◆さらに昔のヨッシーアイランドのストーリー◆


いくつかページを書いて、とりあえず、分かったこと。

今のところ存在しているヨッシーアイランドの開発中の資料の段階は そのものズバリ本当に「開発中」のものであり、まさに作っている途中のもの。そのままリリースされる予定のものではない。

システム(タマゴの生産・タマゴ投げ・ヨッシーの運動能力・ミスの条件などなど)がそのままで追加されていく予定だったとしても マップはこのままでは難易度が高すぎるしグラフィックも不完全な箇所があり変更がなされる前提だったはず。

そして実際のヨッシーアイランドはそもそもシステムが大幅に変更された上でマップの構成もアイデアはそのまま 使われたものが散見されるにしてもやはり全とっかえと言っていいほど作り直されていました。

開発中のヨッシーアイランドは本当に作っている途中のもの。このまま完成、となるものではなかったもの。 作っている途中ならばそりゃ製品版と違うところがありまくるのは当然のことであり、 これほど大規模に作り直されているのであれば違うところしかないのが当たり前です。

…というわけで、今回注目するのはベータ版と製品版の違いではなく、そのベータ版に残っている ベータ版よりもさらに前のヨッシーアイランドの原形の名残から 考察できるストーリーについてです。そこがすんごい気になってしまったのである。

ベータ版ヨッシーアイランドのストーリーは製品版とほとんど同じで、 コウノトリがマリオを運んでいたがカメックの邪魔が入りマリオはヨッシーアイランドのヨッシーの背に墜落、 ヨッシーたちはかわりばんこにマリオを運んでいくことにした…と、いうもの。

製品版との違いは実質、ルイージが出てこないこととカメックの手下がコカメックではなくムーチョだったこと、 あとマリオのパンツが青かったということぐらいでした。

それともう一つ、コウノトリが使っていたものと思しきマリオと一緒に落ちてきた「ちず」。 しかしベータ版では「ちず」と書かれているものの、違うものが落ちてきています。

つまり、グラフィックは「さらに前のストーリーのときのまま」で、テキストがストーリー変更後のものなのでしょう。

左がベータ版の落ちてきた物体、右が製品版の「ちず」の方。 この左の物体が「魔法の杖」であることは自分はなぜか知っており、ベータ版のOPを見たときに ルイージがいないことには驚いたけど「ちず」ではないものが落ちてきたことには驚きませんでした。

ただ、なぜこれが「杖」であることを知っていたのか忘却。もう、大昔に何かでこの場面で 杖が落ちてくることを知っていたんだよな…だから、きっと何かでここは元は杖が落ちてくるものだった というのを見たことがあったのだと思います。雑誌かインターネット上か…。

そしてここからが割と本題。まず、どうやら調べたところによるとヨッシーアイランドにはさらにいくつかバージョンがあったようで、 そのバージョンの時系列が実はよく分かってません。色んな要素、ストーリーとテキストが別々に変えられているということなのか…。

まずはとても分かりやすい、ベータ版ヨッシーアイランドのゲーム内で確認できるストーリーから話してしまうことにします。 それもまあまあ衝撃的なんだが…。

製品版のヨッシーアイランドには1-1よりも前に「ここはヨッシーアイランド」というチュートリアルコースがあります。 ベータ版におけるワールド1のコース1の名前は「ワンワンちゅうい コース」でしたが、 ベータ版にもその「ここはヨッシーアイランド」に相当するチュートリアルのコースがありました。

その名も「まずさいしょに ジャンプのれんしゅうコース」

開始時はこんなところに立っていて、メッセージが表示されます。

「あかちゃんマリオを もとの すがたに もどすために、 6つある ふしぎのキノコを ぜんぶ てにいれるんだぞ!」…って、何を言っているんだ…?!

赤ちゃんマリオをパパとママのところに連れて行くのが目的なのでは?!これはまだマリオが生まれる前のお話なのでは?! 「赤ちゃんマリオを元の姿に戻す」とは?!

ベータ版には、マリオを囲んでヨッシーたちが相談しているシーンがありません。製品版ではそこでマリオがルイージの 居場所がなんとなく分かり、そこへ行きたがっている事を察してかわりばんこに運ぶことを決定します。 だがベータ版ではこの「ジャンプの練習コース」の最初のメッセージこそがOP後のストーリーの最初のテキストなのです。

…というわけで、衝撃の真実。「ヨッシーアイランド」の元のストーリーは、ルイージがいなかったとか そういった次元の違いではなかった。マリオが赤ちゃんの頃の話ですらなかったのである…!!

マリオが赤ちゃんの姿に変わってしまい、元の姿に戻すために6つの「ふしぎのキノコ」を集めるのがゲームの目的。 各ワールドのボスが「ふしぎのキノコ」をまるでスターロッドのように持っていたのでしょう。

マリオを赤ちゃんの姿に変えたのは誰なのか…やはり、カメックか。それともマリオが大人の世界ならクッパも大人だろうから、 クッパ様も魔法が使える設定がおありなのでクッパ大魔王様直々にマリオが赤ちゃんになる魔法をかけた、というのもアリです。

それともマリオストーリーのようにマリオを赤ちゃんにできるフシギなパワーのあるアイテムを手に入れたクッパがマリオを赤ちゃんに変え、 そのフシギなパワーアイテムの効果を解除できるのが「ふしぎのキノコ」であり、それを探しに行くのがマリオととっても仲良しの ヨッシー…と、いうのなら納得。もしかしたらマリオがヨッシーアイランドに遊びに来ているときに赤ちゃんになってしまったのかもしれないし。

というか「赤ちゃんマリオを元の姿に戻す」という表記だけでは「赤ちゃんに変えられたマリオを元の姿に戻す」のではなく、 本当にヨッシーアイランドの話はマリオが生まれる前の話で赤ちゃんの状態のマリオしかおらず、 その赤ちゃんマリオがさらに別の姿に変えられたのでそれを元に戻すために「ふしぎのキノコ」が必要…とも考えられなくもない…か?

その可能性もあるのか、と思いきや…今回ご用意した最後の画像をご覧下さい。

ベータ版の1-8「スライムボスのしろコース」にて、 ボス部屋に入るとどこからともなく声が聞こえてき(というかメッセージが表示され)ます。

『ビョーン ブョーン!!』
『マリオは あずかったぜ! このまま マリオは あかちゃんの ままだ ビョーン』
 …という、 有力な証言が得られるのです…。

この後、通常のスライムもカメックも登場せずに天井からビッグスライムが出てきてボス戦となるわけですが 「ストーリー」の考察なのでそこら辺の違いについては今は特に考えません。

メッセージのカギカッコは二組あり、前半はただの擬音、後半はしゃべっているセリフ…なのか? それとも前半と後半は別々の人物がしゃべっているセリフで、そのセリフが作られた時点では ビッグスライムが1匹、というボス戦ではなかったということなのか?

なんにしても大事なのは「マリオは赤ちゃんのまま」というセリフ。これでやはりマリオは「赤ちゃんに変えられている」 ということが確定し、その状態から元に戻るために「ふしぎのキノコ」を集めるヨッシーの旅、というストーリーだったことが分かります。

「マリオは預かったぜ!」というセリフから、ボス戦前に背中にいたはずのマリオがさらわれた、ボス戦後に帰ってくる という流れだったのかもしれません。今のところ、1-8のボス戦前のテキストしかストーリーに関係しそうな セリフが見つけられていないのが残念。

…しかし、取材班(一人)は資料を調べるうちにさらに前のバージョンのストーリーを発見するに至ったのである…! というわけで、次のページに続きます(今日はここまで)。

2020年9月14日


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