◆開発初期の画面写真と設定◆

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ファイアーエムブレム聖戦の系譜は初めは「聖剣エルムカイザー」という タイトルだった…と、「メイキングオブファイアーエムブレム」という本にあるそうです。

でもその頃のゲーム雑誌に掲載されているタイトルやチラシを見たことがないし 開発者様の他の発言も聞いたことがないのでその本に載っているというだけのお話。

で、その次のタイトルは「ファイアーエムブレム 光をつぐもの(仮称)」であり、 これはゲーム雑誌や販促チラシにも掲載されているので間違いのないものです。

ご存じ「光をつぐもの」とは第六章のサブタイトルです。 元はゲームの副題だったカッコイイワードを、主人公シグルドの息子 セリスが立ち上がる第六章の題にするというのはなかなか粋ですね。

で、この副題が「聖戦の系譜」ではなく「光をつぐもの」だった頃のゲーム画面が掲載されているものを インターネット上でいくつか見つけており、いつ話すか、いつ話すか…そして数年経過、という いつものヤツです。脈絡もなく、今日話すことにしました。

まず「月間コロコロコミック」に初めて掲載された情報について。 画像をそのままこのページに掲載させてもらうにはあまりに恐れ多い貴重な情報ですので かいつまんで紹介させてもらいますが、情報源はこちらのページです。ありがたや。

そちらのページの上から13番目の画像が「ファイアーエムブレム 光をつぐもの(仮称)」のページとなっており、 画面写真が4枚とゲームの紹介文が掲載されています。

上から2番目の画面写真だけ切り抜かせていただいたが、 実際のゲームと地図の形やテキストに違いが無いか見てみたけど同じっぽい。 文字が潰れているけど「シアルフィ公国のシグルド公子はこの知らせにがく然とする」と読めます。

ただ、実際のゲーム画面と見比べてみると… 画質の関係とか白黒だからとかそういうことではなく、明らかな違いが一つあります。 そう、シグルドの服が違うのです。

実際のゲームではシグルドの服は金のフチに白い襟、マントは肩で留めています。 しかし開発中のゲーム画面だと白いフチに黒い襟、マントは中央で留めているように見えます。

この絵、どこかで見たような…?

このシグルドの絵、ゲームに付属している「ユグドラル大陸勢力マップ」に 掲載されているシグルドの服装と同じです。「ユグドラル大陸勢力マップ」のシグルドの絵は 開発初期のデザインだったようです。

実際のシグルドと見比べてみると違いは明らか。 他の主要キャラの絵を見てみると、金のフチに黒い襟のキャラが多いので 主人公であるシグルドに特別感とキラキラ感を出すために白い服に変更されたのかもしれません。

ページ左には「ストーリー」が記載されています。 「かつて12人の聖戦士が魔王を打ち倒したが、数百年の時がたち、魔王は再び現れた。 伝説の聖戦士バルドの血を引くシグナルドは、光をもとめて立ち上がる。そして、その子セレスもまた…。」 とある。ちょっ、待ってもらっていいスか。

えー、どこからいくか。まずはストーリーの概要からいくか。 「12人の聖戦士」という存在については間違っていない。だが打ち倒したのは「魔王」なのか…??

かつてユグドラル大陸を震撼させたロプト帝国、その頂点にいたのは魔王ではなく「暗黒神ロプトウス」である。 だがこれを「魔王」と呼ぶのもアリ…なのか?その「魔王」の部分を「暗黒神」にしても意味は通るぞ。

「魔王は再び現れた」というのも、現れたというか「よみがえった」というか…字数の関係なのか? もしかしたら元は暗黒神ロプトウスではなく「魔王ロプトウス」だったのだろうか。

「光をもとめて立ち上がる」というのもやたらふわっとしてるし、 これって公式から提示されたストーリーなんだろうか…?コロコロコミックのページの限られた スペースに収めるため、要約されて書かれたものだったりするのか…??

掲載されているゲーム画面では序章のオープニングが流れているからストーリーは出来上がっていたはず。 「かつて12人の聖戦士が暗黒神を打ち倒したが、数百年の時が経ち暗黒神復活の計画が静かに動き始めた。 聖戦士バルドの血を引くシグルドは隣国で起きた事件をきっかけに戦いの渦へと身を投じる」…駄目だ字数オーバーだ。

やっぱ本(雑誌)の編集者ってすごいんやな…。

すごいんやけど…シグルドの名前が「シグナルド」になっているのがウルトラ気になる。 もう一つ、セリスの名前も「セレス」になっているのもハイパー気になる。

これは開発初期のシグルドとセリスの名前がシグナルドとセレスだったということなのか! それともインテリジェントシステムズからコロコロコミックへ渡された資料が誤字っていたのか! コロコロコミックのテキストだけが資料を書き写し間違えられて誤字ったのか!どれ!!

主人公の名前を間違えて記述する…ものか?セリスをセレスと書いているだけだったら誤字っぽいが、 シグナルドは字数も違う。「ナ」が足されたのが誤字だとしたら「ナ」でよかった。 他の文字だったらマヌケな名前になってしまうものだってあっただろう。

誤字なのか、開発初期のシグルドとセリスの名前なのか、マジでどっちやねん…。 コロコロコミック以外の媒体で、このストーリーとは違うテキストで、シグルドをシグナルドと 記述しているものがあったとしたら誤字ではなく開発初期の名といえそうだが…。

さて最後に、ページの左上の画面写真について。…と言いたいとこだが、コロコロコミックの 絵がかぶってしまっていて画面写真の全体が見えないのが残念。 でも、こういう発売前の画面写真って他の媒体でも共有しているものが多いです。

というわけでちょっと調べてみたら、あっさり発見。「ファイアーエムブレム 光をつぐもの(仮称)」の 販促チラシに同じ画面写真が掲載されていました。海外のこちらのサイト様にあった 貴重な画像を切り抜かせてもらいます。

結構加工させてもらってしまったが、こんな画面。序章でシグルドに エスリンが話しかけているところと思われます。「兄上、ご無事でしたか 援軍にまいりました!」 に対し、シグルドが「エスリンか!?おまえはレンスター家に嫁いだ身ではないか」 と言っているところです。

実際のゲームでは「兄上、ご無事でしたか!!」/ 「エスリンか、久しぶりだな よくきてくれた」めちゃめちゃ落ち着いています。 焦り具合が逆転しているようにも見えます。

没になった会話ではエスリンが「おてんば」であることが よくわかる会話や序章の会話が結構没になっていることが分かったわけですが、 このデータ内にすら残っていない没会話もエスリンのお転婆設定が活きている会話のように思えます。

でも隣国(ユングヴィ)が攻め込まれたから助けに行くことを独断で決めて出発したところ、 遠くの国に嫁いだ妹が援軍に駆け付けたら挨拶の前に驚くと思う。 開発中の画面のシグルド(シグナルド?)のリアクションの方が自然かもしれません。

だがプレイヤーによってはキュアンとシグルドが先に話すかもしれないし、 エスリンとの会話であんま驚くとそれはそれで不自然になるとかいろいろなことが考慮されたうえで 変更されたのでしょう…。

…と、終わりそうになったんだけどシグルドの服って結局黒なのか?白なのか?と思って 色んなシグルドの公式イラストを調べて回ったところ…。

これが、シグルドの公式イラスト。パッケージや説明書に掲載されている絵です。 外側の襟は金のフチに黒色であり、ゲーム画面のような「金のフチに白色」の襟は見当たりません。

これが、「ユグドラル大陸勢力マップ」や販促チラシなどに 掲載されているシグルド。黒い襟で、胸のところには白い留め具か布が見えます。

これが実際のゲーム画面のシグルド。

この金のフチで白い襟の服は、かつてインテリジェントシステムズの公式サイトに掲載されていた 別パターンのシグルドの公式イラスト、スマホゲーム、カードゲーム、NintendoSwitchのファイアーエムブレムに ゲスト出演したシグルド…などなど、全てにおいて見当たらず。どのシグルドも一番外側の襟が黒いのです。

というわけで、シグルドの服は本当は黒なんだけどゲーム画面でだけ白いということになってしまいました。 開発中の服装だと思っていたシグルドの黒い服だが、ある意味最初から何も変わっていなかったのかもしれません…。
2023年7月26日


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