◆ポケモンスナップの没BGM◆


ポケモンスナップの使われなかったBGMについては、ポケモンスナップ実況プレイの動画で 2012年に紹介していたわけですが、逆に言うと動画でしか紹介していなくて しかも解説動画でも何でもなく、曲が流れている間しゃべっているので曲だけを聞けない という、そんなのしかありませんでした。サイト内で説明をしているページも無し。

そんなわけで、その未使用BGMだけを聞ける+ちゃんとした解説を入れた動画を作りました。 こちらのページからどうぞ その素晴らしいBGMを聞いてみてください。

で、その動画の内容が全てっちゃ全てですが、一応このページでもちゃんとした説明をしようと思います。

未使用曲のタイトルは、一つは「Fantasic Horror」、 もう一つは「Theme of the Horror Boss」といいます。

「ポケモンスナップ」のソフトの中に使われていない音声ファイルとして 入っているのを見つけたのではなく、どちらもポケモンスナップのBGMの作曲者様である 御守郁子さんのホームページに説明付きで掲載されていたものです。

一つ目の曲「Fantasic Horror」には、「諸事情で葬られることとなったステージの曲です。(黙祷)」 という説明がされています。こんないい曲が、作られても使われないとかなんということだよ…。

御守さんのコメントから、つまりは「諸事情で葬られることとなったステージ」があったということが分かります。 タイトルに「ホラー」とあるので、少々怖そうな、薄暗いとか今は使われていないお屋敷とか、 オバケが出そうなステージだったのかもしれません。

ポケモンスナップというゲームは64DDで最初は作られることになっていて、 その頃の画面写真1枚だけで開発中のポケモンスナップについてのページを書いた こともありましたが、後に64に移行することとなり、「ゲームの目的」を見直され、今のポケモンスナップになったという 開発⇒完成までに紆余曲折がありまくったソフトです。

事実、御守さんも苦労話はつきない、この1本。とにかく出せてよかった...。(涙) とおっしゃっていて、開発はとても難航したのだろうということは想像に難くありません。

さて、その「没になったステージ」ですが、ステージにはそれぞれポケモンが出てこないといけないので そのステージに合ったポケモンを登場させる予定だったということでしょう。 「どうくつ」や「トンネル」は少々怖い雰囲気のステージで、「どうくつ」は前人未到の場所なんじゃないかというタイプの不気味さ、 「トンネル」は「むじんはつでんしょ」のようなかつて誰かがいたけど今は誰もおらず ポケモンたちの住みかとなってしまっている場所、という感じ。

「トンネル」には主人公の目には見えないけど写真に収めてみるとその姿が確認できる「ゴースト」が登場しますが、 もしそのホラーステージがあったとしたら、ゴースとは確実にそちらに出そうです。 むしろそこが没になったから「トンネル」に出た、という可能性も…?

だが、ホラーステージがどれほどまでできていたのかも謎。ほとんどできていて、だから曲も作られて、 でも没になって…だったとしたら、当時3種しかいなかったゴーストタイプのポケモンである ゴース、ゴースト、ゲンガーの3匹が作られていなかったとは考えにくいし、 ゴーストのように「トンネル」に3匹とも出す、使いまわせばいい…のに、ゴーストしかいないのも不思議。

そこはこだわったのか。ゴーストこそ適任、ゴースとゲンガーは心を鬼にしてすべてを削除したのか…?!

御守さんのコメント「葬られることとなったステージ」という表現からして、 少しは作られていたんじゃないだろうか。全くの手つかずだったとしたら、「葬られる」ではなく「作られなかった」とか「幻の」 という表現になりそう…?表現については人それぞれかもしれないが、「あったものがなくなった」というのが 「葬られる」の使い方だと思う……?

もう1曲の「Theme of the Horror Boss」には、 「諸事情で葬られることとなったステージのボスの曲です。」 という説明があり、つまりそのホラーステージには「ボスがいた」ということが分かります。

ボスといえば、アクションゲームで言えば強い敵キャラ、倒すべき相手。そのステージの主。 ゴーマ様や、ドドンゴのような存在こそが「ボス」です。

その曲調からすると「Fantasic Horror」の豪華版アレンジという感じでそこまで命を賭して戦っている感じではありません。 主人公の「武器」といえそうなものはポケモンフード、イヤイヤボール、そしてポケモンのふえ…あとシャッター音ぐらいのもので、 何かを投げて何かしらの攻撃っぽいことはできそうだから致命的メカ(ゼロワン号)に乗って 出現した大きなゲンガーの周りをぐるぐる回りながらイヤイヤボールを一定数投げれば…みたいな ステージだったとか…?

でもゲンガー(ゴーストタイプのポケモン)に、そんな物理攻撃が効くか…?

ステージの仕掛けを解くとBGMが豪華に変わるステージはありますが、 別に「ボス戦の曲」というわけでもない。もしその二つの没曲が実装されていたとしたら、 今あるポケモンスナップのステージのどれとも違うギミックのある、攻略方法のあるステージだったのかもしれません。

そして、ホラーステージには何が出ただろうか。とりあえずゴース、ゴースト、ゲンガーはいただろう。 何だか分からないけど撮影してみたらポケモンだった、という感じじゃないだろうか。

今ならムウマ、カゲボウズ、ヨマワル…なんていうふよふよ漂ってるだけでコワいポケモンがまあまあいるが、 ヒトモシ、ランプラー、シャンデラ、ヤバチャ、ポットデスみたいな暗いお屋敷に 何かに擬態していてビックリなんてことができそうなポケモンもいるが、 151匹しかいなかった時代には…そんなホラーステージに無理なく住み着いていそうなポケモンが あんまりいないような気もする…?

自然の中で生きていそうなデザインのポケモンが多かった初代、システムが違ったかもしれない ということを差し引いても没にするとしたらそのステージが一番優先度が高くなってしまうかも。

まあ、ポリゴンが大自然の中生息しているというゲームだから、 そんな理由(自然な登場ポケモンの少なさ)で没になったのでも何でもなく、もっともっと別のところにわけがあったのかもしれないが…!

なんにしても、これだけのハイクオリティな曲が作られていたのに諸事情により使われなかったのは 本当に惜しいことです。作曲者様である御守郁子さんに敬意を表します。 素晴らしい作品を発表してくださり、本当にありがとうございました。

…と、たまにはふざけずに終わってみよう。ならそういうこと言わないの。

2021年12月23日


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