「ギミック!」のコピーガードの話スタッフクレジットの真実



きっかけは、Twitterにてお寄せいただいた情報でした。 これはすごい!大変なことだ!と、絶対にページにさせてもらいたいと思い、 教えてもらったブログ様のページを読ませてもらいました。

…が、そのツイートが見当たらなくなってしまい、情報元として感謝の意を込めて ツイートを掲載させてもらうことができなくなりどうしようと 思い続けたりラジオでは2回ぐらい熱く語ったりしているうちに月日は流れ。

ラジオでもう一度そのことを話すきっかけがあり、そして改めて「ギミック!」のことを 検索してみたらなんと海外のページがHIT。さらに解けた謎。 あとついでに前のページが Wikipedia様に「ギミック!にはコピーガードがある」という記述に関して リンクを張ってもらっているのまで見つけてしまった。

マジですか。

ともあれ、あの黒い虫の本来の存在意義が 判明した今、この事実を少しでも多くの人に知ってもらう必要がある。 前のページにあった情報が全てではないということを、伝えなければ。

Twitterで教えていただいたのは「ギミック!の作者様のブログによると、 あれはコピーガードのためのものではなかったらしい」というような内容のこと。 その作者様のブログを、今日再発見いたしました。よそ様のページですが、 参照&説明の為に引用させてもらってしまいます。こちらのページです。

まずはそちらをお読みください。とりあえず驚いたのは製作者様が前のページを見てくださったという事実。 がびーん。どうやってお知りに…あ、Wikipediaか…?!そ、そういうこともあるのか〜…!

何か失礼なことは言ってなかったよな。大丈夫だよな。 ちょっとストーリーについての推測的な記述はあるが、だ、大丈夫だよな…? 「ギミック!」はウルトラリスペクトゲームだし、SAGEるようなことは言わないはずだ…。

全ての宝を集めて現れた隠しステージ、そしてラストステージ。 途中の壁にいるこの黒い虫こそ、このソフトが海賊版かどうかを見破り 違反者に鉄槌を下す絶対的な存在であらせられるです。

神の審判により海賊版ゆめたろーは 「BLACK HOLE」という アトランチスの裁きを受ける…というのが前のページで話したコピーガードのあらましでした。

しかし「ギミック!」の作者様である「酒井智巳(さかいともみ)」さんのブログによると、 クモの本当の機能は、開発スタッフの名前が消されるのを防ぐためにあった とのこと。え?

ゲームを作った人の名前がゲームに表示されるのをゲーム会社の経営陣の方々は当時酷く嫌がっておられた。 その理由は恐らく「ヘッドハンティング」。そういう話は他のゲームでも聞いたことがあります。 もしくは「映画のスタッフロールみたいにしたいのにスタッフが少ないので人数を水増しするため おかしな名前でスタッフを表記した」という話もどこかで聞いた記憶もあります。

ともあれ、「ギミック!」の場合はスタッフ様の名前を「出したくない」方だったようです。 完成したゲームを任天堂に提出する際、ご自分のお名前が消されたバージョンが存在したことに 驚いた酒井さんは開発スタッフの名前が消されると「これは不完全なバージョンです」と出て 止まるバージョンをお作りになった。

すごいプログラム技術を駆使してそれが解析されにくいようにし、 しかも黒い虫を高難易度のステージをすべてクリアし、しかもすべて宝を集めないと 行けない隠しステージに設置なさった。

その完成品を任天堂に提出する前にまた名前を消す作業をされるだろうが、 消すと止まるようにしているしどうして止まるのかを分かりにくくした、 任天堂への提出期限までに解析されなければ名前が消されることもないという賭けに出た。

…だが、世に出た「ギミック!」では名前が改変されているにも関わらず、 クモで止まらないみたいだったから、何らかの方法で阻止されたんだろうなとは思ってました。 とのこと。

僅かな時間に凄腕プログラマさんが解析し、酒井さんの名前を消しても止まらないバージョンが出来上がった。 エンディングで表示される酒井さんの名前が「SAKAE」と出るのは、 酒井さんは名前の位置を確かめるときに書き換えて表示してみたとかして 直すのを忘れたんでしょうと推測なさっている。

そして最後に酒井さんはこのご自分のお名前がまた消されたことについて、 世界中のギミックが全部7面で止まっちゃうより最後まで遊べた方がとりあえずは よかったかなとも思うから、そのことについてはもういい、とも仰っています。

自分はゲーム製作会社のことなんて何も分からないが…なんとも…。なんとも……。 改めて僭越ながら話させてもらってしまおう。個人的な感情を交えぬように。事実のみを。

海賊版を見破る神だと思っていた黒い虫はとりあえず「クモ」であることが判明。いやそれは別にいらない。 その情報は今は特に重要ではない。

そしてクモは海賊版に鉄槌を下すために存在していたのではなく、 酒井さんのお名前をゲームに表示させないという世界の書き換えが行われた場合に この世界は不完全なバージョンであると断罪する役割を持っている番人であった。

でも、これだけではちょっと分からない部分が実はありました。 その酒井さんの「お名前」というのはいったいどこに表示されるものなのか。

エンディングで流れるのが「TOMOMI SAKAE」になっている、 しかもそれが会社によって書き変えられた、というのは…どこで聞いたのか、 個人サイト様だったような気が、その話は確かに聞いたことがありました。 これは確かな記憶です。その件に関しては以前から「会社が書き変えた」という認識でいました。

このエンディングで表示されないようにしたかったわけではないっぽい。 「SAKAE」になっていることについてはまた別のことのように話しておられる。

オープニングの書き換えられたメッセージという記述も気になっていました。 元はどういうものだったんだろう。もっと「ギミック!」としてしっくりくるような メッセージだったんだろうか。製作者様の手によって作られたオープニングこそが最適解なはずだ。

…そして今日、とある海外のページ様を発見してしまったのである。 それが…こちらのページです。 どうやらロシア語で書かれているようだが…!?

英語でも併記してあるのでなんとかかんとか見てみると、どうやらそのページに掲載されているスクリーンショットは 「ギミック!」の幻のプロトタイプのものらしい! ど、どゆこと!?どうした?!どうやった?!なぜそんな貴重なものが…!?

これは製品版の「ギミック!」のオープニングで最初に表示される文字。4カットあり、 「SUNSOFT PRESENTS」、「AUTHENTIC ENTERTAINMENT」、「GIMMICK!」、「(C) 1992 SUNSOFT」という順になっています。

だがプロトタイプ、つまり酒井さんのお名前が消される前の本来のバージョンでは…?!

このように、「A TOMOMI SAKAI GAME」 と、酒井さんのお名前がオープニングに表示されるはずだったらしい…!!

なるほど!消されたのはこれか!これを消したかったのか…!!

話の途中ですが、酒井智巳さんのお名前はゲーム中ではスタッフロールで「TOMOMI SAKAE」としか 表示されずそれしかこのフォントで見たことがなかったんだがこの「ギミック!」のフォントで 正しく「TOMOMI SAKAI」と表記されているのを見られて俺はいま猛烈に感動している。

そして神の鉄槌と思われた「BLACK HOLE」は、 本来は番人によりこの世界は「IMPERFECT VERSION」 (不完全なバージョン)であると定められる…というものだったようです。

…だが、そのクモのプログラムは解析され、オープニングの「TOMOMI SAKAI」の文字は削除されてしまった。 番人の裁定を逃れるため、どうやらゲーム内には「TOMO」の文字だけは残されているようです。 しかしそれは表示されない。その二つの文字が内部に存在していることで、オープニングの4カットを好きにできたのでしょう。

つまり「ギミック!」には表示されていない「TOMO」という文字が存在しているということであり、 その2文字はある意味没データ(没テキスト)です。(おかげでゲームの没データの目次にこのページが置ける…)

迷宮組曲攻略ページの隠しページで話したことと同じような感情にちょっとなりそうなんだが、 ゲーム会社ってそういうものなのか…酒井さんが「IMPERFECT VERSION」が「BLACK HOLE」に変えられたことを お知りになったのはご自身のブログをお書きになった時期だろうから、 つまり「ギミック!」がリリースされた際にゲーム会社の方から「オープニングのあなたの名前の表記は消しておきましたよ」 ということすら言われないってこと…?

そういうものなんだろうな…ゲームが止まるようにプログラムしてたみたいだけどそれも変えておいたよ、 ということも言われないのか…大人の世界……。

会社としても決して嫌がらせではなく必要だからこそ行ったことでしょう。 それにただの何の知識も技術も有さない一般人ゲームプレイヤーである自分には何の権利もありません。 ただし、あくまで、個人的な意見ですが、それを記述してしまうと…… その「プロトタイプ」は決してプロトタイプではなく「完全版」なのではないか。

オープニングの名前を消すのは大人の世界としてしょうがないとして、 エンディングのスタッフロールのお名前が誤字状態になっているのも残念です。 エンディングでお名前が表示されることを会社がよしとするなら、正しく記述したものをエンディングで見たかった。

ぼくらが所持する「ギミック!」のソフトこそ、「IMPERFECT VERSION」だったのかもしれない…。 「ギミック!」の製作に携わった、「GIMMICK ENTERTAINMENT TEAM」の皆様に敬意を表します。



そしてちょっとこのサイトの雰囲気に合わせて最後に明るく蛇足トークすると、 クモが画面内に入るとタイトル画面の酒井さんのお名前が消されているかチェック、 となるのならクモのスプライトIDが「AA」らしいがそっちの数値を変えるということはできなかったんだろうか…?

クモの方を消す、ということもできないように仕組まれていたんだろうか… ど素人が思いつくようなことだから無理に決まってるよな…。

それと、当然ですが前のページで情報をくださった方、その情報には何も間違いはありませんでした。 クモが画面内に入ったときに特定のアドレスが改ざんされているとゲーム進行不可になるということは事実であり、 そのことをページにさせてもらえたからこそ、クモの真実とプロトタイプによる 本来のオープニングを知ることができたわけです。改めて、本当にありがとうございました。

ラストステージに到達し、酒井さんのお名前を守るために存在していた神もといクモちゃんに会うたび、 このことを思い出しましょう。「ギミック!」は、間違いなく不朽の名作です。

2022年02月10日


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