◆ギャラガ◆
FC初のパワーアップSTG



(ROM版)発売日:1985年2月15日   発売元:ナムコ   ジャンル:STG
値段:4500円   おすすめ度:3.5(自機でパワーアップするという新鮮さ)
(Disk版)発売日:1990年6月22日   発売元:ナムコ   Disk:片面
値段:500円(書き換え専用)


1979年に登場した『ギャラクシアン』の後継作品で、ギャラクシアン登場から2年後の1981年にACに登場した。 ギャラクシアン登場からギャラガ登場までの間、多くのメーカーはスペースインベーダーの模倣作品を登場させていた。

インベーダーブームが終息し、ブームに便乗したために伴うインベーダー倒産が相次いでいたものの、まだまだスペースインベーダーに近い作品を作っている会社が多くいたし、 『ルパン三世』や『ゼンダマン』といったアニメ作品もインベーダーネタのエピソードを出していた。 ブームが終息しても、スペースインベーダーが日本列島に与えた影響は計り知れないことを物語っている。

しかし、影響が色濃く残っているメーカーでも、似て非なるゲームもしくはインベーダーとは無縁の全く新しいゲームを作ろうとする動きがあったが、 影響がまだ残っている当時ではその考えを持つメーカーは少数であった。

1979年の場合、前者がナムコのギャラクシアンで後者がセガの『ヘッドオン』となるわけだが、ここでは前者について書いておきたい。 スペースインベーダーとの相違点は、一定時間ごとに敵の団体ではなく敵個人が襲ってくることで、 その動きも敵によってパターンが違い自機の位置によっても移動する場所が違うもので、敵の数が少なくなると一斉に襲い掛かってくるという、インベーダーにない緊張感を持っていた。

攻略法も違っていて、部下2体を引き連れた親玉が向かってきた時は最初に部下を倒してその跡に親玉を倒したり、 追い詰められて逃げられなくなったら敵と相打ちになって得点を稼ぐという、今までにない得点獲得と攻略があった。

1980年も同じ状況で、今度は日本物産の『ムーンクレスタ』がスペースインベーダーとは似て非なるゲームになっている。 敵の行動パターンこそギャラクシアンに似ているが、このゲームの最大の特徴はなんと言っても合体によるパワーアップで、 そもそもACゲームにパワーアップするという概念はなかった時代に、自分を強くしてゲームを楽しむという要素を与えた。

もっとも、それを助けるアイテムの概念もあまりなくゲーム間のパートでパワーアップするもので、 合体すればするほどパワーアップの度合いが強くなり敵を楽に倒せる一方で、自機が大きくなって敵の攻撃を避けにくいという矛盾を生み出している。

1981年も、2年前の時と全く変わっていなかったが年を追うごとにインベーダーの模倣作品が徐々に減ってきている。 加えて、インベーダーと似て非なるものやインベーダーとは無縁のものがメインとして登場、そこからブームになるものが登場している。 結局は、ブームに便乗しても短期間で別のゲームを作ることは可能で、メーカーは自らの手で影響を排除したといえるのかもしれない。


このような状況の中で、ギャラクシアンの後継作であるギャラガは生まれた。 ギャラクシアン登場からわずか2年後に登場しているが、この2年間のAC業界は大きく変わった。

前述したように、スペースインベーダーの影響はかなり消えかかっていて、インベーダーと似て非なるものかインベーダーとは無縁のものの2つのものが主流となっていた。 その2つの主流についても、ゲームによってパワーアップを加えたり全く新しいジャンルだったりと、メーカーの方向性が打ち出されていった。

日本の技術の進歩と言ってしまえばそれまでだが、アーケードのほかにゲーム&ウォッチシリーズなども登場しているあたりは、 ジャンルやゲームの種類が増えてきたことも関係あるだろうが、STGの数が他のゲームと比べて比率が少なくなったこともある。

インベーダーブームの影響が消えかかっているのもそうだが、任天堂がインベーダーゲームの亜流である『スペースフィーバー』と普通のアクションの『ドンキーコング』を世に送り出し、 本命となるはずのスペースフィーバーよりドンキーコングのほうが大ヒットを起こす事例も起こっている。

つまり、メーカー側もそうだがそれと同時にユーザー側も、インベーダーに食傷を感じていたとも考えられるし、 何よりインベーダーの亜流が多く登場すればいくらインベーダーゲーム好きのユーザーでも、飽きられる可能性が大きくなる。 しかも、ジャンルが多岐にわたりひとつのジャンルに内容が違った多くのゲームがある状況では、このゲームならではの要素を取り入れなければ他のゲームに埋もれる危険が大きい。


ギャラガは、ギャラクシアンの要素を受け継ぎながらも、独自の要素を多く取り入れている。 まず、スペースインベーダーのように最初から敵が配置されるのではなく、一種類の敵ギャラガ4機に別の種類のギャラガ4機の計8機が編隊を組んで登場し、 数秒ほどで別の8機編隊のギャラガ登場して計5つの編隊(計40機)が登場して、ギャラクシアンと同様の位置に配置される。

この間、編隊を組んでいる最中でも攻撃でき、場合によっては所定の位置に配置する前に全滅も可能で、配置された敵が来るのを待つより爽快だ。 このゲームも、ギャラクシアン同様配置されたままと比べて飛んでいたもののほうが得点が高く、これはプレイヤーの高得点を求める心理的状況を利用したものといえる。

これを現すかのように、4ステージ終了ごとにチャレンジステージが始まる。 これは、一般のステージ同様ギャラガたちが5つの編隊を組んで登場するが、このステージでは所定の場所に配置されない上に攻撃もせず、数秒経過すると画面外に消える。 いうなればボーナスステージで、ギャラガの編隊が画面内にいる間にできるだけギャラガを多く撃墜するのが目的になっている。

前にも書いたが、ギャラガは飛んでいる最中のほうが撃墜得点が高く、多く撃墜すればするほど得点がいっそう獲得できるわけで、 修羅場を多く潜り抜けてきたプレイヤーにとって一種の清涼剤に感じるが、高得点を目指すプレイヤーにはやはりこのステージも修羅場だったりする。

何しろ、40機全部撃墜すれば通常の得点に加えて専用のボーナスも獲得できるから、全てのチャレンジステージはギャラガの種類こそ違えど出現場所は同じなので、 パーフェクトボーナスを獲得する以上出現位置を記憶して、出現後即撃墜という手法が必要になる。

これは、『スターフォース』以降のキャラバンシリーズと手法が酷似されているが、ギャラガとキャラバンシリーズとつながりがあるのか非常に興味深いところだ。 そのひとつに連射があり、ムーンクレスタでは合体で連射が可能になるのだが、 こちらは最初から連射(2連射)ができるものの飛行中のギャラガを撃墜すればより得点が高くなる以上、まだ連射STGに影響を与えたというわけではないようだ。


ギャラクシアンの後継、それも独自の要素を多く加えたとといっても、他のSTGに影響を受けたことは事実でギャラクシアン登場から2年経っている以上、 他のSTGの影響を受けないわけがない(といっても、多くがインベーダーゲームの亜流だが)。

これから紹介する合体の要素は、ムーンクレスタに影響されたと思われるがそこはナムコ、ナムコらしい独自のセンスでこのゲームの合体システムを作り上げている。 このゲームでは、パーツではなく自機(デュアルファイター)を合体させることで発射される弾の数が倍になり、その分連射の威力も高くなる。 たとえ攻撃を受けても、撃墜されるのは別のデュアルァイターで性能は今までのものに戻るだけで、ゲーム展開がつらくなる以外は特に問題はない。

だが、合体の手法がデュアルファイターを使うものなので、これは自機を減らすことを意味する。 ムーンクレスタではパーツがあったし、他のSTGでもアイテムやカプセルなど自機を減らしてパワーアップするものなどほとんどなかった。

それだけに、自らを犠牲にして強化するというのは今のSTGから見てもかなり衝撃的で、合体すれば攻撃力が増す分ムーンクレスタの自機同様機体が大きいので、 攻撃を受けやすくなるばかりか自機を減らすのだから、最悪ゲームオーバーに近づく危険も大きい。 より高得点を目指すか、合体をやめて長くプレイすることに専念するか、プレイヤーの判断が問われるものだといっていいかもしれない。


ではどうやって自機を犠牲にするのかというと、近づいてきたボスギャラガの放つトラクタービームを受ければいいだけで、 この後ボスギャラガが今までのデュアルファイターと一緒に飛んできたら、先にボスギャラガを撃墜すれば無事戻って現在のデュアルファイターと合体する。 なかなかに魅力的であるが、敵に捕まる以上自機を一機減らさなければならず、自機が0の状態でつかまるとゲームオーバーになってしまうという危険の状況がある。

おまけに、デュアルファイターを捕まえたボスギャラガが所定の位置に待機している間に撃墜しても手に入らず、その場合デュアルファイターを撃墜するしかない。 デュアルファイターを引き連れた場合でも、デュアルファイターを撃ってしまうと撃墜扱いになり合体できないので、まさに合体における諸刃の剣ともいうべきものだろう。

ただ、ギャラクシアンにおける得点の稼ぎ方(追い詰められた時の体当たり)や攻略がギャラガにも通用できるので、合体の要素などもあわせて遊びの幅が増えているのはうれしい。 さらに、ギャラクシアンに登場したエイリアンの一部がこのゲームに出演していることも面白く、一部のギャラガが変化して一般のギャラガより得点が高くなるという演出もある。

これらの攻略や要素は、4年後に発売されたFC版に忠実に再現されている。 もっとも、グラフィックや画面比率の関係上完全再現ではないものの、再現度は高い。

この頃、FC業界ではジャレコやタイトーといったメーカーが相次いで参入しているが、ACメーカーの代表的存在と呼ばれたナムコは数こそ少ないものの、 ギャラガ以下『ドルアーガの塔』や『スターラスター』などACの名作およびFCオリジナル作品を提供し、FCでの影響力を保っている。

しかし、この後登場するディスクシステムには新作を提供せず、主にROM版のゲームをディスクに移植させる程度にとどまっている。 元々ACメーカーの雄だから仕方がないし、ユーザーの手の届きやすいROMカセットでのゲームの提供をしているのだろうと思えば、これはナムコの戦略の一つといえばいいのだろうか。

ギャラガも、ディスク版の書き換え専用として登場しているが、特にROM版と比較しても差がなく2009年現在でのディスク版の中古値段が、 他の書き換え版と比べて4000円ほどとROM版の定価と比べて数百円の安さになっているため、ROM版を買ったほうがいいだろう。


このゲーム、存在を知った時やプレイした時と同じかなり古いもので、存在についてはてれびくんだったがプレイについては友達の家だったかいとこの家だったかどこでプレイしたのか忘れてしまった。

ただ、いとこからもらったギャラクシアンより昔にプレイしたことは事実だが、ギャラクシアンより記憶力があいまいなのはこのソフトを持っていなかったことと、 小さい頃ほとんどゲームソフトを買ってもらえなかったために今まで持っているゲームソフトを主にプレイしていたためだった。

当然、ギャラクシアンもかなりやりこんでいたために昔プレイしたギャラガの記憶が、時が経つにつれて薄れてしまっていた。 ちなみに、ギャラガとギャラクシアンの関係は昔からわかったし、そもそもギャラクシアンの後継作品がギャラガであることもわかった。

大学時代、このゲームに安値で出会えたもののこの時の私は新しいゲームをメインにプレイしていたので、手に取ったものの買うことはなかった。 レトロゲームがメインで好きになったのは約5年前で、今も他の懐かしいゲームに夢中でプレイしている。

それでもギャラガをプレイしなかったのはかなり古いゲームだったためで、懐かしいゲームは好きではあったが操作が単純であきやすいものは好まなかったので、 古いものでも私が一度もプレイしていないもしくはかつて夢中になったものをプレイしていた。

しかし、私のサイトがレトロゲームメインとなりいずれかなり古く個人的に面白くないものをレビューするする以上、 お気に入りのレトロゲームをメインにレビューするわけにはいかずそれ以外のゲームも進んでレビューしようと考えた。


このゲームの購入は昨年で、この時期既に満遍なくレトロゲームをプレイしようと思っており、ギャラガもいずれレビューしようと思った。 プレイは購入直後で、ギャラクシアンの後継作ゆえにあまり差はないだろうと思っていたし、それ以前に当時プレイした記憶が消えかかっていた。

それだけに、ギャラクシアンとの違いに驚きこそしなかったが連射の有無や合体してのパワーアップといった、ギャラクシアンになかったものが色々と出てきたことに思わずうなってしまった。 合体システムは既にわかっていたし、ここで一気に敵を蹴散らして得点を獲得してやろうという気持ちになっていた。

レビューにも書いてあるが、自機を犠牲にして高得点を目指すか合体せずに長くプレイするか、プレイヤーの判断が問われるもの。 私はその両方、すなわち合体しつつ長くプレイするというやり方でプレイしているが、私のようなやり方でプレイしている人は他にいると思う。

明らかに、二兎を追うものは一兎も得ずということわざよろしく欲を出しすぎると、 すぐゲームオーバーになる危険が高くなり高得点すら望めなくなるという事態に陥りやすいが、やはり私からすれば合体して敵を蹴散らしという快感を得たいとも思っていた。 はじめこそ、先のことわざ通りになったケースが何度もあったが、次第に合体と得点を両立できるケースが目立つようになった。

ムーンクレスタも、『ニチブツアーケードクラシックス』において合体したのはいいが機体が大きすぎて敵の体当たりを食らうケースが多かった。 それでも、必ず合体して強くなったほうがいいし(このゲームには加えてボーナスがつく)ギャラガにしても同じだが、 ギャラガのほうは自機同士を合体して強くなるのでレビューして改めて考えてみると、かなり特殊だなと思ってしまう。

ムーンクレスタと違ってに合体するものがパーツでないあたりは、ギャラガのほうが己を犠牲にする分男らしいと思うのは私だけなのだろうか。



本日のまとめ



FIGHTER CAPTURED
(09/5/6レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年9月6日

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