無事にスーファミ版のドラクエ2のプレイ日記が完結=クリアできたので ドラクエ1+2にも没データ検証の魔の手が伸びてきました。

というわけで手始めにドラクエ1って没データないのかななどと考えましたが、 ファミコン版ドラクエ1というのは極限まで節約・節約して作られているゲームであり、 「もうこのようなゲームを現在作ることは技術的に不可能」とまで言われているのを見たことすらあります。

そんなカツカツの、もはや芸術品のようなゲームに没データが存在するなどそのようなことがあろうはずがございません。 …なんて言うと実はあったのかと思われそうですが、ドラクエ1のデータは何度か覗いたことがあるんだけど あまりにも高等技術が用いられているせいでデータをすんなり見ることができず、こりゃ分からんわと毎回諦めています。

だが「ドラクエ1に没データなど存在しない」となるとこんなページ作んないわけです。 だからなんかあったはあったんだけど、しょ〜もないものを見つけたんであろうことは 今までの没データ紹介ページから推察するに想像に難くありません。

ドラクエ1のファミコン版はものすごいデータ節約術を駆使したソフトでした。文字の表示もアイテムの管理も装備品も 何もかもが計算されつくしたギュウギュウのテクノロジーで行われています。

が、そのリメイク版であるスーパーファミコン版は、あの頃のギュウギュウに比べたらかなりデータには余裕があります。 ドラクエ1もリメイク版ではストーリーやイベントに大きな違いがあるわけではありませんが 表示できる絵や色が圧倒的に増え、文字の大きさや種類も非常にリッチになっています。

しかもスーファミ版のリメイクはドラゴンクエスト1とドラゴンクエスト2がどちらも入っているうえに 適切なバランス調整がなされています。これぞリメイク。素晴らしいです。

先述した通り、リメイク版はファミコン版とストーリーに違いはないし、大幅なイベント追加などはありません。 ファミコン版に登場したものだけで、問題なくスーファミ版を構成できています(種とかはあるけども)。

…が、アイテムのデータを見ていたらなんか見覚えのない謎のアイテムを見つけてしまいました。

それがこの謎のアイテム「せきばん」です。 こんなアイテムは手に入らないし、売ってないし、敵が落とすこともありません。まったくもって見覚えのないアイテムです。

「せきばん」といえば、ドラゴンクエスト史上初のダンジョンともいえる「ロトの洞窟」の一番奥に存在している物体が思い浮かびます。 「私の名はロト。」という言葉から始まる、勇者ロトさんからのアドバイスと激励のメッセージが書かれていたアレです。

ファミコン版では容量の削減のためか演出なのか宝箱に入っており、 「せきばん」に書かれているメッセージを読み上げ、そして宝箱は消えてしまう、というイベントとなっています。

スーファミ版ではロトの洞窟の最奥には宝箱にはとても入りきらないサイズの石板が ででんと置かれています。もちろん石板を読んでも宝箱のようになくなったりはしないので、その場で何度でも読むことができます。

…が、その「せきばん」がなぜ没アイテムに。ファミコン版では宝箱から手に入れるという「アイテム風味」な存在でしたが アイテムとしてのデータがあるわけではなかった。スーファミ版で、わざわざアイテムとしてのデータが作られ、足されている。 これはいったいなぜなんだ。

この没アイテム「せきばん」は使っても「捨てるなんてとんでもない!」とオーキド博士に怒られるだけ、 売ろうとしても売れません。ただし預り所には預けることはできます。フィールド上で使うと「〇〇は 石版を にぎりしめた。」 というメッセージが出るだけで何も起こりません。

通常のロトの洞窟で表示される「〇〇は石版を読んだ。」というメッセージで「石版」という文字列が表示されはしますが、 「せきばん」という没アイテムの漢字表記の「石版」というアイテム名も没データといえます。

戦闘中に道具として使ってみてもやはり何も起こらず。装備することもできません。

捨てられない&売れない設定になっているというのは没アイテムではよくありますが、 もしかして没になることが決まって、万が一未知のバグで「せきばん」が出てきてしまっても キッズが困らないようにそのような設定してあるということなのか?

ファミコン版に存在しなかったがスーファミ版で足されている=スーファミ版で「せきばん」をアイテムとして存在させる、 もしかしたら使用することになる予定があったということです。追加する必要があったということです。

普通に考えると…ロトの洞窟の宝箱にあった「せきばん」はストーリー上重要なこと、攻略上必要なことが書かれているのに 原則として1回しか読めないのは困るプレイヤーが出てきてしまうかもしれないからロトの洞窟から「せきばん」を持ち出し、 いつでもメッセージが読めるようにするはずだった…?

だが、元はそのような効果だとしたら没アイテム「せきばん」を使った時にそのような効果が出てもよさそうです。 没アイテムになることが決まってから設定がされたとしても、その部分は別に変えなくてもいいだろうし…。

それとも、この「せきばん」はロトの洞窟にあった「せきばん」とは無関係のものであり、 リメイク版ドラゴンクエスト1で追加された要素・イベントに関わる重要なアイテムだったという可能性もあるのか…!?

もしくは「ロトの洞窟の石版がアイテムになるはずだった」と「石版にメッセージ以外の別の使い道が作られるはずだった」 という2つの要素をミックスして「ロトの洞窟にあった「せきばん」に特別なチカラが付与されていてどこかで使うはずだった」というパターンもあるかもしれません。

没イベントの名残はないかしらとテキストデータを調べてみたが、アイテム名「せきばん」や漢字表記の「石版」に関係する キャラのセリフやイベントに関係しそうなメッセージは見つからず。残念。いったいどのタイミングで没になったものなのか…!?

イベントアイテムでないとすれば、実用的な使い方といえばだろうか。石板=平べったい石だろうから、 防御力高そうです。「せきばん」を「たて」として装備し、ローラ姫を救出したら彼女が「せきばん」を 「ロトのたて」に目覚めさせてくれるとかいうイベントが考えられていたり…夢を見過ぎだな…。



そんなリメイク版ドラゴンクエスト1にのみ存在している謎の没アイテム「せきばん」の紹介でした。

ロトさんからのメッセージ量からすると、ファミコン版の頃から「せきばん」はまあまあの大きさだったはず。 ロトの洞窟にある石版と同じものなら相当デカい。そんなヘビーな物体を持って持ち運んで冒険したら相当鍛えられるだろうから、持って歩くだけでレベルが上がってくとか…?

しかもロトの洞窟はエンカウントしないので、洞窟内で「せきばん」を持ってひたすらうろうろしてレベリング、というプレイスタイルが横行しそうです。 つまらんゲームになってしまう…!!

2023年12月23日


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