◆グーニーズU フラッテリー最後の挑戦◆
『コナミマン タロウ』ではなく『コナミ マンタロウ』…



発売日:1987年3月18日   発売元:コナミ   ジャンル:ACT
値段:5500円   おすすめ度:4(ゼンカイ ヨリ オモシロイゾ!!)


前回、海賊の宝を見つけ大もうけしようとしたフラッテリー一味は、おなじく海賊の宝を見つけようとするマイキーをリーダーとするグーニーズにより失敗に終わった。 進退窮まったフラッテリー一味は、グーニーズ達に復讐すべく、マイキー以外のグーニーズを誘拐、さらにマイキーの親友であり恋人でもある人魚のアニーをも誘拐した。

そしてマイキーに、「仲間とアニーを助けたければ、我々のアジトまで一人で来い。」と挑戦状を叩きつけたのである。 果たしてマイキーは、フラッテリー一味の挑戦を退けることができるのか、それともフラッテリー一味の挑戦が成功するのか。 マイキー対フラッテリー一味の、第2ラウンドの幕が開けた!

カルト的な人気を持つ映画、『グーニーズ』のテーマにしたゲームの続編である。 ただし、前作が映画を下敷きにした内容と違って、今回は原作とはあまり関係ないオリジナルストーリーとなっている。

映画本編の続編に関しては、2004年にその情報があったのだが、結局お流れになってしまった。 そもそも、FC版の続編から映画の続編まで、実に17年も離れているのだから…。


今作の主人公も、当然マイキーとなっている。ただし、マイキーの初期武装は、前作のキックではなくヨーヨーとなっている。 これは、同時期に放映されていた『スケバン刑事』の影響が大きいとされる。

追加武装にしても、前作のパチンコに加えて、ブーメランが加わった。ブーメランの性能は、なんと8方向に投げることができる。 前作で、牢の扉を壊したり敵を倒したりと大活躍だった爆弾も登場し、それに加えて火炎瓶も追加された。 前作では、爆弾のセットは下+Bだったが、今回は上+Bに変更された。

そして、前作のイメージを一翼を担ったアイテムが、よりボリュームアップした。 もちろん削除されたアイテムもあるのだが、それ以上に追加されたアイテムが多い。

ろうそくや眼鏡、ハンマーやハシゴ、ジャンプシューズや通信機なども存在する。 しかし、それらすべてアクションに使うのかといえば、そうではない。

実はこのゲームは、アクションパートとアドベンチャーパートに分かれていて、例えばアクションパートの場合、特定のアイテムは使用できないことになっている。 アドベンチャーパートに関しては、後ほど詳しく説明するとして、アクションパートは前作のようなステージ制ではなくなった。よって、制限時間や得点制もなくなった。

その代わり、マップがとても広く、表面と裏面が存在する。 裏面といっても、『ドルアーガの塔』や『ゼルダの伝説』といった、クリア後にプレイできる難しいモードではなく、 表があれば裏があるといった単純な理由により、このゲームにおいて存在している。

では表面から裏面、裏面から表面に行くにはどうしたらいいのかというと、アクションパートにある部屋の中にある、ワープゾーンという扉をくぐればいい。 ただし、ワープゾーンがない部屋も存在するし、ノーヒントのワープゾーンの扉も存在する。

「ヨク キナサッタ。ココハ、ワープノヘヤデ ゴザル。」というセリフと老人が出ていれば、そこがワープゾーンである。


一方、アドベンチャーパートはどういうものかというと、普通のアドベンチャーゲームをそのままそっくり導入したものである。 といっても、謎解きといったものは存在しない。

しかし、隠し扉やアイテムが存在するので、それを見つけるのは、『ポートピア連続殺人事件』のような勘的要素が必要とされる。 といっても、ポートピアのように細かく探すようなことは無い。正面の壁と天井、床のそれぞれの真ん中をたたけば、ある程度進むことができる。

それと、アドベンチャーパートで使用できるアイテムだが、アクションパートで使用できるアイテムとは違って、 所持しなければ進むことができない重要アイテムがいくつか存在する。

もちろん、アクションモードで使用するアイテムも、重要アイテムが存在するのだが、アドベンチャーパートで使う重要アイテムは、それよりも結構多い。 その重要アイテムは、はしご、眼鏡、ハンマー、鍵、潜水服の5つ。 どれもこれも、(ハンマーを除いて)アイテムを使いつつしっかりと調べなければ手に入らないものばかりだ。


前作から大幅な改良を加えた続編であるが、問題の評価のほうは賛否両論が巻き起こることになった。 賛成派は、ボリュームが大きくなった、新しいグーニーズを楽しめた、 アイテムを発見できる喜びが前作よりすばらしかった、面白いキャラに出会えたといった意見があった。

一方反対派の意見は、ボリュームがやたらと大きい、妙に難易度が高い、重要アイテムがわからないところに隠してあるところが多い、 与太話的なものが多い、そもそもグーニーズの世界観をぶち壊しにしているといったものであった。

賛成派の意見をまとめると、原作をあまり下敷きにしていないので、結構破天荒な内容が楽しめて、 それゆえにいろいろなエリアを回ったり、アイテムを探し出し見つけることがとっても楽しみである…ということ。


反対派の意見をまとめると、やたらとマップが広いために迷いやすく、それにくわえて敵の攻撃が激しく、 何とかクリアしようにもクリアに必要なアイテムが見つからず、アイテムのありそうな部屋にたどり着いても、 結局どうでもいい情報が得られるだけで、気づいてみたらこんなのがグーニーズの続編なのか…ということ。

マップがやたらと長いとはいえ、『がんばれゴエモン!からくり道中』のように、ぶっ通しでプレイするのかといえばそうではなく、ちゃんとパスワード機能がついている。 しかし、それには一度ゲームオーバーにならなくてはならない。

ゲームオーバーになってしまうと、それまで集めていた爆弾や火炎瓶、鍵が没収される。 特に鍵を没収されることは、金庫内にあるアイテムや、牢に閉じ込められた仲間達、 ラストの部屋にある鉄の扉を開けることができなくなってしまうので、わざわざ敵を倒して鍵を手に入れなけばならないのがなんともつらい。

制限時間がない分、仲間を探す時間的余裕はあるのだが、その仲間たちがばらばらに閉じ込められているので、探すのが前作よりもめんどくさい。 一応受信機があれば、仲間を探す事が楽になるのだが、その受信機がどこにあるのかわからず、受信機を探さないで仲間を救出したことがある人も結構いたらしい。

これは不評に入るかどうかわからないのだが、容量の大部分をマップに使ったためなのか、 マイキーのドット絵が前作と比べて貧弱になってしまったような気がする(その代わり仲間たちのほうは、ちゃんと性別が区別されている絵になっている)。


いつの間にか欠点ばかり書いてしまったが、ちゃんといいところもある。

先の賛成派の意見以外にも、与太話の面白い話が聞けたり、いかしたキャラに会うことができる。ただ後者については、少し奇妙なところがある。
そのキャラの中に、なぜかマグマ大使がいるのである。

彼の話は、少しながら攻略に関係あるものなのだが、それよりも彼は版権のキャラである。 なぜ、マグマ大使がこのゲームに出る必要があったのか…。

これは私の推測に過ぎないが、コナミはこの年『火の鳥 鳳凰編 我王の冒険』や翌年には『鉄腕アトム』といった手塚治虫系の作品をゲーム化していった。 グーニーズUにマグマ大使が出ることになった理由としては、火の鳥をゲーム化する際、 手塚治虫氏もしくは手塚プロから手塚作品をゲーム化と手塚キャラをコナミゲームに参加させるという了解を得ていたのではないだろうか。


私は前作・今作とも、小さいころにかなりプレイしたことがある。 前作をプレイした後このゲームをプレイしたとたん、何かしらビビビッと来るものを感じ、それから前作よりも今作のほうが好きになった。

確かにマップは、表面と裏面をあわせているのでとても長いのだが、その代わりアイテムや隠し扉を見受けるのが楽しみであり、見つけると思わずガッツポーズしたりしたものである。 それと、いろんな部屋にいる人物のセリフもなかなかに面白いが、特にエスキモーのセリフには思わず笑い転げてしまった。

「オッ オヨビデナイ。コリャマタシツレイ。」は、個人的に反則ではないか(苦笑)。 また、老人をハンマーでたたこうとすると「キャー タスケテ!!」というのである。

微妙に細かいところにこだわったコナミのセンスを、私はほめたいと思う。 もちろん、ゲーム自体もなかなかに面白いし、水中ステージがあったのは結構新鮮だった。

ただ、前にも書いたように、パスワード入手の方法がつらかった。 まだまだ大丈夫なのに、パスワード取るためにわざわざゲームオーバーにならなければならないのだから。

敵にしても、やたらと固い敵が大挙出現するエリアもあったので、この辺は調整したほうがよかったのではないか。 いずれにせよ、このゲームは面白いが…。



本日のまとめ



チュウケイハ  コナミ マンタロウ デシタ

(06/6/15レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月22日
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