幻の「ポケットモンスターピンクバージョン」の話をした時に、 もっと「ポケットモンスターピンク」の痕跡ってないんだろうか、と インターネット上を探そうとして思い出したのが「商標登録」のこと。 すーんごい昔に「ポケットモンスター紫」や「ポケットモンスター白」などが 商標登録されている、それはなぜか、そういうバージョンをかってに出せないようにするためでは、 みたいな話を聞いたことがありました。あと「デルタエメラルド」が出るんじゃないか、というのとかも聞いたことがあります。 でも自分はそれについては特に何も思わず、ふーん、そういうこともしないといけないんだ 大変だな〜…ぐらいしにか感じず、自分でそれを見にいくこともしませんでした。 だけどピンクバージョンについて検証してそのことを思い出して、 そこに行けば何かわかるのでは…と考えて特許庁の 商標が検索できる「J-PlatPat」へ行って 「ポケットモンスター」や「ポケモン」というワードで検索をかけてみました。 すると…おお、これか…色んな企業（ゲームフリーク、任天堂、クリーチャーズなど）が 「ポケットモンスター」やそれに関係する名称を登録していて、 出願した日と受理された日まで全部閲覧できる。すげ〜…。 「ポケットモンスター」で検索して 一番初めに表に出てくるのはもちろん「ポケットモンスター赤」と「ポケットモンスター緑」ではなく、 2002年6月17日に出願され、2003年2月7日に受理された「ポケットモンスターエメラルド」と 「ポケットモンスターダイヤモンド」＆「ポケットモンスターパール」の3つ。 ルビサファが発売されたのが2002年11月21日、エメラルドが発売されたのが2004年9月16日だから エメラルドの登録出願⇒ルビサファ発売⇒エメラルドの登録受理⇒エメラルド発売という順番になるので このページを見に来たらエメラルドが発売されることが事前に分かったのか…！？ 製作されるかはともかく、出願する単語は分かってしまうシステムなのか…！ エメラルドもそうだがダイヤモンドパールの発売日も2006年9月28日なので、 受理されて発売まで3年以上。情報収集能力のある多くの方々は 「次はダイヤモンドパールだ」と分かっていたんだろうか…ちなみに筆者は ダイパの時代に金銀をやっていたので全く時代の波には乗っていないのであった。 その次に出願・受理されたのはルビーとサファイア。その次に10日遅れほどで出願され、 4か月遅れほどで受理されたのが「ポケットモンスタートルマリン」と「ポケットモンスタームーンストーン」。 「ポケットモンスタートルマリン」と「ポケットモンスタームーンストーン」！？ な、な、なんだその聞いたことのないタイトル！ピンクどころの騒ぎではない！！ なんか、紫とかオレンジとかそういう話だと思っていたんだが！なんともステキなお名前！！ こういうゲームが出る予定だったってことか！？ダイヤモンドパールの次に？！ だが実際に出たのはトルマリンでもムーンストーンでもなく「プラチナ」。 プラチナの出願日は2008年5月12日、発売日は2008年9月13日、受理日が2008年12月26日。 トルマリン＆ムーンストーンより後だし、エメラルドやダイパと違って受理（登録）前に発売されています。 …これにより、事前に「ポケットモンスター「プラチナ」という名前が登録されたから 次に金銀に対するクリスタル、ルビサファに対するエメラルドみたいな位置づけで ダイパのマイナーチェンジとして「プラチナ」が出るんじゃないか！？」と思われることはないかもしれないが…。 というか、もしかして「金銀の開発が遅れる⇒ピカ版発売」の流れのように、 「トルマリン＆ムーンストーンの開発滞り⇒プラチナ発売」だったり…しないよな。まさかな。ないない。 でも、商標登録は時間も費用もかかるものだから、無駄に行うものではないだろう。 必要だと判断され、登録されたわけだからやっぱ「トルマリン＆ムーンストーン」という… なんだろう、ダイヤモンドほど高価ではないが神秘的な貴重な石を冠する ポケモンソフトが作られるかもしれなかったと思うとなんかわくわくするな…。知らなかった…。 そして、登録されているのでどこかの企業が勝手に「ポケットモンスタートルマリン」を作って発売することはできないというわけだ。 いや「ポケットモンスター」がついてたらダメだろう…。ブランドを守るのって大変だなあ…。 さて「トルマリン」と「ムーンストーン」の次に登録されたのは「ファイアレッド」と「リーフグリーン」。 登録されたのはファイアレッドが2004年1月30日、リーフグリーンが2004年4月2日。 出願日は同じでも受理されるのに数か月の差が生まれることもあったようです。 ファイアレッド＆リーフグリーンの発売日は2004年1月29日のことなので、 ファイアレッドが登録されたのは発売日の1日後。リーフグリーンが登録されたのは発売されてから2か月以上。 この間、もしかしたら「なぜリーフグリーンの方は受理されないんだ」と製作者差様サイドはやきもきしたりしたのだろうか…。 次に登録されたのは先述したプラチナ。その次に2008年11月18日に出願、 2009年4月10日に受理されたソフトはなんと12本。お、多い！！ まず「ポケットモンスター赤」、「ポケットモンスター緑」、「ポケットモンスター青」、「ポケットモンスター黄」。 赤緑の発売は1996年ですが、正式タイトルの登録はこのタイミングだったようです。 「黄」だけで「ピカチュウバージョン」は登録されておらず （Let’s Go! ピカチュウはもちろん存在）…このタイミングでということはつまりということでもあるんだけど、 とりあえず他に同時に登録されたのを見ましょう。 まず、「ポケットモンスター紅」。 これも「あか」と読めそうだが…と思ったら「ポケットモンスター緋」と 「ポケットモンスター朱」というのもあるようで、 全部同じ色ではないけど「赤っぽいヤツ」だけで3種が登録されています。赤の人気を物語っているのかもしれない…。 他にはいつぞや見た「ポケットモンスター紫」や 「ポケットモンスター茶」も発見。 紫はありそうだが、茶というタイトルは売れるか…？当時の自分のイチオシポケモンのイーブイが 主人公なら「ブラウン」かも、と思ったが漢字だとちょっと…。 というかこれらは「出すつもり」で登録したんじゃない気もするので（時期も時期だし）、 そこまで深く考えなくてもいいのかも。 残りは「ポケットモンスター灰」、 「ポケットモンスター黒」、 「ポケットモンスター白」。 改めて羅列すると、赤緑青黄、紅緋朱、紫茶灰、黒白で12色。なんと後に発売される「黒」と「白」も存在しています。 そして1年後弱の2009年8月6日に出願され、2010年3月12日に今挙げたものの「カタカナ版」も全部登録されており、 「ポケットモンスターレッド」、 「ポケットモンスターグリーン」、 「ポケットモンスターブルー」、 「ポケットモンスターイエロー」の4種、 「ポケットモンスター」を省略して記載させてもらってしまって、 「クリムゾン」、 「スカーレット」、 「ヴァーミリオン」の赤系3種、 「パープル」、 「ブラウン」、 「グレー」のその他の色、 最後に「黒」と「白」である 「ポケットモンスターブラック」と 「ポケットモンスターホワイト」の二つ。 ブラック・ホワイトの発売日が2010年9月18日なので、 それより前にブラック・ホワイトはちゃんと登録されているようです。 …ん？ …もしかして「紫」や「茶」や「ヴァーミリオン」や「グレー」が登録されたのって 「ブラック」と「ホワイト」が実際に発売されると思わせないため、もしくは 「どれが発売されるのか分からなくさせるため」だったりするのか？そういう商戦だったりするのか？ 「ブラック・ホワイト」を他の色に埋もれさせたのか…！？ ……って、そんなワケないよな。必要だから登録なさったんだ。そんなはずないよな〜…。 赤緑青の登録のついでに、なんてことはないよな〜…。 次に登録されたのはブラック・ホワイトやアニメ「ベストウイッシュ」、「ポケットモンスターX」と 「ポケットモンスターY」のロゴ。次に「サン・ムーン」、「ウルトラサン＆ウルトラムーン」、 「ソード・シールド」、「ブリリアントダイヤモンド＆シャイニングパール」、 このページ書いた時点では発売されてない＆登録（受理）されてないけど「スカーレット＆バイオレット」で、おしまい。 スカーレットの登録が二つ目になっているけどそれはさておき、 出願されたのが2022年2月24日で公式から発表されたのが2022年2月27日のこと、 そしてブリリアントダイヤモンドとシャイニングパールの出願日が2021年2月25日で 発表されたのが2021年3月1日のことなのでそんなに間が空いておらず 他に連想できるのが同時に登録もされていません。 さて、登録商標を調べに行った目的を忘れてはいけません。忘れかけていたけど忘れてはいけません。 それは「ポケットモンスターピンク」のためです。 あわよくば「ポケットモンスターイエロー」と 同時期に「ポケットモンスターピンク」も登録されていたりして、などと思ったんだが そもそも赤緑青黄の登録日が発売された1996年にかすりもしない年月日であり、 「橙」などの文字を見た気がするがそれは完全なる記憶違いであり、 「桃」や「ピンク」があったとしても他の色と同時に登録されただけということであり 「かつてピンクが作られるはずだった証拠」とはならない。 数十行前に「このタイミングでということはつまりということでもある」と言ったんだけど、 それは「ピンクが登録されるべき時には赤緑青ですら登録されていなかったんだ」ということに気付いたためでした。 しんみり。 なんて、そんなしんみりなわけがなく、めちゃめちゃ大きな収穫がありました。 そう、「ポケットモンスタートルマリン」と 「ポケットモンスタームーンストーン」という ファンタジックで素敵な、金銀やダイヤモンドより貴重ではないかもしれないが神秘的で美しい石を冠した ポケットモンスターシリーズが出るかもしれなかった、それらの石を連想させる 伝説のポケモンが存在するかもしれなかった、その事実を知れただけでも大満足です。 …ちなみに、今回は「ポケットモンスター」というキーワードで検索したので 今のような紹介順となりましたが、「ホワイト」＆「ブラック」や「ＳＵＮ＆ＭＯＯＮ」という単語だけならもっと 早く登録がなされていたりと、ちょびっとツッコミどころのある感じになってしまっています。 今後未プレイのポケモンのネタバレを自分で食らわないようにした結果なので大目に見てやってください。 さらにちなみに、ここまで書いて「ポケットモンスター トパーズ」と 「ポケットモンスター ホワイトゴールド」、 「ポケットモンスター アメジスト」 なんてのも発見してしまった。うーん…どれもステキだが、今となってはもう出なさそうだろうか…！ 「トパーズ」と「アメジスト」を出すタイミングはルビサファの後、ダイパの前…か！？ 「ホワイトゴールド」も「ハートゴールド」が出た今、派生ソフトではない本筋シリーズの タイトルにはならなさそう…か！？ こんなことを言っておいて後に出たらめちゃ失礼だな…！！ 「ブラック・ホワイト」の大失言の件もあるし、滅多なことは言わないでおこう… 登録商標はそこに存在してくれているだけでよし、あとは公式様からの情報のみを楽しみにすることにしましょう。 うーん、いいオチだ。台無しだ。 |