SHIDU NOTE -シヅノート-

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終わったはずのシヅノート、後日談をちょろっと書いたらそれでホントにおしまいです。 シヅノートとしての話は終わっています。キラとLの激しい頭脳バトルはもう繰り広げられることはありません。 そもそも一度も繰り広げてません。

才能と実力でどんどんお仕事を成功させていくミサちゃんと交友を続けながら、 デスノートの所有権を放棄した元・シヅキラはクリエイトしたりお仕事したりと楽しく毎日を過ごしていました。

自分にあてた手紙のおかげで、詳細は分からずともデスノートの存在や死神については知っています。 そんなある日、自分あての手紙を読んでから2か月後、各国のマフィアのトップが心臓麻痺で相次いで死亡との 速報が世界中を飛び交いました。

これは大々的なキラによる粛清、と日本国内でも連日アツく報道されています。 世間はキラによるものと認識するが、ぼくだけはこれが死神によるものだということが分かっています。 これにはぼくも「レム、そこまでやってくれるとは思ってなかったよ」ニッコリです。曇りなき笑顔です。キラスマイルではありません。

それから、ぽつぽつと犯罪組織の者たちが裁かれていくようになりました。 日本に限らず、世界各国で。日時は指定されることなく。誰も顔を見たことがなく、誰も本名を知らないような人物でさえも。

裁きを恐れて閉じこもっていた者が、のちに心臓麻痺で死んでいるところが発見されたり、 裁かれた後に大きな罪が発覚するというケースまで。

この事態に対して、Lはどのように動くか。

まず、Lはどこにいるのかも不明、どんな事件でも必ず解決してしまう、 世界の迷宮入りの事件を解いてきたこの世界の影のトップ、世界の切り札と称される天才探偵です。 一方で「自分が興味を持った事件しか動かないワガママな人物」とも言われていたりもします。

ICPOがLに協力を求めた時点で既にLはキラ事件について動いており、後にリンド・L・テイラー放送を決行しました。 シヅキラはリンド・L・テイラーを殺さなかったので見た目は直接対決と銘打ったのにLがキラに無視された 感じになっちゃったかもしれませんが、しかしキラの裁きは止まる気配が無かったため捜査は続いていました。

それに、リンド・L・テイラーを殺さなかったことについてLは死刑囚であるリンド・L・テイラーをキラが殺さなかったことから キラは一般人と同じ報道から犯罪者の情報を得ていると知ったことでしょう。

さらに、どれだけLが「キラを必ず捕まえます」とか 「お前のしていることは…悪だ!!」と言おうとも シヅキラはまあそうですよねとしか感じず、犯罪者ではない人を殺すなど思いも寄りませんでした。

Lからすると、キラは犯罪者以外は裁く気が無い、ということも分かったことでしょう。 そして画面に映った死刑囚を殺さなかったことから、犯罪を予知することも起きた犯罪を見通すこともできないことも知りました。

第二のキラは確かに予告殺人が行えたし、姿を見た者を遠くから殺すことができたのでキラとしての能力は 持っていると考えられるが、キラを探し、キラに会うことが目的であり、特別な能力を持っているとはいえそれは万能ではないし、 キラに賛同する者として今後も行動するかもしれないがキラ本人ではない。

そうやって、ミサちゃんを第二のキラの容疑者としてマーク、キラと思われる者も少数に絞ったL。 そこからどのように捜査をするか…というところで、キラによる裁きが1か月間以上止まりました。

今までもまあまあの期間裁きが行われなかったことがあった、だからキラは休息を取っているのだと世間でも思われていたし、 その間もぼく(+他の容疑者)やミサちゃんへの監視は続いていました。そんなさなか、突如起こった 世界各国でのキラによる犯罪組織に対する粛清。

ぼくがパソコンやスマートフォンでどのウェブページにアクセスしたか、 ぼくの家がどんなテレビ番組を受信しているかもLはとっくに把握していることでしょう。

別にぼくの部屋に盗聴器や監視カメラをつけたってかまわないけど、ぼくがコーヒー飲んだり掃除をしたり ウキウキとゲーム製作したり、楽しくラジオの収録に臨んだり、ヘタな料理にいそしんだり、ルンルンで仕事に行って帰ってきたりと、 フツー過ぎる日常を送っているところが見られるだけです。盗聴器からはヘタな歌も聞こえてくることでしょう。

だが、さすがは世界の名探偵L。ぼくのことは何もかも調べ上げるに違いありません。

もしこの人物がキラだったら、キラとしての能力を持っていたら、と考えた場合、ぼくの性格を考慮したら このような犯罪者の経緯や生い立ちに強く同情する、このような犯罪者は行いも言動も悪質で世間が許さないと考えるだろう、 というような思考を持つことを、ぼくの振る舞いや言動から理解するでしょう。

キラとしての証拠は見当たらないが、キラとしての素質はある。そのように見て、それならばキラとしての証拠を 掴もうと泳がせます。

だが、キラの裁きが長期間止まったばかりか、今までのキラとも第二のキラとも異なる、明らかに性質の違う 裁きが行われ始めた。日本に限らず、日時もばらつき、裁かれるのは凶悪な犯罪者たち。

Lの推理でも「キラは今後も殺さない」、「キラにも殺せない」と考えられていた者たちが、次々に裁かれていく。 犯罪組織と繋がっている各国の要人たちは混乱し、自国の警察、そしてLにキラ逮捕を急ぐよう強く要請してくる。 ついには己の罪を告白し、Lに助けを求めてくる者まで現れます。

Lがマークしていた者たちでは到底成し得ないと思われる内容の、再開された犯罪者裁き。 なにがなんだかわからない…わけでもない。Lは冷静に状況を分析しています。

キラが現れてから、犯罪者の裁きは認識され始めたころこそ多かったが、それ以降は凶悪犯罪が激減したことで 行われない日さえもあった。過去の犯罪者も裁かれることはあったものの、再犯や更生の色が無いなどの 報道がなされたことのある者に限られた。

次に現れた第二のキラ。その者はキラに賛同し、キラに会うことだけを目的として動いていたため、 裁きというより「キラとしての能力の証明」と「見せしめ」や「武器」として力を用い、行動していた。

第二のキラがどのように動こうとも、キラの裁きの頻度や基準に変化は見られなかった。 …が、先日の日本の100弱の家庭への捜索を行い、しばらく裁きが続き、それから39日の空白期間があった。 裁きが行われなかった期間としては、過去最長である。

今までも空白期間が無かったわけではないが、その長き空白を経たのちに裁かれたのは 今まで裁けるのならなぜ裁かなかったのかと思えるほどの人物。それも日本国外の者が多数。

まさかその大規模な裁きのための準備期間だったとでもいうのか? だとしても、各国へのキラと思しき人物の移動は例えそれが複数人であったとしてもどのデータからも確認できないし これは、もはやキラとしての本質がまた変化したとしか…。

その間も、ワタリから届く各国からの要請。キラの逮捕はまだかだの、被疑者のリストを寄越せだの、 その声は日に日に多く、大きくなっていきます。そして、少しの期間を挟んでまた犯罪組織の者、 陰で人を操っていた大罪人、さらに大規模テロを目論んでいた者が未然に裁かれるなどの事例まで出てきます。

Lはここに来て悟る。「第三のキラが現れた」と。 そしてその「第三のキラは、能力及び存在が人智を超えている」と。

今までのキラとはまた違う者が裁いている。もはやキラなど存在しない、 本当に神の裁きと考えた方が理にかなっていると思える状態に変化した。

しかし、今までのキラの殺す手段の仮定からでは人間では不可能と思われるだけであり、 その行動理念は「神による人類への裁き」というよりは「人間が考え付く程度のもの」であることも確か。

これは…キラに、直接訪ねてみるしかないか。と、ついにLは自ら動き出すのであった。



オイまだ終わらんのか。お、終わる終わる、多分次のページで終わる、本当に終わる…!

2024年04月09日


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