考察:主人公の父親は何をしているのか?(出典:ポケットモンスター赤・緑)


ポケモン赤緑の主人公には母親がいます。主人公のことをいつも心配してくれていて、話しかけると無料で全回復をしてくれます。 まさにRPGの母親の鑑のような存在です。

1階のテレビのある部屋に母親はいつもいて、主人公の部屋は2階にあるので母親の部屋は1階なのだと思います。

主人公の部屋と違ってベッドがありませんが、画面に見えないところもしくは 左上の本棚の最下段に布団が収納してあり、寝るときは床に布団をしいて寝るのでしょう。 床にはその広さが十分にあります。

さて、ここで気になるのが「主人公の父親」の存在です。とりあえず父親は主人公の家にはいつもいません。 ゲーム開始時からエンディングまで、その姿は一切ゲーム内に登場しないので、そもそも存在しているのかすら不明です。

しかし、主人公の家だってテレビがあるしパソコンもあるしゲーム機もあるので少なくとも電気代はかかるでしょう。 そして生活している以上、食費だって発生するはずです。そのための生活費を捻出するためには 当然働かなければいけませんが、母親はいつも家にいてテレビを見ているので働いている様子はありません。

となると、「父親は働きに行っているので家にいない」と考えるのが自然といえます。 「ポケモントレーナーとしての修行の旅に出ている」としたらゲーム内で主人公に立ちはだかってくれないと その設定は死ぬことになるし、なにより家族を省みず修行に出ている父親なんて非常に教育に悪いです。 これは子供向けゲームです。父親はマサラタウンの主人公の家を維持するために労働しており、そのためにいつも不在と考えるが無難です。

母親のいる1階だけを見ても、大きめのテーブルには椅子が4つあり普段は父親がテレビの最も近くに座り、 主人公は母親の横に座る…という食事風景を無理なく思い浮かべることが出来ます。

さらに、タマムシデパートのゲーム売り場では、スポーツゲームを調べた主人公が 「お父さんが好きそう!」という感想を抱くところを見ることができます。

これは「世間一般的なお父さんが好きそうと言っている」と取ることもできますが、 やはりこの年頃の少年がゲームを見て抱く自然な感想として「あ、ぼくのお父さんが好きそうなゲームだ」と 何気なく思ったと考えるのが自然でしょう。

さて、主人公の父親はどのような職についているのか。ポケモン赤緑の世界をざっと見ても、 働いている男性は非常に多くいます。まず、1番道路でサボっているフレンドリィショップの店員は男性。 トキワシティ以降の全てのフレンドリィショップの店員も男性、タマムシデパートの店員もサービスカウンター以外は全て男性。

ニビシティの科学博物館にいる人たちも男性、ミラクル・サイクルの店主、サント・アンヌ号の船員、サファリゾーンの関係者、 各町を繋ぐゲートにいる係員、全て男性です。それどころかロケット団員も全て男性です。 シルフカンパニーで働く男性も多く、いわゆる「会社員」として働いていると考えるならばここが妥当か。

…しかし、今挙げた働いている人たち全ては主人公と会話が可能。それなのに「おお、○○か!お父さんも頑張って働いているから、 ○○もポケモントレーナーとして頑張るんだぞ!」ぐらいの親子のコミュニケーションがあってもよさそうなものですが 父親らしい声かけをしてくれる人は誰もいません。

ここで思い出してもらいたいのが、主人公の父親を世界で最も愛しているであろう母親が、夫について一切言及しないということ。

家庭を支えてくれている人に感謝をするのは当然です。 母親だって、旦那さんにとても感謝しているはず。だが、そのことについては何も言わない。 主人公にも言わない。

これはあまりにも不自然。逆に、このように考えることは出来ないだろうか。 「言わない」のではなく「言えない」のでは。主人公も同じように、会っているのだが「会話をしていない」。

働いている父の邪魔をしてはいけないと思っているのなら分かるが、父も息子に対して特別何かを言うわけではない。 もはやそれが、主人公の家庭の暗黙のルールと化しているとしたら。息子との関係は良好な勤勉に働く父親、 でも外ではあえて、他人のフリをせざるを得ない職種。なるべくマサラタウンに近い職場…そう、これで該当する場所はただ一つ。



結論

トキワシティのポケモンセンターで働いている



この人こそ、主人公の父親だったのです。 にわかには信じがたいですが、今までのことを踏まえるとそう考えるのが妥当です。

息子をサポートする立場であり、マサラタウンからほとんど草むらに入らず帰宅が可能。 ポケモンセンターというこの世界における重要施設で働くのだから恐らく公務員。 安定した収入はもちろんのこと、福祉も充実しているに違いありません。

母親や主人公は感謝しつつも普段は他人のフリを。いや、感謝しているからこそ他人のフリを。 彼自身が望んでこの職についたのか、あるいは…その点は我々は想像するしかありませんが、 少なくとも女装を辛く感じている様子は見せていないので、それすらも楽しんで働いていると思いたいところです。

2021年3月15日


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