アルヴィス | 「イシュタル、久しぶりだな。元気か?」 |
イシュタル | 「あ、皇帝陛下!どうしてこちらへ?」 |
アルヴィス | 「城に集めた子供たちを解放しろ、この仕事はお前とて本意ではあるまい」 |
イシュタル | 「しかし・・・」 |
アルヴィス | 「お前は皇帝である私の命令がきけないとでもいうのか!」 |
イシュタル | 「いえ・・・そんな訳では・・・でもユリウス殿下のご命令が・・・」 |
ユリウス | 「父上、勝手なことをされては困ります。イシュタルは私の部下なのですよ」 |
アルヴィス | 「ユリウス・・・」 |
ユリウス | 「こんなところでうろうろしていないで、自分の城へ戻られよ。父上にはシアルフィ城の守備という大事な仕事があるはずだ!」 |
アルヴィス | 「ああ・・・」 |
マンフロイ | 「皇帝とは名ばかり・・・アルヴィス陛下も哀れなものですな」 |
ユリウス | 「マンフロイか。ユリアの様子はどうだ、記憶は取り戻したのか?」 |
マンフロイ | 「ユリアは全て思い出したようです。双子の兄である殿下によって殺されかけ、母親によって城外へ逃がされたことも・・・」 |
ユリウス | 「ユリアはディアドラからナーガ神の力を受け継いでいる。殺さねばならん、手遅れにならぬうちにな」 |
マンフロイ | 「分かりました、我が配下に命じて殺させましょう。そしてセリスをこの地で仕留め、殿下の御前に差し出します」 |
ユリウス | 「セリスか・・・民は光の皇子と呼んでいるそうだな。そして私は闇の皇子というわけだ」 |
マンフロイ | 「あの小僧は殺さねばなりません、生かしておけば大きな災いとなります」 |
ユリウス | 「奴は聖騎士バルドの力しか受け継いでいないのだろう。心配はないがまあいい、お前の好きにしろ」 |
イシュタル | 「ユリウス様・・・」 |
ユリウス | 「国へ帰ろうイシュタル、ついでに反逆者を一人血祭りに上げよう、どちらが早いか腕試しだ」 |
イシュタル | 「はい、分かりました。そういうことなら喜んで!」 |
アルヴィス | 「パルマーク司祭、子供たちを連れてこの城から逃げろ」 |
パルマーク | 「え!?逃がしてくださるのですか!」 |
アルヴィス | 「まもなくバーハラからユリウスの配下が来る。そうなれば手遅れだ、早く逃げろ」 |
パルマーク | 「は、はい!ありがとうございます、アルヴィス陛下」 |
アルヴィス | 「それと、これをお前に預けておく」 |
パルマーク | 「こ、これは・・・ゲームボーイポケット・・・」 |
アルヴィス | 「そっちじゃなかった。これこれ」 |
パルマーク | 「こ、これは・・・」 |
アルヴィス | 「お前はかつてシグルドの側近だったな。ならばこれが何を意味しているか分かるだろう」 |
パルマーク | 「は、はい・・・このゲームボーイポケットで、テトリスをクリアしろと・・・」 |
アルヴィス | 「ポケットはもういい。そっちじゃなくてこれを渡せ!!子供たちを頼んだぞ」 |
ユリア | 「お父様・・・」 |
アルヴィス | 「ユリア、お前にはすまないことをした。私を憎んでいるだろうな・・・許してくれ」 |
ユリア | 「そんな!私は、お父様を憎んだことなど一度だってありません!」 |
アルヴィス | 「私は馬鹿だった、利用されているとも知らず・・・ユリウスは暗黒神ロプトウスの生まれ変わりだ・・・」 |
ユリア | 「お母様は最後の力でワープで私を逃がしてくださいました。私は記憶を失い、レヴィンさんに助けられて・・・」 |
アルヴィス | 「ユリア、もう時間がない。お前もパルマーク司祭と逃げなさい、ここにいては危険だ」 |
マンフロイ | 「そうはいきませぬな、ユリア殿はヴェルトマーにおいで頂く。もし皇帝陛下が命令に背けばユリア殿には死んで頂く」 |
アルヴィス | 「な、なんだと!ユリアを人質にするとでもいうのか!」 |
マンフロイ | 「お前が逃がした子供たちも、みな死んでもらうことになるじゃろう」 |
ユリア | 「お父様!!」 |
アルヴィス | 「私にはお前を守ってやる力がない・・・だから・・・これを受け取れ」 |
ユリア | 「これは・・・ゲームボーイアドバンス・・・」 |
アルヴィス | 「そっちじゃなかった、このサークレットを受け取れ。ディアドラの形見・・・そして、お前を守る最後の・・・」 |
マンフロイ | 「なにをグダグダと言っておる!さあ、早く来るのだ!!」 |
ユリア | 「ああっ、お父様・・・」 |
セリス | 「えーと、父上の攻略メモによると・・・アルヴィス皇帝を倒したらぼくがまた岬に待機する・・・と・・・」 |
ディアドラ | 「セリス・・・セリス・・・」 |
セリス | 「だ、誰だ?ぼくの名前を呼ぶのは?」 |
ディアドラ | 「セリス・・・大きくなって・・・」 |
セリス | 「も、もしかして母上?!母上なのですか?」 |
ディアドラ | 「立派になって・・・レヴィン様に感謝しなくては・・・仲間を大切にね、感謝の気持ちを忘れないように・・・」 |
セリス | 「・・・は、はい、母上!私はついにアルヴィス皇帝を倒しました!父上の無念を晴らしたのです!」 |
ディアドラ | 「そう・・・じゃあ、ユリウスとユリアは・・・」 |
セリス | 「ユリウスとユリア?!母上はどうして二人をご存知なのですか?」 |
ディアドラ | 「・・・・・・。」 |
セリス | 「母上・・・?」 |
シグルド | 「セリス」 |
セリス | 「あなたは?まさか・・・父上!?というか今回の日記の冒頭でも会話しましたが・・・」 |
シグルド | 「セリス、思い上がってはならぬ。アルヴィスが倒れたのはお前の力ではない・・・」 |
セリス | 「えっ、父上・・・それは一体?!」 |
シグルド | 「セリスよ、人の悲しみを知れ。真実は一つだけではない。それが分からなければこの戦いは無意味となろう・・・」 |
セリス | 「で、でも誰かが「真実はいつも一つ!」と・・・」 |
シグルド | 「そうだ、私の攻略メモは役に立っているか?」 |
セリス | 「はい!でも、踊り子のレイリア、プリーストのシャルローというのが登場しなくて・・・」 |
シグルド | 「すまない、私の監視ミスなんだ・・・それだけが、まことに悔やまれる」 |
セリス | 「それだけなんですか・・・ところで「シアルフィ城を制圧」という文字で攻略メモが終わっています」 |
シグルド | 「第10章までしか書く時間がなかったんだ。次の終章で終わりだ。頑張れセリス」 |
セリス | 「ち、父上!待ってください!」 |
ディアドラ | 「・・・体には気をつけるのですよ・・・」 |
セリス | 「母上・・・」 |
レヴィン | 「セリス、よくやった。市民たちがお前の帰還を祝って大勢詰め掛けてきている」 |
セリス | 「これが祖国なんだね、とても暖かな気持ちがする。でも、まだ心からは喜べない・・・」 |
レヴィン | 「ユリアが心配なんだな。セリスは彼女のことが好きなのか?」 |
セリス | 「うん」 |
レヴィン | 「そこは「そんなのじゃないけど・・・」だろ?!勝手に変えるな!!」 |
セリス | 「ソンナノ ジャ ナイ ケド」 |
レヴィン | 「すごい棒読みだな。彼女はマンフロイにグランベルのどこかに連れ去られたらしい」 |
セリス | 「レヴィン、アルヴィス皇帝は倒れて父上の無念も晴らせた。でもなぜかむなしいんだ」 |
レヴィン | 「それはこの戦いがまだ終わっていないからだ。この聖戦が終わった時お前は初めて全ての真実を知ることになるだろう」 |
セリス | 「そうなのか・・・でも大丈夫、終章もバッチリだよ」 |
レヴィン | 「な、なんで?」 |
セリス | 「さっき父上に、攻略メモを頂いた。えーと、「この後ユリアが操られてヴェルトマーから向かってくる」のか・・・」 |
レヴィン | 「あいつ、最後の最後まで・・・・・・!!」 |