「愚かで無用な人間の皆様、お待たせしたわね、ようやく永世遡行の実行まであと少しというところまで来られたわ。 間もなくメルディナはテラメリタとなる。ローズマリーを神として崇めながら、自分たちの罪深さを悔いていなさいな」

フィルと戦った部屋から光の柱の中を通って別の部屋に移動してきたローズマリーとアッシュだったが、 そこは「至高の間」と呼ばれるアッシュも一度も入った事のない場所だった。

今までの古めかくも美しい装飾の施された城という風な部屋たちと違い、この部屋はいたって無機質で 壁はなんと一面が精密機械で覆われている。天井はとても高く、その天井も機械で出来ていてあちこちに黄色や緑のランプ光り文字が映し出されていた。

アッシュは部屋を一通り見回し、最後に部屋の中心の装置に話しかけているローズマリーに目を向ける。 ローズマリーが声を発するたびに部屋中の空間にいくつもの透明なパネルが表示されてそこに無数の文字が流れ、 部屋中の機械が低い音を立てた。その映像の中には地図もいくつか見え、花に送られてくる大量のデータを処理しているようだった。

ローズマリーが部屋の入り口の光の柱の前から動いていないアッシュに気づいて視線を向けて頷いたため、 これは近くに来るようにという意味だろうと判断してアッシュは剣とオラトリオをしっかりと握り締めて向かっていく。

「これは…」

ローズマリーが操作している装置の左右には不思議な光沢のある球体が浮かんでいた。 遠くからでは見えなかったが、角度によって中に人がいるのが見て取れる。内部は水が入っているかのような揺らめきがあり、 ゆっくりと上下左右に回転をしているようだった。

「それは時空牢。その空間の中は時の流れが圧縮されていてまともに思案することも体を動かすことも不可能になっているわ。 あんなにお元気だったアリア王女様も目を開いたまま何も出来ない様子でしょう」

アッシュは球体に手をかざし、球体をさらによく観察する。その中には虚空を見つめているアリアが浮かんでいて、 その隣にはアリアの体と同じように浮遊している闇の剣ランフォルセがあった。どれだけ見ていてもアリアと視線が合うことはなく、 どうやら中から外は見えなくなっているようである。

動いても問題なさそうか、とアッシュはもう片方の球体に近づくがやはり中にはアリアと同じ状態になって閉じ込められている シャープの姿があった。

「……」
「ああ、シャープ姫の牢の方には一緒にあのおちびさんも閉じ込めてあるの。動き回られると厄介だものねえ… これでこの至高の間には永世遡行に必要なもの全てが揃ったわ。闇の剣ランフォルセ、光の盾エール、 その二つの力を受けて真の力を振るえる時の鍵オラトリオ、そして…」

ローズマリーは目の前の機械から視線を外し、後ろの壁を見上げる。壁には血管のように張り巡らされている大量の光の筋があり、 それらは全て壁の台座に安置されている水色の丸い宝石が軸に埋め込まれた口の広い銀色の杯のような器に繋がっていた。

「空の器オクターブ。あれから力を取り出して作ったローシュタインを入れて元の聖玉の力を取り戻させれば、 メルディナ大陸の空の続く場所全てに時の力を及ばせることが可能になる。闇の剣と光の盾の継承者は自らを害することが できない状態に置いてある…お姉様、聞いていらっしゃるのでしょう?お姉様やお義兄様の時は戻せずとも 地上の人間を一掃することを止めることはできない。そこで神の偉業を見てらしてね」

ローズマリーは両手から三つのローシュタインを取り出す。一つはメイプルの体に使われていたもの、 一つは双心の砂時計を構成していたもの、そしてもう一つはベルがユーフォルビアから奪ってきたもの。 その3つを手のひらに載せてふわりと浮かんだローズマリーはオクターブに近づいていった。

「一つ、二つ、三つ。…これで、空の聖玉も真なる力を取り戻したわ」

コトン、コトンと一つずつローシュタインをオクターブの中に入れると器全体が輝き、 中央にある石が水色と黄緑のグラデーションの美しい色に変化する。懐かしいわね、とローズマリーは満足そうに呟いた。

ドレスや長い髪をふわふわと揺らしながらローズマリーは降下し、機械の反対側のテーブルのような部分に腰をかけて足を組む。 ここで発されているローズマリーの声は地上の花が語っているようで、その口調は人間に言い聞かせているようだった。 自分もここで声を出せばその声も地上に花を介して届くのだろうか、とアッシュは何気なく考える。

「これで準備はほぼ完了。時と空の聖玉が存在するこの空間で、時空の調べを奏でれば…この空間の外の時は一気に遡るでしょう」

体を後ろに傾けて優雅に背後に伸ばされたローズマリーの指の先をアッシュが見ると、そこには光るピアノの鍵盤のようなものが並んでいた。 そのピアノも機械の一部のようで、周囲の大量の機械と連動して稼動しているようである。

ピアノをじっと見つめていたアッシュに、ローズマリーは横から声をかけた。

「アッシュ。永世遡行の前の最後の命令を下すわ」
「はい」
「ローリエ、そこにいるわね」

アッシュたちが入ってきた光の柱とは反対方向の部屋の隅の段になっている機械の上に座っていたローリエが顔を上げる。 そこにいたのか、と少し驚いたアッシュは遠くにいるローリエの姿を確認するために目を瞬かせた。

ローリエはローズマリーたちから背を向けて白い布で何かを磨いていたようだったが、 ローズマリーの声を聞いて布にそれを包んで片手で持ち、そして機械から飛び降りて二人の方に軽くお辞儀をした。

ローリエに近づいた方がいいだろうか、とアッシュはローズマリーから離れてローリエが立っている壁の前まで歩み寄る。 床を踏みしめる音が頭の中にまで響いてくるようだ、とアッシュは感じた。

「永世遡行を阻害する最後の存在…未来の記憶を宿す者を、排除しなければならない。 そして、ローリエは既に時の力を閉じ込めてある状態…凍結の刃で凍らせることは不可能。ならば…分かるわね、アッシュ」
「………」
「ローリエを殺しなさい。この場で今すぐに。ローリエには覚悟を決めさせてある…抵抗することはないわ」

ローズマリーはいくらか低い声で命令を下す。アッシュは顔を上げてローズマリーを見たが、冷酷な命令の内容とは裏腹に目を伏せ、顔を背けた。 次に目の前のローリエに視線を向け、どのような表情をしているのだろうかと髪に隠れそうなローリエの目を伺い見る。

血のついた剣を持った人間が自分を殺すようにと命令を受けて目の前に来たというのに、ローリエは慌てるそぶりも怯える様子も全く見せずに微笑んだ。

「最後の仕事だね。頑張って、アッシュ」
「……」

いつもの調子でそう言うローリエを、アッシュは無表情で見つめる。アッシュからの返事を待つことなく、ローリエは白い布を持った右手を差し出した。

「……なんだ?」

出された手を見下ろすがアッシュは受け取ろうとせずに怪訝そうにローリエに尋ねる。ローリエは左手で布を引っ張ってずらしてその中身だけを掌にのせた。

「これは、バッジ。ローズマリーの力の一部が封印してある、ぼくがこの世界に来た時に持っていたものだよ」
「……」
「アッシュに持っててほしいな。ぼくという人間が生きた証として、よかったら…」

そう言ってまたローリエは手の甲を上に向けてアッシュの手の上に金色に光るバッジを置こうとする。しかしアッシュの手は差し出されたものの、それは受け取るためではなかった。

「そんなものは、いらない」
「えっ」

ローリエの手首を掴み、アッシュはローリエの手を押し返す。

「何が生きた証だ、そんなものを人に押し付けるな」

どん、と自分の胸に手が当たってローリエは少しよろめいたのは、 アッシュの予想外の反応に動揺していたのかもしれない。ショックを受けた様子でローリエは手を握り締める。 何か一瞬だけ体に違和感を覚えたが、それが何なのかを深く考える余裕もなく小さく頷くことしかできなかった。

「…ごめん…そうだよね…」
「ああ」

オラトリオを手に引っ掛け左手に剣を持って右手でローリエの腕を押したアッシュは、ローリエが言い終わるのを待たずに右手に剣を持ち直す。 そして一歩下がり、まだ背を向けているローズマリーの姿を視界にしっかりと捉えた。

「お前は、こんなところで死なないからな。まだ自分で持ってろ!!」

アッシュは大きく横に手を振り、剣をローズマリーめがけて投げつける。部屋の中心で背を向けて座っているローズマリーは回転して飛んでくる 剣に気付いたが、わずかに遅く避けきれずに腹を横から一直線に斬られ、剣はローズマリーの体の正面で止まった。

「ぐぅっ…!!」

ローズマリーはピアノのある機械から前屈みになって剣に手を添えながら床に降りる。 刃を手で掴んで一気に引き抜く様は服装に似合わず荒々しく、腕の動きに合わせて髪が激しく舞い上がった。 その灰色の髪で半分隠れた赤い目でアッシュを射抜きながら、狂気じみた笑顔を向ける。

「…どういうつもりかしら、アッシュ?」

ゆらりと体を揺らして床を踏みしめ、ゆっくりと剣を持ち上げた。斬られたはずの腹は血の一滴も出ておらず、 ドレスに穴が開いてすらいなかった。それを見たアッシュは小さく舌打ちをする。

「やっぱり、この程度じゃ殺せないか…」
「この場であなたを処刑したいところだけどそうは行かないから…もう一度命令するわ。ローリエを早く殺しなさい」
「断る」
「神の命令に背くというの?」

その言葉に、アッシュはオラトリオを握り直した。明らかに戸惑っている様子のローリエの視線を背後から感じたがそれに反応を示さずに ローズマリーをまっすぐに見据える。

「命令なんて、一度も聞いたことはない」






「はあっ、はあっ……」
「……ぅ…ん…」
「フィル…?!」

大量の出血のせいで気を失っていたフィルだったが、不意に意識が戻って薄っすらと目を開いた。 青い空を背景に自分を見下ろしている、息が上がって汗だく状態のレックの顔が視界に入る。

次にローズマリーに刺された腹の痛みを再認識して、手で思わず押さえるが出血は止まっているようだった。

「目、さめたんだな…!よかった…!!」
「レック…もしかして、ずっと祈っててくれたの?」
「まーな…多分あのままだったら死ぬことになってたんだと思うよ、ずっとずっと全力でひたすら祈り続けてたんだけど… 祈りを叶えてくれる何かに、やっと聞き届けてもらえたのかもな。…あー、疲れた…筋肉痛になりそ…」

そう言いながらレックは額に浮いた汗を手のひらでぬぐう。長い間緊張して必死に手を組んで祈っていたせいか、手の感覚があまりなかった。

「ありが…とう…」

命が助かったというのに、フィルは浮かない顔である。永世遡行がまだ行われていないとしたらここはアイテールのどこなんだろう、と 視線を動かすが寝転がったままでは空しか見えないので起き上がろうとした。 しかし力を入れると体に激痛が走るので一度横向きになってからにしようと上半身を捻る。

「おい、まだ起きるのは無理だって。怪我も治したいけどちょっと今限界だから…もうちょい待ってて」
「…ここって、どこなの?」
「ん?」

起きるのをあきらめて体を戻したフィルは、いっそ全身から力を抜いてレックに尋ねた。

「ここはさっきのアッシュさまのお屋敷ってところの庭を仕切ってる門の屋根の上だよ。 でっかい門があってさ、その上が平らだったからフィルを抱えて屋敷から出てきた後、ここに着地した」
「庭の門の上…そうなんだ」

どこか寂しそうに呟くフィルに、レックは首を傾げる。

「どうした?痛い?」
「ううん、動かなければ…ねえ、近くに花はある?」

その問いは、ローズマリーに聞かれているかというのと同義である。レックは一応周囲に視線を向けてから、軽く首を横に振った。

「いや、この門ものすごく高いし地面には葉ばっかりで花はない。庭の花の方に向かって思い切り叫べば聞こえるかもしれないけど、これぐらいの声量なら大丈夫だろ」
「そっか……」

フィルは浮かない顔で返事をした後、すっと目を閉じる。

「助けてくれて嬉しいけど…助からなかった方、が…」

ぽつりとそう言ったフィルに、レックは きょとんと目を丸くした。フィルの言葉を待ったがそれ以上何も言わないのを見て やれやれ、と息を吐き出す。

「自分が死んだら、ローズマリーの時間の巻き戻しが出来なくなる…カイさんが溶けるから。ってことか」

レックは一息に言うと、そうだろ?と言わんばかりに、立て膝に置いた腕ごしにフィルに視線を向けた。 フィルは驚愕して飛び起きそうになったがそれはできず、代わりに肘をついて少しだけ上半身を起こす。

そして、何とか声を絞り出した。

「わ……分かって…たんだ……」

動揺しきっているフィルにレックは小さく頷いて背と肩を支えて起き上がらせる。 そろそろ自分の体力もいくらか回復したかと判断して、フィルの腹に手のひらを置いて祈る準備をした。

「当然。…何年一緒にいると思ってるんだよ」






「それは、シフラベルという機械だよ。私とシャープ姫の父リアン殿の二人で共同制作した、超小型通信機です。 心の中で念じた言葉が遠くにいるシフラベルを持つ相手に聞こえるんだ。その相手も心の中で言った言葉が送られてくる。 呼びかけに相手が応じて返事をしたらお互いの心の中の言葉が全て聞こえるようになるからね。 会話を終えるときは、二人で会話を終えるように念じればいいよ」
「……これで、俺にどうしろって?」
「話し合ってご覧、フィルと。話しかければフィルに通じるようになってるから」
「アシュリィと…」
「お互い、入れ替わるだけで直接会話したことはなかったでしょ。話せば絶対に分かってくれる、フィルはそういう子だよ。 私がそうやって育てたんだから、間違いなし!」
「……」
「ね、アッシュ?」
「…俺はあいつの体で、たくさんの命令をこなしてきた…あいつにとっては不愉快なことばかりだっただろう。 今更俺はあいつに何を言えばいいんだよ」
「…ん〜…そういうことでいいと思うんだけどなあ」
「なにが」
「なんでも。思っていることを何でも。申し訳ないと思うことがあるなら謝ればいいし、説明したければしたらいい。 話してみなきゃ何も始まらないよ、思い違いや勘違い、すれ違いは会話しないことで生まれるんだから」
「……」






「尋ねるって、どうやって…」
「実は、アッシュにシフラベルを渡してきたんだ。ローズマリーに気づかれないよう、フィルとアッシュの二人だけで話し合える方法を作るために。 使い方は教えたんだけど…まだ、連絡はなかった?」
「…なにも。気づかなかっただけかもしれないけど…でも、アッシュはぼくの体を使って行動をしているのは確かだし、 ぼくと直接やり取りをする意思なんてないと思うよ…」
「そうか…でもね、フィル」
「…なに?」
「アッシュの立場になって考えてみなさい。親からの愛情を受けられずに誤った正義を教え込まれ、疑問を抱くことも逃げることも許されずにいて… 正しいと信じて行っていたことが、全て多くの人から受け入れられないことと知ったら?フィルだったらどう思う」
「…こ、困惑しそう…」
「そうだよね。どうしたらいいか分からないだろう。もしかしたらフィルに申し訳ないと思っているのかもよ」
「思ってるのかな…アッシュが?」
「私からは答えられないけど、知りたいのなら訊いてみたらいい。後のことは二人で話し合って決めなさい」
「うん、でも……行っちゃった」






「アッシュ……アッシュ、聞こえる?」
「………」
「ぼく、だよ…父さんから聞いてるでしょ、フィルだよ…」
「………」
「アッシュたちからしたら、アシュリィって名乗った方がいいのかな…返事をしてくれる…?」
「………本当に…聞こえるんだな…」
「アッシュ?!アッシュ…返事、してくれた…」
「アシュリィ…」
「ごめんね、あと…ありがとう」
「…なにが?謝られたり礼を言われる覚えは」
「もしかしたらぼくがアッシュになっていたかもしれないんだ。アッシュはぼくの代わりに全てを背負ってくれた。 そりゃあアッシュのせいでぼくが色んな容疑をかけられちゃってはいるけど…ローズマリーがやろうとしていることに比べれば 些細な問題だよ。そんなことよりもぼくは、アッシュのことを助けたい」
「……助ける?」






「凍結の牙を作れるのはアッシュだけだから…それを必要とする命令が下されたときは大人しく入れ替わらないといけないね」
「大丈夫なのか?俺はお前のフリをしたことはあるが、お前がもしバレたら…」
「平気、初めてそっちで目が覚めたとき、アッシュがどういう人か分からないで女の子たちとしゃべったけどバレなかったよ。 ローリエは分かっちゃったみたいだけど」
「女の子って…メイプルたちのことか?」
「そう、かな。3人いたよ」
「そうか…」
「どうしたの」
「いや。とにかく俺の方は気づかれる心配はない。控えめにうじうじしてたらアシュリィっぽいだろ」
「ぼくはそんな根暗じゃないからね!?」
「ぶふっ…わ、分かってるっての。…じゃ、寝る前に今日あったこと話すか」
「そうだね。今日こっちでは、アリアとララの3人でアドラメンテの森っていうところで…」






「…トキの実が十分に集まったことが母さんに知られた。あの人を凍らせる命令を果たしに行くのはもう、遅らせられない…」
「大丈夫だよ、アッシュ。今日、クレールさんに時の聖玉の使い方が書かれた本をもらって、ぼくは時の鍵オラトリオの 力の振るい方を理解できたんだ。凍結の牙で凍った人も、元に戻す方法はある。もちろん、凍らせた人が死ぬ…っていうこと以外で」
「でも…凍らせることにはなるだろ。理由も告げずに…それに、一国の王子を凍らせたとなると、身柄を拘束されて オラトリオを取りに行くどころの話じゃ…」
「それも全部、ぼくが何とかするよ。説得してみるし、ダメなら逃げ出す。世界を危機から救うためだもん、救った後に説明すれば許してくれるよ」
「……」
「ぼくと次に入れ替わったときに、アッシュもオラトリオの使い方が理解できるかを教えて。そのときに、どちらが地上に残るかを決めよう」
「…俺にも使えれば、最初のままだな」
「うん。でも、ぼくにしか使えなければ…慎重に入れ替わる必要がある。今夜、一度入れ替わってみよう」






「いくぞ…」
「分かった…今、父さんに本を渡したから…返してもらったら、分かると思う。……どうだろう」






「……」
「アッシュ…」
「…やっぱ、きつい…な。前は何があっても、何も思わなかったのに…」
「……」
「……」
「あの…どうだった?って、訊いても…実はもう、意味がないんだけど…」
「…どうって、オラトリオのことか…意味がないって、なにが?」
「さっき、ローズマリーが部屋に来て…砂時計を壊したんだ。中に使われていた、ローシュタインを取り出すために…だから…」
「…質問の答えだけど、俺には理解できなかった。俺には時の聖玉を操る力はないんだろう。それなら…」
「うん……決まった、ね…」


    






inserted by FC2 system