◆パックマン◆
悪食雑食の人気者



(ROM版)発売日:1984年11月8日   発売元:ナムコ   ジャンル:ACT
値段:4500円   おすすめ度:3(ハーフタイムショーがイカす!!)

(Disk版:片面)発売日:1988年4月8日   発売元:ナムコ
値段:500円(書き換え専用)

1978年に始まった『スペースインベーダー』によるインベーダーブームは、多くの日本人を熱狂の渦に巻き込んだ一方、 青少年の犯罪やインベーダーのコピーゲームの氾濫をもたらすようになってしまった。 そしてそれによる対策が本格化したとき、インベーダーブームは終わりを告げた。

ブームの終焉後にやってきたインベーダー恐慌を受けながらも、倒産を免れた各ゲームメーカーは、インベーダーとは違ったゲームを作り出す動きが広がった。

ひとつは、インベーダーによく似ていながら、中身はまったく違う別物。
もうひとつは、中身どころか外見もまったく違うもので、いわばインベーダーそのものから脱却したもの。

この、インベーダーそのものから脱却したゲームは、当然ながらスペースインベーダーの影響をまったく受けていなかったので、当時としては変り種としか受け止めていなかったようだ。 主に、『ヘッドオン』と『平安京エイリアン』などが、それに該当する。 このヘッドオンは、ジャンル的にはアクション系になるが、そのアクション系でもドットイートタイプに分別される。

では、ドットイートタイプはどういうものかというと、追いかける敵から逃げつつ、MAP上に散らばってあるドット全てを回収していくゲームである。 先ほど書いたが、この全く新しいヘッドオンのゲームタイプは、変り種としか見られなかった一方、 インベーダーに食傷気味だった一部のゲーマーにとっては好評で、次第にヘッドオンの人気は上昇し、平安京エイリアンと並びAC業界の次世代を担うことになった。


その翌年に、ドットイートの流れを汲むゲームが、ナムコから『パックマン』として登場。 このゲームはヘッドオンと違って、キャラクターを前面に押し出したものでもある。 プレイヤーのパックマンにしろ、敵のアカベイ、ピンキー、アオスケ、グズダにしろ、表情が当時としてはとても豊かであった。

他にヘッドオンと違う点は、ある一定の条件で出るフルーツターゲット(ボーナスのこと)とパワーエサの存在。 前者はともかく、このゲームを印象付けているのが後者の存在。

ヘッドオンは、敵から逃げながらひたすらドットを食べるだけのものであったが、 パックマンはその途中でMAP上に4つ散らばっているパワーエサを食べることにより、アカベイ達はいじけてしまう(身体が青くなる)。 それをパックマンが食べることで、相手に仕返しをすることができる。

これを読むと、一瞬無敵ではないかと思うだろうが、パワーエサの効果が持続中に、元に戻った敵と接触すると1ミスとなってしまう(つまり無敵ではない)。 またゲーム中盤になると、パワーエサの効果を発揮することができず、ただのエサ(ドットのこと)に役割が下げられてしまう。

なお、ステージ途中にはハーフタイムショーといって、パックマンとアカベイ達のミニシアターが楽しめる(中間デモともいう)。 このミニシアターは数種類存在し、どれもこれもプレイヤーの目を楽しませてくれる。

このゲームの面白さはもちろんのこと、キャラクターの表情の豊かさが話題となり、たちまち大ヒットし、続編やいろんなコンシューマーにも移植された。 変り種として、初めてこのゲームがアニメになった。 といっても、日本ではなくアメリカだが、その人気は日本以上に高く、瞬間最高視聴率は56%だったという。

ちなみに、アニメ版のパックマンは、ゲームのような黄色い丸の存在ではなく、ポスターに描いてある擬人化されたキャラであった。 またオプションとして、家族の存在(パックマンはパパの役割らしい)と帽子が加えられた。 それらの設定が、後に『パックランド』につながることになるとは、誰が予想しただろうか…。


パックマンがFCに移植されたのは、それから4年後。 すでに2年前には、LSIに移植されていたのだが、AC版そのままのパックマンが移植されたのは、FC版が初めてであった。

移植度については、『ギャラクシアン』や『ゼビウス』などと同じように、画面比率の変更による得点と残機の位置の修正以外は、AC版と全く変わりない。 ただ、ギャラクシアンやゼビウスなどのように、画面右にある得点と残機の欄が画面最上段に移動されたのと違って、パックマンはその逆であった。

いずれにせよ、ちゃんと遊べることには問題は無いが、FC版発売当時はそこそこの人気しかえられなかった。 というのも、パックマン発売から6日後には、当時ブームになっていたゼビウスのFC版が発売されることになっていたからである。

ゼビウスにすっかり心を奪われたゲーマーは、すでにパックマンには眼中には無く、ゼビウスに興味が無いゲーマーも、 FC版パックマンに何をいまさらという感じが付きまとっていた(AC版稼動とFC版発売には、実に4年の間があったからである)。 結局、2ヶ月前に発売されたギャラクシアン共々、あまり注目されることが無く、 パックマンに至ってはFC版ゼビウスの発売日が近かったこともあって、ギャラクシアンに不当な扱いであった。

とはいえ、FC版を駄作という人はいなかったので、ゼビウスブームが過ぎ去った後にパックマンをプレイする人が多くなり、現在もリメイク版やカップリング版などが発売されている。


これも、小さい頃によくプレイしたゲームである。もちろん、自分で買ったのではなく、友達に借りてプレイしたのだが。

プレイしたときは、パックマンがエサを食べる「ホゲーホゲー」という音が、たまらなく好きだった。 それと、パワーエサを食べて敵を食べたのはいいが、元に戻った敵を食べようとしてやられたことがある。

先に『スーパーマリオブラザーズ』に慣れていた私は、パワーエサの効果があるうちは無敵ではないかと怒りをあらわにした。 それから、去年プレイしたこととネットで調べた結果、アカベイ達はただいじけているのに過ぎないことが、プレイしてから実に20年近く経った今になって、ようやくわかった。

よく考えてみれば、『ドンキーコング』において、マリオがハンマーを振り回す間は無敵だと思っていたのだが、 うっかり足を踏み外すと1ミスになるということを知って、やっぱりスーパーマリオは偉大なんだなと思った(ただゼビウスに無敵技があることを含めると、その限りではないが)。

修正する前に再びプレイしたが、パワーエサによる大逆転はかなりスカッとした。 それと、ハーフタイムショーも久しぶりに見たので、懐かしさがこみあげてきた。

ところで、パックマンのアニメ版についてだが、さすがにアメリカ風の顔つきでちょっと怖かった。 いまさらながらに、日本人でよかったとつくづく思う。



本日のまとめ



食いすぎには注意しましょう

(06/10/18修正)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月5日
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