◆プーヤン◆
ハドソンのプーヤン



1985年9月20日発売  発売元:ハドソン  ジャンル:ACT
値段:4900円  おすすめ度:3(コンボが気持ちいい!)


ある日、子ブタの女の子ブーヤンが外で楽しく遊んでいたら、待ち伏せていた狼達に突然さらわれてしまいました。 そのことを知った母ブタことプーヤンは、仲間のブタ達を引き連れて、ブーヤンを取り戻すべく狼たちに立ち向かいました。

狼達も、プーヤンを殺すべくあの手この手の策略を使いながら、妨害を仕掛けてきます。 果たしてプーヤンは、狼達からわが子ブーヤンを救い出すことができるでしょうか?

童話『三匹の子豚』をモチーフにしたゲームだが、意外にもジャンルがSTGという当時としては珍しい組み合わせである。 モチーフにしたといっても、共通点は豚と狼の出演、それと豚たちによる狼への逆襲のみだが。

このゲームは、1985年にハドソンから発売されているが、元々はAC版の移植で発売元はコナミであった。 稼動年も、今から3年前となかなかに古く、コナミ自体当時はナムコや日本物産といった著名ゲームメーカーに押されてあまり目立たなかった。 ただ、『フロッガー』や『スクランブル』といった、後に再評価されるゲームを残してきており、年が下るごとに次第に頭角を現しつつあった。

昔のコナミのゲームは、動物を主人公としたいわゆるほのぼの系が多く、 蛙が主人公となっている先のフロッガーの他に『ターピン(亀が主人公でセガが販売する形式になっていた。後に『ぴゅう太』に移植)』を登場させていた。

これに豚が主役のプーヤンを合わせて、『コナミ動物主役ゲーム三部作』という形で『グラディウス』以前のコナミフリーク達に愛好されていた。 2006年に、『オレ達ゲーセン族』シリーズからプーヤンが移植されているのがその証である。


内容は、上下に動くゴンドラに乗るプーヤンを操りながら、風船に乗る狼達を次々撃ち落していくもので、一定数の狼を撃ち落せばクリアとなる。 ステージ構成は、奇数ステージ、偶数ステージ、そしてボーナスステージの順で繰り返していく。

プーヤンの攻撃方法は弓矢で、たまにゴンドラの最上段に骨付き肉が出るが、これを取ることで強力な肉つき弓や攻撃を使うことが出来る。 これを放つと、一直線に飛ぶ矢と違って放物線状に飛んでいき、その範囲内の狼の風船を次々と割ることが出来る。 これにより、得点がどんどん増えていき一種のコンボに近いものとなる。

プレイヤーは、どういう形でコンボを狙うのかその戦略が問われることとなった。 つまり、初めのころはじっくりとコンボを狙っていけばいいのだが、ステージが進むごとに狼の地上への落下(上昇)速度が上がっていくため、 奇数ステージは、風船にぶら下がった狼が地上に落下していき、プーヤンの右にあるはしごによじ登ってプーヤンを攻撃してくる。

つまり、次第に移動できる範囲が狭くなっていき、うっかり狼に触れてしまうとミスとなる。 偶数ステージが、その逆となっているが奇数ステージと違うところは、狼を次々に撃ち落した最後に出てくる色が違ったボス狼が登場するということと、 一番上のところで撃ち損じた狼達が頭上のプーヤンめがけて岩を落としにくることの2つ。

前者は、一般の狼の風船よりも耐久力が高く狼自身ガードで矢を防いでいる。 もっとも、ステージが進むごとに一般の狼達の風船の耐久力も上がっていくが。

後者は、奇数ステージとさして変わらないようだが、(シビアだが)時々安全地帯が出るものと違ってこちらは、 一定数(6匹)の狼が上がってこられたら最後、ものの見事に岩に押しつぶされてしまう。 しかも、ボス狼を撃ち漏らすと残り撃墜数が増える上に、いつもより地上に上る狼も増えていく。

とにもかくにも、偶数ステージをクリアした後はボーナスステージが待っている。 これは、放つ弓矢が肉に変わっており連続してコンボが出来るようになっているため、パーフェクトになる確率が高い。

ただし、それは最初のことであって、通常ステージ同様ゲームが進むごとに狼のスピードも上昇してくるので、 コンボを狙うか狼全て落としてパーフェクトを狙うか、これもプレイヤーにとって重要な選択肢を迫られることになった。 当然これは、プレイのバリエーションが増えたことを意味しているので、これはこれで喜ばしいことではあるのだが。


それ以外の要素としては、『フロッガー』から続いているほのぼのとした要素が存在している。 それは、擬人化した動物が出てくることのほかに、BGMがクラシックのアレンジであり、 フロッガーではこの他にも『あらいぐまラスカル』の主題歌(『ロックリバーへ』)のアレンジが使われている。

プーヤンでも、ゲーム前デモのBGMが『森の熊さん』であり、ゲーム本編のBGMもクラシックのアレンジが使われている。 このコナミの手法は、ゲームBGMのアレンジでさらに生かされることになり、『パロディウス』シリーズのようにクラシックやゲームBGMといった、 著作権切れや自分らが作った音楽のアレンジに発展していくことになった。

もう1つの要素としては、ステージ間にある中間デモ。ステージをクリアするごとに、プーヤンによるブーヤン救出の過程が描かれている。 といっても、本編前デモや(偶数ステージ後の)エンディングを含めると3種類しかないが。しかしながら、どれもなかなかにほのぼのとしている。

それから、3年後にハドソンがFCに移植したのだが、AC版登場から3年も経っているため、色合いはAC版よりもすっきりしていてキャラデザインもちょっとばかり向上している。 ステージ間のデモシーンや、3ステージ目から現れるフルーツも再現されている。 もちろん、画面比率はFCに合わせてあるし、右下にある檻はもちろんそこに閉じ込められているブーヤンもいないため完全移植ではないのだが、それでも高い移植度を誇っている。

ただ、移植度と人気は比例しなかったらしく、売り上げは思ったより伸びなかったらしい。 その理由はただ1つ、FC版発売の前の週に任天堂が送る著名ソフト『スーパーマリオブラザーズ』が発売されたためであった。

コナミはもちろん販売担当のハドソンも、当時はFC業界でそれなりの力をつけてきたのだが、やはり任天堂にはかなわなかった。 その上に、スーパーマリオを出されてきたため、コナミとハドソンが任天堂に近い実力をつけるには、どちらも翌年に発売されるゲーム達を待たなければならなかった。


私はFC購入前後の当時、いとこの家で色々ゲームをプレイしたのだが、プーヤンも例外ではなくこれも結構プレイしたことがある。 昔は、既にAC版が出ていたこととAC版の開発元がコナミだということを知らなかったので、一昨年の12月にレビューするまでハドソンのゲームだと思っていた。

タイトルに『KONAMI』とクレジットされているのだが、昔の私はそのことなど全く目にしなかったので、 レビューする前に久しぶりにゲームするとき、タイトル画面をじっくり見たときは思わず納得したのだった。

さて、このゲームに対する私の感想だが、とても和ましてくれたというべきか。 キャラクターの可愛らしさはもちろん、それにマッチしたBGMやゲーム間でのデモも私の心を和ませてくれた。 ただ、ゲーム前のデモについては、ブーヤンが狼達に連れ去られた内容なので、あれを見ても心が和むのは自分でも少々複雑だったが。


一方、ゲーム本来の面白さだが、最初のうちは弓矢で狼の風船を次々と叩き割る爽快感があったが、やはりゲームが進むにつれて風船の耐久力が上がっていくのに反比例して、爽快感が失せていく。 これはこれで仕方がないのだが、個人的にはいつも以上に狼の数を増やすべきだったと思う。もちろん、私のゲームの腕が下手ということもあるかもしれないのだが。

修正前に久々にプレイしたが、やはり風船が1回で割れないとつらいし、うっかり忘れていたが狼も小生意気に攻撃したりするのでこれもつらい。 肉があれば、耐久力に関係なく次々と割れるのだが、そう簡単に肉は出ないし一回放ったらしばらくの間出ないのがつらかった。 それでも、狼が落ちたときは思わずガッツポーズをあげたりしたので、エンディングと合わせてすっきりした気分になった。

最後になるが、このゲームに蝶やキノコといった隠しキャラがいることを知ったのは今になってからだったが、 これについての詳細を知っていれば教えてはくれないだろうか(その後の掲示板で、その詳細を教えてもらいました、ありがとうございます)。

このゲームを結構プレイして、その後にレビューもしたのだが、意外にもこのゲームの知らないことが見つかったので、 意外とやりこんでいないのかと思ってしまったが、雑誌やネットなどで調べてもその情報がほとんどないということは、情報自体結構レアなのだろうか。



本日のまとめ


PERFECT BONUS

10000 PT

(07/1/23修正)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月2日
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