◆ベースボール◆
一人だって野球はできる



(ROM版)発売日:1983年12月7日   発売元:任天堂   ジャンル:SPG(野球)
値段:3800円   おすすめ度:3.5(野球盤にはない面白さ)

(Disk版)発売日:1986年2月21日   発売元:任天堂
値段2600円(片面)


日本における国民的なスポーツといえば、やはり野球だろう。 サッカーも国民的なスポーツであるのだが、日本における知名度や歴史を考えると、野球のほうが上かと思われる。

日本の野球文化は、戦後から花開くことになり、戦後から十数年経って発売された野球盤は、子供を野球漬けにするほどのヒット商品となった。 例え雨が降って野球ができなくても、野球盤があれば、部屋の中でも野球ができる万能さを併せ持っていた。

しかし野球盤は、2人でやったほうが面白いという欠点があった。 人間は、機械ほど都合がよくはないので、野球盤やろうと友達を誘っても、断られてしまえばそれまでであった。

事実、5〜70年代にかなりの数が登場して人気を集めた野球盤も、80年代初めになると、人気が落ち始めてきていた。 プロ野球も同じことで、何かしらのマンネリが付きはじめていた。 そんな中で、任天堂が1983年に発売された『ベースボール』は、これまでの野球盤の欠点を打ち消す画期的なゲームだった。


これで後の野球ゲームの基本ができたのかといえば、あまりそうではない。変化球はできなかったし、デットボールもなかった。 また選手や控えといった概念もなかった。このため、代打やピッチャー交代といったことができなかった。

なかったといえば、パ・リーグもなかった。『ベースボール』では、選べるチームが6つなのだが、全部セ・リーグだった。 選手の概念がなかったとはいえ、パ・リーグが好きな人にとっては、いささか不満があったのではないだろうか。

これとは関係ないが、フライを捕る技術はさすがなのだが、ゴロのほうは何故かへたくそだったのだ。 フライも、時々コンピューターがミスをする場合もあるので、このゲームの初心者は、大量失点をしてしまったのではないだろうか。

それとコンピューターの牽制球が、何故かうまかった。 こういった理不尽な設定も、FC黎明期にはよくあったのだろうが、ゴロが捕れないといいフライが時々捕れないといい、どうも基本があんまりできてないなと感じてしまう。

それでも約235万本の売り上げがあったのは、やはり日本人は野球好きということを表してるともいえよう。 ただし、爆発的なヒットではなく、ロングラン的な売り上げだということを知ってもらいたい。 発売以後数年間経っても、そこそこの売り上げを見せていたのだ。

その理由は、1986年にナムコから『プロ野球 ファミリースタジアム』が発売されるまでの期間が、約3年もあったことと、 時代が下るにつれて色々な野球ゲームが世に出回ったものの、複雑な操作などがあるものが多かったので、シンプルなものをやりたいという気持ちもあったためだと思われる。


このゲームの面白さは、外でできる野球を、そのままカートリッジに詰め込んだことにある。 野球の基本的なルールはもちろんのこと、バントやヒットエンドラン、はては盗塁やダブルプレイといった小技もできた。

しかもそれらは、難しい入力を必要としないので、野球を知らない人でも簡単にできた。 投げるボールのスピードも、十字キーの上下を使うことにより可能となったので、160キロの超スピードや70キロ未満のスローボールも自由自在に投げることができた。

そして何より、一人でも面白いというところが、このゲームの人気の秘訣だった。 何しろ、遊んでくれるのが人間ではなくコンピューターだったことが、野球盤とは違った雰囲気を出してくれたのだ。

難しい操作が必要な守備も、コンピューターが自動でやってくれたのだから、こんなに楽なことはない。 そのため、普通の試合の他に、一方的な試合や投手戦、はたまた乱打戦も可能となった。


私は、スポーツゲーム全般について、ほとんど疎いというより苦手である。 『ベースボール』も同様で、かなり前からいとこにもらったゲームの1つでありながら、コンピューターが理不尽すぎて、勝てなかったことが結構あったからだ。

それでも、何度かプレイした結果、勝てる試合が多くなってきた。 とはいえ、あまりスポーツゲームは苦手なので、現在まで私がプレイしたスポーツゲームは、ほんのわずかしかない。

そしてこのゲームをレビューするために、久々にプレイしたのだが、ものの見事にボロ負けしてしまった。 しかしそれは1回だけで、2回目以降は勝てる試合が多くなってきて、時には大勝ちする試合もあった。

ただ、やっぱり私にはこのゲームが合わないようで、よほどのことがない限り二度とプレイすることはないと思う。 だったら何でおすすめ度が3.5なのかというのは、235万本という売り上げを出したことと、野球盤にはない面白さがあったということ。 それと、少し思い入れがあるということの3つ。

どうでもいいですが、ファミコン本体のコネクタに金属片を当てて、0キロの球を投げることは全体にやめましょう、本体が壊れるので(雑誌に書いてあった)。



本日のまとめ



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(06/3/8レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月15日
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