SHIDU NOTE -シヅノート-

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そろそろ終わるシヅノート、やっと目次ページを作りました。 遅いね。今まで更新履歴のページが目次みたいになってたぞ。

ミサちゃんからノートを預ってきたシヅキラ。リュークが落としたノートは「DEATH NOTE」ってタイトルも書いてあるし、 使い方まで書いてあるからもしこれが警察の手に渡ったら有力な証拠になってしまうし、 それを誰かに触れられただけでぼくに憑いているリュークの姿が見えるようになるのでそれも大ピンチ。

ミサちゃんのノートのタイトルは読めない文字があるだけ、使い方も書いてないので シヅキラはこっちを普段使いのノートにすることを決定。 今まで裁いた人の名前や死の前の行動などが書いてあったので証拠隠滅のためにページを切り取ってちゃんと燃やして処分しました。

先日のリンド・L・テイラーはLの影武者なのでは、というようなことを調べた際はパソコンに履歴が残らないようにしてあるし まだ裁いていない犯罪者のリストもパソコン内にデータが存在しないように管理しているのでそこも大丈夫。

家族はぼくのパソコンに絶対に勝手に触らないし、開けられたとしても作ってる途中のゲームのデータを「消される」とかは 困るけど「見られる」と困るものはありません。それは現実も、シヅノートでも、同じ。ロック画面にならない 設定にすらしています。パソコンをつけるたび、スマホを開けるたび、パスワードいらずです。

誰かがぼくのパソコンやスマホをぼくがいないときに起動できたとしたらそれはもう色々アウト (スマホを落としたとか、パソコンを盗まれたとか)な状況なので考えても仕方なし。

キラとして活動するならもうちょいセキュリティを向上させるだろうかとも考えたが、 やっぱ安全に少しも怪しまれることなく行動している自負があったので効率を重視してしまいそうです。 アホだから。(←キラだから。のイントネーションで読もう)

ミサちゃんから預かったノートは引き出しの一番下の 使っていないノートがたくさん入っているところに、マイメロディのノートにかぶせて入れました。 古めのノートと分厚めのノートで両サイドを守備。

デスノートを隠している風ではなく、雑にマイメロディのノートをしまったときにかぶさっちゃった感を演出。 机は母から譲り受けたもので、母はたくさんのノートと鉛筆をコレクションしておられ、引き出しの中は それらのものでいっぱいだったりします。それをカモフラージュとして活用させてもらっています。

さて、今日も楽しく出勤です。仕事帰りに寄り道をする予定なので、荷物がちょっと多い。 別でちっちゃめのバッグを一つ持っていきます。 職場にデスノートを持っていくとか恐怖でしかないが、しっかり管理すれば大丈夫。 スマホよりも財布よりも鍵よりも貴重品です。

無事に仕事が終わり、それでは行動開始。ぼくの移動範囲内で、誰かに見られることがなく、誰も来ることがない場所。 ちょっと思いつかないんだけど、そこは安定のスキップを発動します。 そういう「誰にもバレない場所」にやってきました。適度な山の中とか藪の中でしょう。

人がいない場所ならリュークと会話が可能。お友達としていろいろしゃべりつつ、周囲に誰もいないかを教えてもらいました。 ライトくんもリュークをリンゴで釣り、尾行がいないかを確かめさせていたのでこれぐらいはセーフでしょう。 「ライトの半径100メートル以内を何度も飛び回って確認した」とまで言っていたので、 それぐらいのことをしてもらってもOKなはず。

ましてやシヅキラにはレイ・ペンバーのような尾行も、Lに容疑者として目をつけられているわけでもないから 発信機も盗聴器も監視カメラもつけられていない。あとは不審者として通報されないことを願うのみです。

片手にスマホを持っていたら「映えスポット」でも探して自然豊かな場所を歩いていると思われるかもしれないが、 さすがに学習したシヅキラ、今日はスマホは持ってきていません。

ざくざく。土を掘ります。ビニールで何重にもくるんだデスノートをペットボトルを上下から重ねて テープで密封したものを大きめの海苔が入っていた缶に入れて、それをさらにテープでぐるぐる巻きにしたものを 埋めます。土をしっかりかぶせ、上からしっかりふみふみ。

荷物とはデスノートパッケージ、シャベル、そして軍手でした。軍手をはめた手で、埋める前にあらかじめ ギリギリ動かせることを確認しておいた岩を押して転がします。

戦えば絶対に弱いが、なぜか微妙に筋力というか力だけはあるシヅキラ。重いものを持ったり、 硬い蓋を開けたりするのに家でも職場でも頼りにされたりします。別に父が非力な人ってわけじゃないんだが、 スポーツテストは酷くても、筋力テストだけは学年1位だったりしていた。マジでなぜ。

今こそその無駄なパワーを生かす時!デスノートを完璧に隠すため!岩を押して転がし…!!と、思ったら 近くにちょうどいい丈夫そうな棒を発見。おとなしく、てこの原理で動かす。棒の下にもう一つ 大き目な石をかませて…よいしょ。ごろん。おお、いい感じ。

石の下に何かあることが分かっていたらなんとしても動かそうとするだろうが、ただの石だと思っていたら 万が一ここに誰か来たとしても、興味を持つことはないだろう。てこに使った石と棒は少し遠くへ捨てておき、 石の周囲をデコレーション。草とか小石とかでしっかり自然な見た目にしておきます。

「まさか俺の渡したノートの最後は、土の中に捨てられるとはな…」とリューク。 だけど、違うよ。ここには捨てに来たんじゃなくて、土の中に隠しにきただけ。 捨てるのは…次にぼくが「捨てる」と口にした時だ。その時は文脈に拘らず、その言葉を「ノートを…」という 意味で口にする。のではなく、ちゃんと言うから待っててね。

場所をしっかりと覚えておき、さあ急いで帰ろう。買い物をしてから、帰宅だ。スマホを置いてきているから、 ミサちゃんから連絡が来ていたら大変。今日の夕食は何にしましょう。タマゴがいっぱいあるから、かつ丼かな。 リュークにもご褒美のリンゴをちゃんと買いましょう。

ただいまー。ちょっと遅くなっちゃったから、母がもう帰宅している時間だ。いかんいかん。急いで作らないと。 あれ?家の前に誰かいる。複数人いらっしゃる。制服を着ていらっしゃる。これって、あの、もしかしなくても…。

警察の方々。

おおおぅおううおお疲れ様ですッ!!…とは言わないけど、さすがに帰宅して警察が来てたら善良な一般人は驚くよ。 だからめちゃめちゃ驚いた様子で、警察の方に挨拶をする。そして驚いていたら説明をしてくださるだろう。

令状を見せてくれた。でもそんなのどうでもいい。なんで警察が来たかなんて 言われなくても分かっている。L権限の捜査だ。やっぱスマホデータからプロファイリングされとったんや。

やばい。やばすぎる。なにがやばいって、仕事が終わってからまあまあ時間が経過している。ここのアリバイがない。 でも、アリバイがないだけで証拠もない…お、落ち着け。まだ大丈夫だ。

あ、スマホも置いていったから見られてるんだ。メッセージアプリが怪しすぎる。 こんな冴えないド一般人が、こんな匿名性の高いメッセージアプリを何に使うのか。 だ、だが…それも証拠は残っていない。大丈夫大丈夫…普通にしてればいい…。

ミサちゃんとのやり取りも、初めにお互い安全であることを確認してから会話を始める決まりを設けているから、 警察の方にそれを見られたとしてもただの友人からのメッセージと思われるだろう。 幸い、ぼくはメールを全くしないので「勝手にどんどん消えてくれるアプリが使い勝手がいい」という 理由で言いくるめられる自信もちょっとある。尋ねられたら、そう言おう。

捜索(家宅捜索)に来るってことは、相当な疑いがかけられ、捜索差押許可状が出ているってことだ。 先に帰宅していた母はそれを見たに違いない。相当心配しておられるだろう。なんてことだ。ごめんよ。

ぼくの部屋も捜索されているが、まあ…見た目はフツーの部屋だ。ベッドと机とパソコンと、扉がない棚があるだけ。 古いデスクトップパソコンが1台、古いノートパソコンが1台、現在使っているものが1台、デスクトップパソコンがリビングに1台。 どれからもキラとしての証拠は出ない。あとは両親が1台ずつ持っているがこれは気にしなくていい。

古いパソコンなんて実況プレイでお蔵入りした動画ファイルぐらいしか入ってない。 ノートパソコンの方は一度ショートして燃えたことがあるんで、 電源を入れる時には気を付けてください、と一応言っておく。

あまりに肝が据わっているとそれはそれでキラっぽい…かもしれないので、心配そうにしておかなければ。 急に、今日、捜索されることは想定していなかったけど、ミサちゃんの登場から、リンド・L・テイラーが影武者だったかもしれない という事実から、家のどこを調べられても問題がないように、その方向で行動してきたはず…。

ただ、一つだけ懸念点があるとしたら、やはりデスノート。ミサちゃんから預かっているノート。 表紙の文字は読めないし、バーコードもない不自然なノートだから、 見つかってしまった場合は「学園祭の劇で使った小道具なんです」とでも言えばいいが…。 あれに素手で触られたら、今ミサちゃんと共にいるレムが見えるようになってしまうので、それだけがまずすぎる。

考えるシヅキラ。この捜索はどう考えてもL権限で行われているもの。キラがどのように犯罪者を裁くのか、 ほとんどわかっていない状態でキラとしての証拠を探すのは不可能に近いだろう。警察の方々はもちろん尊敬しているが、 はっきり言って雲をつかむような状態なんじゃないだろうか。

キラの世間一般のイメージは、一番人間に近い姿であっても不思議な力を持ち、人を心臓麻痺で殺せる者。 人でないという説すらあるが、Lがキラを装って第二のキラへメッセージを送った際に、 キラも人間なんだというイメージは定着したかもしれない。

Lが掴んでいる手がかりは、キラも第二のキラも人間、日本人、さいたまスーパーアリーナ、横浜、青山に 当該の日に行った人物、「目・死神・ノート」という言葉から連想される何か。これぐらいだろう…。

粧裕ちゃんが微妙に出てきていないが、話にあんまり絡まないので空気でいてもらっています。 彼女の部屋も捜索されたことだろう。デスノート的スパイスとして存在してもらっていただけなので、今後も話に絡みません。

家に死神はいるが誰にも見えない。手帳に入れていたノートの切れ端も、ノートを山中に隠すことを決めてから燃やして処分済み。 家にあるものから、リュークが見えるようになることはない。

この家の様子からして…怪しくないだろう。警察の方々は余計なことは言わないはず。 キラ捜査をしているLが5月22日に青山へ行った人の中から該当者を選んで捜索するよう命じたため来ましたとは言わないから 母に青山に行ったことはバレない。

ぼくのパソコンも見られたが、作っている途中のゲームのデータと設定のファイルとホームページのデータぐらいしか 入ってない。ぱっと見、本当に一般人の…ちょっとクリエイトが好きなタイプの、普通の人のパソコンだろう。 すこ〜し変わってるかもしれないが、「キラとして怪しい部分」は無いと言い切れる。

決して、警察を舐めているのではなく。本当に、怪しくない。怪しくなければさすがのLも何もできない。 いわゆる「キラの能力(ちから)」の正体は不明な状態。本編のLですら、キラの裁き方を「知った」のは 火口を確保してからだった。あらゆる方法が想定できる現状では、ぼくの家から、ぼくの部屋からキラへ繋がるものは 特定できないだろう…。

何より、ただの物語だけど、ぼくが警察のご厄介になってるシーンなんてはよ終わらせたい。 つーわけで、L権限で捜索に来た方々はご協力ありがとうございました、と帰って行かれました。 一応「キラについてどう感じておられますか」とだけ尋ねられた。「あんまり気にしてないです、犯罪者じゃないから 殺される心配もないので…」と言っておく。実際、自分がキラでなければその通りだ。

「大丈夫でしたか?なにか怪しいものがあったんですか?」と、シヅキラなら言いそうだ。 警察の方からも、大丈夫でしたよ、と帰りがけなら言ってくれると思いたい。

キラの証拠とあらば、何らかの道具…だろう。人ならざるものの力を借りていると考えた場合、 それらしいオカルトめいたものを想像するのか。でもぼくの部屋には魔法陣もロウソクもお札も何もない。 そして、捜索されている間の態度や気にしているか監視されていた可能性もあるが(ただの捜索ではなく、 ファンタジー世界のキラ捜査だし)、ぼくは至って普通の善良な一般人として行動していたはずだ。

なんかまたサイコ寄りになってきている気もするが、これは乗り切ったと思おう。 一応、捜索に立ち会った母に話しかける。「我が家に警察が来るなんてビックリだね…キラについて訊かれたから キラ事件の捜査なのかな。入ってきた時、どんな感じだった?」と。

普通に令状を見せられて、部屋を調べるというからどうぞ、と言っただけだった母。 恐らく母はぼくをちょっと疑ったに違いない。それも、キラかもという疑惑ではなく なんかもっとやべえことしてんじゃないのかという考えがよぎったと思う。

ぼくが普段そんなやべーことをしているわけじゃないんだけど、ぼくがパソコンでやっていることが 全て健全なことであることを知らないため、「まずいことがあるならあれ(パソコン操作)しかない」と思うだろう。

だがぼくのパソコンからも、置いてあったスマホからも何も出なかったのでそれなら変な事件を起こしてない、と 安心したに違いない。母は、無条件で信じるタイプの人ではないので、それはそうなる。

「部屋の中のものいっぱい触ったんだろうなあ…場所が移動してないか確認しないと。警察の人たちって、 手袋付けて作業してた?」と、何気なく尋ねる。普通は指紋が大切なものを探す際には手袋をするが、 しないことも多い。シヅキラが最も心配しているのは、そこである。

警察の方が、マイメロディの大きくて分厚いノートに挟んだノートを素手で触っていないか…。 だがこれはファンタジーなキラ捜査。しっかり手袋をして作業に当たってくれていたようです。 デスノートを見られていたとしても、中は白紙。大丈夫大丈夫…。

ちょっと遅くなってしまったが、夕食にしましょう。心配事はまだあるけど、日常生活をしないと。 かつ丼つくって、食後のコーヒーを頂いて、部屋に戻って必要なら裁きをし、リュークとリンゴを食べる。 今日は周囲に人がいないか調べてくれてありがとうね、すごく助かったよ、とお礼を言う。

ミサちゃんに連絡してみる。返信があったので、そこから本題へ。ぼくの家に警察の捜索があったけど、 ミサちゃんのところは大丈夫?と。返信によると、ミサちゃんは今日は雑誌の撮影やら取材やらのお仕事があり、 そのあと帰宅したけど特に家の中の様子に変わりはなかったらしい。

俗にいう「家宅捜索」は、住民が不在でもお近くの人を立会人として行ったりするし L権限のキラ捜査ならそれすらないかもしれない。常に危ないと思っておくべきだ。

今日、無事にデスノートを隠しに行けたことも伝え、ミサちゃんには特にいつ家に入られても問題ないように しておいてねと伝えてからおやすみ、レムにもおやすみ、と言って連絡は終了。ぼくの家に捜査の手が伸びたのが 「普段の生活での行動と違い、5月22日に青山へ行った人物」であることが理由だとしたら ミサちゃんも同じ条件なので捜索される可能性は大いにあります。

ただ、人数も多いだろうから順番に…だが、「なんか今日、急に家宅捜索されたんだけど」などという 一言がSNSで頻発した場合、批判や不満も増えるだろう…迅速に、決められた方針に則って行われていくのかな。

ニアは「捜査というのは決めつけてかかり、間違っていたら「ごめんなさい」でいいんです」と 言っていたが、確かにそのスタンスでいいこともあるかもしれないが間違ってた時の対処が地獄なのよ…。 それに、本当に冤罪だった時、そしてその人物の無念が組織に抑え込まれている事例も少なくない。そういうのは本当につらい。

シヅキラは、そういう事例も裁きたいと思うかもね…。事件を見ると被害者を想い、泣くからね。 (だから話題に出さないように普段は気を付けている)まっ、なんにしてもキラ容疑で逮捕されようものなら 裁きができなくなる、それがキラとしては最も困ること。キラは、悪を裁くものは、存在していないと。

キラが活動を始めてからの犯罪率の低下を検索してみる。これぐらいのことは、今日恐らくはキラ容疑で捜索された人物が 興味を持って検索する、自然な内容の範疇だろう。これは別に記録が残ってもいいや。リュークに検索結果を見せながら、 こんなに犯罪率が低下してる、やっぱりこれぐらい影響があるものなんだね、最初の頃よりもキラというものの 存在が浸透してるから凶悪犯罪ほとんど起こらなくなってるよ、と話す。

リュークは面白いものが見られたら、そしてリンゴが食べられたらそれでいいみたいだし、 誰の味方でもないとも言っていたけど、こうやって目に見える影響があるということは面白いんじゃないかな。

にしても、ノート埋めに行って良かった…。アレがもし警察の目に触れたら一気に重要参考人だった。 自分の目の届かないところに隠すという方が怖いと最初は思ったんだが、家の中のどこに置いても危険だった。

僅かでも疑われることがあってはならなかったのに、凡人以下ゆえの凡ミスでLの捜査範囲に入ってしまったシヅキラ。 いよいよ危なくなってきたので…そろそろ「幕」でしょう。

今日埋めたノート。あれを次に取り出すのは、ぼくではない。

2024年04月02日


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