◆海外版セプテントリオン「SOS」のハナシ◆
国内版は1993年5月28日発売、ウィキペディアによると海外版は1994年4月発売らしい。 1年近く経過してからリリースされたようです。このページを書いた時点で、海外におけるソフトの相場は まあまあ同じぐらいでした。名作+微プレミア価格。


攻略ページを書き終わってから、ウィキペディアの「セプテントリオン」のページを見てみたところ 海外版のリリース日が書いてありました。つまり、海外でも「セプテントリオン」は発売されたということ。 「北米」で発売されたということらしいが、米国の地理はよく分からないので「海外版」とします。

というわけで「SOS」で動画検索をしてみたら海外版セプテントリオンのプレイ動画様を発見。 全部を通して見たわけではないが(なんせ英語なので読めん)、確認するために要所要所を見させてもらいました。


◆タイトル画面
タイトル画面はこんな感じ。巨大な「SOS」の文字がドドン、サブタイトルはナシ。 発売元が「VIC東海」になっています。ドット単位の違いはあるのかもしれないけど、 このタイトル画面以外の絵も特に違いは見られませんでした。

ちなみにこれが我らの知る方のセプテントリオンのタイトル画面。 かっちょよく「Septentrion」と書いてありますが、かっちょよすぎて読めない。

…というかタイトルを変更してもいいということは「セプテントリオン」というタイトルに ゲームのストーリー的にそこまで重要な意味はなかったということなのか。 もしくは「セプテントリオン」という単語が海外的にアウトだったか。んなアホな。



◆字幕が違う
国内版では映画の日本語字幕のように画面下部中央に表示された字幕ですが、 海外版では基本的に左詰で小さめの文字で表示されます。

その他、英語に対する日本語訳(OPとか主人公選択画面とか)は不要なので当然ながら 日本語字幕は完全に消滅しています。しかし主人公選択画面のあの旅券みたいなヤツを見て、 海外の方は全ての必要な情報を得られるんだな…当たり前か…。



◆キャプリスとエイミーの関係
エイミーは国内版では「義妹」と表示されるが、海外版では特にそのような表記が見られないため、 もしかしたら「血のつながった妹」という設定なのかもしれない。(説明書には書いてあるのかもしれないが、 ゲーム画面からは確認できず)



◆キャスリン・メイプルズの兄
登場しない謎のキャラのページで考察した謎の人物「ロバート」。 キャスリンの次に名前があるので、ゲーム中に名が明かされないキャスリンの兄の名では、と思っていました。

そこでこの海外版、キャスリンが兄の名を呼ぶかもしれないと期待して見守りました。 なんと、キャスリンが彼の名を呼んだ…キャスリンの目の前で倒れている彼の名は…「ショーン」。ロバートじゃなかったーッ!! しかも、兄ではなくキャスリンの「夫」という設定になっていました…ぜ、全然違う…。 (だから海外版で「ショーン」だが、国内版では「ロバート」の可能性はなくはない…?)



◆ルークのエンディング条件
一人で脱出してもダメ、オーナーと脱出しても点数不足だと悲しいことになり、 オーナーを連れていないと他の主人公と違って25点以上ではなく35点以上でなければ切ないエンディングを迎える 苦労人船員主人公ルークくん。

しかし、海外版だと他の主人公と同じくオーナーがいないときのエンディング分岐の条件は25点以上に なっているようです。これで生存確率はぐっと上昇!途中でオーナーがいなくなっても安心だね!!



◆レドウィンの設定
Wikipediaの「SOS」のページによると、レドウィンは「牧師」ではなく「カウンセラー」という設定になっているようです。 さらに、ジャックは「甥」という設定らしい。 (ただ、レドウィンのOPを見ると国内版と同じく「ジャックって誰?」みたいなことを言っているし、 ジャックを助けるときも「息子ではない」としかハンフリーに言わないのでゲーム内ではその設定が使われているかよく分からない。 Wikipedia様に書かれている文章の根拠は説明書とか、もしくは他にあるのかも…??) …ついでに、酒のせいで苦しんでいたOPは海外のお酒規制のせいかただ「具合が悪い」ことになっているようです。 (船酔いかもしれない)



◆レイトンとペインズ
お酒規制ついでに、転覆後自暴自棄になってワインでどんちゃんやっている二人ですが、 なんと海外版ではいません。二人のいる部屋が開かなくなっており、 レイトンとペインズを救出できなくなっているのです…マジか。飲んでいるのを「最高に旨いにんじんジュース」 とかに変更すれば…無理か…。



◆救出できる人の違い
主人公が通りかかるたびに怒鳴りつけてくるミラーはレドウィンかジェフリーでないと救出できませんが、 海外版ではキャプリスでも救出できるようです。あと、スミス家はジェフリーでは救出不可能でしたが 海外版ではちゃんとパメラの足を治した後に救出ができるようになっています。

さらに、ルークのときにしかジェフリーは仲間にできませんでしたが海外版ではレドウィンは アデラの代わりにジェフリーを仲間にできるようです。総合的に、仲間にできる人が増えている感じです。



◆キャラクターの名前の違い
会うときは「アンジェリカ」と名乗るがEDでは「アンジェラ・スノーリーブス」と書かれるのは 字数が横幅いっぱいだったからかな…と思ったりしたものですが、海外版のアンジェリカは 「アンジェリカ・スノー」という名前になっているようです。

それとマリーの母の「フランソワ」はスペルからして「フランソワーズ」、 イスメイは国内版だと「イスメイ・タウンゼント」でしたが海外版では「イスメイ・カール・タウンゼント」となっていて、 「オーナー」ではなく「キャプテン」と呼ばれています。

あと違いではないけど、フランクは「フランク・モートン」と名乗るがEDでは「フランク・コーニー」と 表示されるのでどっちが正式な名前なのかと思ったら、海外版ではEDでは「フランク・コーニー」だけど 「Mr.モートン」と呼ばれていた。やっぱどっちなんだ。



◆スタッフロールの違い
スタッフ様のお名前を全部見比べたわけではないんだけど、ただエンディングを見ていて思ったこと。 「セプテントリオン」にあった各キャラクターの「CAST」がごっそり消えている。 あの項目が見事になくなっているのである…!

やはり海外の俳優さんのお名前をもじっているから…?それとも「このゲームは俳優が演じている」という 設定ではなくなっている?どちらにしても、ますます「ロバート」の謎が深まる。 海外の方々は「ロバート」なる人物がゲーム内にいたかもしれないこと自体ご存じないわけで、 検証力の高い海外の方が「ロバート」を探し当ててしまうこともないのか…!!



◆スコアの違い
これが分かって嬉しかったのでこのページを書いたようなものですが、キャラごとのスコアが見直されているようです。 国内版では子供と女性ばかりが高く、成人男性は3点以下ばかり、5点なのはアランだけでした。 しかし高すぎたキャラは低く、低すぎたキャラは高くされています。嬉しいので表にします。

多分合っていると思うんだが、まあこの攻略ページは海外版には対応していないので…。 国内版よりスコアが高くなったら青、低くなっていたら赤で表示しています。

最高得点のマリーは変化がないが、ハリーが大幅減点で4点に。ステラも4点です。 怪我人のアランもなんと3点にされてしまっています。体力が増やされているかは不明。 逆に怪我人のフランクは2点から3点に浮上してます。

我らがお助けキャラのジャックも6点から5点へ。ステイシーも6から4に減らされ、 でもパメラとクーパーはそのまま。スミス家を助けるか否か、悩んでしまう…か?

エイミーは病人だからか5点へ。(ただし、条件によっては4点になるらしい) 未来の夫婦、クレイバーとバーバラは夫が1点増えて妻が1点減り、二人合わせての点数は変わらず。

そしてなにより嬉しい変更は…ジェフリーとルークが5点になっているということである!!

実況プレイ中に言ったか忘れてしまったがラジオではかなり訴えた気がする、謎の主人公0点問題。 ルークなんてボイラー爆発後にしか登場しないのに、0点なんてあんまりだ…!と思っていたら、 海外版では素晴らしき「修正」がされているのである!!

…さて、全体的に見ると仲間ごとのスコアの差をあまり出していないような気がします。 女性が高く、男性が低いというその差が埋められているようです。

二人で13点だったハリーとステラは、二人で8点に。合計で5点も減点です。仲間にすることには苦労はしないし、 レドウィンは必ず救出しないといけないけどその他の人もなるべくたくさん救出しないとベストエンドにはなりにくい。

「スコアが高い人を優先して救出」というよりも、「大勢を連れて脱出」することに 重きを置くべき、というバランス調整がされているのかも。なんにしても、 ルークとジェフリーが0点なのはおかしいと思われていてよかった…これで、 レドウィンでプレイしたらハリー、ステラ、ジャック、ジェフリー、ルークなんていう 重要人物まみれクリアなんてことも可能だ!!

…ちなみに、当然だがジェフリーが主人公のときはジェフリーのスコアは0点です。 そのためのプログラムがわざわざ足されてまで、変更されているということだ…拍手!!



◆仲間のアホの子現象について
自分でプレイしたわけではないので見た感じでしか言えないが…なんか、 COMのプログラムが改善されている気がする。

傾きによるアホの子の舞、呼んだのに来ないイノシシ現象、狭い通路のしゃがみムーンウォークなどが ことごとく起こらなくなっているように思えます。仲間が全員集まろうとしている途中で 傾くと途端にトンチンカンな動きを始めるアホの子たちが、ちゃんと船の傾きに対応して動いているのである…。

ハッキリ言って「セプテントリオン」の難しさの半分ぐらいは仲間がアホの子になることな気がするので (つまり仲間の誘導がタイヘンってこと)、それが改善されている海外版はもしかしたら 難易度がちょびっと低くなっているのかもな、遊びやすいのかもな、と思います。



…以上、チラリと見た感じで思った「セプテントリオン」と「SOS」の違いでした。 制御室で起こるジェフリーのEDテキストが流れるバグがあるのかは不明。 キャプリスで仲間を7人連れている人のプレイ動画を見させてもらったが、 ボイラー爆発後なのに機関長が出てこなかったりして何か条件が違うのかも、とも思いました。

なによりもジェフリーとルークの得点が改善されているのは最も嬉しい変更点です。 最高スコアを目指すプレイの場合は彼らを入れる必要があるので、さらにそれにタイムアタックを 兼ねたりなんてするとルートどりがアツくなりそう。

テキストは日本語のまま、プログラムを海外版にしたものを、「セプテントリオン -コンプリートエディション-として 「ミニスーファミ第二弾」辺りに収録されないかな!…絶対に無理だな!!
2020年8月13日


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