◆ゲームの内部データの没データ紹介 大乱闘スマッシュブラザーズ◆
(このページは2014年7月25日に作られましたが、2014年8月30日に文章を修正しました。 さらに2020年9月3日に音声を再生するための動画を作成しました。)



ゲームの没データをいくつか紹介しているこのサイトですが、あんまり「音声」に関するものはあまりページにしてません。 というのも、音声は文字で説明しづらいし、使われていないBGMなんてどう表現すればいいのか。 画像と違って音声ファイルをここにそのまま置くのも難しいので割とスルーしていました。

が、ソウルソフトの一つ「ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ」ぐらいは、 ちゃんと没データの紹介をしておこうと思ったのでこのページができあがりました。 64版の初代スマブラで「サウンドテスト」を出して音声を聴いて声真似して楽しんでいたあの頃、 「これってゲーム中は聞こえてこないなあ」と思っていたものがありました。

それが、ネスの「えーい!」という声。

いくら投げ技を決めようともスマッシュ攻撃をしようとも、ネスはこの掛け声で攻撃を出すことはありません。 じゃあ没データかと問われると、サウンドテストで聴けるんだからそれは違う。

このサイトにおける没データの定義は「通常のゲームのプレイでは出現しないデータ」ということになっており、 普通に遊んでいて出てくるサウンドテストで普通に聴けるならそれは没データではありません。

確かに大乱闘中には「使われてない」データですが、それはサウンドテストで「使われている」のです。

(ちなみにネスの「えーい!」はサウンドテストの127番で聴けます)

今までサイト内で何度か言ったりゼルダの伝説風のタクト実況プレイのどこかの島で少し話したりした気がしますが、 ゲーム内に入っているのにサウンドテストですら聴けないもの、それが没ボイスデータです。

そして、初代スマブラなのにネスの没ボイスデータとして「PKスターストーム!」というのがあります。
任天堂の公式HPのスマブラXについての話によると「初代の頃から「最後の切りふだ」的な構想はあった」 とのことなので、初代スマブラ内にXの「最後の切りふだ」と同じセリフのボイスデータが入っているのは納得です。

ただし、初代スマブラよりXの方が叫んでいる感じで長いです。 桜井さんが細かく指示を出しながら収録をしたものらしいので、初代スマブラの頃のネスのPKスターストームはもうちょっと大人しいものだった・・・のかも。

他にも、カービィの没ボイスデータというのも存在しています。2つあります。何かの掛け声っぽいです。 それが「うう〜!」「いやあー!!」という二つのセリフ。 「最後の切りふだ」の構想のボイスだとしたら、Xの「コック」とは大分違う技の予定だったのかもしれません。

あとは、ピカチュウもありました。「ぴ〜かっ!」「ちゅう〜!」という二つで一つセットっぽい掛け声。 初代スマブラの頃はまだ「ボルテッカー」という技が「ポケットモンスター」になかったので、 ピカチュウの「最後の切りふだ」的な技は何という名前をつける予定だったのか気になります。

・・・やっぱ無難に「10まんボルト」か? でもそれなら下必殺技が「かみなり」だし・・・もしかして「とっしん」や「すてみタックル」か?それともDXで出た「ロケットずつき」だろうか・・・。 もしくは下必殺技の名前が「10まんボルト」で、超必殺技が「かみなり」だったりとかか?真実の全ては永遠に闇の中だが・・・。

他にも没ボイスがあるキャラはたくさんいました。まずはキャプテンファルコン。なんと「Come on!」「Blue Falcon!」(カモン!ブルーファルコン!)というデータが入ってます。 スマブラXの「最後の切りふだ」のセリフと全く同じです。イントネーションはほんのちょっと違うので、同じデータがXで使われているわけではありません。 「カモン!」はほとんど同じで、「ブルーファルコン!」の「ブルー」の部分がXより高いです。

次に、マリオ。「Let's a Go!」というセリフで、海外版スーパーマリオ64のステージ開始時と同じような感じ。

ヨッシー。「ワッ(「やっ」、かもしれない)」と「わほー」というセリフ。 サウンドテスト33番の「わほー」に似ているが、少しだけ可愛さよりも攻撃的っぽい。

・・・ってかどこかで聴いた気がしたんだが多分「わほー」の方はスマブラDXで使われている「わほー」です。 「ワッ」の方はDXのサウンドテストを確認したけど同じイントネーションのものはありませんでした。

フォックス。「いっけえー!!」というセリフのデータがあります。 もしかしたらこれも「最後の切りふだ」用のセリフだったのかも。「ランドマスター!」はありませんでした。 他にも「出番だ!」というナゾのセリフが。(コレに該当するものは海外版にない)開始時に「出番だ!」としゃべる予定だったのか!?



◆2020年9月追記◆
冥月さんから動画へのコメントでこのような情報をいただきました。

「フォックスの「出番だ!」「行けぇーっ!」は チームスターフォックスがそろって一斉にブラスターを乱射する」という構想の名残でしょうか

当時のアンケート集計拳より https://www.nintendo.co.jp/n01/n64/software/nus_p_nalj/smash/PostReturn005.html

確かに「時間の都合でボツになった企画で、チームスターフォックスがそろって一斉にブラスターを乱射するというのがあった」 という記述がある…!「出番だ!」というのは自分以外の誰かの出番が来たぞ、という意味であり、 それがフォックスの仲間たちに掛けた言葉で、全員で一気にブラスターを撃っているときに「いけえー!」と言いそうです。

フォックスの紹介のページでも ブラスターを4人のフォックスが乱射している写真があるし、こんな感じの攻撃だったのかも…「最後の切りふだ」が実装できたころには すっかりファルコがファイターとして定着していたのでブラスター乱射要員として使えなくなり、他の技になったのかもしれません。情報どうもありがとうございました!! ―追記部分終了。



プリン。「ぷゅーいっ!」という、スマブラDXの「ころがる」のようなボイス。まさか最後の切りふだ用なのか?!

サムス。「ボァッ」て短い機械音と「バオーン」という爆発音っぽいもの。声じゃねえ・・・。 もしかしたら溜めて、発射!という「最後の切りふだ」用の音声かもしれません。

リンク。「ふっ!」と「はっ!」と「はいっ!」を足して3で割った感じの掛け声。分かんねえ!! サウンドテストでも聴けないセリフです。なんで使わなかったのか・・・?

ルイージ。マリオと同じ「Let's a Go!」というセリフ、言葉は同じだがマリオと同じデータではありません。



◆2020年12月追記◆
ねっかすさんから動画へのコメントでこのような情報をいただきました。

マリオとルイージの未使用ボイスは恐らくバトルの最初の登場シーンで使用される予定だったのではないかと思います。 Xでは最初の登場でボイスが追加されていますし、言葉が一致しているので

なるほど、登場時…!それは全く思いつかなかった…土管からにょきっと出てきながら「Let's a GO!」と言うという予定でそのボイスを収録したがハマらなかったのか、 登場演出が変わったからか…。情報どうもありがとうございます! ―追記部分終了。



ここまでがプレイヤーキャラクターの没ボイスデータ。しかし他にもゲーム内で声はしょっちゅう響いてきます。そう、ナレーションです。

ナレーションにも没ボイスデータがありました。まず「Draw game!」という残念そうな感じのナレーション。 実際の大乱闘では得点が一緒だと「ドロー」とはならずサドンデスが始まるのでこのナレーションが入ることはありません。

次に、「Are you ready?」という使われていそうで確か使われていないもの。 使いどころとすると、「ターゲットをこわせ!」や「台を乗りついでいけ!」の前かもしれない。 その二つの1人用ゲームは、開始前に「GO!」と言われるだけでいきなり始まります。

「Are you ready?」のあとに「GO!」だと自然な感じですが、実際にその仕様だったとすると・・・。 タイムを縮める為に何度も挑戦するゲームなので、いちいち「用意はいいか!」と聞くな!用意はできてる!! という気持ちにさせるのを防ぐ為に「Are you ready?」という掛け声は使わなかったと勝手に思っています。

さらにもう一つ、「Final stage!」というちょっと厳かなイントネーションのナレーション。 実際の1人用ゲームのラスボスであるマスターハンドと戦う前はいきなりBGMが始まってナレーションはなくて無音です。 しかも直後にマスターハンドの笑い声が響いてくるので、ファイナルステージのナレーションはない方がよかったのかも。

キャラクターを選択するとナレーションがそのキャラの名前を叫びますが、海外版だとキャラの名前が違うのがいます。 それが「プリン」。プリンだけは海外版で「Jigglypuff」という名前で出ているため、 海外版のスマブラでプリンを選ぶと「Jigglypuff!」と呼ばれます。

ゲーム内のセリフも「ぷりーん」じゃなくて「じぐりー」とか「ぱふ!」という掛け声になっていて、音声データそのものが差し替えられています。 (他にもモンスターボールから出てくるポケモンや、フォックスを選んだときのナレーションの声、 「バトルロイヤル!」が「フリーフォアオール!」という別の言葉になっていたりと色々違います)

だけど、日本語版の中にもなぜかプリンの英語版「Jigglypuff!」というナレーションの声が入っています。 海外版で差し替えられた音声は入っていないのに、プリンを選んだときの声が入っているのです。 実際の海外版の「Jigglypuff!」とは少しだけイントネーションが違って、ちょっとだけ高めです。

スマブラを海外でも音声を差し替えずにこのまま出そうと思っていたのかもしれない。 日本語か英語かで切り替えて「プリン!」か「ジグリーパフ!」に変更されるようにしようとしていたのかも。

あとはキャラ紹介やトレーニングモード、アイテムスイッチなどの日本語のテキストを英語に差し替えればいいだけ。 ・・・のはずだったのが、海外でちゃんと出すことになったらポケモンの鳴き声は違うしナレーションも変えないといけない。 なんてことになって結局海外版用に音声を録音したのかもしれません。完全なる推測です。

海外版にも切り替えられるようにしようと思ったから、モロ日本語なフォックスの没ボイスの 「出番だ!」はかなり早い段階で使われないことが決まったのかもしれません。



他にも、使われていないサウンドエフェクトもあったんですが、 やっぱり音声系はページ内が文字だらけになってイカン。せめてキャラのボイスの紹介だけにしときます。

使われていないBGMは、聞いてみた限りではなさそう・・・と言いたい所ですが、 一つだけ聞いたことのない「パーパラッパッパッパッパー!」という明るいファンファーレがありました。 どこに使う予定だったのか分かりませんが、ミニゲームクリアしたときみたいな感じです。 没ステージBGMみたいなのはないみたいです。

自分で聴いてみて「これは聞き覚えがないぞ」と思ったものを「没データ」として紹介しているため、 プレイしまくって内容を網羅したであろうゲームの没データしか紹介できないのですが、 それでも記憶ミスなどがあって「実はこれ使われてるよ」みたいなのがあったら申し訳ありません。 ほかにもあるのかもしれませんが、今回はこの辺で。



…と、いう説明がなされていて、管理人がしゃべった音声ファイルが置かれていたこのページですが、 やはり文字だけでは伝わらない何かがある。というかその何かしかない。ちゃんと録音して、動画にして公開しました。 その作業が行われるまで、実に6年以上の歳月が経過していたのであった…。


デバッグメニューの簡単な説明も兼ねています…が、このメニューはほとんど「本当のサウンドテスト」のようなものです。 600以上の音声データがあり、絶対にその中には使われていない攻撃音とかもありそうですがとりあえずキャラの声のみ。

音声データの順番はサウンドテストの順番と同じで、ただ「間が抜けている」のみ。サウンドテストで音声データが前後していることはありません。 サウンドテストでは聴けるが実際のゲームでは使われていないもの、実際のゲームで使われているがサウンドテストで聴けないものがあるのは、 サウンドテストを作った後で使用するボイスを変えたからなんだろうか…?

そしてその動画で紹介しているのはサウンドテストでも聞けず、通常のゲームプレイでも聞けないもののみです。 サウンドテストで「PKスターストーム!」が聴けたら当時のキッズは大混乱しただろう…!

2014年7月25日


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