マリ秋「ヴィラント山に行って来たはいいが・・・」
シアルカリ「な、なんか頂上でありえんほど強いドラゴンが出ましたね・・・」
クライ那「そうだったんですか?気付きませんでした」
マリ秋「そりゃそうだろ、お前だけ1ターン目で倒れやがって!!」
シアルカリ「まだレベルが足りないみたいですね、もうちょっとレベル上げしないと」
クライ那「へーベル湖ではぐれメタル狩りでもしてきたらどうですか?」
マリ秋「出るか!あれはスライムじゃなくてぷにぷにだっつーの!!」
シアルカリ「もしくは、強いアイテムを作って、攻撃じゃなくてアイテムで倒すという方法もありますよ」
マリ秋「おっ、なるほど・・・じゃあ「メガフラム」でも作るか・・・」
クライ那「でもメガフラムは「フラム」がないと作れませんよ」
マリ秋「そっか。じゃあ先にフラムを作るか・・・」
クライ那「でもフラムは「ロウ」がないと作れませんよ」
マリ秋「そっか。じゃあ先にロウを作るか・・・」
クライ那「でもロウは「燃える砂」がないと作れませんよ」
マリ秋「そっか。じゃあ先に燃える砂を作るか・・・」
クライ那「でも燃える砂は「カノーネ岩」がないと作れませんよ」
マリ秋「そっか。じゃあまずカノーネ岩を採取するか・・・」
クライ那「でもカノーネ岩はヴィラント山でしか採取できませんよ」
マリ秋「そっか。じゃあヴィラント山に行くか・・・」
クライ那「でもヴィラント山にはドラゴンがいますよ」
マリ秋「そっか。じゃあドラゴンを倒すために「メガフラム」でも作るか・・・」
クライ那「・・・・・・。」
マリ秋「・・・・・・。」
シアルカリ「・・・・・・。」
マリ秋「・・・おい、アルカリ。二人でボケてんだからお前が突っ込めよ!」
クライ那「アルカリくん、それじゃダメだよ進まないじゃん!」
シアルカリ「ぼ、ぼくのせいですか!?」

強い武器を作るには長い過程を経ないといけない。
しかも途中で「ハチの巣」も必要なのに持っていない。

なんて思っていたら、マリーのお店の扉を叩く音が。

マリ秋「ん?誰だ?」
シアルカリ「また博士かな・・・」
ヨーグル精「誰ぞ、おられるだろうか。」
マリ秋「・・・・・・なんだこれは?見た目は可愛いが・・・」
シアルカリ「あっ、妖精さんじゃないですか!可愛い!!」
マリ秋「ようせい?コイツが?」
ヨーグル精「如何にも、拙者は妖精役のヨーグルトと申す者。錬金術士のマリー殿の店はこちらだろうか」
マリ秋「そ、そうだけど・・・何の用だ?妖精さんが・・・?」
ヨーグル精「拙者たち妖精が住む「妖精の森」という場所はご存知だろうか?」
マリ秋「いや?知らんが・・・お前はそこから来たのか?」
ヨーグル精「この町から南東に進むと我々の住む森があるのだ。我々妖精は、人々の手伝いをするのが趣味」
シアルカリ「趣味なんだ・・・キミの口調からしてそんな感じしないけど・・・」
ヨーグル精「そんなことはない。拙者も忍、偵察、視察、暗殺などなんでもやってご覧に入れよう」
マリ秋「最後の1つはどうなんだそれ」
シアルカリ「その妖精さんが、この店に何の用ですか?」
マリ秋「そうだな、特に今手伝ってもらいたい仕事はないぞ」
ヨーグル精「うーむ・・・何か我々に頼みたいことがあればこの「妖精の腕輪」を持って妖精の森に来られよ。」
マリ秋「あ、くれんのか?ありがと」
ヨーグル精「尋ねて来られるのをお待ちしている。ではこれにて御免」
マリ秋「・・・・・・あいつ飛んで行ったけど・・・」
シアルカリ「妖精ってかモモンガみたいでしたね」
マリ秋「手伝いって、どんなことしてくれるんだろ?掃除とかか?」
クライ那「掃除のほかに、採取に行ってくれたり、アイテム作成もしてくれるんですよー!」
マリ秋「うを!!お前いたのかよ!!」
クライ那「冷たいですねえ、一緒にヴィラント山で殺された仲じゃないですか」
マリ秋「どんな仲だよ。ってか妖精さんってそんな、アイテム作ったり集めたりしてくれんのか?」
クライ那「そーですよ、銀貨を毎月支払って指示を与えれば、その仕事をしといてくれるんです」
マリ秋「す、すげえな・・・」
クライ那「すごいですよね、先輩よりも」
マリ秋「だっかましい!!俺の方が色々できるわい!!」

そしてある日、マリーが店でアイテムを作っていると、またマリーのお店にお客さんがやってきました。

ローレン精「ごめんくださーい」
マリ秋「ん?誰か来たみたいだな・・・お?」
ローレン精「はじめまして、錬金術士のマリーさんですよね」
マリ秋「まだ錬金術士のタマゴだが・・・その服、もしかしてお前も妖精さんか?そっちのやつも?」
アインス精「うんっ」
ローレン精「森で採れた物を持ってきたんです。何かほしいものがあったら言ってください」
アインス精「いってくださーい」
マリ秋「どれどれ・・・えっ、ハチの巣?これ、ほしいんだけど・・・」
ローレン精「あ、どうぞどうぞ。あとこんなのもありますよ」
マリ秋「なんだこれ?牛乳?」
ローレン精「シャリオミルクです。こっちは数に限りがあるんですけど、よかったら」
マリ秋「見たことないアイテムだな・・・じゃあとりあえず、たくさんください・・・」
ローレン精「あともう一つ・・・ちょっとアインスタ、それはなして」
アインス精「うう〜・・・やだ〜・・・」
ローレン精「そっ、それは商品!食べちゃダメ!!ぺっしなさい!ぺっ!!」
マリ秋「・・・あの、もしかしてそれって・・・「ぷにぷに玉」か?」
ローレン精「ああ、あああ・・・こりゃダメだ・・・」
アインス精「ふええ〜ん・・・ぷにぷに〜・・・ローレンとったあ〜!」
ローレン精「わわっ!まずい、泣き出した・・・!!」
マリ秋「あ、ええと、ほれっ!「うに」だぞ、ほーら面白いぞー!」
アインス精「・・・ぐすっ・・・・・・うに・・・?」
マリ秋「投げて遊ぼうな、ぽいっ!」
アインス精「わーい!ぽーいっ」
ローレン精「ほっ・・・あの、このぷにぷに玉・・・いります?どうします・・・?」
マリ秋「まだあんま持ってないから、もらおうかな・・・ぐっちょぐちょだが・・・。」
ローレン精「すみません・・・。」
アインス精「いたい〜!ふえーん!!」
マリ秋「わっ!アホ、なんでも口に入れるな!!だ、大丈夫か?!」
ローレン精「アインスタ、泣かないの!!マリーさんどうもお邪魔しました・・・今度妖精の森にも来てください・・・」
マリ秋「あ、ああ・・・でも手伝いに来るのがあんなのだと困るぞ・・・。」

ぷにぷに玉が手に入ったので、中和剤(緑)とミスティカとぷにぷに玉で「ミスティカの葉」を作りました。

マリ秋「ふー、ミスティカの葉ができたぞ・・・」
クライ那「こんにちはー!わーわー!!調合失敗しろー!!」
マリ秋「帰れ!!」
クライ那「せっかく尋ねてきたのに開口一番酷いですね先輩。邪魔しに来たのに」
マリ秋「だから帰れと言っておる。」
クライ那「あっ、それはミスティカの葉!それがあれば「ミスティカティ」が作れますよ!」
マリ秋「ミスティカティ?あ、飛翔亭でそんな名前のアイテムの依頼があったな・・・どうやって作るんだっけ」
クライ那「ミスティカの葉と蒸留水と中和剤(青)とガッシュの木炭ですよ。ほら、こんなお茶です」
マリ秋「げっ、お前作れるのかよ・・・ガッシュの木炭がないから俺作れないわ・・・」
クライ那「じゃあ「ガッシュの枝」をとりにいかないといけませんね。さあちぃちゃんには採ってこられるかな?」
マリ秋「ちぃちゃんと呼ぶなと言っとろうが。どこにあるんだよ、その枝って」
クライ那「ストルデルの滝ですね。秋と冬にとれるから、今頃行けばきっとありますよ。行ってらっしゃい」
マリ秋「え・・・お前は来ないの?」
クライ那「いや、ぼくはぼくで忙しいんですよ。家で研究もあるんです」
マリ秋「いや、数日間ぐらいいいじゃん。お前の「ひっさつ」が妙に強いし・・・」
クライ那「この中に錬金術士がいるかもしれないのに一緒に居られるか!俺は自分の部屋に戻るぞ!」
マリ秋「いきなりどうしたんだよ。」

とりあえず、妖精の森に行って妖精さんを雇ってみることにしたマリー。
8日間かけて、妖精の森に向かいました。

長老ケミカ「あっ、ようこそ妖精の森へ」
マリ秋「お、お前は、みらくるケミカルの主人公のケミカ・・・何してんだこんなとこで」
長老ケミカ「あはは、ぼくは妖精の森の長老役なんだ。妖精さんを雇いたかったら好きな子を選んで行ってね」
マリ秋「みんな、着てる服の色が違うけど・・・何が違うんだ?」
長老ケミカ「色に応じてできる仕事の速さが違って、賃金も違うんだ。この紺色の妖精さんはマリーと同じ速さで仕事ができるよ」
マリ秋「1ヶ月で銀貨300枚か・・・じゃ、この妖精さんで。」
長老ケミカ「またおいでね、でも道中大変じゃなかった?盗賊が出るでしょ」
マリ秋「ああ。さり気にHPが残り4しかない」
長老ケミカ「大変だったね・・・盗賊のアジトは「マイヤー洞窟」というここから南にある洞窟らしいよ。」
マリ秋「そっか・・・じゃあ強力なアイテム作ってから乗り込んでみようかな」
長老ケミカ「強力なアイテム?どんなの?」
マリ秋「メガクラフト!大爆発を起こすアイテムで、図鑑でも「爆発したら町が火の海になる」って書いてあったからきっと勝てる!!」
長老ケミカ「そ、そう・・・殺さないようにね・・・」

妖精さん(紺色)を雇い、アトリエに帰ってきたマリー。
指示を出していないか、材料がなくなるか、作るべきアイテムが99個に達してしまった時などは妖精さんは工房で寝るか踊るかしています。

マリ秋「さてと。妖精さんは先にこのアトリエに送り出してたわけだが・・・何してるかな?」
エカポロ精「・・・・・・。」
マリ秋「あっ、寝てる。ステータスは「何もすることがないから寝てる。」か。指示を出さなきゃいけないんだな。」
エカポロ精「・・・・・・ぐー・・・」
マリ秋「じゃあどうしよっかな・・・まずは「近くの森に採取」でいいかな。頼むぞ妖精さん」
エカポロ精「・・・・・・すー・・・」
マリ秋「よし、ニューズの採取は妖精さんに任せて、俺は飛翔亭で「うわさ話」でも聞いてくるかな。いってきまーす」

ヴィラント山でボロボロになって帰ってきたことを飛翔亭のマスターに話したマリー。

ディロビー「よっ!元気でやっているか千秋よ」
マリ秋「あー・・・まあ、あれこれ作ろうとは思ってるけどな。卒業できるかは正直分からん・・・」
ディロビー「どういう系のアイテムを作ったんだ?」
マリ秋「水系と草系はある程度。でも火というか岩というか、そういうのは材料がなくてさ」
ディロビー「なるほどなあ。フラムやクラフトはベンリだが作るのに時間がかかるしな」
マリ秋「そんで、ヴィラント山でカノーネ岩を探しに行ったんだけど、頂上のでっかいドラゴンにやられちゃって・・・」
ディロビー「そうだったのか。それなら山の麓に「エルフィン洞窟」というところがあるぞ。そこなら大丈夫だろう」
マリ秋「えっ、そんな場所があったのか!もっと早く教えろよ、じゃあ噂話代の銀貨100枚な」
ディロビー「・・・・・・こんだけ?」
マリ秋「あーわかったよ、じゃあミルキー2つもおまけだ!!」
ディロビー「ありがとう!!いい依頼用意しとくよ!!」
マリ秋「・・・ミルキーでいーのかよ」

というわけで、早速エルフィン洞窟に行って来ました。
するととれるわとれるわ、ほしかったカノーネ岩が大量に手に入りました。
これで「燃える砂」や「中和剤(赤)」がやっと作れるようになる・・・!

そして、カゴいっぱいになるまでアイテムを集め続けたマリーは、工房に帰ってきました。

マリ秋「ふー、カゴ重かった・・・よいしょっと。うう、岩ばっかとりすぎたな・・・いてて」
クライ那「おかえりなさーい」
マリ秋「なんでいんだよ?!」
クライ那「暇だったんで。」
マリ秋「お前、俺がエルフィン洞窟に行く時に護衛頼んだら忙しいから行けないって断ったくせに・・・!!」
クライ那「雇用できるまで何日も根気よく話しかけないと。それはともかく、カノーネ岩ありました?」
マリ秋「あったよほら、カゴいっぱい。これでやっとドラゴン討伐のためのメガフラムやメガクラフトが作れるぞ・・・!」
クライ那「メガクラフトを作るにはクラフトが必要で、クラフトを作るにはニューズが必要ですけど」
マリ秋「はははそれは大丈夫だ。この妖精さんに近くの森でニューズを集めてくれるよう頼んでたからな!」
クライ那「妖精さん雇ってたんですね!すごいじゃないですか!熱でも!?」
マリ秋「ない!!」
エカポロ精「・・・・・・ぐー・・・」
マリ秋「・・・ところでこの妖精さん、俺が出かけたときから位置が変わってないんだけど、もしもし?」
クライ那「この妖精さんなら、ずーっと寝てますよ。先輩が出かけた日からずっと」
マリ秋「お、おい、採取は?!ニューズは?!お前2週間も寝てるのかよ!?」

マリーの卒業試験は、まだまだ続く。

2012年1月15日
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