◆新アイテム「スケボー」の話◆
コロコロコミックを見たことがなかった自分ですら知っていた、 発売前に発表された新アイテム「スケボー」の話です。

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この話題については先に動画を作りましたので、是非 スケボーの紹介の動画をご覧ください。

そしてその動画の内容を踏まえた上で、 攻略ページバージョンの「スケボー」の話です。 よし!ページの方が好きなことを好きなだけ言えるぞ!!

アイテムの「スケボー」については既に アイテムの検証のページで紹介したことがあります。 しかしそのアイテムの検証のページは全てのアイテム名とアイテムの説明文を とにかく紹介することが目的であり、個々のアイテムを深く掘り下げるということはしていませんでした。

というわけで改めてまずはアイテムの「スケボー」について。

アイテムコード83(16進数表記)、 まず、位置的に謎です。

アイテムのデータの順番はマスターボールが1、 ハイパーボールが2とまずボール系アイテムから始まり、 「タウンマップ」や「じてんしゃ」などの大事なもの、 「どくけし」や「キズぐすり」などの回復アイテム…という風に並んでいます。

そんな感じでずらずらと初代で登場し、初代から続投しているアイテムがまず来て、 次に金銀から登場した装備させると受けた〇〇タイプの技の威力が下がるだの 装備すると〇〇タイプの技の威力が上がるだの、装備すると「まひ」しなくなるだの、 たくさんの装備させると効果のある、いわゆる「戦闘用アイテム」がずらりです。

それらの戦闘用アイテムの名前は非常に個性的であり、 最初の頃は「こおりのビキニ」ってなんぞや?ぐらいにしか思っていなかったのですが 後に「特定のポケモン専用という感じなのでは」というご意見を頂き、 そこから「特定のポケモンが持っていることがある」というものなのだということが分かりました。

例えば「装備すると全ての能力が5上がる」という効果のアイテムである「アップグレード」は、 ポリゴンが最初から持っていることがある、という感じです。

しかしそれらの「特定のポケモンから入手できる装備アイテム」はほとんどが廃止され、 金銀ではラッキーが「しあわせタマゴ」、カビゴンが「たべのこし」、ホウオウが「せいなるはい」を 持っている、ぐらいのわずかなものしか残らなかったようです。(今挙げた組み合わせはβ版から変わってない)

「スケボー」はそんな「特定のポケモンから入手できる装備アイテム」がずらずらしている 真っただ中に突然存在しており、なぜそこに?感が強いです。

ってか主人公の移動に関わるものなのだから、もっともっと前の初代のアイテムが終わった 直後に入っているとか、初代にあった没アイテムでβ版金銀には存在していない「?????(なみのりアイテム)」の 位置に入る、ぐらいが妥当なんじゃないのか…!?

もしや、金銀を作り始める時にはスケボーという構想はなく、開発の途中で インパクトのある新要素として考え出された、後から足されたものだったりするのか?!そんなまさか…?!

さて、デバッグメニュー内にある「のりもの」という項目を選ぶと 「あるき」、「じてんしゃ」などの移動方法が出てきてその中に「スケボー」 というのが存在しています。

4つ目の「ラプラス」は「なみのり」のことであり、実際の目の前が水でないと 「ここでは乗ることができません」と出て「なみのり」はできません。 しかし「じてんしゃ」も「スケボー」も、室内でも水上でも乗ることができます。

「スケボー」を選ぶと「〇〇はスケボーに乗った」と出て、スケボーに乗っている姿になれます。

しかし動画で紹介した通りその挙動は明らかにおかしく、 操作不能になるばかりか勝手に壁を無視して高速で動き出し、画面外に超スピードで突入して 一瞬でフリーズ、なんてのは非常によく見る光景です。

「ラプラス」や「じてんしゃ」は徒歩と同じ速さで移動し、十字キーを押せば ちゃんとその方向へ進みます。「スケボー」もそれととりあえず同じでいいはずなのに、 上下左右を押してもムダ、サイクリングロードのようにAボタンを押しても止まりません。 STARTボタンを押してメニューを開くことだけは可能です。

作りかけ…ということならば、姿をスケボーに乗った絵に変更、「あるき」や「じてんしゃ」と移動の挙動は同じ、 となっていればいいだけだと思うんだが、スケボー独自の挙動がとても多いので 「途中まで作ったが没にすることになった、その後の別の個所の開発中に スケボーのプログラム部分が意図しないものになっていたがアイテムのスケボーは使えない設定になっているし、 デバッグメニューから「スケボー」を選ばない限りはスケボーに乗っている時の 状態にはならないのでそのまま放置された」結果なんじゃないかと思ったんだが、 ゲームボーイのプログラムのことは全く分からないので完全なる素人の浅はかな考えです。

ただ、もしスケボーのその挙動が意図したものであるとしたら、 操作不能+壁抜けてフリーズエリアに入ってしまうのでとてもそのまま実装できるものではありません。

デバッグモード中はBボタンを押しながら移動すると壁を抜けて歩けますが、 スケボー暴走中もその操作だけは受け付けてくれます。

暴走の種類はとりあえず十字キー無効というのは大前提とし、 座標に応じてか、縦に往復を始める、横に一直線に移動を始める、横に一直線にジャンプをしながら移動を始める、 というパターンがあります。

またスピードにもパターンがあり、徒歩より遅い、徒歩と同じ、徒歩より少し早い、目にもとまらぬ速さ ぐらいのバリエーションがあります。つまり、縦に往復を徒歩と同じスピードで始めたり、 横に一直線に移動を目にもとまらぬ速さで始めたりする、という感じです。

完全にランダムというわけではなく規則性はありそうですが、 とりあえずデバッグB移動で下に移動するたびに切り替わる、という感じ。 さらに、横一直線に移動中に勝手に別のエリアに入るとまた切り替わります。

例えば左に横一直線に徒歩のスピードで移動していたのにエリアが切り替わった瞬間に 目にもとまらぬ速さで上方向にジャンプし始める、という感じ。 そのままフリーズエリアに勝手に突っ込むので、検証中も危なくて仕方がありませんでした。

下キーを押すたびに、とかスケボーに乗った座標によって、とか何か法則がありそうですが、 それが判明したとしてな〜んにもならないので 「デバッグ機能でスケボーに乗ると挙動がおかしい、恐らく意図したもの、そうなるよう作られたものではない」 という見解だけにとどめておきます。

さて、動画のコメントで多数の「ルビサファのダート自転車になったのでは」というご意見を頂きました。 ありがとうございます!

スケボーが金銀を作り始めるころから存在していて、段差が登れるという仕様だったとしたら ベータ版金銀のマップ全体を、スケボーを手に入れるタイミングと スケボーを手に入れなかった人が詰まらないようにすることと スケボーを持っている時のメリットを考慮して作らなければなりません。

もしも初代からある「普通の段差」をスケボーが登れる、という仕様ならば… メリットが少なめです。まっすぐ移動できて嬉しい場所はそんなに多くありません。 また、あえてまだ進めないように段差を作ってもスケボーが手に入るようになってから 訪れる場所ならばその順路が意味をなさなくなります。

スケボーがないと一番左の1マスからしか上のGATEへ 行けないけど、スケボーがあれば内側の3マスのどこでも移動が可能! 些細なメリット!!

でも、まあ…スケボーというカッコイイ乗り物を操り、世界を颯爽と移動するのは楽しいかもしれない。 ついでにスケボーに乗っているときは野生のポケモンが出ない、なんていう効果をつけたら… 「むしよけスプレー」が死にアイテムになる。それに自転車だと出るのはなぜ、となる。うげげ、むっず…!

じゃあ、スケボーならではの効果である「室内でも乗れる」とか噂されていた「段差をのぼれる」 という効果をすべて廃止し、ただの「じてんしゃ」と同じ効果にして、 「ミラクル・サイクル」で「スケボー」と「じてんしゃ」のどちらかだけがもらえる みたいな、初代のエビワラーとサワムラーみたいにする。

うーん、2種類ある意味…。

こうして、段差をのぼれるという効果を生かすのは難しく、スケボーは没になり、 「じてんしゃ」だけが続投となった。後にルビサファでダート自転車とダート自転車だけが のぼれる地形が実装。

だがそれはただの段差ではなく、「ダート自転車専用の地形」だった。 そのような仕様変更を加えて、スケボーがある意味復活していたとしたら、アツいなあ…! 既存の地形をのぼれるのではなく、選択肢を増やす。しかも「じてんしゃ」の機能を分けるというアイデアで。すんばらしいな…。

…しかし、金銀β版のマップを走り回ってみるとどうにもコンパクトです。小さめです。 容量との勝負であるこの時代、スケボー用のものを増やす余地はなかった。 また、スケボー用の作業に割く時間もなかった。そうなると、スケボーを没にするだけの方がラクだし効率的です。

というわけで、金銀発売前に大々的に宣伝されていた新アイテムになる予定だった「スケボー」のお話でした。 今回の最も教訓になる点だけをおさらいしておきましょう。

教訓:スケボーで帰宅し、そのまま家の中で乗り回してはいけない。 そんなことをしたら恐らくせっかく買ってもらったスケボーを没収されるルート直行ですので、 安全第一でスケボーを楽しみましょう。

いきなり猛スピードを出して、フリーズエリアに飛び込むなどもってのほかです。
2022年8月31日


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