エリア88
オレ達は命知らずの外人部隊(エトランジエ)



発売日:1991年7月26日   発売元:カプコン   ジャンル:STG
値段:8500円   おすすめ度3.5(パスワードをつけて欲しかった…)


エリア88は、漫画家新谷かおる氏の原作漫画で、2年ほど前にも再びアニメ化(最初のアニメ化は1985年OVAで)されたほどの人気漫画である。 ゲームの背景も原作のプロジェクト4編が元となっている。

 このゲームはACの移植であり、AC版はこのゲーム発売から2年前(89年)に稼動していた。

ゲームの内容は、風間真(以下シン)、ミッキー=サイモン(以下ミッキー)、グレッグ=ゲイツ(以下グレッグ)の3人の中から1人を選んで、 武器商人のマッコイじいさんから買った特殊武器を駆使しながら、全10ステージ(ボーナス面を含めれば11ステージ)を戦っていく。


 このゲームの面白さはSTG自体のほかに、敵を撃墜すると必ず金を得ることができるということ (88年稼動の『オーダイン』は、場合によっては手に入れそこなうこともあった)。

そしてライフ制と微妙な難易度、そしてショットのレベル制である。 事実このゲームは、STGの面白さをを凝縮+αを作った素晴らしい作品であった(反面原作としての面白さはあまりないのだが…)。

 当時のカプコンはキャラゲーに力を入れていた(主に『ウィロー』や『天地を喰らう』等)。 そして面白さは、ダメなキャラゲーを量産してしまったバンダイや東映動画(後の東映アニメーション)よりも、はるかに凌駕していた。 これはカプコンが、ゲーム制作に新たな道を開いたといえよう。


そしてSFCへの移植だが、雰囲気はAC版と同じでも、内容はだいぶ違っている。 それはだいたい4つ。

 1つ目は、ステージの場合AC版は固定制だったのに対し、SFC版は選択制である。 もちろん最初のステージと最終ステージは固定だが、残りのステージは自由に選べるようになっている (例えばAC版はステージ2なのがステージ4にすることができる)

 2つ目は、マッコイじいさんから買える物も、武器の他に戦闘機も含まれることとなった(AC版は乗換えが出来ない)。 その戦闘機の種類も、ショットの最大レベルが違ってたり、積める武器も違っているので、ステージ選択制も合わせて、 かなり戦略性が高いゲームとなっている(というより自由度が高いといった方がいいかもしれない…)。

 3つ目はライフのDENGER制度。 SFC版は一度ダメージを食らうと、ライフに『DENGER』の文字が数秒間付き、その間にダメージを食らうと、問答無用で撃墜される。

そういえばカプコンは数年前、似たようなやり方に『魔界村』でFC版オリジナルとして、 制限時間が減るアイテム『弥七』を作ったとするあたり、AC版の難易度では物足りない人への贈り物としてやったのだと私は思うのだがどうだろう?

4つ目はいくつかのステージの内容の変更。 ボスそのものが変更されたステージもあれば、内容全部変更された(SFC版オリジナルステージに差し替えられたというべきか)ステージもある。 特にボーナスステージは、制限時間がもうけているところだけは共通でも、AC版が旅客機に取り付けられている爆弾の撤去だったのに対し、SFC版は敵の補給部隊の壊滅。

難易度的にはSFC版のほうが低いのだが、AC版ファンにとっては、いささか物足りないところもある(事実SFC版のほうは、何度でもプレイできるし)。

 もっともSFC版は、STGを楽しむよりも金を稼ぐという感覚がぬぐえない。 理由としては、戦闘機購入という設定が追加されたことに他ならないと思う。 何しろ最高の性能を持つ戦闘機が100万$である。 ユーザーは、主にボーナスゲームに躍起になってたに違いない(私もそうでした)。

せめて値段が低く抑えられてたら、金を稼ぐ面白さと純粋にSTGを楽しむ面白さの2つがつりあってたのかもしれない。 そう考えると、非常に惜しいかもしれない。


それとこのゲームのマイナス的な要因はもう1つ、セーブ(もしくはパスワード)ができないということ。 プレイヤーの中には、売られている戦闘機を全部買うプレイヤーもいるかもしれない。 そのためには、通常のステージのほかに、ボーナスステージをかなりやらなければならない。

そういうことを考えれば、セーブがないのはかなりつらい。 でも戦闘機全部買うのは、よっぽどの暇人かただの戦闘機マニアかも…(お気に触れましたらごめんなさい…)。

 そういえば、あの最強の戦闘機を買えた人って一体何人いるんだろ…? もちろん他の戦闘機も捨てがたいが、ショットのレベル上限や積める武器の種類の多さを考えると、 やっぱり100万$の戦闘機が欲しいというのは、人間心理…なのか!? でも、初期の戦闘機でクリアした人っているだろうし…。

…やっぱりこのゲームって家庭機用向きなのかなと、今更ながらに思ってしまう。


一応原作をベースにしたゲームだが、原作のキャラ以上に目立っているキャラがいる。 それはカプコンのSTG『サイドアーム』の自機であり、後のカプコンのマスコットキャラ(?)、通称『モビちゃん』。 このゲームのみならず、いろんなゲームにも登場する。

ただモビちゃんという名前は、あまり知られていないかと思う。 何しろACのサイドアームが移植された家庭機はPCエンジン(CD−ROM2)ぐらいだから…。 存在は知ってても名前は分からない…、こういうキャラって今も結構いるかと思われる。

 また『ファイナルファイト』のハガー市長も、このゲームに登場している。 といっても、裏技でボスの潜水艦がハガーに変わるというものだが、これは『ファミマガ』によるウソ技であった。

 いよいよラストのプロジェクト4の空中要塞の登場だが、これもAC版と比べて結構デザインが変わっている。 しかも倒し方が後半違っているので、AC版に慣れたプレイヤーは、結構苦労するかと思う(何しろ弱点のコアが攻撃しにくいところにあるから…)。

ともあれラスボスさえ倒せば、晴れてエンディングとなる。 そのエンディングだが、AC版は3人とも共通。 しかしSFC版は、3者違ったエンディングを見ることができる。

といっても違うのはセリフとプレイヤー以外のキャラだけだが。 それでもステージクリア時のセリフが、3人とも一緒だったことを考えると、原作ファンにとってはうれしい内容だったかと思う。










私はこのゲームをプレイする以前に、原作を知っていた。ただし名前だけだが(苦笑)。 ゲームは昔AC版をプレイしたのだが、あまりの難しさにクリア不能となった(ただしステージ3まではクリアできた)。 それ以降のステージの情報は、ゲーム雑誌やネットで知ることができた。

 そしてこれらの情報を元にSFC版をプレイしたが、本当に面白かった。 AC版と比べると画像が少し荒かったけど、それ以上に自由な設定がよかったと思う。

 さてSFC版をプレイするのに先立ち、原作漫画を読んでみた。 原作の方はゲームと比べると、非常に重い雰囲気だった。 何しろ主人公のシンの仲間であるミッキーとグレッグが、死んでしまうから…。しかも主人公のシンも…(死ななかったけど…)

その分ゲームでは、物語的に結構明るい。原作のファンとしてはイマイチだったのかもしれないが、ミッキーやグレッグのファンとしては うれしいエンディングだったのかもしれない(2人とも生き残ってるし)。

 ところでOVA版のサキの声だが、あてているのが志垣太郎というのは何故…? 個人的には、曽我部和行氏のほうがよかったのだが…(妙に『パタリロ』のバンコランや『ブライガー』のアイザック、 『バクシンガー』のシュケッテンに似てるしさ…、ダメかい?)。



本日のまとめ


一撃離脱がオレのやり方だ!
(06/1/26レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2024年04月18日

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