっていて、説明文もコメント作成中になっていて未設定、 使っても「○○の?!」と出てちょっと面白い表記になるだけで何も起こりませんでした。 ちなみに金銀ではその3つには「かみくだく」「ミラーコート」「じこあんじ」が入りました。 なので、特にストーリーで重要なポジションの技の領域を取っておいたというわけではなさそう・・・?



さて、残すところ数個になりましたが、一度ここでおしまいにして次のページが最後の「わざ」の検証ページです。
2018年9月23日


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