ん〜…。一応、やっぱりちゃんと紹介しておくか…紹介しているページを残しておくべきか…ん〜…。

もう、おーおむかしに検証して見つけたはいいけど絶対に誰も知らない上に 自分もよく知らないというなんとも酷い有様だったので 没データ紹介ページを作るのを見送っていたゲームがあります。

それが、ことあるごとに話題になったり引き合いに出されたりする ファミコンの…惜しいゲームソフト「おたくの星座」。 かつて母がプレイしていてそのデータの続きをプレイしてみたけど バグって進めなくなってクリアを断念したという凄絶な過去があるゲームです。

しかし自分にとってはそのゲームが初めて目にしたRPGであり、 箱も説明書もある品を母か祖母が購入してきたため自分でプレイをしないにしても 説明書を熟読していた思い出深いソフトでもあります。

あるとき、没になったキャラの画像とかないかしら、と調べてみたら微妙にあったかもしれないんだけど 「おたくの星座」のすべてを知っているといえるほどプレイしきったわけではないので 見覚えもないし出てくるところもなさそうだけどよく分からないという理由でお蔵入り。

さらに、没になったアイテムとかないかしら、と思ってまた検証してみたら 微妙にこれ没っぽいよなというのは見つかったんだけれどもやはり自分でゲームに登場する アイテムをすべて覚えているわけではなく、確信を得るにはゲームを1からプレイして 隅々まで調べる必要があるのでまた掲載は見送られ。

さらにさらに、没になった「ふぉーす」やテキストを調べてみたら、これは確実に没だ! というのはあったんだけどやっぱすぐに話すことはなく、長い月日が経過してしまったのでした。

だけど、没データは没データだ。ちゃんと紹介しようと思います。 そしてあまりに知られていないゲームだから、ちゃんと簡潔に説明もします。


(この画像を撮影したのは一度没データ紹介ページを作ろうとした2019年のこと。フォルダに入りっぱなしだったのでそのまま使用)
というわけで「おたくの星座」というのはファミコンソフトでありジャンルはRPG。 ストーリーやキャラクターは奇抜だったり独特だったりするけれども システム自体はいたってシンプル、ドラゴンクエストそのまんまといっても過言ではないぐらいです。

フィールドを歩き、敵が出現し、たたかう、敵を倒す、経験値が入る、レベルが上がる…まさにそういうシステム。

そして「まほう」や「じゅもん」などに相当するものは「おたくの星座」では「ふぉーす」と呼ばれるものであり、 攻撃したり回復したり状態異常を与えたりと、本当に王道です。

炎系の「ふぉーす」は「アチャ」、氷系の攻撃は「コチン」、回復は「スポン」、毒を与えるのは「クドク」… というようなネーミングです。そんな「ふぉーす」の中に、見覚えがないものがありました。

ゲームの内容を完全に覚えているというわけではないのにどうして「見覚えがない」といえるのかというと、 「ふぉーす」については説明書にすべてが掲載されていたからです。すべての「ふぉーす」の名前は 覚えているため、説明書で見覚えがない=ゲーム中に登場しないといえます。

そして、説明書とゲーム内容に違いがあるというのもよくある話。だけどこの見覚えのない「ふぉーす」に 目星をつけて実際に使用してみるとその挙動から、これは確実に没データだろうと結論付けられたのです。

それがこちら、「ミナギルン」「カタメルン」という二つの「ふぉーす」です。

データの順番的にはアチャ系、コチン系などの攻撃、アパパラやクドクのような状態異常系、 「チューダ」という…いわゆる「サイマグネット」、回復のスポン系…というように並んでいるんだけど 「チューダ」の後に、「ミナギルン」と「カタメルン」が連続して入っていました。

で、この「ミナギルン」と「カタメルン」という名前。他の「ふぉーす」から推理すると 「ミナギルン」は力がみなぎり攻撃力が上がり、「カタメルン」は守りを固めて防御力が上がる… という効果になりそうかな、と個人的には感じました。

だが、使ってみても「つかえません」と出るばかり。 フィールド上でも、バトル中でも、誰に使うのかを選ばせてくれることもなく 「つかえません」としか出ません。

ということはますます没っぽいぞ、と思ったんだけど、もうちょい主人公のレベルを上げてみたところ、 なんとこの二つの没「ふぉーす」、使うことができるようになりました。

使うと「〇〇はミナギルンのふぉーすを使った! 〇〇は体力が回復した!」というメッセージが出ました。 「ふぉーす」固有の効果音はナシ。

そして対象のHPが回復しません。しないんかい!! 「体力が回復した!」って言ったじゃないか!!

でもメッセージ的に体力が回復する効果だったということは 「ミナギルン」によってみなぎるのは攻撃力ではなく、元気とか気力とかそういった 類のものだったようです。

じゃあ「カタメルン」はどうだろう。

「〇〇はカタメルンのふぉーすを使った! 〇〇は体力が回復した!」と出ました。同じやんけ。

死んでたまるか、という決意をカタメルンことによって体力を回復させているのでしょうか。 「ミナギルン」も「カタメルン」も「〇〇は体力が回復した!」というメッセージが出るけど 回復しない、といういかにも没っぽい挙動を示すのでした。

さらに別パターンとして 「〇〇は体力が全快だ!!」 というメッセージが出たこともありました。

さらにさらに、「全員 体力が回復した!」 というメッセージが出ることも。ご覧の通りパーティは一人です。全員とは…?

いずれにしても体力は全く回復しないので使っても無意味です。 そして「つかえません」というメッセージが出たのはFPが足りなかったからのようです。

いわゆる「ホイミ」である「スポン」の消費FPは20。最初に覚える「ふぉーす」の「アチャ」は 消費FPが5、という世界なのでまさかのFPが足りていないということだとは思いもよらなかったのですが、 なんと「ミナギルン」と「カタメルン」の消費FPは50でした。高ッ!!

メッセージが「体力が回復した!」と「体力が全快だ!」(ぜんかい、の変換は正式には不明)と 「全員、体力が回復した!」と変わるのもよくわからず。元からHPが満タンの時に使うと「(最初から)全快だ!」 という意味でその表示になるみたいなことはなく、そういうメッセージになることもあるというだけのホントよく分からん挙動でした。

でももし全員の体力が回復してくれるのであれば結構ありがたいです。 味方全員のHPを半分弱回復してくれる「スポポポン」の消費FPが60なので もしミナギルンが味方のHPを全回復する「ふぉーす」だった場合、とても便利です。

…が、スポン系があるのならば「ミナギルン」および「カタメルン」の出番は来なさそう。 そもそも攻撃系「ふぉーす」にたくさんの種類があるのに回復系「ふぉーす」が 「ミナギルン」と「カタメルン」の2種だけということはちょっと考えづらい。

パーティも最大で4人になるようなゲームなのだから、味方一人を少し回復、味方一人を全回復、 味方全員を少し回復、味方全員を全回復…というような効果の「ふぉーす」を作ることは 最初から考えられていそうです。

「ミナギルン」と「カタメルン」を使った時のメッセージが「〇〇は体力が回復した!」となるのは その二つの「ふぉーす」の本来の効果ではないのでは…と、素人は感じます。 メッセージ通りにHPが回復するわけでもない、というところもそんな気がします。

となるとやはり「ミナギルン」は力がみなぎって攻撃力UP、「カタメルン」は守りを固めて防御力UPが自然なような気がする。 ぶっちゃけて言うと、ドラクエ的なゲームなんだから「バイキルト」と「スカラ」っぽい。

「クドク」の「ふぉーす」を受けて「ドク」状態になると防御力が下がってしまう、というような挙動があるため 「カタメルン」を使って一時的に防御を上げる、という効果を実装するのが不可能または非常に時間がかかったり 容量の関係で実現できなかった、ということがなさそうなのがすごく謎です。

そして、このゲームにバイキルトとスカラがあったとて、別にゲームバランスが崩壊するということもなさそう。 すでに崩壊してるし…。

で、ゲームバランスの崩壊を懸念して没にしたとしたら「ミナギルン」と「カタメルン」の 効果が正しく設定されていそうなものだけどそれすらもない、だけど「ふぉーす」のやたら 中間にデータ的に位置しているというのがホント謎。

使う予定で名前も決めたけど、領域も確保したけど、結局効果すら実装されないまま使われることがなかった二つの没「ふぉーす」。

個人的に、仲間が加入した後はキャラが「自分で倒した」敵の分の経験値しか入らないというシステムなので 弱いキャラが自分で敵を倒さないといけないため、弱い仲間を「カタメルン」で防御を上げて倒されないようにし、 「ミナギルン」で攻撃力を上げて自力で倒してもらう…なんてことができそうなのでもしミナギルンとカタメルンが バイキルトとスカラだったとしたら没になってしまったのは結構残念です。

…ところで、関係あるのかないのかは分からないけどその没「ふぉーす」の名前を見たときに 真っ先に思い浮かんだものがありました。

主人公の冒険が始まる、まさにその出発の地「ジパング」の町。 そこには無料で体力を回復、フォースポイント(FP)も回復してくれる人たちがいます。 でもかつて何もわからずぽちぽち動かして母のセーブデータで遊んでいた頃、 その人たちに意味もなく話しかけまくって強くなっている気がしていたのです。

それが、このご老人。 「期待しておるぞ!!ミナギレちからー!!!」と 掛け声をかけて画面全体にエフェクトがかかります。

この「ミナギレちから」の意味が分からず、なんか知らないが青とか緑に光って強くなってそうだから A連打をしていたのでした。このご老人の反対側にはおばあさんもいて、同じようなセリフを言って 「ミナギレふぉーす!!」と言ってフォースポイントを無料で回復してくれます。

さて、没になったフォースの名前を思い出してみましょう。そう、「ミナギルン」です。 このわざわざカタカナで「ミナギレ」と言っている辺り、この二つの単語が無関係ではないのでは、と思います。

でもミナギルンとカタメルンの効果がないところ、他のものに上書きされてしまったわけでもなさそうなところが やっぱ謎ではありますが、もしかしたらこのミナギルンという名前に愛着があり ミナギルンが没になった後も最初の町には宿屋(ホテル)ではなく無料で回復する場所を作ることになり そこのセリフとして少しだけリサイクルされた…という流れなのかもしれません。

そんな、「おたくの星座」には「ミナギルン」と「カタメルン」という没になった「ふぉーす」がデータ内に存在している。 効果は未設定。というような6秒で言い終わるような内容の没データ紹介なのでした。 没っぽい敵とか没キャラとか没テキストとかすんごいいっぱいちらほらあるので、また話す時が来るかも…?来ないかかも?

2023年09月15日


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