SHIDU NOTE -シヅノート-

◆目次に戻る◆


シヅノートもついに10ページ目から、 この11ページ目に突入。字数がシャレになっとらん。デスノートは文字が多い漫画だが、 あの激しい頭脳バトルを漫画で完璧に表現しきるのがどんだけスゴイのか実感してまいりました。

さて、ミサちゃんとの自宅での密会を終え、次の日にミサちゃんに「キラについて自発的に発言しないように、 意見を求められたら肯定しすぎないように」と指示を出し、そのあと自分が5月22日の青山に スマホを持ってっちゃってたという大やらかしに気づき、やべえ、やべえ、と部屋をうろうろしているところです。

どうしよう、今はとにかく動かない方がいいか。あ、ミサちゃんに「警察の方、ご忠告ありがとうございました。 しかし私はキラさんに会うことを あきらめることができません」というようなメッセージの内容と それの送り方を指示したけど、これも先送りにしてもらった方がいいかもしれない。

慌ててミサちゃんにメッセージを送信。「テレビ局に送る最後のメッセージ、送るのもう少し待ってくれる?」と。 メッセージを送るのはゆっくりでいいよ、と言っておいたのでまだ準備すらしてないだろうな。 と、思ったらなんと「もう送ったしデスノートにも書いちゃった」とのこと。 なぬなあ!?

し、仕事が早い!早すぎる!「ゆっくりでいい」って言ったよな!?いや、ミサちゃんの「ゆっくり」の 感覚に任せた、ぼくの完全なるミス!ど、どうする、まだテレビ局には届いていないだろうから、阻止するか…?

動画データを作りアップロードし、URLを操った犯罪者に渡し、その人がまたアップロードして URLを書き留めて次の人に渡し、これを数回繰り返したのちに別の人にSDカードをコンビニで購入させ、 SDカードにデータを入れ、それをさくらテレビに送り…という手順をミサちゃんには細かく指示しました。

最初のアップロードしたデータはダウンロードパスを付け、ダウンロード回数が1になったらすぐに削除。 そのあと他の人がアップロードしていくものはダウンロードパスはつけない=誰でもダウンロード・閲覧可能な状態にし、 6時間後に削除される設定にしておく。これで、どこでそのファイルを得たかを辿りにくくした後に 最終的にメモリーカードに入れてそれを14日後に送付。

宛名の筆跡は操らせていただいた方のものになり、今までのテレビ局に届いたものとまったく違う様相を呈するので 第二のキラからのものだと断定されない可能性もある(偽のメッセージもたくさん送られていることだろう)。 それはそれで、シヅキラにとっては都合がいいが…。

使わせてもらった方々はそれぞれ「(〜った(送った、渡した、など)後、いつもと変わらない生活を送り、 〇〇日後」までは共通、最後の一人は己の罪を告白・後悔する遺書を残して自殺、 最後から2番目の一人は事故死、残りは全員、日をばらつかせ、00時00分に心臓麻痺で死亡。

これを阻止は…難しいか。操られ中の人たちからURLを奪わないといけない。アップロードされたデータを削除しないといけない。 もうリレーは始まってしまっている、ミサちゃんにアップロードしたデータを削除して、と言うのもアリだが、 もし操られ中の人たちの行動が実行できない状態となったらその場で心臓麻痺となってしまうかも (不可能な死の状況を書いた場合、心臓麻痺となるとレムから教えてもらっている)。

不自然な状況を作り上げるより、マシだな…ミサちゃんの家の近くで犯罪者が立て続けに心臓麻痺でとなると、 それも逆に目立つ…もういいや、これはこれで成り行きに任せよう。大丈夫だと思って指示したんだし。 死の前の行動が操れること、心臓麻痺以外で裁けることを警察もLも知らないし…。

そして数日が経過。ミサちゃんから連絡が来た。「会いたい」ですって。むふふ。いかん。 クールに行けクールに。でもミサちゃんはぼくがキラじゃなければ接点なんてなかったし、 好意も持ってはもらえなかっただろう。せっかく人生で会えた人には少しでも幸せを分けたいものだが…。

シヅキラは、幕引きの為に準備をしているところです。ミサちゃんに相談もある、レムにも聞きたいことがある。 仕事が終わった時間に、またミサちゃんの家へ。人様の家に上がらせていただくのですから、 さすがのシヅキラも礼節はわきまえています。ケーキ屋さんで買ったシュークリームを差し上げつつ、ティータイムです。

ミサちゃんはキラに会うために上京してきたんだ、ビデオは関西に住んでた時に作って送ったんだね、 じゃあ関西から持ってきたもので証拠になりそうなものもちゃんと処分してね、粉塵系は特に注意してね、 あの花瓶の花も枯れかけてるし捨てようか、え、あれって速達で送ってたの。速達で出すために使ったものも 全部処分してね、赤ペンとかもだよ、まあもう二度と警察にものを送ることはないんだけど一応ね、 とオカンモードのシヅキラ。ああ心配。この子からキラのことが漏れやしないか、気が気じゃないわ。

そういやミサちゃん、京都出身で関西に住んでたってのに関西弁は全く出ないのね。 ちなみにぼくは関西で生まれて1年もしないうちに東京へ引っ越してきたもんだから 両親は関西弁だけどぼくだけ違う、みたいな状況なんだよね〜アハハ〜、と、世間話も。

あとは情報共有として、リンド・L・テイラーはLではなく影武者の可能性が高いことも言っておく。 そしてLは捜査と人権の尊重のどちらを優先するかは分からないということも伝えておかなければ。 犯罪者裁きは今まで通りぼくがするから、ミサちゃんは絶対にデスノートの存在に気づかれたり さくらテレビにビデオを送った人物と断定されたりしないようにだけ気を付けて、モデル業に専念してね。

と、釘をさしまくっていると、ミサちゃんがぼくの様子を気にしてか、こんな提案をしてきた。

「心配なら、このノートあなたが預かって」と。 ぼくが持ってるとレムはどうなるの、と尋ねると「ミサのノートの隠し場所がお前ということになるだけで 所有権はミサにある」と教えてくれた。ぼくがミサちゃんのノートを持っていても、ミサちゃんは所有権を失わない、と…。

ミサちゃんのノートを改めて見させてもらう。表紙に「DEATH NOTE」って書いてない。謎の文字がちょろっとあるだけ。 ぼくのノートはタイトルにバッチリ「DEATH NOTE」って書いてあるし、ページをめくれば「使い方」まで記載されている。 これはリュークが拾った人間に使わせようと思ったためであり、メジャーな英語で書いておいたそうだ。 日本に落とすなら日本語で書いておいてくれよ…。

落ちた先が偶然日本だった、という可能性も考えたが、日本は狙って落とさないと落ちないだろう。ちっちゃいよ。 リュークはシヅキラとの初対面時に「たまたまこの辺に落ちた」と言っていたが、 人間界(地球)に適当に落としたら7割の確率で海に落ちる。

落とす時の精度が悪いなら、大きな大陸を狙うだろう。日本に偶然落ちるとは考えにくい。 日本のこの辺、とある程度決めて落とした可能性が高いと思うんだが、まあ、それは今全然関係ない。なかった。

ともあれ、ぼくはこのミサちゃんのノートを預かるという案を受け入れることにしました。 使い方もタイトルも書いていない、ミサちゃんのノートを。

万が一、ノートが押収されることがあってもただのノートにしか見えないし、ミサちゃんと一緒にいるときじゃないと レムはぼくのそばにいない=ノートに他人に触れられても急に死神が見えるなんてことが起こらないので怪しくはない。

よし、今後は家に置いておき、裁きに使うのはこのミサちゃんのノートにしよう。ノートは大事に大事にカバンの中へ。 不意に誰かの手に触れることがあっては絶対にいけないので、いつもカバンに入れているエコバッグで包み、 さらに上から防水が必要な時のための買い物袋としてビニール袋も持ち歩いているのでそれでもう一度覆っておく。

そして帰宅するまでの時間、ミサちゃんや死神たちとしっかり会話。キラ活動への提案があれば柔軟に受け入れる。 リュークやレムからは死神界の話をいっぱい聞く。過去はどうだっただの、どういう場所があるだの。 死神界のことを人間に話してはいけないという掟がなくて助かった。

死神界は毎日同じことの繰り返しで、つまらない、退屈。「実際、今の死神ってのはヒマでね。 昼寝してるか博打うってるかだ。ヘタにデスノートに人間の名前なんて書いてると「何ガンバっちゃってるの?」って笑われる。 自分は死神界にいるのに、人間界の奴を殺しても面白くもなんともない」と、初対面の時にリュークは話してくれた。

レムからもそのような話を聞く。いろんな姿の死神がいて、性格も様々。死神界の穴というところから人間界を見られる。 一度でも顔を見た人間はそこを覗けばいつでも見ることができる。へ〜…。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、そろそろ帰って夕食を作る時間だ。ミサちゃんからノートを預かったので、 ひとまずミサちゃんから証拠は出ないようにはなった。どうしても裁きにおいて死神の目が必要になった時に、 ミサちゃんの力をお借りする以外は、ぼくが全部一人でやる。がんばるぞ。

まずはミサちゃんから預かったノートを拝見。うん、最後のビデオメッセージを送るためにぼくが指示した内容が い〜っぱい、事細かに書いてある。それよりも前のページには、さくらテレビにビデオメッセージを送った際のキラだという証拠の為に 生放送中に裁いた人々、そしてテレビ局に駆け付けたところを死神の目で見て書いた名前も。

ふう。

はよ燃やせ燃やせ。これらの証拠にしかならないページは早く燃やすんだ。 ぴりりり、と切り取って台所に誰もいないタイミング…深夜にしっかり燃やす。ついでにぼくの方のノートも 文字が書いてあるページは裁きの後に全部燃やす。ぼふぼふしてから燃えるゴミへIN。

ふ〜…危なかった。ビデオメッセージを送った封筒やSDカードに残った証拠よりも、 デスノート本体を押収された時の証拠となる文字の方がずっとヤバかった。預かれてよかったかもしれん…。

さて、リュークが落とした、ぼくが今まで使っていた方のノートは使うのがこれで最後のつもりでいるシヅキラ。 青山にスマホを持っていっちゃったという大失態のアナを埋めるため、いよいよしっかり証拠を隠滅していかなければ。

夏休みの宿題は8月31日の夜にまとめてやるタイプですが、キラとしての証拠が出ないように迅速に行動します。 ぼくの自由時間は曜日によるけど朝からOKな日もあれば、仕事が終わってからの数時間ということも。 家族が家にいる早朝と深夜には、出かけることは不可能です。

というわけで、決行は明日の仕事が終わってから帰宅するまでの時間。道具をしっかりと揃えて、行くぞ。

2024年3月31日


◆目次に戻る◆






inserted by FC2 system