ケミカ「･･･なんか、また夢を見たなあ･････････そうだ、サーナイト！サーナイトが出てきたんだ･･･！！」
スイソ「ケミカ！おっはよ！おーはーよおおおおぉぉ！！」
ケミカ「･･･ありがとう、最初から全部聞こえてるよ･･･。あ、それじゃ今日も救助活動がんばろーか」
スイソ「･･･おや？顔色悪いよ。なんかあったの？」
ケミカ「う、ううん、平気」
スイソ「そっか。そういや今日、ここに来るまでに広場が騒がしかったんだよね」
ケミカ「何かあったのかな？行ってみようか」

広場に行ってみると、ポケモンたちが集まって話していました。

スイソ「何の話してるの？」
マダツボミ「もうワタシ、ビックリしました！ホントだったんですよ！」
スイソ「なんのこと？」
マダツボミ「キュウコン伝説のことですよ！ワタシ、ウワサなんて信じないので、もう本当にビックリで！」
キャタピー「･･･あのう、ケミカさん、スイソさん･･･」
ケミカ「あ、キャタピーちゃんも来てたんだ。誰が話してるの？」
キャタピー「そ、それが･･････」
スイソ「･･･げ、ゲンガー！？」
ゲンガー「･･････というワケで、オレは精霊の丘へ行ったんだ。そしたらそこでスゲーもの見ちゃったんだ。ケケッ！」
ハスブレロ「スゲーものって？」
ゲンガー「あるポケモンがネイティオに相談してたんだ。そのポケモン･･･姿かたちはポケモンなんだけど･･･なんと！元は人間だったんだってさ！」
マダツボミ「なんですって？！」
ブルー「本当にいたんだ･･･人間からポケモンになったヤツが･･･」
ゲンガー「しかもネイティオはその人間にこう言ったんだ。「ポケモンになったのと世界のバランスが崩れたのは大きく関係してる」って」
ハスブレロ「それって！キュウコン伝説のとおりじゃないかよ！」
ゲンガー「それに、最近よく災害が起こってるだろ？ネイティオによると、あれは世界のバランスが崩れたために起こってるんだってサ。
しかも、崩れたバランスを早く戻さないと･･･世界はとんでもないことになるって言ってたぜ！」
ハスブレロ「な、なんだって？！」
マダツボミ「ええ？！世界がとんでもないことになるですって？！」
ブルー「ボクたちどうしたらいいんだよ？」
ゲンガー「まあまあ諸君、そんなに慌てなくても。方法はあると思うんだよな。」
ブルー「どんな方法？」
ゲンガー「なあに、カンタンなことさ。その人間がポケモンになったせいでバランスが崩れたなら、そいつが消えれば元通りになるだろ！？」
ハスブレロ「た、確かに！」
ブルー「言われてみれば･･･そうかもな。」
ゲンガー「しかも、ソイツはサーナイトを見捨てた酷いヤツなんだぜ？倒されても文句ないと思うけどな。なあ、ケミカ？」
ハスブレロ「え･･･！？ええっ？！」
マダツボミ「あ･･･アナタが･･･その人間だったのですか！？」
ブルー「本当なのか？！おいっ！？」
スイソ「あ、あわわ･･･ちょっと待って、これには･･･深いワケが･･･」
ブルー「お前に聞いてるんじゃない！ケミカに聞いてるんだ！おいケミカ、どうなんだよ？本当にお前は伝説に出てくる人間なのか？！」
ケミカ「･････････。」
スイソ「ケミカ･･･」
キャタピー「ケミカさん･･･」
ゲンガー「返す言葉もないようだなケミカ！そういう事だ諸君。ケミカを倒して幸せになろうぜ。ケケケケケッ！」
スイソ「なっ･･･なに？み、みんな。どうしたっていうのさ･･･？」
ハスブレロ「ケミカ、すまんっ！！」
ケミカ「！！」
スイソ「わわっ！！なにするの！？･･･ケミカ、逃げよう！！」

なんとまあ、広場の皆さんが襲い掛かってきました。
恐ろしい図でした。
倉庫屋さんのガルーラおばさんや、ペルシアン銀行の店主、お店屋さんのカクレオン兄弟まで･･･。

スイソ「はあ、はあ･･･いや、ビックリしたな！みんながいきなり襲ってくるとは思わなかったよ。」
ケミカ「･･････うん」
スイソ「ケミカさあ、なんで言い返さなかったの！自分は違うって！キュウコンの伝説に出てくる人間じゃないって！」
ケミカ「･･････ねえ、スイソ」
スイソ「･･･ん？なに？」
ケミカ「救助隊みらくるズ･･･やめようか･･･？」
スイソ「ど、どうしたの？急に！救助隊やめようなんて･･･ケミカらしくないよ？なんかあったの？」
ケミカ「･･･最近、夢に･･･サーナイトが出てくるんだ･･･夢なんだけどね･･･」
スイソ「･･････」
ケミカ「ぼくと一緒に救助隊なんてやってたら･･････」
スイソ「･･･夢の中にサーナイトが･･･自分が伝説に出てくる人間かもしれないって思ったんだ･･･そっか･･･」
ケミカ「･･････」
スイソ「ねえケミカ！」
ケミカ「な、なに？」
スイソ「それでもケミカは、人間の時のことを思い出したワケじゃないんでしょ？！だったらまだ、ホントのことは分からないじゃないか！」
ケミカ「･･････」
スイソ「オイラは･･････ケミカのこと信じてるんだぞ？だったら･･････」
ケミカ「･･････あ！」
フーディン「･･･先ほどの広場での騒動のあと、みんなで話し合った。世界を救うにはどうしたらいいのか･･･をな。」
スイソ「フーディン･･･！」
フーディン「そしてその結果･･･ケミカ。お前を倒すことが決まった。」
スイソ「ええ〜！？」
フーディン「ワシもまさかとは思ったが･･･そうであってほしくないと願ったのだが･･･残念だ。ワシたちは･･･全力でお前たちを倒す！！」
スイソ「（こ、ここで戦うのか･･･？！）」
バンギラス「･･････」
リザードン「･･････」
スイソ「･･･？」
フーディン「･･･一晩時間をやる。」
スイソ「えっ？」
フーディン「その間に、荷物をまとめてここから逃げるのだ。明日になれば色々な救助隊が追っ手となり･･･ケミカに襲い掛かるだろう。
いや、お前だけではない。ケミカについて行く全ての者を敵とみなし･･･容赦なく攻撃してくるだろう。それはワシたちも同じだ。
当然お前たちを倒しに行く。しかし、それでも何とか逃げ切るのだ。逃げて、逃げて･･･生き延びるのだ。神事とｍそうえ付けるまでは･･･」
スイソ「･･････あの？もしかして超大事なところでタイプミス･･･？」
フーディン「･･･コホン。何とか逃げ切るのだ。逃げて、逃げて･･･生き延びるのだ。真実を見つけるまでは･･･な。」
スイソ「（･･･ああ、なるほど･･･）」
ケミカ「フーディン･･･」
フーディン「次に会う時は容赦しないぞ。ではな。」

フーディンも、ケミカのことを信じて逃がしてくれました。
ガチで戦ったらどうなるんだろうとちょっと思ってしまいましたが、なんとここから逃げなければいけなくなったのです。

スイソ「･･･ケミカ。フーディンたちもああやってキミのこと信じてるんだ。オイラだって前に言ったでしょ？もう迷わないって。
何があってもケミカのこと信じるって！例え、他の救助隊が襲ってきたってオイラは怖くないよ。
なのに、ケミカが自分のこと信じられなくてどうするんだよ！」
ケミカ「スイソ･･････」
キャタピー「ケミカさん。」
スイソ「キャタピーちゃん･･････」
キャタピー「ケミカさん･･･ボク約束しましたよね？ここに、救助基地作るって。ボクも大きくなったら救助隊やるって。
ケミカさん･･･くじけちゃダメです。ケミカさんはボクのヒーローなんだから。ボクもケミカさんを信じてます。」
スイソ「･･･どうする？ケミカ！」
ケミカ「･･･うん、分かった。あきらめないよ！」
スイソ「！そうだ！そうだよ！そうこなくちゃ！！それでこそオイラたちのケミカだよ！」
ケミカ「あはは･･･」
スイソ「とりあえずはここを離れるけど･･･絶対またここに戻ってこよう！真実を見つけて！」

広場のすぐ左にケミカの家はあるのですが、すぐにポケモンたちは襲い掛かってこないようです。
一晩時間を頂いてしまったので、ゆっくり休んで次の日の早朝にこっそり抜け出すことになりました。

ケミカ「･･･早く目が覚めちゃった･･･当然かな、あはは」
スイソ「おはよーう！ケミカ！おはおはっ！！おはよう！！」
ケミカ「･･･おはおは？大丈夫、ちゃんと最初から聞いてたよ。おはよう！」
スイソ「朝早いけど、さすがにもう起きてるね。出発の用意は出来た？」
ケミカ「うん･･･レベルも上がってるし持ち物はいらないから、ぼくの準備はOKだよ」
スイソ「なんか打ち消し線が見えるけど、用意がいいなら行こうか。これからは逃亡の旅だ。」
ケミカ「逃亡か･･･ははは･･･」
スイソ「きっとキケンな冒険になる･･･救助隊の仲間まで巻き添えにはしたくないから･･･仲間には黙って、こっそり行こう」
ケミカ「う、うん･･･」
スイソ「とにかく、オイラたちを追ってくる救助隊から、逃げて逃げて逃げ切ろう」
ケミカ「･･･そうだね、逃げ延びないと。どうしてポケモンになったのか･･･自分は何者なのか、真実を見つけるまでは、逃げなきゃ･･･」
スイソ「よし、それじゃあ行こう！」
キャタピー「ケミカさん！！」
ケミカ「キャタピーちゃん！トランセルくん！！ワタッコたちも･･･！」
キャタピー「よかった！間に合ったです！」
ワタッコ「ワタシたち、ケミカさんを見送ろうと思って。」
ディグダ「ぼ、ボクも！！」
ケミカ「･･････え？」
スイソ「･･･なんか声だけしたけど･･･」
ディグダ「おはようございます。ディグダです。」
ケミカ「わ！」
スイソ「ビックリした･･･！！」
ディグダ「ボクも見送りたいです。」
ケミカ「み、みんな･･････」
ペリッパー「バサッ　バサッ」
スイソ「あ、ペリッパーが手紙を入れてくれた･･･ケミカ、読んでみてよ」
ケミカ「うん･･･「アバヨ！しばらくサヨナラだ。でもまた手紙を運べるその日が来るまで･･･オレはいつまでも待ってるぜ。」･･･だって･･･」
スイソ「ペリッパーも･･･！うう･･･みんな、ありがとう！」
ケミカ「ありがとう･･･（ペリッパーってこんな口調だったのか･･･）」
ディグダ「そろそろ、他のポケモンたちも起きてきます。さあ早く！急いで！」
スイソ「うん。ケミカ！行こう、出発だ！」
キャタピー「気をつけてー！」
ワタッコ「皆さんが帰ってくるの待ってますから！」
ケミカ「うん、ありがとう！」
スイソ「オイラたち絶対戻ってくる！それまでみんな、元気で！」

･･･こうして、ケミカたちの、果てしなく辛い旅が始まりました。
切り立った山を越え･･･燃える野原（！？）を越え･･･。
しかし、ケミカたちは泣き言も言わず、遠く、そのまた遠くへと進むのでした。というナレーションが入りました。

スイソ「ふうっ、大分遠くまで来たな。」
ケミカ「そうだね･･･途中、山火事とか地割れとかすごかったけど･･･」
スイソ「自然災害はそうとう広がってるんだな･･･災害で困ってるポケモンもたくさんいるだろうし、
早く救助活動に戻りたいけど･･･今はとにかく、逃げないとね。」
ケミカ「･･･あ、声が聞こえる･･･？」
？？？「確かこっちの方角だ。」
？？？「これだけの人数で来てるんだ。見つかるさ。」
？？？「早くケミカを倒さないと･･･」
スイソ「わわっ？！もう追っ手が来たのか？！ケミカ、先を急ごう！」

他の救助隊たちに追われるまま、「ぐんじょうのどうくつ」に入っていったのでした。
ここはツチニンやニドリーナ、ニドリーノなどがいます。
じめんタイプのポケモンにもケミカの「でんきショック＋１」は当たりはするので特に困りません。

レベルが上がっているせいなのかまだまだ序盤だからか、とにかく死にそうな目にはまず遭いません。
トルネコの大冒険なら地下１階の時点でゴースト３体にでも襲われようものなら死の憂き目を見るわけだが･･･。

ちなみに現在は逃亡生活中なので、いくらポケモンを倒しても仲間にならないようです。そりゃそうだ。

スイソ「はあ、はあ･･････あ！あれは！」
ケミカ「なに･･･？」
スイソ「「ほのおのやま」だ！！火口から溶岩があんなにたくさん流れてる･･･あそこを通ることなんかできるのか･･･？」
ケミカ「えっ･･･普通はムリじゃ･･･？」
スイソ「でも後ろからは追っ手が迫ってくるし･･･ゲーム的に行かないわけにはいかないし･･･どうしよう？ケミカ？」
ケミカ「そうだね、ゲーム的にも番組的にも･･･。」
スイソ「（･･･二人でボケてたら収拾つかないって･･･）」
ケミカ「（･･･あ、そうだったね･･･）」
？？？「おっ！あそこにいたぞ！」
？？？「つかまえろ！！」
スイソ「え、選びようがない！行こう、ケミカ！！」
ケミカ「う、うん！」
？？？「アイツら･･･炎の山に向かっていきやがった！」
？？？「なんてヤツらだ！炎の山は未踏の地、ここまでだって誰も行ったことがなかったのに！」
？？？「オレ、あんなとこいくのやだよう。」
？？？「仕方がない、行く勇気がある者だけで追いかけるんだ！」

群青の洞窟を抜けたと思ったらまだまだ追っ手は迫っており「ほのおのやま」というとてもあのポケモンがいそうな山に入っていくことになりました。
ということはあのポケモンも出てきそうです。なんたってサンダーがいきなり出たわけだし･･･。

2012年1月29日
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