◆没になったポケモン交換◆
どう話したモンか悩んでいたんだが情報を頂いたので今だな!と思った没データの話。



初代ポケモンにおける「交換してもらうポケモンの没になったニックネーム」についてです。 ゲームのテキストデータが見られるようになったときに色々調べて、 めっけたはいいけどゲーム画面に出すことができず、まあいいかとお蔵入りになりました。

先日、没データを扱った動画でさらに興味深い現象を見つけたので再度報告します
8分ごろからです https://www.youtube.com/watch?v=LQe4tuAMuT0
  という有力な情報を頂きました。

うわあ。ゲーム内に出てきておる。すげえ。 いわゆる「任意コード実行」をしてイベントを起こしている動画さまです。 任意コード実行、すなわち任意のコードを実行している。まんまやん。

ゲーム内にはポケモンを交換してくれる人がいます。 例えばニドラン♂をあげるから♀をくれ、など。 交換してもらったポケモンにはニックネームがついていて、 画像のニドラン♂には「チャッピー」という名前がついています。 これらは赤緑で共通、青とピカ版それぞれで異なります。

画像の位置の人は青だと「ロモたん」というニョロモをくれるし、 ピカ版だと「リッキー」という名前のゴーリキーを交換してくれる人になっています。 それらの「交換するポケモン」のデータの中に、使われていないトレードがあります。

それが、「バタフリーとスピアー」のトレードです。 相手はバタフリーをほしがり、向こうはスピアーをくれる、というもの。 そのスピアーのニックネームは「ピピん」です。 文字コードで言うと「41 41 DE」。「ん」はひらがなです。 だがその「ピピん」という名前はゲーム内で表示されない没テキストです。

青版だとなぜか名前が変わっています。 バタフリーとスピアーの交換というのは変わりませんが、 青ではスピアーの名前は「チクチク」になっています。 使う予定で変更したのか、使われていないことを忘れてとりあえず変えたのか・・・? ピカチュウバージョンでも「チクチク」でした。

トレードのデータの順番は、なぜかニドリーノをあげてニドリーナ(テリー)をもらうのが最初。 その次は赤緑ならケーシィ、青ならプリンをあげてバリヤード(バリバリorまさる)をもらうというヤツ。 その次が、没である「ピピん」および「チクチク」が入っていました。

ピピんの次は、ポニータをあげてパウワウ(パウーン)。順番は結構謎です。 おしょう、まさこ、バリバリが最初に入っているんだと思っていたが・・・。

もしピピんチクチクが使われたとしたらどの辺りにいる人だろうか・・・? バタフリーが手に入るのはトキワの森でキャタピーを捕まえて育てればいいからニビ辺り。

←ここはニビの民家。 ニビシティでは交換を持ちかけてくる人がいないが、この辺だろうか・・・?

交換してくれるのが誰かは分かりませんが、ニックネームが「ピピん」「チクチク」とカワイイので恐らく女の子でしょう。 だとするとトキワの森のゲートにいるコラッタの前歯の一撃は・・・と教えてくれる子だろうか?

そしてなぜ没になってしまったのか。 使い忘れでなければ没になる理由は・・・。

「攻略上必要のない交換だったから」という理由だったら? いやほかにも「コンパンあげてモンジャラもらう」とか「パウワウあげてヤドンもらう」など、 「バタフリーあげてスピアーもらう」と大差ないような交換条件はあるぞ・・・。

もしかして、ニビジムではヒトカゲだと苦戦するが、バタフリーがいれば「ねんりき」などで何とかなる。 しかも緑と違って赤ではキャタピーがあまり出ない。

トキワの森を抜けてニビシティに到着だ!ヒトカゲ、ニビジムに挑戦だぜ!うわあ、イワークが強いぞ! ここは、ノーマルやほのおタイプ以外の技を使えるポケモンを出すべきだな! よし、エスパータイプの技を使える、キャタピーから苦労して育てたバタフリーを出すぜ!

あっ、バタフリーはさっきスピアーと交換しちゃったんだった。

・・・という悲劇を防ぐためだろうか? で、トレード祭りのグレンで交換するにはスピアーは今更もらっても・・・というポケモンになっていて、 その他の町でも交換してもらうことはなかったということだろうか。哀れな・・・。

というわけで初代ポケモンには「バタフリーとスピアーをトレーナーと交換する」というデータがあるが そのトレードを持ちかけてくる人はゲーム内にはいないのでそれは没データになってしまっている。

さらにスピアーのニックネームである「ピピん」と「チクチク」という没テキストもある、というお話でした。 ・・・と、終わろうとするんですが微妙にもうちょっと残っています。

ピカチュウバージョンにはあと二つ、没になったトレードが存在しています。

それが「ピジョットとピジョットを交換する」というもの。意味不明です。 ゲーム内トレードはあげたポケモンと同じレベルのポケモンをもらいます。 つまりあげたピジョットが他人になるだけ、ということです。 わざマシンを使っていたら無駄になるし、名前は変えられなくなります。 意味不明です。

自分はこれを見つけたとき「別のデータをたまたまそう読み込んでいるだけなんじゃないのか」と思いました。 ピカ版でわざわざそんなデータを追加する必要はないだろう・・・。

・・・だが、その交換してもらうピジョットには「まつみや」という立派な名前がついています。 ポケモンの名前だよな…?めっちゃ日本人の名前です。

ほかのトレードで、苗字っぽい名前のポケモンはいません。ダミーデータ・・・?なんのために・・・?? さらに、もっと意味不明なのが・・・。

「ミュウをあげてミュウをもらう」という交換条件。 もうワケが分からん!なんだそれ!しかもそのもらうミュウの名前も「まつみや」です。 ミュウの幻のポケモン感が…!お隣さん感覚に…!!

ミュウを持っていることはまずないんだから、 「ミュウを持ってる?ミュウと交換しない?」ということはなかろう。

このおかしさから使うために入れたデータではなさそうです。 でも「違うデータを読み込んだら偶然そういう交換条件になった」というわけでもなさそう・・・。

というのも、この交換条件のデータの入っている順番が、1つ目はベロリンガとダグトリオ(ぐりお)の交換。 2つ目はピッピとバリヤード(マイム)、3つ目はバタフリーあげてスピアー(チクチク)もらう没データ。

4つ目はガルーラとベトベトン(ベタぼう)、5つ目がミュウ同士の交換。6つ目がピジョット同士の交換です。 二人の「まつみや」は連続している上に、ミュウが先なのです。なんで。

7つ目はゴルダックとサイドン(ごんすけ)。そう、没データが途中にあるのである・・・。 ・・・これは明らかに「わざわざ入れたデータ」であり、「入っているが使われていないデータ」だ・・・。

謎すぎてサッパリ分かりません。なぜピカチュウバージョンでこの二つの、 このままではゲーム内では使えなさそうな交換条件を追加したのか。

そして結局使われなかったそのデータだが、なぜミュウやピジョットが選ばれたのか・・・ 初代においてどちらも重要なポケモンではあるけれど…イベントでも作る予定だったのか・・・??



・・・以上、ゲーム内に残っているけど使われていない「交換条件」と「ポケモンのニックネーム」でした。 バタフリーとスピアーのトレードとそれを持ちかけるはずだった人。 没テキストとなった「ピピん」、「チクチク」、そして「まつみや」。

それらは「おしょう」や「まさこ」、「バリバリ」のようにメジャーになれなかったお名前です。 まあ「まつみや」のまま使われることはなかっただろうけど・・・。苗字だし・・・。 どうしてそんなデータがピカ版で追加されたのか、真相は闇の中です。 動画を紹介して下さった方、どうもありがとうございました!



◆追記⇒ 「まつみや」は金銀からシナリオとして参加してる 松宮稔展さんのことではないでしょうか。 という情報を匿名希望さんから頂きました。

ピカ版の没テキストだから年代的にも合致する・・・!もしかしたらそうかもしれません。 隠しデフォルト名の「いしはら」みたいにスタッフさんの名前を何かしらに使う風習があるのか・・・? 情報どうもありがとうございました!!



◆2016年5月21日追記◆
そういや海外版のことを完全に言い忘れていたけど、海外版にも「ピピん」と「チクチク」に当たるデータはあります。 海外版の赤青の交換してもらうスピアーの名前は「CHIKUCHIKU」です。そのまんま、チクチク。

だが国内版ではピカ版も「チクチク」のままだったのに、海外のピカ版では「CHIKUCHIKU」ではなく 「STINGER」に変更されています。スティンガー。か、かっけえ!

・・・ってか、変更したってことは使われないことは分からずとりあえず訳したのか使う予定で変えたのか、 ホントどっちなのだろうか・・・?

そして2匹の「まつみや」であるピジョットとミュウですが、なんと「MATSUMIYA」ではありません。 ピジョットは「MARTY」、 ミュウは「BART」になっています。確かに人名だが・・・。

でもやっぱそのままのデータ(=同種のポケモンを交換)では使われなかっただろうし、適当に入れたっぽい・・・? 海外版ではその「CHIKUCHIKU」、「STINGER」、「MARTY」、「BART」は没テキストのようです。



◆2016年9月22日追記◆
「まつみや」のデータが入っている順番の話をしていますがなんか誤りがありました。 さらに、新しく分かったことなども出てきたので 後半戦のページでNEW説明をご覧下さい。

2016年5月19日


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