世界のはしにある泉


時と空とテラメリタの「ローズマリー」さんのお名前、その単語を初めて聞いたのはいつだったのか。 「おたくの星座」のアイテム名がそうだと思っていたんだけど改めてそのアイテム屋さんに行ってみたら 売っていたのは「ローズマリー」ではなく「ハイグリーン」。全然違った。完全なる思い違いでした。

しかし、幼少期に「ローズマリー」という単語を聞いてその単語が好きになったのは確か。 ローズマリーさんのお名前はアイテールの設定にも関わるしすぐに決まりました。 (ローズ+マリーという薔薇+本名、そして「海の霧」という意味の「ローズマリー」のダブルミーニング)

…さて、では人生で初めて「ローズマリー」という単語に出会ったのはどこだったのか。 どうも、祖母宅でのことだったと思うんだが…と思って仕事中にむむむと考え思い出してみました。

すると、ピコーン。祖母宅にはたくさんの「グリム童話」や「アンデルセン童話」の本があり、 それをよく読んでいました。その中にあった「白い蛇」という話に白蛇シリーズは影響を受けています。 かつてサイトには「コルベス様」というページもあったぐらい、グリム童話とかイソップ物語とか、 そういう話を読むのが好きだったのです。

他にも「アラビアンナイト」の大きな本もあり、それも幼少期に何度も読んでいました。 それらの本と同時に思い出されたのが「ジャックと豆の木」というこれまた非常に古い本。 これは祖母宅から持って帰ってきたもののようで、自宅にありました。母のものだったようです。

その本も何度も何度も読みました。絵本というより文字多め、通貨がポンドで…記憶によると、 15ポンドは1万五千円、20ポンドは2万円と書いてあった気がするので今よりかなりかなり昔な感じです。 巨人がオーブンから取り出してかぶりついていた肉の丸焼きが非常においしそうだなあと思っていました。

…で、その本だったと思うんだが…もしくは「アラビアンナイト」の方だったか…? アラビアンナイトの本には「シンドバッドの冒険」、「魔法のじゅうたん」、「おなべやぐつぐつ」などなど、 いくつかの話が入っていました。何度も読んだので今ここで全部話せるが今話してもしょーもないのでやめておこう…。

「ジャックと豆の木」の本にもいくつか話が入っていて、確かそっちにあったんだと思う、「ローズマリー」という単語。 なんにしてもその童話のタイトルは「世界のはしにある泉」。「はし」はひらがなだったと記憶している…。「果て」ではなかったと思う…。 しかし幼少期はそのタイトルの意味が全く分からず、「はし」は「端」ではなく「橋」だと思っていました。

そのタイトルでインターネットで検索をかけても全くHITせず。ひ、一つもないのか…? ただ、似ている話は引っかかりました。「かえるの王さま」や「蛙の王子」という話。 どっかの王女様が泉に落とした「金のまり」を拾ってくれた蛙に一緒に食事しろとかベッドに上げろとか要求され、 最後に自分を壁に叩きつけろと言われその通りにしたら蛙は王子様だったのです、というあらすじのようです。

ぼくが幼少期に読みまくったその「世界のはしにある泉」は、その話に結構似ています。 …「世界のはしにある泉」の話だけ、ここでさらっと書いてしまうか…もうずっと読んでいないし、 その本はもう家にはないので確認のしようがないのだが…。

あるところに、イジワルな母(継母かも)と暮らしている少女がいました。 その子にママは「ふるい」を持たせ(幼少期、「ふるい」が何か分からなかった。 つまりは「ザル」みたいな穴だらけの容器)て家から出しました。

「世界のはしにある泉」に、そのふるいいっぱいに水を汲んで帰ってきなさい、とママは言いました。 少女は「世界のはしにある泉」を目指して出発。どうやってか、泉に到着。苦難があったかとかは忘却。

そこで水を汲もうとするも、当然ながらザルみたいなモンでは水はくみ上げられず、 ふるいを水につけて持ち上げても全て水が落ちてしまって無理。ママは少女を家から追い出したかっただけなのです。

泉で困り果てている少女に、カエルが近づいてきて何で泣いてるの、みたいに尋ねます。童話なので動物はしゃべれます。 少女は事情を説明するとカエルは「ふるいに地面の粘土を塗って穴をつめ、底にコケを敷けば水は漏れない」と教えました。 その通りに粘土でペタペタ、コケをペタペタしてから泉にふるいを浸し、持ち上げると今度は一滴も水が漏れませんでした。

少女は水でいっぱいになったふるいを持って家に帰りました(割と近所なのか?)。 少女の帰宅にママはビックリ。ついでにカエルも少女についてきていました。

少女からしたらカエルはかなり気持ち悪く生臭く近寄りたくなかったけどカエルはかなりぐいぐい来ます。 一緒のテーブルで食事をさせろ、膝に乗せろ、同じベッドで眠れ、などなど。 少女はかなりイヤでしたが、泉での恩があるので渋々全てその通りにしました。

カエルは最後に言いました。「どうか斧でぼくの首をちょん切ってください」と。 しかしさすがに少女は「そんなことはできないわ」とそれを拒否。だが、何でもするって言ったよね?的な 押しの強さを見せるカエルに少女はついにカエルに斧を振り下ろします。

カエルが死んだ…と、思いきやなぜかカエルはどっかの国の王子様に大変身。 部屋に入ってきたママもビックリ。少女もビックリ。多分、童話の王子様の法則によりかなりイケメンのはずです。

人間に戻れたカエル王子は少女の母親に言います。「この子をあなたは家から追い出したかったのでしょう? その願いは叶いますよ。ぼくがこの子をお城につれて帰りますからね」と、唐突な結婚宣言。 少女は元カエル王子と幸せに暮らしましたとさ…と、いうのが大体のあらすじ。

カエルのことかなりイヤがってたけど意思表示もなくいきなり結婚かい、とか、 いきなり斧で首を切れという要求はかなりショッキングじゃないか、とか、 昔の本の昔の童話ならではのツッコミどころは満載ですが、ぼくが覚えていた「世界のはしにある泉」の話はこんなのでした。

…そして、この主人公の少女。世界のはしにある泉の水をふるいにたっぷり入れて持って帰ってきた少女。 この子の名前が「ローズマリー」だったのです。…た、確か。 もう相当昔の記憶で、おそらく母に聞いても「覚えてない」とか言われてしまいそうなんだけど、 ぼくの「ローズマリー」という単語とのファーストコンタクトはこの本だったと思うんだ…。

あらすじからいってもかなり「カエルの王さま」という話にソックリです。完全に同じじゃないけど、 「泉」が出てくるところ、一緒に食事しろなどとカエルが要求するところ、 最後のカエルの要求が過激というところ、カエルは王子様だったのですというところ、 ヒロインとカエル王子が御結婚…などなど、要所要所はかなり似ています。

しかし主人公の少女の名がローズマリーであること、ローズマリーちゃんは別に王女様ではないことなど、 「同じ話」とは言いがたい点だらけです。「カエルの王さま」の話の派生としてこういうのもある、 というような紹介はないかなと探しましたがやはり見つからず。

…だが、「ジャックと豆の木」という本の最後に「世界のはしにある泉」という話が載っていたのは確かなはず。 ぼくの記憶が勝手に作り上げたおとぎ話ではないはずだ…!本がもうないので証明できないし 別にしなくてもいいいし、とにかく「コルベス様」のように「世界のはしにある泉」の話をしたかったそうです。

というわけで、時と空とテラメリタに出てくる「ローズマリー」さんの名前の元になったのは、 「世界のはしにある泉」の主人公の「ローズマリー」という少女の名前だったというお話でした。ちゃんちゃん…。



◆次の日の追記◆
…などと終わりそうになったが、なんと有力な情報を頂いてしまったのである…まさかの、 次のページに続きます。

2021年1月18日


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