◆未使用のオプション(没データ)◆



この没データを知ったのはこちらの動画様を教えてもらったのがきっかけでした。


スーパーファミコン版「パネルでポン」には、ゲームボーイ版「ポケモンでパネポン」と違って 細かい設定ができるオプションもキャラの紹介が見られる項目もサウンドテストもありません。

…だが、そちらの動画の投稿者様によると $83/C800 (バイナリ 0x01C800) の 0x04 → 0x28 とすることにより…オプションを開けるようになるらしい。 そのアドレスを知れたため、文明の利器でちょっと違う方法で自分にもオプションを出すことができたので調べてみました。

ついに出せたのがこちらのオプション画面。いやあ苦労した…。 本来は「1PLAYER GAME」、「2PLAYER GAME」、「プレーのしかた」、「じょうたつへのみち」の下に 「オプション」という項目があったようで、そこにカーソルが合うとリップが 「色んな設定をするところ 詳しくは説明書を見てね!」 という説明をしてくれますが、このテキストは通常プレイでは表示されない没テキストです。

オプションには全部英語の項目があり読めませんが何とか理解していくことにします。

まずTIME SETという項目。 デフォルトで2MINになっており、 1MINにも変更できます。 これは「スコアアタック」の制限時間のことで、通常は2分間だけど1分間にもできます、 ということのようです。3分間とかそれ以上にはできません。

その下はVS POINTという項目。 2P1Pに 切り替えることができ、デフォルトは2P。

これは2プレイヤー用ゲームのポイントを表わす項目で、 通常は2ポイント先取で勝利のところを1ポイントで勝敗が決まるようにもできるということのようです。 これも3ポイント以上とかにはできません。

その下にあるのはSOUND TEST。 カーソル音やパネルが消える音、キャラクターの声、ファンファーレなどを聴くことができます。 項目数は00からFFまで。同じ音じゃないかな?というのもいくつかありますが使いどころが違うのか同じ音が本当に二つ以上入っているのかは分からないです。

その下はMUSIC TEST。その名の通り、ゲーム中のBGMを聴くことができます。 これだけでも実装しておいてほしかった。BGMをじっくり聴くモードはほしかった…!

サウンドテストと同じく16進数で00〜22まで、つまり35の項目で音を流せます。 …だが、いくら聴いても「エンディング」系の曲が一つもない。エンドレス、パズルなどをクリアしたときの それぞれの曲の項目がないのである…。

一度クリアすれば開放されるのかと思ってパズルのエンディングを見た後や エンドレスでカンストした後、それ未満のスコアだったときなどのBGMを流してもう一度オプションを開いてみましたが、 項目の中身が変わるとかずれるとか数字が増えるとかそういうことはありませんでした。エンディング曲は聴きたくなったらクリアをしてエンディング画面で聴くしかないようです。

その下のCHARACTERの項目は、 ゲームをつけて放っておくと流れる妖精+モンスター2体の説明の画面を見られるというものです。

しかしそのデモ画面ではサナトスとコーデリアのキャラ説明画面は流れません。 VSでHARDをクリアした後であっても表示されることはありません…が、このオプションなら サナトスとコーデリアの説明画面が見られます。キャラ紹介ページの サナトスとコーデリアの画像はそこで撮影したものを使っています。

VSをクリアすることは二人の画像がデモ画面後に流れるようになるフラグではありませんが、 オプションで二人の画像を見ることはフラグになります。つまり、オプションで コーデリアの画像を表示させた後にタイトル画面に戻ってデモ画面を見ていると、 コーデリアの説明画像も表示されるようになるのです。

でもなぜかコーデリアだけ見てタイトル画面に戻るとコーデリアのみ、 サナトスだけ見るとサナトスとコーデリアが表示されるようになります。…なんか不自然。逆じゃないだろうか? まあ没データになっている項目なので不自然なところがあっても問題はないです。

ボス二人が表示されるフラグが立つと妖精よりボスの説明が表示されることが優先されるようで、 リップからではなくいきなりサナトスが表示されるようになります。その次にコーデリア、 さらに暗転するとフリーズします。BGMはタイトル画面のもののまま真っ暗になります。 この辺の挙動はまだ作られていなかったということなんだろうか…?手元リセットコマンドも効かなくなります。

キャラクター紹介の下にあるのはCP SWITCHです。 CPスイッチという項目らしいが、開いてみると1P CP SWITCHLEVELという項目が。それぞれ2Pの分もあります。

デフォルトはどちらもOFF、レベルは0です。レベルは0〜7まで設定できます。 どちらもONにしてオプションを閉じ、2P用ゲームをプレイしてみると…。

コンピュータ同士のバトルが始まります。 キャラクター選択と難易度(パネルの種類やパネルが消える速度、せり上がりスピード)を決めた後は 自動で戦いが始まり、勝手に勝敗が決まるのです。

2PをONにして始めれば、VSモードでなくてもコンピュータと戦うことができます。 めっちゃええやんけ。

もちろんOFFにしている側のLEVELは設定しておいても無意味、 人間が2コンでコンピュータが1P側、ということもできます。コンピュータ同士のバトルを お菓子を食べながら眺めることもできます。めっちゃええやんけ。 バトルを眺めている間もSTARTボタンを押せば人間が中断させることだって可能です。

しかし…。

どちらのレベルも最強である7にして、 ゲーム難易度は1にしておくと決着がつかん。余裕でタイムが 9分59秒でカウントストップしてしまいます。

スーファミ版のパネルでポンのコンピュータは連鎖を積極的に組もうとしないので 同時消しの「おじゃまパネル」ばかりをお互いに送り込むことになり、 どちらにとっても致命傷にならないのである…。

そしてリアルに1時間経過。決着はまだつかない。 とりあえず難易度が1だと決着がつきません。危うい状況はあるんだけどどちらも負けには至りません。 消すスピードが速すぎて常にどこかを消している状態で時間経過でせり上がりスピードは 上がっているはずなんだけど自動でせり上がるタイミングがないのでお互い困っていない。

それでいてお互い攻撃力はあまりないので、二人でただただ消しまくるのみとなります。 まさか、これがこのモードが没になった理由の一つ…いや、そんな…。

さて気を取り直して最後のオプションの項目です。それはETC。 一番上にMARK ON & OFFという項目があり、 デフォルトではOFFになっています。これをONにすると「ポケモンでパネポン」のオプションにあった 「マークはんとうめい」的なことが起こります。

同時消しや連鎖をしたときの「4」や「×2」などのマークが半透明…というか、 激しい点滅状態となりそのおかげでちょっと薄く見えてマークの後ろにあるパネルがうっすら見える感じになります。

ハードのせいなのか「ポケモンでパネポン」よりは点滅感が少なく、連鎖の途中でマークだらけになって パネルが見えなくなる現象が純粋に緩和されるような感じです。

その下はVS CP GAME LEVELという項目で、 EASYは02、NORMALは04、HARDは06がデフォルトになっています。 数値は00ではなく01が最小、01〜09まで上がったら次は10ではなく「0A」になって、 さらに進めると00になって一周、10段階まで変えられるようです。

この数値は何なのかというと…。

2P用ゲームで決める10段階の「ゲーム難易度」であり、 これを最大の「0A(10)」にするとEASYなのにパネルに下向き青三角が追加されて6種類になります。

パネルの上昇速度もパネルが消える速度も10相当になり、コンピュータは上昇速度のせいで自滅します。 逆にHARDで「01」にしておけばパネルが消える速度が遅くなってカンタンになってしまいます。

この「ETC」の項目はプレイヤーが自由に決められたらちょっとおかしいかもしれないので、 デバッグ用の項目感があるかもしれません。だから「オプション」の項目ごと一気に潰されてしまったんだろうか…?



という、「パネルでポン」の没になった項目「オプション」でした。教えてくださった方、動画投稿者様、本当にありがとうございます。

ほしかった項目や機能がかなりあったけど、このままゲームに実装して出すには未完成な気もするモードであり、 オプションを完成させるよりはいっそオプションを削除してしまおう、ということになるのも分かる気がします。 BGMが聴けるのは非常にありがたかったし、コンピュータとのフリープレイができるのは魅力的だったのだが…!!

それと「ポケモンでパネポン」にあったパネルが消えている間もせり上げられる「ばくはつせりあげ」の項目が 意外にもありませんでした。スーファミ版「パネルでポン」は基本が完成しており、 そこから追加されていく予定だったのか。

もしくはオプションで設定できないだけで「ばくはつせりあげ」の機能も没データとして存在していたりして…。
2019年11月20日


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