シオン「・・・あっ、もしかしてこれは俺たちがしゃべれるのか?!」 イル 「な、なんていう唐突な無茶振りですか・・・!」 アルス「ぼくたち3人でしゃべるんですか?」 というわけで星白蛇の恐らく主要キャラの3人の会話。 でもDr.OXの発明講座でもあります。 「イル、ちょっとこれを見てみろ」 「すごく・・・大きいです・・・」 「そういう意見は求めてない。」 「え、兄さん一体何を見せてるんですか?!」 「何も変なものは見せてない!アルスはちょっと待っててくれ!」 「あ、はい・・・」 「で、何なんですかこれは?随分重そうな皿ですね」 「違う、これは「キューピッドの銅鑼」っていう天才博士が発明した機械なんだよ」 「・・・何かもうコメントしづらいですね」 「な、何で。もっと質問をしろよ!」 「えー・・・帰って良いですか?」 「ダメだろ!!」 「兄さんたち、何をしゃべってるんだろう・・・」 「これは、叩くとその音を聞いた相手に愛されるというすごい効果があるんだ」 「・・・胡散臭いですね、で、それをどうするんです」 「効果は1時間らしいんだけど、とにかくとっとと早く使いたい!」 「・・・なんて危険な兄なんでしょ」 「アルス、ちょっと来てみろ!」 「何ですか?」 「イルお前は耳を塞いでろよ」 「銅鑼の音なんて耳を塞いでても聞こえそうですけど・・・」 「少しでも音が伝わる過程で妨げがあると効かないんだってよ」 「へえ・・・はいどうぞ」 「よし、行くぞ!!」 「ど、どこに・・・?」 ぼわわわ〜ん。 「ど、どうだろ・・・」 「終わりました?アルス、大丈夫ですか?」 「あ、イルさん・・・」 「アルス、俺のことどう思ってる??」 「・・・・・・。」 「何かシオンと目を合わせないようにしてません?」 「・・・あ、アルス?俺のこと好きになってないの?」 「兄さん・・・」 「ど、どうした?」 「ぼく、兄さんのことは兄としてとても尊敬しています。 今までぼくのために衣食住を提供してくれたことも感謝しています。」 「あ、ああ・・・」 「でもぼく・・・兄さんのことなんて・・・大嫌いです・・・!」 「え゛っ」 「もう一度生まれ変われるなら、兄さんの弟じゃない存在になることだけを願います! ぼくのことを見ないで下さい!大嫌いです!さようなら!!」 「あっ、アルスー!!」 「な、泣きながら走って行っちゃった・・・」 「・・・シオン?シオン、大丈夫ですか?」 「・・・あ゛〜・・・」 「こんなに落ち込むシオン初めて見る・・・しっかりしてください・・・」 「大丈夫じゃない・・・しっかりできない・・・」 「こりゃ重症だ・・・」 「どういうことなんですか?音を聞いたら惚れるんじゃなかったんですか?」 「・・・あ、そういやこれを渡してくれたアルカリってやつが何か言ってた気がする・・・」 「こっちから叩くとフルフィルの響き、こっちから叩くとカタストロフィの響きです。」 「これを叩くと好きになってもらえるんだな?!」 「フルフィルが好かれて、カタストロフィが破局します」 「よっしゃああ!これをアルスに使えば・・・!」 「あの、聞いてますか?行っちゃった・・・」 「・・・何だっけ」 「重要じゃないですか。ちゃんと聞いてなさいこのアワビが!!」 「お前は誰だ・・・と、とにかく1時間で効果は切れる・・・けど・・・」 「あ、そうでしたね。けど、何ですか?」 「アルスからあんなこと言われるのが今までにないダメージだ・・・立ち直れん・・・」 「あーあ・・・」 「むむむ?ちょっとキミたち、それはキューピッドの銅鑼じゃないか?」 「あ、そうですけど・・・」 「オキシライド博士!イル、この人だよ!」 「このろくでもな・・・機械を発明なさった人ですか」 「たわけたまえほとんど言いおったな。素晴らしい発明だろう!」 「素晴らしい効果だった・・・」 「にしては沈んでおるな。家が燃えたりしたか?」 「それじゃ沈んでる場合じゃないだろ。裏表間違えたっぽいんだよ」 「そりゃあお約束な間違いだな。じゃあちょっと待っていろ改造してきてやろう」 「・・・どーぞ」 「できたぞ」 「早すぎだろ。何が変わったんだ?」 「ほらここを見ろ」 「フルフィルってシールを貼っただけか!」 「まあ分かりやすいですけど」 「しかしまあカタストロフィの響きを聞くとフルフィルの響きを聞いても戻らんのだよ」 「まじで。」 「まじだ。逆なら効くんだがな。今日はとりあえず預かっとくぞ」 「ああっ、ちょっと待てよっ!」 「・・・ぼくを見ないでくれ・・・大嫌い・・・さようなら・・・」 「思い返して落ち込んでる場合じゃないでしょ」 「アルスが・・・アルスが・・・俺を嫌いって・・・」 「・・・どーしたもんですかねこりゃ・・・」 「・・・あれ、兄さん・・・?」 「あ゛ー・・・アルス・・・」 「何かぼく、気づいたら全然知らないところにいて・・・」 「アルス、俺のこと嫌いじゃないか・・・?」 「え?どうしてぼくが兄さんのことを嫌いになるんですか?」 「・・・・・・よ、良かっ・・・」 「あ、幸せすぎて潰れましたね」 「に、兄さん!?」 |