SHIDU NOTE -シヅノート-

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9ページ目に引き続いてシヅノート、10ページ目。 本家デスノートと話が大きく異なり始めると自分で考えなきゃいけないので、 ライトくんと全く違うことをしないといけなくなってきた昨今、ホントにそろそろ唐突に終わりそうです。

ミサちゃんの家で密会をしたシヅキラ。テレビ局に送る最後のビデオメッセージの指示をし、 リュークやレムといっぱいしゃべり、リュークからシヅキラが持つノートが落とし物だと教えてもらい、 その日はおやすみんさでしたのでした。

ミサちゃんという不確定要素の出現から、シヅキラはようやくLについて調べ始めました。 Lが公に何かしたのは、それが一般庶民であるシヅキラが見られたのは、リンド・L・テイラー放送のみ。

Lはその放送を時間差で地区を変えてキラの大体の所在地を特定しようとしたが、 シヅキラは基準を満たす犯罪者以外は殺さない(自分を捕まえようとする警察・探偵のLも例外ではない)ため シヅキラはリンド・L・テイラーがLだと思い込んでいるし、Lは放送からキラの位置は特定できませんでした。

そのあとは特にLからのアクションがなかったし、自分は安全な行動をとってきたという自負があったので 気にしていなかったんだが、ミサちゃんが「キラとしての証拠」や「キラの裁き方のヒント」やら「死神・デスノートの存在」 をほのめかす情報をテレビ局に送り、それらが警察の手に渡ってしまったので急に焦り出しています。

ここは、普段はあまりやらないがやると決めたら徹底的にやる、ネットでの検証力を生かす時。 ライトくんはハッキングに長けておられたけど、別にシヅキラはそういうことはしません。 ただただ、ネットで自分が知りたい情報を得られるまで徹底的に調べに調べるのです。

何を調べたかはあんま言わないけど、本気で知りたいことがあると突然検証力を発揮します。 それはもちろん日本語圏のみならず、英語圏、それ以外の言語の領域にまで及びます。よし、Lについて調べよう。

そして検索をして数分で唖然とする。

世間では、Lという人物の正体は知られていないが「リンド・L・テイラー」について、考察がなされていた。 SNS上にはリンド・L・テイラー放送を録画・撮影したものがたくさん上げられている。 それの放送時間が地方により異なっていたことまで明らかになっている。

SNSが、しかもリアルタイムにやり取りするものが普及している今、Lがリンド・L・テイラー放送をやらない気がする (放送時間がずれてることが即バレする)が、もうやっちゃったものはしょうがない。

でも知られている事実は「放送時間が異なっていた」ということのみ。 「警察が極秘に捕まえた犯罪者」なのだからリンド・L・テイラーの素性はネット上にすら流出はしていません。 だがネット上の皆様は、様々な考察をしておられます。

その中の説で有力と感じたものは警察関係者かそれに関係する者による意見で 「Lは今まで本名も姿も一切表してこなかったのに、名前と顔をさらして正体不明の標的「キラ」を 捕まえる宣言をするのは不自然である」と。あっ、ほんとだ。

でもシヅキラは凡人以下である前に善良な一般人。Lのことなどそもそも知らなかった。 リンド・L・テイラーはLについては「私は全世界の警察を動かせる唯一の人間、リンド・L・テイラー。 通称「L」です」としか言っておらず、「Lは誰も素性を知らない」だの 「顔を誰も見たことがない」だの、そんなことは世界の警察のお偉いさんしか知らないことでした。

だからリンド・L・テイラー放送でLが突然顔を見せた、なぜ!というようなことはシヅキラは思わなかったのです。

が、「Lが突然、顔と本名をさらした」という情報。さすがのシヅキラも察する。 リンド・L・テイラーさん、囮だったんじゃね、と…。 ネット上でもそのような考察が散見され、さらにリンド・L・テイラーはLが自由に使えた演技に長けた犯罪者だったのでは という意見まで。シヅキラ、戦慄。

リンド・L・テイラーを殺していたら自分の場所は割れ、殺し方のヒントが漏れ……とビビったのでは、ない。 最初から殺す気がなかったので、そのIFは無意味だ。そうではなく… 天才探偵「L」の捜査方法にビビった。Lは、リンド・L・テイラーをテレビ出演させ、 キラに殺させようとしていたのだということが分かってしまったからである。

Lは、もちろんリンド・L・テイラーに承諾は得ただろうが、犯罪者を、もしくはLのためなら命をなげうつ覚悟のある人間を使い、 世間一般的には「非人道的」と言われるような手段を取るような人物なのだということが分かってしまった。 犯罪者であろうと、Lの身代わりになろうとした志願者であろうと、Lはそういう捜査もする…。

ネット上にはあれからLの動きはないため、Lがキラなのではという考察すらされている。 ま、ぼくがキラだからそれはないんですけどね。検証力を使わずとも、 あっさりと出てきたLについての納得のいく有力情報。テレビの討論番組ではこんな内容、放送できないだろう…し?

Lは、人の命を使うこともある。自分を安全な位置に置いて。もちろんこれはLを批判しているわけではない。 悪いのは、犯罪者はキラ。日本では「おとり捜査」は避ける傾向にあるが、国外ではその限りではない。 キラだって自分の物差しで行動しているのだから、Lについてどうこう言う権利はないのである。

が、問題なのはキラ捜査で想像を超えたことをやってきかねないということ。 もう、非人道的なこともL権限でやってくるというのであれば、少しでも怪しいものは徹底的に調べるだろうし、 人権侵害だってするに違いない。極論、一軒一軒令状なしで家宅捜索するかもしれん。

ぼくの部屋で穏やかに裁いていれば安全、と思っていたが…いや、家宅捜査されようともデスノートを 見つけられない限り、証拠はないんですけど…でもミサちゃんの場合、ビデオを送った人物だと特定されれば 第二のキラの容疑者となってしまう。裁き方が不明でも、そっちの物証がある。う〜ん…。

ついでにごめんねと思いつつミサちゃんについても調べる。ミサちゃんのお仕事は?と訊いたら、 モデルをやっていると教えてくれた。可愛いし、お洒落だもんね。ぼくには全く釣り合わないね。

調べてみたら、ファッション雑誌で活躍しているばかりか、テレビの深夜番組のアシスタントまでしておられることが判明。 ミサちゃんのご両親が強盗に殺されたことまで知られている。Wikipediaにも書いてあることだろう。 そしてその犯人を、キラが裁いたということも…。

まずいですよ…。

目立つ…目立つんよミサちゃん…可愛いということが既に目立って困るというのに、芸能人オーラが出ちゃってるのに、 雑誌にもテレビにも出てるとか、Lや警察以外にも目をつけられているのでは?週刊誌…みたいな? もっと人気出ちゃったら、スクープを期待して外出時に記者がついて回るなんてこともありそう。

そしてぼくと頻繁に会いでもしたら、ミサミサ、さえない一般人となぜか急接近!お相手の、低スペック野郎の正体とは! みたいに取り沙汰されたらホント困るんよ。「見せる用」の偽彼氏でも 作ってもらおうかな…また思想がサイコ寄りに…。

でもミサちゃんは青山に行く時、変装をして行ったと教えてくれたし、その時の格好が分かる写真も見せてくれた。 完全に普段のミサちゃんとは別人であり、可愛いことと身長以外は一致する部分がないほどだった。 いざというときは…その変装スキルで、なんとかなるんかね…?

逆に、こんなに目立つことをしている人間がキラだなんて世間は思わない…か?でも両親を殺した強盗を 裁いたキラに感謝してる、それをどこかで公言していたら…今からその過去の発言を探すか? いや、もう先に口止めしておいた方がいいよな…。

ミサちゃんに「急に連絡してごめんね。提案なんだけど、今後、キラについては自分から発言しないようにね。 もし意見を求められることがあっても、キラを肯定しすぎないように。ミサちゃんの事情から、 完全否定するのは難しかったりイメージダウンしたりするかもしれないけど、 なるべくニュートラルな姿勢を取って、普段はキラのことは一切話さないように、お願いします」とメッセージ送信。

了承の短いメッセージがすぐに届いた。よかった。ミサちゃんが逮捕されてたらおしまいだよ。 無事も確認できた。家の中にいても、ミサちゃんの安否が気になり過ぎる…よろしくない…。

仕事が終わり、リュークと楽しくリンゴ食べる&コーヒータイム。へー、死神界にもリンゴってあるんだ。 でも乾いてるリンゴって…水がないの?光が差してないとか?そういうわけじゃないのか… 死神界のものって人間界に持ってこられるの?逆にこっちのものは持っていける?ふ〜ん…。

夕食後、必要があれば裁きタイム、リュークはテレビ見たり動画見たり、ぼくはいつも通りクリエイト。 ゲーム作ったり、ゲームの攻略ページを書いたりすることでしょう。あくまで「ぼくがキラだったら」という話なので キラであること以外はいつものぼくです。

あ、でも、キラになって、リュークと会って、少し違うこともできた。リンゴをよく食べるようになった、 そしてスマホは本来のぼくはバッテリーは劣化しているので外では数分しか使えないうえに Wi-Fiが飛んでないとネットに繋がらないしキャリアと契約していないので電話番号もない、 ただのゲーム機と化しているが、シヅノートではリュークと外で遊ぶため、メモ機能で声を出さずやり取りするため、 キャリアと契約しているしバッテリーも交換済みである。

そうそう、それでミサちゃんにぼくが見つかった日、青山に行った日もスマホでリュークとゲームをして クラブ「NOTE BLUE」が見える位置で暇つぶしを…。

……。

…………あ。

シヅキラ、ついに気づいてしまった。青山に行った日、スマホ持ってってるやん。 持ってってるやん!めっちゃ電源入れてるやん!ゲームやってる=ネットに繋がってるやん! GPS機能で居場所がバレるやん!!

現実のぼくのSIMなしスマホであろうとも、GPSは関係なく機能している。 まあ位置情報は普段は絶対にオフにしているんだが…それはともかく、シヅノートの世界では SIMあり、ネットにつないで青山で遊んでいた。ダメじゃん!!

ミサちゃんのこと、全然言えない。自分はもっと迂闊な行動をとっていた。 今やみなさんのスマホのデータは集められているご時世。AIで色々便利な世の中。

警察、そしてLが「5月4日、5月10日、5月22日の3日間のうち、普段と違う動きをした人物」を L権限でデータを集め、AIを駆使してプロファイリングしたとしたらシヅキラにも捜査の手は及びかねない。 今までは「絶対安心」と思っていたのが、何十人、何百人いるかは分からないが その容疑者の中に入ってしまう可能性が出てきてしまったのである。

しかもシヅキラは今まで青山に行ったことがなく、それ以降も行っていない。 その青山に行った日だけがイレギュラーとも感じられる行動、それ以外は非常に大人しいもの。 せめて5月4日にさいたまスーパーアリーナ、5月10日に横浜、5月24日に渋谷、5月30日に 東京ドームへ行っていたら「キラによる日記の報道を見て興味本位で出かけた」という理由付けができるが、 5月22日に青山にキラがいた可能性は濃厚となっている今、5月22日だけに青山に行っている人物なんて怪しすぎる…。

考え過ぎだ、なんて思わない方がいい。慎重に慎重に、キラ活動をしていなければいけなかったのに。 嘘がつけない性格上、言い逃れなんてできるわけがない。「5月22日、青山に何をしに行かれたのですか?」 などと訊かれたら挙動不審になる以外、何もできない。

警察に、そしてLに少しでも怪しまれたらシヅキラはそれだけで追いつめられているのだ。

…こうなったら。少し早いが、計画を進める時が来たのかもしれない。今まで、少しずつではあるが準備はしてきた。 状況は変わり、悪くもなったが良くなった部分も確かにある。

さあ、どうするシヅキラ。デスノートで、世の中を変えることはできるのか…?

2024年3月31日


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