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料理ビギナー、ラザニアを作ってみるの巻。前編は「緊急」、後編のサブタイトルは「自爆」です。 どちらも料理の日記に出てきてほしくない単語です。

まず大前提として、言い訳をさせてもらうと、俺には時間がなかった。なかったんだ。 次のゲームの小ネタ動画のナレーションの録音をリギリギに終わらせ、急いで料理に取り掛かった。 急がねば、お母さまのご帰宅のお時間ですわ。

前日に調べていたラザニアのレシピは3つ。やりたいことがあったので、3つのレシピを統合させる必要があったのです。 やりたいことその1、先日のホールトマトの缶の残り半分を使ってミートソースを作りたい。 やりたいことその2、ラザニアの生地は餃子の皮で代用できるらしいのでそれを試したい。 やりたいことその3、ホワイトソースの缶は割高なので自作したい。

というわけで、ホールトマトの缶を使ったミートソースのレシピ、餃子の皮のレシピ、 それらを包括した大筋となる、ミートソース、自作のホワイトソース、餃子の皮を使うレシピの3つを用意した。

まずはミートソースの作成を開始。レシピの半量で作るので、豚ひき肉に小さじ2分の1杯のおろし生姜、おろしニンニク、 塩小さじ2分の1杯を投入。オリーブ油大さじ1杯をしいて炒める。 色が変わったら皿に移し、そのフライパンでみじん切りにしていた玉ねぎ半分を炒める。

ホールトマトの缶を2分の1(つまり残ってた分全部)を入れてペースト状になるまで炒める。 皿に取っておいたひき肉とキューブのコンソメ2分の1、砂糖・醤油・ケチャップを大さじ2分の1ずつ入れてまぜまぜ。 これでミートソースはOK。

次はホワイトソースを作成。牛乳200t、薄力粉大さじ2杯、バター大さじ1杯(バターを大さじで!?というわけである程度目分量になった)、 コンソメ顆粒を小さじ2分の1…だが、さっきのキューブのコンソメの残り半分をフライパンに投入、泡だて器で混ぜる…とのこと。 炒めながら混ぜ混ぜ。だまがすげえ。どうしよう。

ここでお母様が帰宅。「ホワイトソースはヘラで混ぜた方がいいよ」とアドバイス。 で、で、でも、レシピでは泡だて器でって書いてあって…こういうところもレシピの見極めが必要なのか〜…!

まあまあの粘度になり、これでホワイトソースも完成!これ以上炒めていたら粘度が上がって粘土になってしまう!うまくねえぞ!

急げ、お母さまが帰ってきてしまった…というのに、肝心のラザニアの生地がない。ラザニアの生地は餃子の皮。 以前作ったことがあるのでこれは分かる、強力粉100グラム、熱湯60t、塩小さじ4分の1を入れて混ぜる。捏ねる。 3分の1にちぎって急いで麺棒で伸ばす。めちゃめちゃ薄く伸ばす。向こうが透けて見えるほど伸ばす。

本来の餃子の皮よりも薄く伸ばしました。なぜならば、一抹の不安があったからです。 よし、めっちゃ薄い餃子の皮のデカい版が3枚出来上がりました。これで役者は揃った。オーブンを220度に予熱開始。

ここでどうしても心配だったのでレシピを再々(×3)確認。大丈夫なのか。すごく心配だ。大丈夫なのか… だが、レシピを一番上から下まで何度読み返しても、書いていない。いらない手順ということか…レシピを忠実に 実行してこそ料理。ここは、信じるしかない…か。よし、やろう。

というわけでレシピを忠実に実行することを続行。グラタン皿にホワイトソースの半量を広げる。 餃子の皮を敷く。本来は2枚重ねにした餃子の皮を6か所(つまり12枚)並べるようだが、 とても薄いのを1枚用意したのでそれをベロン。

餃子の皮に、刷毛で水を塗るとのこと。実行。餃子の皮の上にミートソースの3分の1の量をのせて広げ、 チーズをのせて広げる。これにてラザニアの第一層目が完成。

次にまた餃子の皮をのせる。水を刷毛で塗る。ミートソースの3分の1をのせて広げる。これでミートソースは残り3分の1。 ホワイトソースの残り半分をのせて広げる。これでホワイトソースはなくなった。 チーズをのせて広げる。これにて第二層目が完成。

最後の1枚の餃子の皮を敷く。水を刷毛で塗る。ミートソースの最後の3分の1とチーズをのせて広げて、 オーブンで12分間焼く。急げ!オーブンにシュート!!

…後は、座して待つ…わけではなく、急いで台所を片付ける。お父様が帰ってきたら台所をお使いになるので、 調理器具や食器の類は全て片付けておかねばならないのである。ガチャガチャ。よし、掃除は完了だ。

早く焼けてくれ…お母様にはご帰宅の時点でお食事を用意しておきたかったのだが、全く間に合わなかった… ラザニアとはかなり工程の多い料理だったようだ…ましてや、料理ビギナーなんて手際が悪いから 3倍ほど時間ががかかると見積もるべきであった…。

チーン。焼けた!焼けましたぞ社長!急いで食卓へ持っていき、大きなスプーンで取り分けて頂きまーす。ぱくり。

悪い予感が的中。

これは生だ!!餃子の皮が完全に生だ!!心配した通りだった…220度のオーブンで12分間焼いて、 生の餃子の皮にしっかり火が通るのだろうか?とずっと不安だったんだが、やっぱり火が通ってない!!

お母さんに食べないように手で制止。どうすればいいんだこれ。危険な物体が出来上がってしまった。 ぼくが落ち込んでいるのを察したお母様が取り皿とグラタン皿(ラザニアが入った皿全部)を持って立ち上がった。 「電子レンジでしっかり加熱して火を通そっか」と。

おおう…その手がございましたか…。絶望しきっていたから頭が回らなかった…確かにそれで火が通るね…。

電子レンジで加熱してくれている間、もう1回、レシピを上から下まで見る。何度も見た通り、餃子の皮をあらかじめ加熱しておく・ 下茹でしておくというような記述はない。写真も、生の皮をのせている。 やはり私は間違っていなかった……が……マンマミーア…。

お母様が「次は下茹でしてからのせたらいいんじゃない?」と言ってくださった。火が通ったらおいしくなったよ、 ミートソースおいしいよ、と落ち込みまくるぼくを励まして下さる。

もっとしっかり焼くべきだったのかもしれないが、頭頂部のチーズはもはや焦げ始めており、 12分より多く熱することはできなさそうだったのだ…アルミホイルを…いや、そんな指示はレシピに無かった…。

…だがこれは、料理ビギナーの手際の悪さのせいだろう。餃子の皮に火が通っていなかったのは、 あまりの手際の悪さのせいでホワイトソースやミートソースがアツアツの状態ではなくなっていたことが原因かもしれない。 己の技術のなさを加味し、自発的に餃子の皮に火を通しておくべきだったのだ。やってしまった…やってしまった!

以上、味付けはまあまあよかったのにビギナーゆえの自爆をかました、というラザニア初戦は 惨敗という結果に終わった料理ビギナーの奮闘の記録でした。ラザニア、リベンジするぞ…!!
2024年03月08日


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