SHIDU NOTE -シヅノート-

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気付いたら超変長編になっている、シヅノート。 7ページ目に引き続いて、8ページ目にまで来てしまいました。 そろそろ終わるじゃろう。シヅキラは凡人以下。Lに怪しまれた時点でガメオベラです。

第二のキラがテレビに放映させた「日記」に隠された暗号から、22日に青山の「NOTE BLUE」というクラブへ行ったシヅキラ。 だが中へは入らず、リュークをあえて見せて気づいてもらえればいいため「NOTE BLUE」の前を通ったり、 入り口に近づいたりはしませんでした。

リュークを見た第二のキラは、シヅキラの名前「詩衣雫月」とぼくの姿を確認した後、帰宅。 シヅキラの方は第二のキラが誰なのか分からないので、そしてあんまり帰宅が遅れて夕食が遅くなると 非常に困るので、リュークに「死神はいたか、だけ教えて」とお願いして「いた」と告げられたので帰ってきました。

ちなみに一応青山と帰路で職質されても大丈夫なようにしておき、移動しながらフェイク着信で予定が変更になったことを装い、 適当な店2軒に入っておきました。本当はゲームの攻略本売ってる古本屋とか、 DSのソフトを1本300円以下で売っている中古ゲーム屋とかに寄りたかったが、そこは我慢。

全く興味がない、新品の本屋さんとかアクセサリー屋さんとかにしておきました。 リュークには色んなもの見てもらって面白い、と思ってもらいたいしこれはこれでいい。

さてそんな、こわいこわい5月22日の青山遠征、そして5月25日の第二のキラからの「キラを見つけることができました」という シヅキラにとっては衝撃の報告のビデオメッセージ…そしてその日の夜、 警視庁からのものとされる(実際はLからの)ビデオメッセージがテレビで流れました。

シヅキラもこれを自宅でリュークと一緒に視聴。

「もしまだあなたが誰なのか、キラに分かってないのなら間に合います。 興味本位でキラに近づいては絶対にいけない。キラに接触すればあなたは必ず殺されます。利用されるだけです。 キラは大量殺人犯です、絶対手を貸そうとしてはいけません。

今、あなたにできることは人の命の尊さをよく考え、 キラの情報を我々に教えることで罪を償い、キラの恐怖から世界の人々を救う―――」


やばすぎんですけど。

だ、第二のキラさん、ぼくはあなたに接触したくはない…利用しようなどと考えてはいない…もちろん殺すつもりもない…。 何もしないでくれ…動かないでくれ…。

「キラの情報を我々に教えることで罪を償い」とあるが、これに関しては半分は心配していない。 これほどまでキラに執着し、ビデオメッセージを何度も送り、自分がキラであることを証明し、 キラと会おうとしてきた第二のキラ。

こんなメッセージで、第二のキラが自分のしたことを悔いてキラの情報を警察に渡すとは考えにくい。 青山でキラであるぼくを見つけただけで会わずに帰ったのは…もっと安全にぼくと会うつもりでいるのか、 何か考えがあってのことだろう。ぼくの顔も名前も見たのなら、第二のキラはぼくを殺せるはず。だけどぼくは殺されていない。

半分の心配事は、警視庁に対して第二のキラとしてまた暴走してメッセージを送っちゃうこと。 そんなことしたら物的証拠がまた増えるだけ、なんかもっと、数十名を操ってネカフェで複数のファイルアップローダを通じて 動画ファイルを何度もダウンロード&アップロードを繰り返して経由させ、そのファイルをどこの誰が上げたのか分からなくしておいて ファイルのURLをさくらテレビに手で持っていかせるとか…。またサイコ思考に染まり始めている…。

なんてあれこれ考えていると、家のチャイムがピンポーン。妹である粧裕ちゃんが出た。 「あまねみさ」っていうすごく可愛い女の子が、ノートを届けに来ましただって、と教えてくれる。 シヅキラ、人生で一番のダッシュを見せる。玄関の扉をOPEN。

外にいたのは確かに非常に可愛い女の子。非常に目立つ服装。扉を閉め、家の前でその子と二人きりに。

「は…初めまして、弥海砂です、テレビ見てたら心配してるんじゃないかと思って、 どうしても我慢できなくなって…」とのこと。

そして「このノートを…」と、差し出されたのはデスノート。それに触れたら、彼女の背後に巨大で白い死神が。 おおお、第二のキラ…この子だったのか…。

…さて、どうするシヅキラ。今のお時間、夜の9時過ぎ。遅い…。ぼくは外出なんてしないお時間。 彼女の服装からして職場の子では通用しない。大体、ノートなんて職場で渡せばいいから届けに来るのが不自然。 インターホンに出るのがぼくだったら良かったのだが、粧裕ちゃんが出てしまって話は聞かれている…。

となると、母には伝わってしまうだろう。ライトくんみたいにぼくのお部屋へ招いてもいいんだが…やはり不自然。 会話を少しでも聞かれたらマズすぎる。家族にはシヅキラのキラたる部分は欠片も見せてこなかったのだ… 危険は少しでも避けたい。

だが、暗い時間に「公園でちょっと話そうか」とぼくが外出するのはもっとあり得ない。 ここは、短時間で納得させ、帰ってもらうしかない。

「ぼくの名前は知ってると思うけど、詩衣雫月(うたいしづき)です。初めまして。会いに来てくれてありがとう。 こんな遅い時間に女の子一人で危ないから、今日はあまり長く話せないけどいい?」とまず尋ねるか…。

「絶対に後日、ゆっくり話せる時間を作るから。ミサちゃん…って呼ばせてもらうね、ミサちゃんが少しでも ぼくのためにならないことはしたくないって思ってくれてるんだったら、今日はもうおうちでゆっくりお休み。 ぼくはテレビを見てても、ぼくのことを誰かに言っちゃうかもなんて心配はしてなかったよ。 純粋で一途で、一生懸命な人なんだろうなと思ってたからね。こんなに可愛い子だとは考えてなかったけど」と言い…。

「ぼくの仕事が終わった直後の時間ならゆっくり話せるから、その時間においで。 それまで、ビデオを送ったり、そのデータを作ったりしないでね。いい子で待ってて」と、 そっと抱きしめるぐらいは許されますか。頭をなでてあげたいんだけどだめですか。 ライトくんは初回でがばっと抱きしめてましたがぼくはだめですか。

ライトくんに一目ぼれしたミサちゃんだが、それはどう考えてもライトくんがイケメンだったからだろう。 キラに対しては「感謝と共感で愛じゃなかった」と言っているので、 シヅキラには感謝とキラとしての考え方の共感は覚えているが、こんな低スペック野郎に 一目惚れするとは考えにくいか…。

…だが、人間は外見より内面。接していくことで、好意を持ってもらうことは可能と思いたい…! ミサちゃん可愛いもんな…イケメンは得だなあ…ちくしょう…。

ミサちゃんに憑いている死神への挨拶も忘れてはいけない。「初めまして、死神さん。お名前は?」と尋ねると 「レムだ」と言ってくれることでしょう。「今日このままお話を続けるのはぼくの普段の生活スタイルから 家族に怪しまれてしまうので、とても難しいです。今日は、ミサちゃんを護りながら、帰ってもらえますか」とお願いする。

さすがにここまで言えば、キラであるぼくのためにならないことはしたくないと思ってくれるんじゃないだろうか。 レムも頭がいいので、今日のところは帰ろう、キラはミサのことを心配していなかったようだから、と言ってくれたらありがたい。

ミサちゃんとレムは帰ってくれて、ぼくも家の中へ。シヅキラは粧裕ちゃんに可愛い人だったねとミサちゃんのことを振られるが、 嘘はつきたくないので職場に来た云々、近くを通ったからノートをついでに云々のようなことは言わないで ただ「ホントだね〜」とだけ言っておきました。必要なら裁きをし、リュークといっぱいしゃべってから、就寝。

後日、楽しい仕事を終えたシヅキラ。なるべくミサちゃんと二人でいるところは見られたくないが… やはり自室で二人きりというのは難しいので、外で会うことに。室内もいいんだが、個室もあるんだが、 防犯カメラはあるだろうし個室といえど誰が聞き耳を立てているかしれない。なんたってミサちゃんが目立つんよ。

というわけでミサちゃんにはぼくのコートをかぶせ(ぼくの方がミサちゃんより背は高い)、あまり人がいない公園へ行こうとしたら ミサちゃんが自宅へ招いてくれました。そういう設定でいく。ぼくを見て安全だと思ってくれたということで。 実際、猛烈に安全です。

やっと二人(+死神)で話せるようになった。ミサちゃんの部屋は可愛いねえ…ぼくの部屋なんぞベッドとパソコンしかねえ。 照明は無駄にシャンデリア風、ベッドのシーツは無駄にお姫様風味だが…ぼくの趣味というか、ぼくが飾ったものじゃあない。 ただ、そうしたいのならどうぞ…という感じでその部屋にいます。

さて、改めてお話をしよう。ライトくんは「なぜ(キラだと)わかった」とミサちゃんに尋ねていたが、 シヅキラは「ぼくの寿命もミサちゃんには見えちゃってるんだね」とか言ったので、 「死神の目を持ってると、ノートを持っている人の寿命は見えなくて、名前しか見えないんです」とも教えてもらう。

え、そうだったんだ、とリュークに視線を向けるが「そこまで知らなかった」と気まずそうに言われました。 まあそれは、ぼくは死神の目の取引をするつもりはないのでいいとして、気になっていることを言おう。

「ミサちゃん…心配してることを先に言わせてもらうよ。ミサちゃんはテレビ局に動画を送ったよね。 あれは恐らく警察に押収されてるけど証拠は残ってない?大丈夫?」と尋ねる。

だが「指紋はつかないように手袋をして作業をした、SDカードは新品、動画ファイルに情報は付与されていない、 封筒もペンも新品、筆跡鑑定されないように定規を使って文字を書いた、もちろん切手を舐めてもいない」と説明される。

そして、それを長野県のポストに投函したとのこと。ん〜…まさか、長野にスマホ持ってってないだろうね…。 位置情報が分かるようなものは身につけちゃダメだぞ…。あとは「日記はルーズリーフだったけど、 あれに証拠は残ってない?」と訊いておく。

「残りのルーズリーフ、残りの封筒、使ったペンも定規も、もったいないと思うかもしれないけど跡が残らないように廃棄してね。 切手もシートから取ったなら残りは全部燃やして捨てる事。ちぎったあとを照合されたら証拠になる。大丈夫?」と言うだろう。

凡人以下のシヅキラにはどこまで気をつければいいのかが分からないし、ミサちゃんが話していないだけで 実際に取った行動までは読み切れるわけがない。とにかく、ミサちゃんから捜査本部にキラのことが少しでも バレるのはまずい。

まあもう既に「目」とか「死神」とか「ノート」とか言っちゃってますが…。 顔を見ただけで人を殺している(=顔を見ないと殺せないことまでバレてる)んだけど…。

あとさらに言うと、警察関係者も殺してるし、キラを否定しただけの犯罪者ではない者まで… でもそうまでしてキラであるぼくにアピってきたのが、急にさくらテレビに何も送って来なくなると 「キラと第二のキラが接触に成功した」と判断されるだろう…。

だからといって、これ以上ミサちゃんもしくは代理でぼくから、テレビ局にメッセージを送るのは危険すぎる。 「キラさんに秘密のうちに会いたかったのですが無理そうなのでやっぱり諦めます」などというメッセージ、 あれだけ執着していたのに不自然だし…むしろそんなの送ったら会えたって言ってるようなものだし…。

証拠は全部隠滅したと思っていたミサちゃんだが、ルーズリーフの残りがあることを思い出してそれを持ってきた。 後日厳重に処分する、とのこと。さらに、遠くから投函するために長野に行った時の切符が残っていたことにも気づいて それも捨てることに。あっぶね。

シヅキラ、また考える。ミサちゃんに何と言えばいいだろう。どう行動してもらうのが一番安全か。 まあ一番安全なのは、ミサちゃんにはもう一切動かないでもらい、今まで通りシヅキラのみで裁きを行うこと。 できれば、デスノートの所有権すら放棄してもらいたいところだが…それが、さらに安全だが…。

もう一つ、気になることを尋ねる。ミサちゃんは死神の目を持っている。寿命を半分にするという大きすぎる代償を払って。 なぜそこまでして、キラに会いたかったのか?と。

「私の両親はちょうど一年前、私の目の前で強盗に殺された…裁判は長引き、冤罪の見方まで出てきた… そんな時、キラは犯人を裁いてくれた。私にとってキラは絶対的な存在…」と話してくれた。

思い出すのもつらかったろうに、話してくれてありがとう。2名を殺害する強盗殺人とは、シヅキラも裁いたことだろう。 1年前の事件で裁判の途中で裁きを受けたということは、報道された後、だいぶしばらくしてから名前を書き、 さらにしばらく(最大で23日)してから死ぬようにした者の一人だったと思われる。

この場合、裁きの基準に満ちていた人物を裁けていたんだ…とシヅキラは安堵。誤報や冤罪で裁くのが非常に怖いため。 あなたに会いたかった、お礼が言いたかった、と訴えてくれた。そうかそうか、それだけのために、寿命を半分にしてまで…。

顔を見ただけで裁けるミサちゃん。名前も顔も分からないLすら、見れば裁けるだろう。とは、シヅキラは考えない。 リンド・L・テイラー=Lだと思っているからだ。ミサちゃんの、せっかくの死神の目の 有効利用方法が全く思いつかない…。

防犯カメラに映っているところは公表されているが、逃亡している犯罪者を裁いてもらうことは…できるか? でも、防犯カメラって不鮮明なことが多いしな…それに、シヅキラは逃れている者を何が何でも裁きたいという想いはなく、 とにかく「犯罪者は裁かれる」と世間に思ってもらいたい、それだけ。そう思われるための行動だけをとってきた。

だから極論、シヅキラには殺したい人がいない。Lですら、殺したくはない。 そのことはミサちゃんに伝えておく。ぼくは犯罪者しか裁く気はないんだ。 キラを捕まえます、って宣言していた、テレビに出ていた探偵のLを覚えてる?あの人も殺しちゃダメだよ、と。

本来のミサちゃんはライトくんに「私がLの名前を見る。私があなたの目になる。だから、彼女にしてください」と迫ったが、 ぼくは別にLの名前を見てほしいとは二重の意味で思ってないので、ミサちゃんと一緒にいるメリットがない。 デメリットしかない。ん〜…。

だがライトくんには一目惚れしたが、シヅキラに対してミサちゃんは「キラは絶対的な存在」と思ってくれているので、 ぼくがやること、ぼくの意思を尊重してくれる。少なからずぼくへ好意を持っており、 「まずはお友達からでもいいかも」とすら思ってくれている、という設定で。じゃないと話が。困るんです。

…さて、ミサちゃんとの最初の密会の途中ですが、とりあえずここまで。 Lに多数の証拠を握られている、平常時でも非常に目立つ存在であるミサちゃんを抱え、シヅキラはどうするのか。 そろそろやばいんじゃないか。やばいです。ずっとやばいです。

2024年3月27日


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