◆ランパート◆
難しい洋ゲーを分かりやすく



発売日:1991年11月29日   発売元:コナミ   ジャンル:SLG
値段:5800円   おすすめ度:4(やっぱり対戦が熱い!)


今も昔も、海外のゲーム(以下洋ゲー)は、日本人にとってあまり好まれていないゲームであろう。 理由は、日本と海外での文化の違いもさることがら、日本人に好まれないイラスト(もしくは妙に実写ばえ)、難易度が高い、操作がわからない、英語だらけ、残虐シーンが多い等…。

しかし、SFC『シムシティ』の大ヒットにより、にわかに洋ゲーブームが始まる。 これから紹介するランパートも、実は洋ゲーであり、洋ゲーの例に漏れず、無駄に難しいゲームだった。

ゲームのルールは、自分の城の領土にある砲台を使って、城壁を壊す敵を倒しながら、城壁の壊れた箇所を修復する。 そして敵を全て倒した上で、城壁がしっかりと囲んでいればクリアとなる。 ちなみに、城壁がしっかりと囲んでいなければ(例え1箇所でも欠けていれば)、ゲームオーバーとなる。

ゲーム自体さほど難しくはないものの、元々このゲームは洋ゲーの老舗であるアタリ社制作であり、日本では洋ゲー=難しい(+クソゲー)という方式が徐々になりつつあった。 このため、日本で発売されても、さほど人気は出ないであろうかと思われた。だが…。


SFC版『シムシティ』が大ヒットした理由は、元々洋ゲーだった作品を、日本人に分かりやすくアレンジしたことが最大に理由なのだが、 FC版『ランパート』も日本人に分かりやすくアレンジされたことが、そこそこにヒットした一因となる。

今もマイナーなこのゲームが、何故か思い出の奥深く刻み込まれているのもそれが理由であり、日本風なアレンジがなければ、シムシティで始まった洋ゲーブームを一気に縮小させかねない。 そういった意味でも、FC版はよく分かりやすくアレンジされていた。

そんなアレンジ版を制作したのは、ゲームメーカーの老舗であるコナミ。 コナミは以前にも、源平討魔伝のアレンジともいえる(パクリかも…?)『月風魔伝』を制作して、 一部のゲーマーの評判を集めた(そのことがFC版の源平討魔伝がクソゲーとされる遠因ともいえるのだろうが、詳細は不明)。

ランパートもコナミ独特のアレンジがなされていた。練習モードの追加、難易度設定による世界観の変化が主である。 特に世界観の変化は、洋ゲーの雰囲気を打ち消すことができた。

海外版での舞台は中世になっているのだが、FC版の場合は、現代編(練習)、童話編(イージー)、ファンタジー編(ノーマル)、戦国編(ハード)とバラエティ豊かになっている。

それと練習モードの追加は、分かり難かったこのゲームを分かりやすくしている。 練習モードは全7ステージ用意されており、最初は簡単だったのが、 ステージが進むにつれて比例的に難しくなっていくという微妙な難易度の調整は、さすがコナミといったところだろうか。

しかも教官が、プレイヤーに分かりやすく説明してくれていることも、かなり好感が持てる(あとタイトルのほうも、教官の説明を後押ししているし)。

ところでジャンルのほうは、城壁を修復しながら領土を増やしていくあたり、一応SLGとなっているのだが、城壁修復+領土拡大の場面の際は、 テトリス風のブロックを使うので(操作方法もテトリスにそっくり)、むしろPZGといってもいいかもしれない。


話は変わるが、このゲームの面白さといえば、何といっても対戦だろう。 1Pプレイ時でのルールは、城壁の周辺にいる敵を倒しながら城壁を修復して、敵の全滅か規定数以上のポイントを出せばクリアとなった。

しかし対戦の場合、城壁の周りに敵はいないので、相手の城壁を壊すことになる。 しかもただやみくもに壊すだけではなく、どうやって修復しにくくさせる(同時に領土拡大させにくくさせる)壊し方をするか、それと己の状況判断を瞬時に把握できるかといった戦略も重要になってくる。

ちなみに勝負は3本勝負。それとクリアポイントや初期砲台、強さを調整(他に戦闘時間や修復時間なども調整できた)できるので、ハンデ戦も可能だった。 これも対戦をより熱くした理由かもしれない。


私は、このゲームが発売されて間もない頃、友達の家でよくこれをプレイしていた。 もちろん対戦なのだが、思った以上に面白かった。

何しろ、リアルタイムでどこの城壁を壊し、どうやって修復するのかを制限時間以内に考えて行動しなければならないために、おどおどしているうちに負けてしまったことがかなりあったからだ。 でも、それが面白いところでもあったので、友達に借りて1人でプレイしたこともあった。

このゲームは2人でやるとかなり面白いが、1人でも十分に楽しめる面白さになっている。

どうでもいいが、このゲームが洋ゲーだったという事実は、最近になって知ったばかり。 タイトル画面にアタリ・テンゲン(アタリの子会社です)の名前が載ってただろという声がありますが、このゲームをプレイしたのは小学生のとき。 やみくもにゲームにかじりついてた自分を、けなすべきかそれとも…。

さらにどうでもいいが、FC版以外のバージョンでは、負けた相手を斬首にできるのだが、あまりにも怖すぎる。 ランパートをプレイする機種は、やっぱりFC版だと自分的にはそう思う。

またまたどうでもいいが、ハードモードでのストーリー(合戦か)をランパートに組み込むのは、少々無茶が過ぎていないか(苦笑)



本日のまとめ



STAGE CLEAR!!

(06/3/12レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月15日
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