「強力粉 メイプルクッキー」でレシピを検索し、レシピを忠実に再現できて、 今回は失敗した部分がないぞ、これはすごいぞ!と焼き上がりを待っていた料理ビギナー。 材料の分量に「適宜」だの「適量」だの「少々」だのと書かれていない、 全てをグラム単位で指定してくれている料理ビギナーのためのレシピだったのである。 サラダ油50グラム、タマゴ1個、メープルシロップ30グラムをボウルに入れて白っぽくなるまで泡だて器でまぜまぜ。 強力粉200グラム、チョコチップ25グラムをボウルに投入、ヘラで混ぜ合わせて材料がなじんだら手で固める。 オーブンを180度に熱し、天板にちぎって丸めたクッキー生地を並べ、15分間焼く。 …のだが、ここでどうしてもどうしても気になった。どうも、粉の量に比べて甘味が少なくないか?? メープルシロップ30グラム、チョコレート25グラムというのは、クッキーにしてはあまりに味がなくないか!? 塩も入れないし…お菓子のレシピは忠実に、というのが大宇宙の真理だが、どうしてもどうしても気になったので、 大さじ1杯弱の砂糖を入れました。それをまぜて、成形して並べて焼いたのです。 その間に夕食のサーモンのポキ丼を製作。お母さまはアボカドはお嫌い(というか得体が知れないものは召し上がらない)だが、 サーモンと一緒に食べるアボカドは味の邪魔はしないだろう。これも「サーモン ポキ丼 レシピ」で検索し、 クッキーを焼いている間にレッツ製作です。 とはいってもこちらも手順は少ない。3センチ四方ぐらいの大きさに切ったアボカドとサーモンをボウルに入れ、 大さじ2杯、ごま油大さじ1杯、にんにくチューブ2センチ、白ごまを適量入れる。 さすがに白ゴマの適量は分かる。そもそも白ごまは多すぎても少なすぎてもあとで何とかなる。 困るのは砂糖だの塩だのの、増減が致命傷になるような調味料の量を指定しないレシピである。 サーモンとアボカド、そして調味料たちをごちゃごちゃと混ぜる。混ぜに混ぜる。 シヅキは混ぜた。シヅキはその夜、一睡もせずサーモンとアボカドを混ぜに混ぜた。(−「混ぜよシヅキ」より抜粋) で、お母さまのご帰宅を待っている間冷蔵庫に入れておき、炊きたてごはんにのっけて頂いた。それはおいしかった。 おいしかったのだが…問題は、クッキーの方である。これがまあ、これがまあ、マズかった。 頑張って4つほど食べたが、もう無理だった。お母さまは「おいしいよ?」と言ってくれたが、そんなことはない。まっずい。 まずさの秘訣、それは無味ということである。あの予感は的中した。全く甘くないのである。 食感は良い。こういうザクザク感、俺は好きだぜ。だが、味がしない。味がしないものを食うのであれば、 砂や綿を食ったって同じなんだ…!! と、嘆いているとお母さまが「砂糖をかけてみようか?」と言ってくださった。 ぼくはもうそれを食べる気も見る気もしなかったのだが、立ち上がって袋に入れて砂糖をまぶしてまぜてくださった。 そしてそれを食べてみた。まっずい。だめだ。かけるんじゃだめだ。このクッキーがまずいんだ!! シヅキは激怒した。必ず、かのクソマズなクッキーを棄てねばならぬと決意した。シヅキには料理が分からぬ。 シヅキは、ゲーム攻略サイトの管理人である。没データを解析し、未発売ゲームを調べて暮らしてきた。 けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。(−「混ぜよシヅキ」より抜粋) …とゆーわけで、そのクッキーをもう見たくもなかったので廃棄。仕事に行かれる前のお父様に、 今日クッキーをつくるなの!お母様が全部食べちゃわなかったら、お父様にもあげるなの!と言っていたんだが、 もう廃棄。こんなクソマズ、食わせられん。 あまりに落ち込むぼくにお母様が「何となく砂糖の量が少ないって、レシピを見たら分かるようになってきたんじゃない?」と 言ってくださった。そうです、その通りです。このようなレシピを見抜けぬ某が愚かだった。 寸分違わぬレシピ再現の前に、レシピの見極めこそ肝要であったのだと…。 そんなわけで、サーモンのポキ丼はとてもおいしいのでみんなも作りましょう。 強力粉のおいしいクッキーは、近日中にリベンジじゃ!! |