◆ディグダグU◆
今度は孤島で決戦!



発売日:1986年4月18日   発売元:ナムコ   ジャンル:ACT
値段:4500円   おすすめ度:3.5(島崩壊と身投げの衝撃)


ナムコの人気ゲームの1つ『ディグダグ』の続編で、前作登場の3年後に登場(FC版の画面ではなぜか『1985』のロゴがない)。

前作は地中を舞台に、敵を膨らましつつ岩を落として敵を倒していくものであり、プレイヤーが進むとBGMが出るシステムも斬新で、 岩による押しつぶしのコンボも現在から見れば地味でも、当時としては非常に爽快だった。 押しつぶしまでの経緯も、どうすれば数体まとめてつぶせるかとかその間敵に接触しないためにはどうしたらいいかといった、自分なりのアイデアがある程度自由に出せるあたりもよかった。

そんな初代から3年後に登場した続編は、登場キャラはもちろんシステムの半数ほどは受け継がれているものの、ゲーム的にまるっきり違ったものに仕上がっている。 3年も経てば、ゲーム内容も大きく違うのは当然だが、3年もかけてまるっきり違うゲームにしたのはやはり大きな理由があるに違いない。

これは、ディグダグを模した数々のコピーゲーム、もしくはそれに近いゲームの登場と人気によるものだろう。 ACにおけるコピーゲームというのは、オリジナルの基盤を利用してキャラやシステムなどを改変させるもので、 大フィーバーを記録した『スペースインベーダー』もコピーゲームの氾濫による被害を食らっている上に、せっかく築き上げたブームを終息させられてしまっている。

ディグダグにおけるコピーゲームの代表的なのが『ジグザグ(ZIGZAG)』で、色とBGMとプレイヤーのスピードアップを上げるつるはしがあるという違い以外は、 完全にディグダグのコピーに過ぎない。
コピーゲームではないが、 システムがかなり似ている『Mr.Do!!(ユニバーサル開発で現在のアルゼ)』もなかなかの人気を得て、いくつかの機種に移植されている。
多くのコピーゲームが、それほどまでの数と人気を獲得すれば、本家の人気がそちらに多く移ってしまうのは言うまでもない。

ただ、かなり人気はあれどインベーダーほどのフィーバーが出なかったディグダグが、他社のコピー作品を多く出されてしまうようになったのは、 内容が今までのゲームとはかなり異なっていることと単純でプレイしやすいことが理由なのだろう。 実際、インベーダー同様多くのコピー基盤が摘発されたものの、今もその基盤が個人所有という形で残っているところを見ると、これも摘発が徹底されてなかったことの証といえる。


この事態をナムコは感じたのだろうか、舞台を地底から孤島に変更しゲーム内容も一新するなど、3年という長い年月をかけて登場する続編に大幅な改編をやった。 前作登場キャラとベジタブルターゲットや、膨らまして破裂させるプクプクポンは健在で、ルールも敵を全滅させるか敵が全て逃げ出せばステージクリアとなる。 一応ディグダグは、所持武装の銛の他にドリルという新たな武装を手にしたが、敵を直接倒すものではないのでこれについては後述したい。

ただ、敵の逃亡は前作では地中から地上に這い上がったのが、今作ではなんと敵が海中に身投げという形になっている。 ステージクリアとはいえ、敵が身投げして終えるというのはあまりにもショッキングだ。 もちろん、岸壁の高さは不明であるものの、いきなり敵が身投げした姿に当時のプレイヤーは、いったい何が起こったのか戸惑っただろう。

そして今作の目玉として、敵を海に叩き落す『島落とし』が登場する。 これは、孤島が舞台ゆえに前作にあった岩を削除した代わりの処置のようで、これを利用することで前作同様に敵をまとめて叩き潰すことができるのだ。

やり方は、島の至る所ににある杭をディグダグのドリルで打っていくのだが(杭の上に乗ってボタン連打)、 これもあちこちにあるひび割れを利用して大きなひび割れを作っていくが、そのひび割れは四方向に出てくる。

それにより、ひび割れで囲まれた島は即座に沈没(小さく囲まれた部分から先)、その範囲内にいるキャラは全員海に落下、 無論ディグダグも例外でなく落ちたら問答無用でミスになるのため、前作の岩落とし以上に諸刃の剣のにおいが強い。 がけぎりぎりにいる場合は、海と反対の方向に動かせば落ちずにすむが、その間に敵に触れるとミスになることもあるので、クリアにおける戦略性も前作以上になっている。

だが、敵をまとめて叩き潰せる難易度においては続編のほうが結構低く、コツさえつかめば最初のステージで敵全員海に叩き落すことも可能。 もちろん、1つの囲みで全員を海に落とせないため、雪崩式に島を崩さなければならないものの、そこから敵全滅までの展開はかなり迫力がある。 そのときのコンボボーナスのインフレも、時代に合わせているのが面白い。


このゲーム、移植機種は前作よりかなり少なく、初めて移植された機種はFCである。 それについて、前作よりも操作とそれに伴うボタンが増えたためにアクション性が強くなり、キーボード主体のPCでは操作しづらいために、 ACの完璧な移植で有名なX68000版やPC用コントローラーが登場しているWindows版でしかPCでは移植されていない。

最初の移植となったFC版は、前作と同じ画面の比率やスコアの位置と色などの違いはあれど、AC版に近い移植を実行している。 遊ぶためだけなら、完全移植しているといえる本作だが、FC版では新たに2つの要素が登場。

魚とスペシャルフラッグで、前者は得点が後者は残機が1つ増やすことが出来る。 魚は海に突然現れ、色違いの方は得点がとてつもなく上昇、まとめて敵を海に叩き落しての高得点でのこの設定は、AC版顔負けの得点が望める。

やはり続編も、ナムコの名作が既に多く登場していた時期に発売されたためか、爆発的な人気はなかったもののほぼ完全な移植と相まって、なかなかの人気を得ることが出来たようだ。 なお、前作では大丈夫だった敵の目状態への突撃はなくなっている。島が広いための処置なのだろうが、前作をプレイした人にとってこれは非常に痛い。


このゲームは今初めてプレイしたのだが、前作のイメージが定着していたために、続編が穴を掘るということがなくなってがっかりしたことが、当時の子供の時の記憶がかすかに残っている。 いとこの家に、そのゲームがあることは覚えているのだが、結局このゲームをプレイしなかったのは、何か別のゲームのような気がしている感じを持っていたのかもしれない。 PSPやDS版のナムコミュージアムに、このゲームが収録されているが、買うとすれば多分かなり後になるかと思う。

2008年の現在にこのゲームを注目し始めたのは、ニコニコ動画でこのゲームのプレイ動画が投稿されていたのを見たことによる。 ゲーム画像やレビューは既にいくつかのサイトで見ていたので、どういうゲームかは既に理解できていたが、 プレイ動画はそのお手本とも言うべきすばらしいもので、こういう形で敵をまとめて海に叩き落すやり方は非常に感動した。 私以外に見ている人も非常に感動したらしく、賞賛するコメントが相次いでいたので、この動画をお手本に早速プレイしてみることにした。

しかし、見るは易く行うは難しというように(?)初めてのプレイだったので、動画のようにうまくいかなかった上に敵に触れたり、島を崩したのはいいがこちらが海に落ちたりすることが多かった。 敵への接触は、前作と違って目状態が大丈夫ではなくなったことなど知らずに突っ込んでいったため、何度もディグダグを死なす羽目に陥り、「どうして前作は、目状態の接触を無効にしたのか。」と思ってしまいかなり落胆した。

それでも、ステージクリアを優先することに切り替えた私は、自分がピンチにならない程度に敵を海に沈めたりプクプクポンしたりと、バランスよく(?)敵を倒し続けていた結果、10ステージまでは進むことが出来た。 その中で印象が残ったのは5ステージ目で、出来るだけ多く敵を海に沈めようとしてプレイしていたが、いつのまにか時間切れになってしまい必死にディグダグを追いまわしていた敵が突如止まった。

そして何を思ったのか、いきなり海に向かって身投げしたので、あまりのショッキングさに突然頭が真っ白になった。 舞台が孤島に移ってしまったために、前作のように地上に脱出出来ないための処置なのだろうが、まさか身投げするとは予想できなかった私は、せめて身投げ後に画面外に移動してくれればと思ってしまった。



本日のまとめ



ドボンッ!!

(08/6/13レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年6月12日
◆目次に戻る◆


inserted by FC2 system