爆笑 人生劇場2
人生劇場シリーズ第2弾



発売日:1991年3月22日   発売元:タイトー   ジャンル:ボードゲーム
値段:5900円   オススメ度:3.5(バラエティあるコースと職業イベント)


1989年に登場した人生劇場シリーズの第2弾で、丸2年をかけてようやく続編にこぎつけた。 この時期、FCはボードゲームの一大ラッシュで、どれもこれも秀作ぞろいで一部ユーザーの支持を集めている。

『マイライフマイラブ』や『すごろクエスト』など、当時プレイしていた人ならば懐かしく思うものばかりだ。 相変わらず、人生劇場シリーズのような人生追体験ゲームはほとんどなく、ボードゲームラッシュの中で歴史があるといえば人生劇場ぐらいで、発売時期とあわせて他のボードゲームを引っ張っていったことだろう。

このゲーム発売の前の年、人生劇場シリーズ同様に人生追体験をテーマに掲げたゲームが、別メーカーから登場している。 それは『爆笑!!愛の劇場』で、タイトルから見て明らかに人生劇場と今はなきTBSの昼のドラマシリーズ『愛の劇場 (昔は花王がスポンサーだったので『花王 愛の劇場』とも呼ばれていた時期があった)』を名前だけ利用していることは明白なものだ。

ただ、『愛の劇場』というだけあって主に異性との愛情をある程度メインにしていて、人生追体験の中でいう結婚やデートなどに特化している。 それだけに、開始年代は幼稚園時代ではなく大学時代からになっていることも、人生追体験をベースにしつつもその中の愛を特化していることがよくわかる (幼稚園時代や小学校時代に異性とデートするイベントは、人生劇場シリーズにはほとんどない)。

もちろん、人生追体験をベースにしているのだからそれ以外のイベントも目白押しなのだが、 すごろくではなくカレンダーで時間が進むようになっていて、その点では人生劇場シリーズとかなり趣向が違っている。

もっとも、人気については人生劇場とは比べ物にならず、愛情関連のイベントはある程度発生しているもののその他のイベントは、 爆笑というより失笑関連のものが多く時代が大学ゆえに笑ってすむようなものとはいえなかった。 というよりは、マイナスイベントがやたら多く恋愛イベントでも成功確率が低く、自分の顔を決めるモンタージュについてもCPUが勝手に決めるために、 高確率で変な顔になることもあるなど最初からユーザーに不満のあるものばかりだった。

なにより、すごろくではなくカレンダーで進むということが当時にとって(今でも)異端で、 日にちで進むという点ではマイライフマイラブに近いリアルさを持っているものの、欠点がやたら多い状況ではとても人生劇場の二番煎じすら名乗ることはできず、 翌年に人生劇場の続編が登場したことは人生追体験のゲームとはどういうものかを、ユーザーに知らしめるために登場したのかもしれない。


2年越しに登場したわりに、容量は前作と全く変わっていない(3M)にもかかわらず前作よりもきれいなのは、スタッフが容量のやりくりをやっていたためなのだろう。 前作にあった、こちらが半自由的に対戦相手を選べるところについても、今作では勝手に決められてスタートする仕組みになっている。

これは、容量の都合かはわからないが自由に選べなくなっているあたりは前作の無駄を排除したとも考えられ、男4人でプレイすることもあれば女4人でプレイすることもある。 後述する、マップの要素を考えればバラエティがあるのはいいが、これも後述する結婚に大きな影響を及ぼしているため、いいことなのか悪いことなのかわからない。

マップのほうは、前作の普通の見下ろし型から斜め見下ろし型に変わり、プレイヤーのこまやマップのマスも大きく表示されとても見やすくなっている。 マップの区分けは大きく2つに分けられ、学生時代と社会人時代となりそのマップに細かい時代が区分けされて、前作のような学校ごとミニにマップはなくなった代わりに、 特定のマスに止まれば特別なミニマップに行けることができ、そこでのイベントを味わうようになっている。

また、高校卒業後の就職・進学以外でのマップの分岐も多く登場し、前作のようにほぼ一本道ではなく複数の分岐が出ることで、何度プレイしても飽きが来ない設定を導入したのはうれしい。 ただ、分岐の中には勝手に決められてしまうものもあるし、ルートによっては難易度が違うものもあるので、そこはCPUに任せざるを得ないのがつらいところだ。

しかも、とてつもなく重要でこれをこなせば後はどうでもいいという感じであった老後のマップは、今作ではルートはあれど短くギャンブルもそれほど多いとはいえず、 前作のように数十億稼ぐことはできず株も数百万単位で動く程度に収まっている。 とはいえ、ギャンブルではそこそこの金を稼げるほどギャンブル性は減少、それなりに稼いでライバルに少し差をつけたり追いつく程度に過ぎない。

だが、スロットマシーンは目押しができるほど結構遅く、慣れてしまえば一回で最高3000万稼ぐことも可能で、運がよければ9000万稼ぐこともあることを考えると、 難易度やギャンブルこそ下がったもののこちらは相変わらず一発逆転は健在である。 ちなみに、株での大もうけは前述のように地味なものになってしまい、3種類の株が登場しそれぞれ値上がりが来るか否かのギャンブル性はこちらが上ではあるが、 前作のように一発逆転には程遠い(特定の株をいくつも集めればちりも積もれば何とやらだが)。

もっとも、イベントは容量の都合かマスごとに決まっているので、前作同様の攻略でやればなんとかなるわけだが、バラエティに関しては今作の方が上だ。 しかし、さいころを振って目が出るまでの時間が前作よりもやたら遅く、その差は数秒とどうしてこういう設定にしたのかわからないが、前作同様の時間でスピーディにしてもらいたかった。

どの目が出るのかドキドキする人もいるのだろうが(これが目当てだったのだろうか)、その遅さにドキドキよりもむしろいらいらした人もいたのかもしれない。 これについてスタッフ側は後悔したようで、続編以降ではすぐ目が出るルーレットやさいころを導入、今作のような時間がかかることはなくなっている。

結婚イベントは、前作のように逃したらそれまでという可能性が低くなったのがうれしい。 同時に、結婚相手の数も増えた上に海底人や宇宙人といった人間ではないキャラも登場し、どれを選ぶかイベントに負けずバラエティが豊富だ。 しかし、好きだった相手を対戦相手に取られるとつきが減少し、そのイベントも海にバカヤローと叫ぶ少々欝なもので、そのあたりはあまり笑えない。


職業も、前作のようにただ金をもらうだけのものからイベントが多く出て、どの職業についてもバラエティのあるイベントがいいものや悪いもの問わず存在する。 昇格も、職業ポイントの導入によりそれが一定数貯まるごとに可能になり(減れば降格、場合によってはクビ)、給料も地位や職業ごとに違ってくるので、 フリーターであっさり大金持ちになれた前作よりは、職業の価値が十分出てきている。

それだけに、就職以降のステータスがあまり生かされていないのは前作と変わらず、能力は就職するときに決まったり特定のイベントやミニゲームをこなしている場合に、 そういった専門の職業に慣れるところも前作と同じで、能力が低くても大金持ちになるというところも変わっていない。 それでも、職業ポイントで昇格や降格が決まるというのはなかなか新鮮だ。

さて、就職のみならず多くのイベントで発生するミニゲームだが、前作同様バラエティが豊富でUコンマイク使用のイベントという 欠点を除けば(理由は前作のレビューを参照のこと)、なかなかに面白くついはまってしまうものばかりだ。 やはり、タイトーのゲームがミニゲームとして登場しているわけで、前作では『アルカノイド』だったのに対して今作ではあの『スペースインベーダー』が遊べるようになっている。

ミニゲームということで(リメイクということも理由なのかも)、トーチカはなく砲台は連射可能で敵も鬼の弾幕を仕掛けるなど、今までとは別物でなめてかかると痛い目にあう。 そのままの出来を持ち込んだアルカノイドに対して、アレンジ要素をふんだんに盛り込んだスペースインベーダーだが、後者のほうが歴史あるものだからとはいえプレイのしがいがある。

そんなミニゲームを支えるイベントだが、職業イベントを除けば前作とさしてかわらず、ミニゲームの成績によってイベントが変わるところについても同じだ。 そのひとつで、前作では知力以上にてこずらせたミニゲームでの大学試験は、今作では能力だけに収まった上に体力やつきでも入学が可能になり、 体力は体育大学でつきは補欠入学と知力一辺倒での試験より、知力優先で行わないところが新鮮かつうれしいところ。

そのあたりは、前作で付表をユーザーから受けてしまっての反省なのだろうが、その他の人生追体験ゲームでは大学試験は知力で判断されるだけに、 当時としてはとても斬新なのはよかったが、第3弾ですぐ廃止になり別の形で大学受験が行われるのは残念だ。 もっとも、知力を上げることの弊害は数年後の別のシリーズで登場するわけなのだが、それがFCシリーズ第2弾から影響を受けているのかは不明。

これら以外に、アイテムや妨害といったイベント外の要素が新たに登場、イベントの質こそほぼ同じなもののアイテムや妨害の登場でこれほど趣が異なってくるのは面白い。 ただし、アイテムは単に能力上昇や職業ポイントの獲得、特定のイベントで(主に怪獣襲撃イベント)しか使えないものばかり、 妨害はいくつかの特定のマスでしか行われず、こちらから半自由的に妨害できないのは仕方がないところか。

その妨害は、職業ポイントを下げたり数マス後戻りさせたり金を減らせるの3つで、後戻りのほうはゴール手前で使うと効果的だが、 結婚を逃したり子沢山になりたい人にとっては好都合で、そのほかの2つの妨害も相手の状況によってはそれほど打撃が与えられないのが残念。

容量が同じながらも、マップの概要やイベントなどに多くの手を加えたことで、前作とはまた違った面白さと攻略のコツが得られた第2弾。 神様や酔っ払いは、今作からレギュラーとしてイベントなどに登場し、シリーズ第7弾の『ずっけこサラリーマン編』まで毎年一本のペースで発売される。 今作も、第3弾が出たことを考えれば前作同様になかなかの人気が得たと思われ、勝敗にかかわる金のほうも前作より堅実に稼げそのバランスが取れるところも人生劇場だからといえる。


前作同様、最近になって初めてプレイしだした作品で、これも攻略サイトを利用してゲームを進めることになった。 当たり前だが、私には現実の友達はほとんどいなくていても遠いところにいるために、ボードゲームに限らずみんなでわいわいプレイするものは、複数プレイにしつつも私以外全員CPUが担当することに決まっている。

それゆえ、一人でCPUを複数相手にするというのは今を考えればさびしいが、プレイするとつい夢中になってしまうあたりはボードゲーム自体、私にとって夢中にさせてくれるものがあるのだろう。 ちなみに、このゲームは前作同様数年前に大手ファミコンサイトで知ったもので、最近になってプレイした理由も前作のレビューの通り。

先に攻略ページを読んだことで、どういう形でプレイするかはわかっていたし何より前作のスタイルが、 職業や老後のギャンブルなどの違いこそあれど攻略スタイルはあまり変わっていないので、アイテムを購入して能力を上げたり攻略ページに載っていたやり方でなんとかなった。 もちろん、老後のギャンブルでは主にスロットマシーンを使い、目押しがかなり楽で神様をそろうと10倍の配当が得られたので、 それをやるだけでも(たまにミスすることもあるが)十分ライバルに差をつけることができたのがうれしかった。

妨害については、必ずマヨウーン(相手を数マス後戻りさせる)を使い他の妨害は一切使っていなかった。 もっとも、利用は他のCPUが先に使ったことでどういう効果があるのかわかったが、マヨウーン以外の残りの妨害は少々えぐいものばかりで、 対人はもちろんたとえCPUが相手であってもマヨウーンしか使わず、相手がまだ未婚や職業についているいないにかかわらずかなり使った。

レビューにも書いているが、マヨウーンは数マス後戻りさせるだけで妨害の威力はわずかと攻略サイトに書いてあり、 前のイベントを再び体験できるとも書いてあったことにうれしくなり、こちらが逆にマヨウーンを食らうと思わずガッツポーズを出したほどだ。


さいころの小さい目を多く出したほうが、悪いイベントに出くわすことも多いけれどいいイベントに遭遇することも多いので、 前作同様に少ない目で他の相手より結構遅めに進んで、多くイベントをこなしたりギャンブルをかなり体験した。

それだけに、マヨウーンを使用する機会は実のところあまり多くなく、私以外がゴールした場合ルンペーン(500万円失わせる)で 特定の相手を集中的に攻撃した(職業ポイントを下げるサセーンは、老後以降意味がないので使いどころがない)。 ゴール間じかの最後の勝負でも、特定の相手というより所持金が少ない相手に集中的に勝負を行い確実に勝っている。

というのは、攻略ページにめったに見られない借金エンドというものがあり、内容は予想通り借金まみれの悲惨な人生を過ごすというもので、 画像つきでその詳細を知った私はそれを生で見るべく何とか相手を借金にしてがんばってみた。 しかし、資産の関係上何度やっても借金エンドを見ることができず、あと少しで借金にさせられると思いきや資産のために上乗せされて いつの間にか数億加算されることがあったためで、結局あきらめるしかなかった。

一応、改造コードで相手の所持金を0にして、老後のほうで金額マイナスイベントで借金にさせて借金エンドを見ることはできるが、 これはいくらなんでもCPU相手とはいえ私のモラルが許すはずもなかったが、それより前に借金もとい所持金がすっからかんになることがあり、 前作では親が出してくれるのに対して今作ではバイトさせられて返済しそのために一回休みになるというのは、 前作で大学時代にも金額がマイナスになっても親が払ってくれたので、おそらくタイトーとしてはそんな甘い考えでは生きてはいけないと危惧したのだと思う(いつまでもあると思うな親と金)。

なお、私のエンディングは必ずといっていいほど大金持ちのエンディングだが、そのエンディングは一定以上の所持金額で見れるようで、 2位以下がそのエンディングを見ることができたのには驚いた(全員幸せなエンディングだったが)。



本日のまとめ


きよしくんは おやすみです

いちどきりの じんせい あせらずいこうよ

あせらない あせらない!
(09/7/2レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2020年6月16日

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