◆マウス対応の謎の未発売ゲーム◆

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新しいノートパソコンに大量の飲み物をぶっかけてしまいキーボードが壊れた悪名高いカフェオレ事件。 キーボードの修理中、古い方のパソコンに作業の場を移した際に半年ぶりに発掘されたのがこの謎過ぎるゲームです。

ページよりも先に動画を作って投稿したのでまずはこちらをご覧下さい。でも見なくても別にいいです。どっちやねん。


パジャマを着た人が勝手に右に進んでいくので、マウスを使ってサポートをするアクションゲームです。 アイコンでアクションを選んで直進するキャラを助けるというところは「レミングス」っぽく、 そして明らかに後に「マリオとワリオ」になったであろうゲームと思われます。

絵の感じは「マリオとワリオ」よりも「ヨッシーアイランド」に近く、ヨッシーアイランドと似た雰囲気の敵やギミックが散見されます。

この謎ゲームはタイトル画面がないので正式名称は不明ですが、フォルダやファイル名には「test」という単語があり 「マウスゲームのテスト作品」とも考えられますが、それにしても、テストにしてもこのクオリティはスゴイ。 キャラの動きは滑らかだしステージの背景やマップチップはそのまま他のゲームに流用されているわけではない、 このクオリティのゲームをテストとしてさらっと作れてしまうというのか・・・!?

動画ではゲーム名を「SLEEP」としていますが実際はフォルダ名とファイル名に「sleep」という単語が共通していたので そのように呼んでいるだけで、「sleep」というのは仮につけられた名前なんじゃないかと思います。 最初のコンセプトというかその単語で識別できるというか・・・?

動画内でも説明しましたが「マリオペイント」のソフトに同梱されていた紙の中に 「スーパーファミコンマウス専用ソフト第二弾 BLACK OUT(仮称)'92 11月下旬発売予定

■アクションゲーム
マウスの新しい操作性がゲームの世界を広げた。マウスならではの、ニューアクションゲーム!!」
・・・と、出す気満々な広告があり、発売時期まで決まっていることから「BLACK OUT(仮称)」はかなり製作は進んでいたものと思われます。

「スーパーファミコンマウス対応の未発売のソフト」ではあまりに長くて不便なので、 パジャマ君を助けるゲームが「BLACK OUT」になるはずのゲームだったと仮定してこのページではこのゲームのことを「BLACK OUT」と呼ぶことにします。

それでは改めてゲーム紹介です。動画は誰かが第三者様に紹介したいと思ったときに しやすいようにあまりふざけないように気をつけて個性を出さないよう無難な字幕をつけていますが、サイトでは別です。 はっちゃけましょう。

というわけでタイトル画面兼メニュー画面ですが、この画面ではマウスは使えず2P用コントローラでステージを選択しなければなりません。 ステージの名前もすごく仮という感じで「ZONE-1」から 「ZONE-6」までがステージの雰囲気が分かる絵と共に並んでいます。

1は足場が安定していそうな森の中、2は砂が多い地形、3はロシアの玉ねぎ型の建物と月が見えるメルヘンな地形のサムネイルですが 実際には水場の多い森の中、4は宝箱のある地下っぽい場所、5は見るからに地底、6は雪山っぽいステージのようです。

普通のアクションゲームとしてもかなりスタンダードで、段々難易度も上がっていっている感じだろうか・・・? しかし実際に遊べるのは1〜3までで、4〜6はバグったステージが表示されるだけでプレイはできません。

ステージを選ぶのはSTARTボタンでもAボタンでもなく、Bボタンです。個人的にはAではなくBが決定ボタンというのは スーパーマリオカートを思い出します。

プレイ画面はこんな感じ。パジャマ君が歩く場所には開発中の状態だからか黒のガイド線が引かれています。 5つのアクションアイコン(仮)は左からジャンプ台、パチンコ、シャベル、爆弾、ハンマーです。全部名前も仮です。

左クリックで選んでいるアクションを画面内に起こすことができ、ジャンプ台と爆弾はクリックした地点にそれらを出現させ、 ジャンプ台をパジャマ君が踏むとかなりの大ジャンプができます。爆弾は一定時間後爆発します。

パチンコは玉を飛ばし、スコップはブロックを壊し、ハンマーはスコップと同じですが押しっぱなしで勝手に連打の効果があり 作っている途中という感じがとてもしています。攻撃時のエフェクトはパジャマ君を少し浮かせるので、 ハンマーでクリックし続けていればパジャマ君を運ぶこともできます。

右から飛んでくる敵はヨッシーアイランドのパサパサのような動きをするチョウチョだけで、ライフが5つあるっぽい 表示が画面にありますがぶつかってもパジャマ君はダメージを受けません。トゲに乗っても水に落ちても死にません。

下からはたまに赤い風船が飛んできます。これも恐らく本来はパジャマ君を勝手に浮かせる意図のあるギミックなのだと思いますが パジャマ君には何の影響もなく、パチンコなどで破壊できるのみ。思えばヨッシーアイランドの4-3「カウントゆかアスレチック」では 初プレイのとき何の説明もなく地面から風船が出現してめちゃめちゃビビった記憶があります。なぜか不気味に感じて驚いたのです。

「ここでは風船が飛んできます。割れることはないから怖がらずに乗ってみよう!」 みたいなことを教えてくれるメッセージブロックもないので、なんとなく今思うと唐突感がありました。あったよね?

このBLACK OUTの風船は大きさこそヨッシーアイランドと違えど大量に出てくる具合や左右への往復具合がヨッシーアイランドのそれに 流用されたのだろうという感じがします。形もソックリです。

改めてステータスの部分を見てみると、残機っぽい部分に「1P×23」、 スコアと思しき部分には「01452」という数字がありますが増えることも減ることもありません。 残機の下の赤い丸二つはクリックしている間伸びて十分たまると黄色く点滅し、 たまっているときに放つパチンコは早く飛んでいきます。

パチンコの玉は黒い鉄球であり、見た感じは爆弾と同じです。 誰かは不明ですが、手前にいるパジャマ君のサポーターは爆弾をパチンコで打ち出せる力の持ち主のようです。

本来のゲームの意図ではなさそう(開発中だから割り当てられているだけっぽい)だけど一応、 2コンのAボタンかLボタンでマウスの左クリックと同じ動作、BボタンかRボタンでパジャマ君が小ジャンプ(右クリックと同じ)します。 STARTボタンとSELECTボタンはアクション画面では何の意味もありません。ポーズもかけられません。

パジャマ君は坂道でスピードが上がったり壁に当たると止まったりというアクションはあるものの レミングスと違って壁にぶつかっても反転せずに右にしか進まないため、このような地形にハマると詰みになってしまいます。

しかしこういう地形がZONE-1から存在しているということは、ここに通常プレイでは来られないはずなのか もしくはパジャマ君を反転させるアイテムなどの救済措置があったのかどちらかでしょう。 なんにしても小ジャンプができずトゲや敵が全て機能していたとしたらZONE-1から「マリオとワリオ」に比べて格段に難しいです。

動画で言い忘れていましたが、花も攻撃が当たってひらひらと白い花びらが4枚舞う演出があります。 そしてちゃんと攻撃を受けた部分の花は消滅します。

花が消えて花びらが舞うというこだわりと細かさ、なんとなくフラワーヘイホーやパンジーさんを 倒したときに散る花びらの演出に通じるところがあるかもしれない・・・?

パジャマ君のグラフィックパターンは豊富で、歩いているときだけで6コマ、 ジャンプ中、ダメージ中などを合わせたらそれはそれはたくさんの画像が使われており、帽子の動きの滑らかさは特にすさまじいです。 当然ながらこのままスーパーファミコンのゲームのキャラグラフィックとして使われていても何の問題もないクオリティです。

お休み帽子っぽいものをかぶっており、タイトルorコンセプトに「SLEEP」の単語、 着ているのはMOTHER2のネスが着ているようなシマシマのパジャマのように見える服、足に履いているのは多分スリッパ。

そして歩いているときはなぜかキョンシーのように両手を前に出しており、ただひたすら右に歩くことしかできず 自分の意思でジャンプも敵を避けることもできない、マウスによるサポートが不可欠な状態の彼。

どう見ても夢遊病でしょう。彼は眠っている状態で歩いているのです。 そうでなければ誰が「sleep」しているのか、ということになってしまいます。sleepできるのは彼しかいません。

夢遊病だとして(というか眠っているのに歩いているキャラだとして)、それならばもう一つの疑問が浮かんできます。 それは・・・なぜサングラスをしているのかということ。

普通の人は寝るときはメガネは外すでしょう。サングラスなら尚更です。 パジャマ君の正面顔のグラフィックが表示されないのでサングラスだと断定はできませんが、それでも パジャマ姿でメガネをかけているのも謎です。

眠る直前、本を読むためにメガネをかけていたパジャマ君は本の中のおとぎの世界の使者に呼ばれて フラフラとパジャマのまま外に出たのでしょうか。完全にやべー奴です。 しかも多分それは思い込みです。手を前に出してフラフラパジャマ姿で歩いている人を見たら町の人はビックリすることでしょう。

というか・・・サングラス(多分)、先端に丸いボンボンがついたお休み帽子、青と白のシマシマのパジャマって・・・。

この人じゃないですかね・・・。

実はBLACK OUT(仮称)の画面を見た瞬間に、自分はこれが思い浮かんでいました。 その名もファミコンソフトの「田代まさしのプリンセスがいっぱい」。 サングラスをかけたお休み帽子+スリッパのパジャマ姿で登場する主人公。 シマシマの方向こそ違えど青と薄い色のストライプのパジャマです。

この人じゃないですかね・・・。

まあ、パジャマ君=この人、という理論は無理がある気はします。 完全に一致しているとは言えません。パジャマ君にはおヒゲがないですし。

しかし、夢遊病の人を助けるゲームとしてパジャマ姿のキャラをデザインするに当たり、 パジャマの模様と色合い、お休み帽子、そしてサングラスという様々な要素が ここまで偶然かぶってしまうということはそうそうないでしょう。無関係ではないのでは・・・。



・・・さて、とりあえずゲームをプレイして見られるものはここまで。 後半戦のページというか、通常プレイでは見られないデータの検証に続きます。 本来ならさらに陽の目を見ることのなかったデータ、一体何があるというのか・・・?

2021年10月3日


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