名探偵ポワロ「エンドハウスの怪事件」


今日はゲームは全然関係のない話をします。特に気にしなくていい文章ですが、話してしまいます。 どうして話そうかと思ったのかと言うと「どうしても分からない部分があったから」です。

それは「名探偵ポワロ」という番組の「エンドハウスの怪事件」という回を見た後。 「アレはなんだったんだ?」と思って調べまくったけど結局分からなかったのです。 もちろん元が推理小説なのでドラマで全部を描ききるのは無理なのは当然。たくさんカットされているエピソードがあるはずです。

…だが、映像ではその中だけで話が完結するようにカットをするはず。 (例えば、原作で犯人に弟がいたが映像でその存在をなくした場合、犯人の弟に関係するエピソードを丸ごと削除するだろう) 映像を見ただけで、映像で与えられた謎は解決するようになっているはずです。

しかしどうも自分の頭が足りず、分からなくなってしまったのでした。(だが「こうだったのかもしれない」という説に 書いている途中でたどり着いてしまったので意味のない文章になってしまった)

というわけでここから下は「名探偵ポワロ」の「エンドハウスの怪事件」のネタバレ注意です。 (昨日書いた文章が前半、後半が今日書いた分です)

えーと…まず、みんな「名探偵ポワロ」とその助手の「ヘイスティングス」は知ってる…よな。とりあえず名探偵と助手がおられます。 その二人は休暇を楽しむために「セント・ルー」といリゾート地に来ています。

ポワロさんはそこで「ニック・バックリー」というお嬢さんと会います。彼女はこの3日で3回も死に掛けたが九死に一生を得ているらしい。 どう考えてもおかしいが、ニックさんは「ただの偶然、事故」だと仰る。1日目は超重い額縁が顔に落ちてきそうだったが たまたまそのときベッドにいなかった。二日目は車のブレーキが効かなかったが無事。3日目は落石に遭ったが無事。

ニックさんとポワロさんがファーストコンタクトでしゃべっているときに彼女は「顔の近くにハチが来た」と言って帽子をテーブルへ。 ニックさんは「ジョージ・チャレンジャー」中佐というボーイフレンドに連れられていなくなったが、 残された帽子を見るとつばに穴が開いている。近くを探すと銃弾まで発見。

こりゃ4回目の命の危機だ、とポワロさんとヘイスティングスはニックさんが住まう「エンドハウス」という古い大きな家へ。 そこには「エレン・ウィルソン」という使用人とその旦那さん(その人も使用人)がおられた。 さらに居間みたいなところでは「フレデリカ・ライス(フレディ)」さんとその友人「ジム・ラザラス」さんがダンス中。 ジムさんは画商らしいが車にも詳しいらしい。

椅子には「ジョージ・チャレンジャー」中佐がいる。ポワロさんだけニックさんのところへ、ヘイスティングスはそのダンスやってる居間に。 ニックさんの友人フレディさん(女性)は「ニックは嘘ばかりつく、ブレーキが利かなくて死に掛けたなんて言っていた」と、 ニックさんの九死に一生を完全に信じていない様子。「ジム・ラザラスにニックの車を見てもらったけどなんともなかった」とのこと。

ヘイスティングスは机に置いてある二つの腕時計を「いい時計ですね」と言って手に取ろうとするが、 触ってはいけないと(確かジムさんに?)止められてしまう。

あ、言い忘れていたが「ニック・バックリー」というのは愛称であり本名は「マグダラ・バックリー」。 ニックさんによると、バックリー一族には「マグダラがたくさんいる」とのこと。

あとポワロさんが見つけた銃弾は「モーゼル銃」という懐かしの銃のものだったらしいが、 それはニックさんの父も持っているもの。しかし引き出しに入っているはずがなくなってしまっていた。 それと「飛行機で世界一周の旅」をしている「マイケル・シートン」大尉という人の消息がわからないらしい。新聞やラジオのニュースで言われている。

ポワロさんはニックさんに周囲の人のこと(怪しい人がいないか)を尋ねる。フレディは友人、ジョージ・チャレンジャーさんは あなたと結婚したがっているでしょうとポワロさんが言うも「結婚してどうなるの、二人とも文無しなのに」と言う。 大きな屋敷「エンドハウス」だが抵当に入っておりあちこちボロボロで使える寝室がほぼないので 尋ねてくる友人らは近所のホテルに泊まるほどらしい。

フレディ、ジョージ(医師のおじがいる)、ジムの他に、エンドハウスの別棟に住む「バート・クロフト」と その妻「ミルドレッド・クロフト」、ニックさんの財産管理をしている従兄弟の「チャールズ・バイス」、 そしてこれまたニックさんの従姉妹の「マギー・バックリー」。

ポワロさんはマギーさんを呼び寄せられるか尋ねる。ニックさんは進言どおり電報を打ってマギーさんをヨークシャーから呼び寄せる。 マギーさんが到着、次の日かは分からないが近い日の夜に花火を皆(フレディさんやジョージ・チャレンジャーさんとかも)で エンドハウスのお庭で観賞。だが外は寒いのでそろそろ中に入りたい人、上着を羽織りたい人などが出てくる。

クリーニング屋の手違いかいつものドレスが帰って来ず、珍しく黒いドレスを着ているニックさん。 そして従姉妹のマギー・バックリーさんも黒いドレスを着ていた。二人は上着を取りに屋敷へ戻り、 先にマギーさんが上着を羽織って出てきたがなんと…ピストルで撃たれてしまっておりお亡くなりになっていた…。

自分と似た服装をしていたせいで自分と間違われてマギーが殺されてしまった、とニックさんは大ショック。 療養施設で守られることに。

ところでポワロさんはニックさんに「遺言状を書いたことはあるか」とエンドハウスを最初に行ったときに尋ねていた。 ニックさんは「半年前、盲腸の手術の前にバート・クロフトさんに勧められてエレン・ウィルソンとその旦那さんの 立会いの下書いた」と言う。内容は「エンドハウスは従兄弟のチャールズ・バイスに、わずかだが残りの財産は全て 友人のフレディ(フレデリカ・ライス)に」というもの。

その遺言状がニックさんが狙われるカギだと、ポワロさんはそれをエンドハウスの中を探す。
(ここまでで一旦あらすじを書くのをやめました。午前5時になってしまったため。ここから下は次の日の夜に書いたもの)
遺言状は見つからなかったが、フレディがコカイン常習者であることが分かる手紙を発見。 さらに、引き出しから世界一周の旅に出ていて現在消息不明の「マイケル・シートン」からの「マグダラ・バックリー」へ宛てたラブレターをたくさん発見。

シートンが婚約していたことはニックは周囲には言っていなかった。マイケル・シートンは莫大な財産を受け継ぐ人であり、 シートンもまた遺言状を作成していて「全財産をマグダラ・バックリーへ継がせる」としていた。 ニックはこの遺産目当ての人間に命を狙われている、と判明。

ニックの遺言状は見つからず、ポワロさんはニックに再びそのことを尋ねると「従兄弟のチャールズ・バイスに郵送したのを忘れていた」とのこと。 ポワロさんがチャールズ・バイスを尋ねるも、そんな遺言状は届いていないと言われる。 遺言状はニックが書いた後バート・クロフトに預けられて彼はエンドハウス別棟近くのポストへ入れたと言う。

遺言状はどこへ行ったのか、嘘をついているのは誰か…?

療養施設にいるニックにポワロさんはまだあなたは命を狙われている、病院に届いた食べ物は口にしないようにと忠告。 その後、ニックへお見舞いの花を贈るポワロさん。直筆の小さなメッセージカードを花屋のカウンターで書いてインクをフーッと乾かしてそのまま店員の女性へ渡す。

ポワロさんの宿泊しているホテルへ電話がかかってくる。電話の主はポワロさんの協力者でありよき友人の「ジャップ警部」。 (名探偵コナンで言う「目暮警部」的なポジションの人)警部によると「ニックが毒を盛られて重体である」とのこと。ポワロさんニックの元へ急行。

捜査のために呼び寄せていた助手の「ミス・レモン」と共にポワロさんが施設へ着くとニックは胃洗浄などの処置を受けていた。窓からそれを見ているポワロさん。 (ミス・レモンはジョージ・チャレンジャーの叔父の「マカリスター博士」のところ(精神科のクリニック)へ患者として潜入していた。 クリニックは妙に人がいっぱいいて不思議な雰囲気であり、診療はたったの5分だったという。10日に1回はジョージ・チャレンジャーが訪れているという情報もGETしていた)

ニックは自分へ届いたチョコを食べたが、そのチョコのいくつかにコカインが入っていた。チョコを半分に切ってコカインを入れ、またくっつけて作られたらしい毒チョコ。 届いた物を食べるなと言ったのにどうして、というポワロさんにジャップ警部は「犯人はポワロさんが思っていたより頭がいいようです」と言う。 届いたそのチョコについていたメッセージカードを見せられる。そのメッセージカードはポワロさんが花屋で書いた、ニックへ送った花に添えた メッセージカードにソックリに似せて書かれたものだった。警部と隣にいた一人の警察官から2枚のメッセージカードを渡されて見比べるポワロさん。衝撃。

ミス・レモンは玄関の前の長椅子で眠り込んでいたがポワロさんに起こされる。二人で療養施設の外へ行き、扉の前でポワロさんが、 失敗した、10分前にニックは亡くなったと告げる。チョコを送ったのは誰か。ポワロさんの筆跡を真似たメッセージカードを添えたのは誰なのか。

ジャップ警部とポワロさんはニックへ届いた品物の調査を開始。病院で働く男性は、2時半頃にチョコを男性が届けに来たと言う。 彼の証言からそれがジム・ラザラス(フレディと仲のいい男性)と分かる。約30分後、看護師の女性がニックの病室へ品物を届けた。 そのとき置かれていた品物は「男性(ジム)が持ってきたチョコ」、「クロフト夫妻からのお見舞いの花」、「郵送で届いたチョコ」。

二つのチョコは全く同じ物であり看護師の女性は「偶然の一致です」と言う。ニックは二つのチョコをすぐに開けたようで、 「こっちはポワロさんからのだから大丈夫」と言って片方のチョコを自分の元へ、もう片方は看護師が下げた。 メッセージカードがついていたチョコはジムが持ってきた方か郵送で届いた方かは不明。看護師が見たときは既に包みを両方開けていたらしい。

ジムへチョコについて尋ねに行くポワロさんとジャップ警部。チョコを持って行ったことは認めたが、 「あれはフレディ、つまりライス夫人に頼まれて届けに行った」と言うジム・ラザラス。

今度はフレディの元へ。フレディはホテルの一室にいたがポワロさんやジャップ警部と会うことを拒否。しかし話をしなければならないので部屋へ入る二人。 フレディは「昨日電話でニックから「チョコレートの2ポンド入りの箱をくれ」と頼まれた」と言う。「だから届けたの」と。

ポワロさんは「電話の声はどんなのでした?」と尋ねる。フレディは「弱々しかった、名乗るまで誰か分からなかった」らしい。 間違いなくニックだったかと尋ねると「もちろんよ。だって、他の人のはずがないでしょう?」と言う。

次の日、またポワロさん(が宿泊しているホテル)へ電話があり、「ニックの遺言状が届いた」とチャールズ・バイス(ニックの従兄弟の弁護士)から連絡があった。 その遺言状は「マドモワゼル・バックリーの署名付きの2月25日付(6ヶ月ほど前)」のもの。なぜ今になって届くのか。 ヘイスティングスは6ヶ月も経って?と驚く。ポワロさんはまさにピッタリの時期にね、と言う。

フレディに遺産を相続させるという内容の遺言状だろうか、と談義するポワロさん、ヘイスティングス、ミス・レモン。 ニックが言っていた内容の遺言状だとしたらニックの遺産(つまりマイケル・シートンの遺産も)は全てフレディへ、となる。 「すると問題はやはり、フレデリカ・ライスですか」と言うヘイスティングス。

それにミス・レモンが反応。「フレデリカ、ステキな名前ですわね」と。そしてヘイスティングスと二人で フレデリカの愛称はたくさんはない、エリザベスならたくさんある、イライザ、リズ、ベティ、ベッツィー、ベス…と挙げていく。 さらに「マーガレットもたくさんありますわ。マギー、マーチ」…他にもマーゴット、ペギー、マージィ…と、また挙げていく。

それを聞いていたポワロさんの灰色の脳細胞に電球がピコーン。そのときジャップ警部が現れる。そして場面はエンドハウスへ。

エンドハウスにニックの遺言状の内容を聞くために人が集まった。従兄弟のチャールズ・バイス、そして フレデリカ・ライス、ジム・ラザラス、ジョージ・チャレンジャーのニックの友人3人。

さらに遺言状の立会人でありエンドハウスの使用人のエレン・ウィルソンとその夫、 エンドハウスの別棟に住むバート・クロフトと妻のミルドレッド・クロフト。 同じテーブルにはポワロさん、ヘイスティングス、ミス・レモンもいる。

遺言状を開けるチャールズ。その内容は「全財産をミルドレッド・クロフトへ譲る」というものであった。 その理由は「クロフト夫人からニックの父フィリップ・バックリーが恩を受けた、それに報いるため」というもの。 感激するクロフト夫人。オーストラリアでフィリップ・バックリーにしたことが…ああ、それは秘密のままにしておきましょうと 彼女はその「恩」に関する内容を言いかけてから伏せる。(クロフト夫妻はオーストラリア人)

チャールズは従姉妹が決めたことに異議申し立てをする気はないとする。クロフト夫人は天国からニックが見ててくれてると言う。 するとポワロさんが「ミス・レモンは交霊術ができる」と言いはじめ、ニックと話してみようと言い出す。 突然のポワロさんの無茶振りに動揺しつつもミス・レモンはエセ交霊術を開始。「そこに誰かいるのですか」と問いかける。

すると部屋の奥から白い服を着たニックが登場。ニックは死んでおらずポワロさんが死んだことにしようとニックに言っていた。 ニックはクロフト夫人に「あなたが父にしてくれたことは感謝しているわ。でもあなたが偽造した遺言状の恩恵を受けることは まだ当分無理なようね」と言う。クロフト夫妻は「あれはほんの冗談」とごまかそうとする。遺言状は偽造だったのかと驚くチャールズ・バイス。

クロフト夫妻の背後からジャップ警部と警察官登場。クロフト夫人は「でも事実は何もなかったでしょう」と言う。 「何もない?遺言状を偽造して、私が都合よく死なないから自分で殺そうとしたんじゃないの? 成功しなかったわ。でも間違えて従姉妹(マギー・バックリー)を殺した。それでも「何もない」って言えるの!?」と怒る。

バート・クロフトは「マギー・バックリーが死んだ件とは自分は無関係だ」と言う。 それに対してミルドレッド・クロフトは「何も言っちゃダメ!」と横から叫ぶ。バートは遺言状のことはともかく、 殺人なんて知らないと言う。クロフト夫人は黙ったまま。そして警察に連行される夫妻。バートは「あの娘の死とは何の関わりもないんだ」と言い続けている。

これで一件落着、かと思いきやポワロさんは残った人たちに真実を明らかにする、と宣言。 遺言状発表のために皆が集まる前、ポワロさんに言われてジャップ警部はエンドハウスの書斎のカーテンの裏に隠れており、 食堂に皆が集まったときに書斎の隠し棚から取り出したものをフレディのコートのポケットに入れた人物がいたのを見ていた。

フレディがコートのポケットを調べると、中から出てきたのはあのモーゼル銃。 書斎に入って銃を取り出しフレディのポケットにそれを入れたのはニックだった。

「愛称」の話になったときにポワロさんは「殺されたマギー・バックリーの本名は何なんだろう」と考えていた。 そしてマギー・バックリーも、ニック・バックリーも、どちらの本名も「マグダラ・バックリー」だということが判明。

ニックはエンドハウスを非常に愛していたがそれを維持するお金がなかった。そんなときにパーティで 大金持ちの「マイケル・シートン」と出会う。だがシートンと婚約をしたのはマギーの方だった。 シートンはニックの本名もマグダラだと知らず、遺言状に「マグダラ・バックリーに全財産を遺す」と書いた。

ニックはマギーを殺し、自分が「遺産を受け取る方のマグダラ・バックリー」になろうとしたのである。

全てを暴かれたニックは静かに悪態をつき、「時計を取ってくるわ」と言って腕時計を持ってから連行されていった。 時計を取ろうとするニックに何かを言おうとするフレディだがポワロさんがそれを止める。

ポワロさんは、ラブレターを見たときからおかしいと思っていたらしい。 そのラブレターには2月27日にニックが盲腸の手術をしたのに数日後に届いたシートンの手紙にはそのことが全く触れられていなかった。 ニックは「マギー」と呼ばれているラブレター以外をマギーから盗んで部屋に置いていたそうだ。

ジャップ警部は「所詮、成功はしなかったでしょう」と言うがポワロさんは「彼女はほぼ成功しましたよ」と返す。 「ポワロでさえ、騙された」と。マギーを殺すのは簡単だったが、自分が狙われている芝居を続けたんです、と説明。

チャールズはニックのために弁護しなければいけないのは気が重いと言うが、 ポワロさんは裁判が開かれるのはニックの腕時計によって防がれるでしょう、と言う。

腕時計にコカインをいつも隠しているんでしょう、医師の叔父さんと麻薬の密売で儲けているんですよねと ジョージ・チャレンジャー中佐に告げるポワロさん。というわけでジョージ・チャレンジャーも連行されていく。

ヘイスティングスは腕時計にコカインが入っていたのかと驚くが ポワロさんはフレディに「だからニックは腕時計を持って行ったんでしょう」と言う。目を逸らすフレディ。

…つまり、ニックは裁判の前に腕時計に入っているコカインで自決する気だと暗に言ったのである。 全員で全力で止めろ。…イカン、あらすじを言っているのに私情が…。

映像の順番は完璧ではないし他にもちょこちょこ色んなシーンがあったが、大体のあらすじはこんな感じ。 自分はマギーが殺されたときに「間違えて殺されたんじゃないとした方が話的にはアリそうだから、マギーを殺したのはニックさんだろう」と 思って見ていたので途中でチョコを食べてニックが死んだというシーンで「…じゃあヤケになって自殺したのか?」と思った。アホである。

ニックさんは最初から誰からも命を狙われていなかった。エンドハウスのため、従姉妹のマギーに入る遺産目当てにマギーを殺した。 クロフト夫妻による遺言状の偽造はサイドストーリー的。コカインの密売も細く主軸にある。 原作ではニックがどうしてフレディに罪を着せたがっていたのかという話があるらしいが映像ではカットされているらしい。

…さて。ではそろそろ本題に入ろう。何が分からなかったのか。疑問の余地などないではないか。 そう思うだろう…だが。昨日の午前5時まで分からなかったことが二つあったのである。 ただ、今自分であらすじを書いていて「こうだったのか」と思うようなトコまではちょっときたものもあるが…。

まず「偽のメッセージカードを書いたのは誰、そしていつ書かれたのか」。ポワロさんのメッセージカードに内容も文字も 完璧に同じに書かれている偽のメッセージカード。そのカードも「ちゃんとしたカード」であり、そこらの紙ではない。 ちらっと見て別の場所で書けるものではなく、並べて真似して書かないと作れないレベルのソックリさだった。

フレディに罪を着せたいニックが書いたと考えるのが最も自然。ポワロさんのメッセージカード付きの花も ニックの元に届いているだろうから、メッセージカードも病室にあるはず。だがまっさらなメッセージカードをどこから調達したのか。

もしくはクロフト夫妻の仕業かもしれないとも思った。夫妻が偽造した遺言状は実によくできていたとジャップ警部も言っていた。 「筆跡の模倣」=クロフト夫妻という図式がこの話の中で出来上がっているのならばメッセージカードをつけた コカイン入りのチョコを送るのも自然。それでニックが死ねば自分たちが莫大な遺産を手にできる。

チョコと共にクロフト夫妻からの花も届いていたので病院に来ていたのは確か。 (チョコの包み(ジムが持ってきたもの)、クロフト夫妻からの花束、それと「郵便で来た小包(チョコ)」と看護師が言うので、 花束は直接療養所にに持って来られたものと思われる)

フレディに電話をした人物が誰かは物語では明言されないので、演技派のクロフト夫人だとしたら…とも考えられた。 だがその場合、一体どのタイミングでメッセージカードを書いたのかという疑問が残る。 花屋でポワロさんが書き、花につけられたメッセージカードはニックの元にあるはず。クロフト夫妻がこっそり見るタイミングがない。

やはりニックがメッセージカードを書いたと考えるのが自然。ではチョコにコカインを入れたのは誰か。 チョコは二つに切られ、中にたっぷりのコカインが入れられ、またくっつけられていた。病室でこっそりそれを作るのは難しい。

それとフレディが送ったのと全く同じ内容の「郵便で来たチョコ」も謎。これを送ったのは誰。何のために。 ニックが自分であらかじめ療養所に入る前に自分で療養所に届くように手配していたとして、 さらに本当にニックがフレディに電話をしたのなら「2ポンド入りのチョコ」という指定しかなかったのに 「郵便で来たチョコ」と中身が完全に同じなのはなぜ。

イギリスで「2ポンド入りのチョコ」というのは全て内容が同じなのか。そういうものだとしたら仕方ないが…。

あらすじを書いている間に「療養所に入ることが決まったときに、ニックは自分でコカイン入りのチョコを作って 自分宛に送っておいた。フレディにチョコを送るように頼んだ。二つのチョコが自分の部屋に来た。 メッセージカードをポワロさんのものに似せて書く。看護師に「こっちはポワロさんからのメッセージカードがついているから大丈夫」と 言って安全なチョコの方を下げさせ、コカイン入りのチョコを手元に残した」という案も浮かんだ。

そしてそのチョコを本当に食べて胃洗浄を受け、その報せがジャップ警部⇒ポワロさんへ届いた、死んだことにしておこうとポワロさんが提案。 もしくは安全なチョコだけを食べて苦しむフリをしただけだった、証拠品としてコカイン入りのチョコが病室にあるので調べられる、となる。

…だがそれは「郵便で来たチョコ」がニックが自分宛に送ったという前提の元。 それに白紙のメッセージカードをどこから調達したのかも分からない。ともあれ、「ニックがチョコにコカインを入れたシーン」や 「メッセージカードをポワロさんのに似せて書いたシーン」はないし、 「誰がいつどうやってチョコを郵送したのか」ということも明言されていないのである。

「マギーを殺した後もニックは自分が狙われている物語を続けた」というポワロさんの一言のみ。

などとめっちゃ長々としゃべったけど、これらのテキストは二日にわたって書いたので書き始めの時点では メッセージカードを書いたのは誰、フレディに電話をしたのは誰、チョコに毒を仕込んだのは誰、 チョコを郵送したのは誰、と全部分かっていなかったのです。だが途中で前述の説に行き着きはしました。腑には落ちない、疑問が残るけど…。

それにエレン・ウィルソンは遺言状の執筆に立ち会ったはずなのにクロフト夫人に財産を譲るという 自分がかつて見た遺言状の内容と違うものが発表されたのに何も言わないのも謎だった。(一応夫と顔を見合わせてはいたが、 その場にいた全員と同じようなリアクション)

クロフト夫妻をニックが糾弾する際「遺言状を偽造して、私が都合よく死なないから自分で殺そうとしたんじゃないの? 成功しなかったわ。でも間違えて従姉妹を殺した、それでも何もないって言えるの!?」と言ってセリフは終わり。 チョコについては一切触れていない。「しかも私を毒殺しようとしたわね」とは言わなかった。

ニックは療養所に入っていた。チョコに大量のコカインを入れるタイミング、メッセージカードを調達するタイミングがない。 別の人物だと考えるとラクだが、そうするとニックは本当に死に掛けたことになり、他に犯人がいることになる。

…だが、「命を狙われていると思っていた女性が真犯人だった」という物語が大事なのかもしれない。 「ポワロさんのメッセージカードがあったらそりゃ食べるわー!」という盲点と驚きと納得、 フレディがニックにチョコを頼まれた?!だがその電話をしたのはニックだという確証がない…どういうことだ!?という困惑と推理のかく乱。

それが重要なのであって、その事実が大切なのであって、それが行われた経緯は…特に考える必要はないということなんだろうか…。 少しインターネットで「エンドハウス メッセージカード」とか「邪悪の家 チョコ」とかで検索をしてみたのだが、 そこを疑問に思っておられる方はいなかった…と、思う。だからもう1回見たらきっと分かるんだろ〜な…。

それに本に書いてあることを90分の映像作品にするのはムリだろうから、 もしかしたらチョコにコカインが入ったタイミング、チョコが郵便で届いた経緯、白紙のメッセージカードの出所、 遺言状の内容にエレンが何も言わなかったこと、さらにさかのぼると恋人の生存が絶望的だというニュースが 流れている中、マギーさんが花火を楽しめる心境なのはなぜかとかもきっと納得のいく形で語られているんだろう。

もちろん、マギーさんが生きている間に恋人の話を誰かにしてしまった場合、 ニックさんの計画は完全に破綻するから物語上少しでもそんなことがあってはいけないんだが…。

というわけで、非常に意味のない長々とした文章でしたが、 二日間かけて書いたし「エンドハウスの怪事件」の「大まかなストーリー」を知ることができるというイミでは 一応イミありそうだと思うのでサイトの片隅に置いておこうと思います。

エンドハウスの怪事件、これにて閉幕。
2020年6月15日

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