ドラクエ1+2のドラクエ1の没アイテム紹介の1ページ目では 謎の「せきばん」について語りましたが、この2ページ目ではもう一つの謎の没アイテムの紹介です。 ポジション的には「せきばん」と近いと言えなくもない存在…かもしれない。  それがこの「ひかりのたま」というアイテムです。
預り所などで見られる漢字まじりの表記のアイテム名「光の玉」はある意味没テキストとなります。とは言っても「ひかりのたま」はドラゴンクエスト１においてストーリー上超絶重要なアイテムであり、 オープニングでも王様が「光の玉を竜王が奪っていった」というような感じで口にするし、 主人公がラスボスである「りゅうおう」から「ひかりのたま」を奪還することがこのゲームの最終目的でもあります。  「りゅうおう」を倒すと主人公は「ひかりのたま」を取り返し、「光の玉をかざすと
まばゆいばかりの光が辺りに溢れ出す……。」というメッセージが出て、世界に平和が戻ります。竜王から光の玉を取り戻した主人公！あなたこそまことの勇者です！おめでとう！勇者ばんざーい！！  でも「光の玉」なんて持ってない。
さっき竜王の手から奪い返してピカーンとやったはずですが、アイテム欄にはそんなものは存在しないのです。「役目を終えた光の玉は粉々に砕け散った！」というようなメッセージは出ないので主人公がラダトーム城まで持って帰って アレフガルドの平和を守ってくれる存在となるはずですが、主人公が持ってない。これはおかしい。…と、なったのか…？？ ファミコン版の頃はストーリー上、設定上存在はしているけど「ひかりのたま」などというアイテムはデータ内にはありません。 そんなもん入れている余裕などありません。が、スーファミ版ではアイテム欄が「ひかりのたま」のために確保されている。 これは一体どういうことなのか…。 手に入れているのだからアイテム欄に入れるためにアイテムとしてのデータが作られたのだろうか。使うたびにかざして、 画面が白くピカーンとなって、素敵な曲が流れるアイテムになるはずだったのか。 …だが、アイテム欄の中身というのはプレイヤーによってさまざまな状態になり得ます。 強敵「りゅうおう」との死闘の際、「やくそう」を使い切ってしまってアイテム欄に空きがある勇者も多いことでしょう。 竜王の城の宝箱をあさったあと、そのまま竜王チャレンジをせずに一度帰宅して荷物をスッキリさせてから ラスボス戦に挑む勇者もいます。 だが、その逆だっているはず。つまり、竜王の城の宝箱をあさり、アイテム欄がパンパンになっている勇者もいれば レベルを上げて物理で殴る気満々の脳筋勇者は「やくそう」など使わずとも竜王に勝利してしまうことも大いにあり得ます。 アイテム欄に空きがある場合は、竜王を倒す⇒「ひかりのたま」というアイテムがアイテム欄の一番下に入る⇒ 「光の玉をかざすと、まばゆい光が辺りに云々…」という演出⇒動かせるようになり、アイテム欄を見たら「ひかりのたま」が入っている、 使うと先ほどの演出がもう一度繰り返される、楽しい、となる。 だがアイテム欄に空きがない場合は、竜王を倒す⇒「ひかりのたま」というアイテムをアイテム欄に入れようとも パンパンなので入らない となり、せっかくラスボスを倒したのにイベントがここでスムーズに進行しなくなってしまいます。 パターン1 竜王の手から光の玉を取り戻した！というときに「しかしアイテムがいっぱいで持ちきれない！どれを捨てますか？」と メッセージを出して強制的に何か一つ捨てさせ、アイテム欄に空きを作る パターン2 竜王の手から光の玉を取り戻した！というときに一番下のアイテムがなんであろうとも強制的に 「ひかりのたま」で上書きする。勇者は「ひかりのたま」を間違いなく所持するし、スタッフロール間近なんだから 一番下のアイテムなんて消えてもいいでしょ、と開き直る パターン3 せっかくアイテムとして「ひかりのたま」を作ったが、竜王撃破後のイベント進行のスムーズさを重視して ゲーム内に登場しないように設定する。万が一バグで出現するようなことがあってもストーリーに矛盾が生じたり ゲーム進行の妨げになったりしないように修正しておく …というわけで、パターン3が採用された結果、「ひかりのたま」は没アイテムとなってしまった…のだろうか？ などと、素人は邪推を重ねました。もしかしたらラダトーム城に「ひかりのたま」を持ち帰り、 それを王に返すとか城のどこかに安置するとか、そんな演出が考えられていたのだとしたらアツいです。 しかし残念ながらファミコン版で勇者がアイテムとして持つことができなかった「ひかりのたま」を、 スーファミ版でもやはり持つことはできなかったのでした。「だいじなもの」系はアイテム欄の別のところで 管理される、みたいなシステムだったらワンチャンツーチャンあったのだろうか…！  「せきばん」同様普通に預り所に預けられるし、武器でも防具でもないからか
「どうぐ」というジャンルとして表示されるようです。使っても「〇〇は 光の玉を にぎりしめた。」と出るだけなところも、 売れない・捨てられないというところも「せきばん」と全く同じです。 一応「ひかりのたま」を持った状態でクリアしてみましたが特別なイベントが起こるなんてことはないし、 没アイテム「ひかりのたま」に関連していそうな没テキストもやっぱり見つかりませんでした。 アイテム一つ分の領域が確保され、ある程度の設定はなされてはいるけど没になったのは早い段階だったのかもしれません。 以上、リメイク版ドラゴンクエスト1のデータ内にひっそりと存在していた没アイテム 「ひかりのたま」の紹介と考察でした。 竜王を倒した時にアイテムがいっぱいだったら「〇〇は△△を投げ捨て、竜王の手から光の玉を取り戻した！」 みたいなメッセージが出る…みたいなのもアリなんじゃないかと思うが…余計なものを足すのは良くないと判断されてしまったのか…！ でも、アイテムの並びによっては「〇〇は王女の愛を投げ捨て、竜王の手から光の玉を取り戻した！」となる人もいるってことか。 やっぱダメだな……。 |
2023年12月26日
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