◆マリオブラザーズ◆
ルイージの歴史が始まる…のか?



発売日:1983年9月9日   発売元:任天堂   ジャンル:ACT
値段:3800円   おすすめ度:4(対戦ですか、それとも協力?)


2年ほど前に、GBAのファミコンミニで再登場したのに加えて、同じGBAの『スーパーマリオアドバンス』シリーズでは、 おまけ+リメイクとして存在しているため、若い人でも知っているかと思う。 これらリメイクの原型が、これから紹介するFC版『マリオブラザーズ』なのである。

とはいえ、このゲームも元はアーケードからの移植である。 AC版は、ナムコのゼビウスの大ヒットの陰に隠れてあまり目立たなかったものの、ファミコンに移植されるや飛ぶような売り上げを見せ、163万本という記録を達成することになった。

ただし、83年のゲームソフト売り上げ順では、『ベースボール』や『麻雀』に続いて3位という結果に終わっている。 もちろん上位2つのソフトは、その年の発売以降も平均的な売り上げとなったことから、発売時期のみの売り上げを比べると、『マリオブラザーズ』が一位となっている。

マリオゲームの系列的存在であった『ドンキーコング』と『ドンキーコングJr.』がミリオンに届かなかったのに対し、 マリオブラザーズがあっさりとミリオンを達成した理由は、AC版で通用したやり方がそのまま通用すると同時に、90%ほどの移植を達成したことの2つだったのかもしれない。


ルールは、最上段の土管から湧き出る敵を、下から突き上げて動けなくした後に蹴飛ばして、敵を全滅させるとクリアとなる。 登場する敵は、シェルクリーパー(カメさん)、サイドステッパー(カニさん)、ファイターフライ、スリップアイス(フリーズ)の4種類。

サイドステッパーは、2度下から突き上げなればひっくり返せないし、ファイターフライは飛んでいる間はひっくり返すことができない。 途中から登場するスリップアイスは、しばらく床を滑った後に適当な床に止まってそこで消滅するが、その床は氷の床となり、スリップが発生しコントロールがきかなくなる。

敵を蹴飛ばして倒した後、土管からコインが出るが、それをとると800点獲得。 敵を倒した場合も同じ得点で、たて続けに倒すと得点が2倍になる(フリーズだけは蹴飛ばせないためか、倒し方は下から突き上げるのみで、こちらはほかよりも300点低い500点)。 このコインをとった後に出る効果音(コイ〜ン)は、後の任天堂のCMの最後によく使われた。

一定時間がたつと、自キャラの段から時折緑のファイヤーボールが、画面の端から端に移動し、さらに時間がたつと、今度は最上段に赤いファイヤーボールが現れ、変則的な動きをする。 これら2つは、ほかの敵と同じく下から突き上げることでかき消すことができるが、結局時間がたつことで再び現れるのである。

マリオ(ルイージ)のミスは、敵に触れるときのみだが、ミスすると最上段に現れるリフトから再登場するのである (リフトは一定時間が過ぎると、自動的に消滅するが、それは乗っていたときのみで、リフトに降りるとすぐに消滅する)。

そのときのゲームの状況は、進行しているのである。 当時のほかのゲームは、やられるとステージの最初から始めなければならないが、マリオブラザーズはどんな状況でやられても、ゲーム進行中で復活するのである。

今のゲームではそんなに珍しくはないのだが、マリオブラザーズ誕生当時はかなり珍しかった。 そういった意味でも、ほかのアクションゲームとは一味違うものでもあった。


一味違うものといえば、対人戦での遊び方も一味違っていた。 マリオブラザーズでは2人同時プレイのほかにも、その中で対戦か協力かを2人のプレイヤーの判断にゆだねることができた。 対戦か協力かで、遊び方や戦略が大きく変わるのである。

だからこそ、このゲームにはエンディングというものが無く、ステージ数も100面(表示では0)以上あるのだ。 しかも、マリオブラザーズでの対戦は、相手と競うというものではなく、いかにして相手を邪魔するかという意味での対戦に解釈されている。

しかしながら、こういった対戦に特化してはいなかったので(協力プレイがあるため)、 相手を邪魔するための対戦に特化したゲームをプレイできるのには、 1985年9月にセガがセガMk−V用ソフトの『スパイVSスパイ』の発売まで待たなければならなかった(FC版は1986年にケムコから)。

対戦での戦略は、相手が乗っている床を、敵のいるところに叩いて飛ばしたり、 ひっくり返っている敵を相手が蹴飛ばそうとする直前に叩いて起き上がらせて相手にぶつけたり…。

一方協力での戦略は、対戦での戦略をやらないのが普通だが、一応協力のみに通用するテクニックが1つだけあって、 かなり上の段の敵をひっくり返すとき、誰かが踏み台になってそれを踏んでジャンプすると、いつもより高くジャンプできる。


そして、このゲームの重要かつシンボルの1つとされるものが1つある。 それが、画面真ん中においてある『パワー床(『POW』と書いてある)』である。 これも、普通の床と同じく下から叩くことになるのだが、普通の床と違う点は、一回叩くことによってすべての敵がひっくり返るのである。

もちろん逆の場合もあり、すべての敵をひっくり返して高得点を狙うほかに、ひっくり返っている敵を一斉に叩き起こすためにも使われた。 ただし、回数制限つきではあるのだが。

このパワー床も、対戦や協力において非常に重要な役割を持っている。 対戦の場合は、危険を回避するためにあっという間に使い切るのが普通なのだが、協力の場合は、 パワー床が敵を避けるための格好の安全地帯となるため、使い切らないのが鉄則だった。

もう1つテクニックに関するネタだが、敵をひっくり返す際、床が途切れるところで床を叩くのだが、敵の真下ではなく真下の少し後ろから床を叩くのがセオリーとされる。 これは、ひっくり返った敵が放物線を描いて、マリオ(ルイージ)の横に落ちてくるため、わざわざ上段に上らなくても済むというものであり、かなり重要なテクニックであった。


ところで移植に関する話で、先に90%ほどの移植を達成したと書いたが、では移植されていない残りの10%は何なのかというと、下記のようになる。

・敵キャラのサイズが小さい。

・シェルクリーパーがひっくり返された後に起き上がるときに、甲羅を脱ぐ動作がカットされた。

・ツララが出てこない。

これらすべて、容量不足によるものなのだが(192K)、もしAC版の完全移植だったっ場合でも、 1Mに届くか届かないかぎりぎりの容量だったと思われる。

『ドンキーコング』が1面丸まる削られたのに対し(jr.はステージ数は削られていないが、OPデモが削除された)、 マリオブラザーズはわずかな要素を削除するにとどめることができた。 だからこそ、AC版をプレイした人にとっては、あまり違和感なくプレイできたのではないだろうか。


先に、謝罪しなければならないことが1つだけあるのだが、マリオブラザーズは2人同時プレイが面白さの秘訣なのに、 私が撮ったゲーム画像ではなぜ1人プレイなのかというのは、一緒にプレイしてくれる人がいなかった、ただそれだけ…。

2人同時プレイの画像を楽しみにしていた人には、本当に申し訳なく思っている。

このゲームは、私が小さいころに他のいとこから譲り受けたのだが、かなりはまった。というより、もらったゲームのほとんどが(2本除いて)面白かった。

そのときに、いとこからもらったゲーム本数は、全部で9本。 その中でもマリオブラザーズは、いとこからもらったゲームの中で一番面白かった。 なんといっても、2人同時プレイが面白かったのだが、1人プレイでもなかなかに面白かった。

その後、『スーパーマリオブラザーズ』をプレイしたとき、シェルクリーパーの進化形となったノコノコを、 結構踏んで蹴飛ばしたのだが、散々スーマリをやった後にマリオブラザーズをプレイしても、うっかりシェルクリーパーを踏むことは無かった。

実は、スーマリを散々プレイした人がマリオブラザーズをプレイすると、 ノコノコと同じくシェルクリーパーも踏めるのではないかという勘違いから、あっけなくマリオ(ルイージ)が犠牲になる事態が頻発。

『スーパーマリオブラザーズ3』内のミニゲームであるマリオブラザーズのリメイク以降は、シェルクリーパーではなくトゲゾーに変更となった。 シェルクリーパーが見られるマリオブラザーズは、AC版とFC版、Disk版(『帰ってきたマリオブラザーズ』)とファミコンミニ、パソコン版のみである。

そのためか、リメイク版やファミコンミニ以外のオリジナルのマリオブラザーズは、かなり貴重とされている。 特に『帰ってきたマリオブラザーズ』は、書き換え専用の上にその書き換えサービスが2003年9月に終了してしまったために、よほどのことがない限り入手が難しいものとなってしまった。

しかし私は最近になって、別のいとこ(歳が私よりも下のほう)から持っていたディスクゲームを譲り受けることができた。 持っていたディスクゲームのほとんどがそろっていて、その中に『帰ってきたマリオブラザーズ』があったのだ。

なので、近いうちに帰ってきたマリオブラザーズをレビューしたいし、それ以外のディスクゲームをレビューしたい。 今のところ、すべてのディスクカードが作動してるようでほっとしている…。



本日のまとめ



PERFECT!!
5000PTS’

(06/6/18レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月22日
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