きっかけがゲームの小話とあまり関係ないのでさらりと説明をすると…。

「マホロア」のセリフを言う動画を上げ、「スージー」というキャラのセリフも言うことになりそうで、 でも知らないキャラなので調べるために「カービィWiki」で検索をしてみたら 全然無関係だけど興味深い一文を見つけたので検証してみた…という感じです。

それがこちらのページ、「星のカービィ64」のことが書かれています。 どうしてそのページを読んだかもう覚えてません。とりあえず「その他」の項目を読んでいると、気になる一文が。


サウンドテストの効果音395(A版以前)・398(B版)で聞ける効果音をゆっくり再生すると、いろは歌になる。

…え?なにそれ怖い。

「いろは歌」っていうと、いろはにほへと…ってヤツだろうけど、星のカービィと関係なさそうだぞ…? 星のカービィ64のSEがいくつあるか忘れちゃったけど、そんな400ぐらいのところまで一つ一つ聴いたことなんてない…!

そして、ソフトのバージョン(出荷時期)によってサウンドテストの番号が違う!? 筆者はこのページを書いた時点では残念ながらソフトを2つ所持しているので、 まずはバージョンが分かるであろう刻印を見てみよう。


表側ではなく裏側に刻印がありました。丸で囲んである部分に数字やアルファベットが書かれています。 上のソフトは「10」、下のソフトは見づらいけど「20C」と書いてありました。「200」ではなく「20」と「C」です。 初代ポケモンの法則でいくならば、アルファベットが入っていないものは初期版ぽいが…?

というわけでまず「10」のソフトを起動して、「いろは歌」に聞こえるSEを探しました。 えー、395か398…どっちだろう?


…と、数字を送っていたら発見。「395」の音声が、通常のゲームプレイ時は聞いたことが恐らくない、 何かを早回ししているときの声のようで、SEだけど止まることなくずっと流れます。

をお聴きください。

なにやらペラペラとめっちゃ早送りみたいな声みたいなのが聞こえます。これが「395」のSEです。

だが、これが「いろはにほへと」には聞こえない…「ゆっくり再生すると」そう聞こえるということだが、 どれぐらい再生速度を下げればいいんだろうか…?「マリオペイント」のおおねぎぐらいでいいのか?

その前に、もう片方のソフトでも同じ音が流れるのか試してみました。「20C」のソフトの方でサウンドテストを開いてみると。


ペラペラ早送りボイスは「398」で流れました。まさかソフトのバージョンによってそんなところに違いがあるとは…。 聴けば聴くほどプレイ中にこんなSEは全く聞き覚えがないのでサウンドテストでは聴けるけどボツSEなんじゃないだろうか。

でもサウンドテストの番号は変わるけどこのSE自体を聴けなくする、消すということは行われていない。 まあ消したらほかに困るところが出てきてしまうからなのかもしれないが…。

さて「395(398)」の再生速度を下げる前にもう一つ、「396」と「397」もちょっと変な音で、使われていなさそうだったのでそっちも録音しました。

←こちらのファイルです。

396が3回、397が3回流れます。これも早送り特有のキュルルッとした音です。恐らく395の一部を切り取ったものだろうと思うけど、 そうやって短くわざわざ加工して効果音として2箇所登録をしているということは使う予定だったということ…!?どこで使うんだ!? 元々、めちゃくちゃにしゃべる壊れたロボットでも登場させる予定で、そのキャラのための音声だったとかか…?

そしてようやく、これらのキュルルSEをスロー再生してみましょう。50%…いや、まだ高い。100%…低すぎた。 じゃあ、70%ぐらいで…うーん?

というわけで、395を70%遅くして再生してみたのがです。

うーん…なんか思ったより怖くなかった。確かに「いろはにほへとちりぬるを」って言ってます。 言っているけど、その1回の「いろはにほへとちりぬるを」の中でもさらにピッチが変更されており、 その変更のしかたが何種類かあるようで連続で流れはするけど同じものの繰り返しではありません。

ついでに、396と397も70%遅く再生したのがです。

先ほどと同じように、396が3回、397が3回流れます。396は「いろはにっ」と聞こえる、「に」は子音までしか入っていない、そんな感じ。 397は「いろはに。」としっかり「に」まで言い切っています。

…さて、どうしてこんなSEが登録されているのか?やはり使う予定で入れたということなのか…? 高速イロハニが使われるはずだった場面やキャラがボツになったので音声データだけが残ったのか…??

どうして「いろはにほへと」なのかも結構謎ですが、声を加工してSEを作るというのはゲームの世界ではよくあることなのかもしれません。 それで何て言っているか聞き取れないぐらい高速再生をして使うものならばどんな文字列でもいいわけで、 でも「あいうえお」だとインパクトに欠ける、程よく子音が入ってほしい…となれば「いろはに」になる、か…?



…という、なぜ「いろはにほへと」なのか、どうしてそんなデータが入っていたのかは謎ですが、 サウンドテスト「395〜397(初期版)」もしくは「398〜400(後期版)」で攻略中には使われていない 「いろはに」を高速再生したものが存在しているということだけは確かです。

あと初期版・後期版によってサウンドテストの数字もずれているということも…。

他にも「カービィWiki」様によるとA版以前はカードの65番の表記が「スカーフィー」で、B版以降は「スカーフィ」である。とか、 A版以前は、タイトル画面でL+R+Zを押しながらスタートを押すとカービィが喋る裏技が適用されない。とか、 「後期版で「修正」された」っぽい違いがあるということが書かれています。

『カビコレ』版は、タイトル画面の裏技はできないとあるけど、 実際にカービィの声が聞こえるその裏技をやってみるとタイトル画面からメニュー画面に切り替わるときに カービィの「はーい」という声が途中で切れてしまってちょっとナゾな感じになるのでいっそなくしたのかもしれません。

以上、星のカービィ64のナゾのSEのお話でした。いろはにほへとちりぬるをいろはにほへとちりぬるをいろはにほへとちりぬるを…やっぱちょっと怖いか…。



◆2021年3月4日追記◆
この「いろはにほへと」の音声の使いどころとして、 ブルブルスターのステージ3のテレビのための音声だったのではという見解があるようです。

ブルブルスターのステージ3は電気仕掛けのものが多くエレベータで上の階へ進んでいくステージで、 最後から2番目のエリアに砂嵐状態の星型のテレビが3つ+2つの合計5つ置かれています。

砂嵐状態ではザーという音しかしなさそうなので、もしかしたら元はこれらのテレビは映っており テレビから出ているけど意味はない音としてキュルキュル音が作られたのかもしれません。

このエリアにはプロペラーやビボルト(ロープを掴むと現れるアカリンみたいな敵)、コンセがいる程度で割と寂しめ。 砂嵐テレビがたくさん置かれていることによりさらに寂しさがUPしている気がします。 元はテレビがついているはずだったならば納得かもしれません。

ブルブルスターは月のような衛星を擁した地球のような大陸の存在している凍りついたとても寒い星であり、 星の住民たちは全て他の星へ移住済み。残された施設にはまだ電気が通っており、 動いている機械も多数存在しているある意味不気味な場所である。

そんな誰もいない星の誰もいない建物の中で、誰が見ているわけでもなくついているテレビ。 そこから発せられる、高速のいろはにほへとちりぬるを いろはにほへとちりぬるをいろはにほへと…やっぱ怖いかもしれん…。

2019年5月17日


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