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「没データのメモ書き」のページに ほかの雑多なものと一緒にポツンと書かれていただけだったMOTHER2の没アイテムについて。 MOTHER2実況プレイのYouTubeへのお引越しも 無事に終わったので、このタイミングにちゃんと改めて没データを検証してみることにしました。

このゲームは「開発途中で没になったもの」は多いですが、 結論から言うと「没アイテム」と言えるものは二つだけしかありませんでした。 そう、「ガッツのバット」と「おうじゃのつるぎ」ですね。違います。

一つ目の没アイテムはこちら、その名も 「TEMP」です。 「MOTHER」には同じようにアルファベット表記の「ITEM」 という没アイテムがたくさんありましたがMOTHER2の「TEMP」には数字はつきません。

名前的にとても作っている途中のものという感じで、 アイテム名すら決まっていないようです。

使ってみても何も起こらず。 「しかし何も起こらなかった!」という、RPGで非常によく見るメッセージが 流れるのみです。

捨てようとしても「TEMPは捨ててはいけない。」と出るので、 アイテムは全て捨ててはいけない設定がデフォでありそこを変更されていないだけなのか、 はたまた「TEMP」を作った際、名前はまだだけど「重要アイテムだから 捨てられない設定にだけはした」のか、どちらなのかは不明です。

「せつめい」を見てみると、 「モノトリービルのメイドさんがくれたカギ。」 という、衝撃の説明が。「TEMP」はカギ系アイテムだった…! それならば捨てられない設定になっているというのは納得です。

モノトリービルのメイドさんといえばエツコさんですが、ということはこれをくれるのは本当は 彼女だったということだろうか…?

本来、モノトリービルはメイドのエツコさんに「ぐるめとうふマシン」を渡し、 お礼をするから来てくれと言われ、エレベーターガールにエツコさんが話をつけてくれているので 47階より上にも行けるようになる…という流れで攻略することになっています。

もしこの「TEMP」がモノトリービルの47階より上、モノトリーがいる階に行けるようになるための イベントアイテムだったとしたら…どういう手順で攻略することになるんだ…??

MOTHER2のアイテムはまあまあ規則正しく並んでおり、最初の方に「こわれた〇〇」が並び、 次にバット、フライパン、ジェフのガンやビーム、ヨーヨー、おまもり、ペンダント、 うでわ…と、隙間なく無駄なく並んでいます。「コイン」が「バット」の間に唐突にあることもないし、 それぞれの道具も登場順、強さ順に並んでいる感じ。

…だが後半になるとエンディングで出てくる「ママのてがみ」や「トニーのてがみ」などが 連続していないばかりか飛び飛びに入っていたりするので MOTHER2とは一度プログラムをまっさらにして作り直されたという話も聞いたことがあるし、 作られていた部分までは綺麗に、その後は試行錯誤されたという感じなのか…? と、見た感じでは思いました。勝手な個人の感想です。

で、「TEMP」が入っているのは「ぐるめとうふマシン」よりも結構後です。 「TEMP」が没になり、「ぐるめとうふマシン」が作られたというのならばわかるが… それとも「ぐるめとうふマシン」は元はモノトリービルへの侵入に関係のない 別のアイテムだったのか、「ぐるめとうふマシン」が別のアイテムが没になって できた隙間に入れられたものなのか…。

「TEMP」つまりエツコさんがくれたカギでモノトリービルの攻略をするという 手順であったとするならばエレベーターで上の階へ行くというあのビルの構造上ちょっと困ってしまう。

47階にはポーキーがいるだけ。モノトリーに会うには48階へ行かないといけない。 となると、鍵で48階へ行くにはエレベーターガールに47階まで運んでもらい、 47階から鍵を使って48階まで行く、という攻略手順になるはず。 それよりかは事情を知っているエレベーターガールが48階までスムーズに運んでくれる方がスマートな気もします。

そして「TEMP」はテンポラリなまま没となり、そこのスペースに他のアイテムが入ることもなかったのでしょう。 ちなみに48階へ行くプライベートエレベーターに「TEMP」を持って近づいても乗ることはできませんでした。 そういうイベントのカギとしての設定もされていないようです。

もう一つの没アイテム、それが 「ビデオドラッグ」という もう名前がなんかアレな謎すぎる存在です。

「ビデオドラッグ」とは和製英語で画像や音楽の効果でハッピーな気分になる映像のことらしい。 違法なものではないようだが、それでも、ダメだろこれは!!

存在も危ないが、これが「アイテム」であるというのもかなり意味が分からない。 映像を流してくれるアイテムだったのか?それを必要としている人物がゲーム内に存在していたのか? それともそれを使うとちょっぴりサイケデリックな映像がゲームの画面上に流れちゃって、 ハッピーな気分になってしまえたのか?それともそれともそれを使うとハッピーな気分になって 主人公たちの状態異常やHPが回復でもしたのか?

分からない。全く分からない。

アイテムの順番的に「ビデオドラッグ」が入っているのはかなり後半だが その辺りは回復アイテム・イベントアイテム・後から追加されたと思われる装備品・バトル中に使うアイテム などがズドドドッと入っている領域で、アイテムの並び順からどういう種類のアイテムだったのかを 推察するのはちょっと難しい感じ。

回復アイテムの真っただ中にあってくれたら、回復アイテムだったんだろうかとか思えるんだが…。

順番的には「まちのちず」、「ビデオドラッグ」、「グレオレマシーン」という並びになっていて ますますよく分かりません。オレンジキッドの発明品だったりするのか…?

バトル中に使うと何も起こらなかった!と出るだけ。通常時に使うと何もメッセージは出ず、 すべてのウィンドウが閉じてフィールド画面になるのみ。 その処理は「まちのちず」のような画面全体に何かが起きるためのものなのか、 メッセージすらないとそういう挙動になるだけなのかは分かりません。

もし画面全体にそーいった映像が流れる予定だったとしたらコワイ…。 MOTHER2のバトル画面の背景って、なんかそういう感じだなあと昔から思ってはいたが…。

捨てることはできませんが「せつめい」を見たら メッセージが表示されました。さあ、この「ビデオドラッグ」とは何なんだ? いつ使うアイテムだったんだ?教えてくれッ…!!

その説明文は…「なんなんだ これは?」 の一言。…いや、なんなんだこれは!? こっちが聞きたい!こっちが説明を求めてるんだ!!

ゲーム側が分かっていないのならばこっちが分かるわけがない! 何なんだこれは!アイテムなのか、それすらも分からん!なぜ所持できるのか! どこで使う予定だったのか!なにも分からん!!

…が、もしもこれが「完成形」のメッセージだとしたら。 「ビデオドラッグ」を誰かからもらい、もしくはどこかで拾い、これをどこかで役立てなければいけない。 何か存在理由があったからこそ、貴重なアイテム欄を一つ使ってまで存在しているわけだ。

ビデオドラッグを欲している人に渡す…だが主人公たちにとってはこれが何なのかは分かっていない。 だから「何なんだこれは?」としか感想が出てこない。ビデオドラッグを欲している人に渡し、 イベントが進む。だが欲していた人は喜び、ちょっとハッピーになってはいるが どうしてそうなっているのかはキッズには分からない…という、少々危険な黒めな イベントだったとか…だろうか!?※個人の推測です。

…ところで「ビデオドラッグ」は一部の攻略本には掲載されており、 回復アイテムで説明は「?」らしいが自分が所持する攻略本には載っていないので あくまで「らしい」です。未確認。

ついでに、開発中は「TEMP」は「メイドのカギ」という名前だったというのも確認。 まあそうだろうなという名前ですが、「TEMP」が「メイドのカギ」になる前に没になったのでしょう。 そもそも48階に行くための手段だったかどうかすら不明です。そこもご注意ください。

アイテムは「うさぎごのみにんじん」が最後で、あと二つの領域、数値的にはFEとFFは空白で何も設定されていませんでした。 もう一つ、何もないことを意味する「00」もアイテム名は持たない…はずですが、 無理やりアイテムとして選んでみると…。

アイテム番号00は「ヌル」 という名前だということが分かりました。これも通常プレイでは絶対に 表示されないアイテム名ですが、プログラム上便宜上必要だから名前が設定されているだけで 没アイテムというわけではなさそうです。が、通常プレイでは見られないアイテム名なので一応没データです。

というわけで、MOTHER2にはたくさんのアイテムが存在していますがその中で確実に「没アイテム」といえるのは 「TEMP(メイドのカギ)」「ビデオドラッグ」の二つです。

ビデオドラッグが回復アイテムだとしたら「あじつけこもの」が勝手に振りかかってしまう、 そうならないためにビデオドラッグを例外扱いにするのも大変です。 なにより存在が少々危なめです。没になるのは納得といえるでしょう。

以上、ちょっとデンジャラス気味なMOTHER2の没アイテムの紹介でした。あぶないあぶない…。

2022年01月12日


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