◆スターソルジャー◆
本家よりすばらしい!!



発売日:1986年6月13日   発売元:ハドソン   ジャンル:STG
値段:4900円   おすすめ度:4(いろんな意味で思い出深い…)


ハドソン系のSTGのみならず、FCいや全コンシューマーの中で、今も高い支持を誇っているゲーム、それが『スターソルジャー』である。

元々は、帝国管財(テーカンこと現在のテクモ)の名作の1つ『スターフォース』の続編の形として、『スーパースターフォース』というタイトルで開発が進められていたのだが、 開発終了間際にテクモから同名のSTG(サブタイトルは『時空暦の秘密』)を開発すると発表したのに伴い、急遽タイトルを『スターソルジャー』というタイトルに変更した。

その後2つのソフトの運命は、まったく違う形となって進むこととなった。 RPGの要素や謎解きの要素を取り入れたために、ファンから不評を買ってしまった『スーパースターフォース』と、 あくまで本格的STGを目指し好評を得た『スターソルジャー』…、この瞬間からアレンジは、本家を超えたともいえよう。

そしてアレンジのスターソルジャーは、スターフォースに引き続いて、小学館のコロコロコミックで一躍有名になり、 映画や続編により確実にSTGにおける勢力を伸ばしていく。 また、このゲームとかかわりが深かった高橋名人は、高橋名人を主役とした漫画やゲーム、アニメで大活躍することになった。 それが、ファミコンの1つの絶頂期だったのかもしれない。


ゲームの内容は、スターフォースをそのままに新たに、いくつかのパワーアップ的な要素を加えた作品である。 自機であるシーザーは、『P』と描かれた建造物を撃つと出る『B』と書かれてあるパワーアップカプセルを取ることによりパワーアップする。

1つ目をとれば、シーザーのスピードがアップし、2つ目をとれば前方に2列後列に1列のショットが撃てるようになり、シーザーの形も変化。 そして3つ目をとれば、5方向放てるショットと5発まで敵弾に対しノーダメージ(一発食らうと2つ目を取ったときの同じショットになる。

フルパワーアップ状態に戻すには、一度バリアを解かなければならないが、バリアを解いたときの状態は第2段階になっている。)のバリアが付属され、さらに軽快な別のBGMに変わる。 その上、フルパワーアップ状態のときにカプセルをとると、一瞬にして敵を全滅させることができる(中ボスにも有効)。

シーザーの武器は他にも、隠しコマンドかあるステージにある隠しアイテムをとることによって、強力なレーザーを放つことができる。 ステージ数は全部で16あり、2ステージごとに1つのステージの背景パターンが出る(普通の背景とそれを少しずらした背景や色などを考えればなんと16種類の背景がある)。

ちなみにこのゲームは、2周目はなく1周エンドとなっている。 ステージの最後にはボスであるスターブレインが待ち構えていて、4倍数のステージではそれより強力なビッグスターブレインが待ち構えている。

表示されていないが、ボス戦には時間制限があって、制限時間を過ぎるとステージのある場所まで戻されてしまう。 ステージを進むごとに敵の攻撃は激しくなるが、特に誘導弾がゲームの終盤ごろから登場する。

そして建造物の陰に隠れることができた。これを利用することで、敵の攻撃をかいくぐることができるのだが、 場合によっては敵弾の雨の中に入ってしまうこともあるし、何よりもこのゲームの醍醐味である得点稼ぎや敵や建造物を壊す爽快感がなくなってしまう。


このゲームの醍醐味は、先にも述べたように得点稼ぎと敵や建造物を壊す爽快感であるが、特に得点稼ぎがこのゲームの一番の醍醐味である。

なんといっても、隠しボーナスが豊富であり、中ボスであるラザロを4分割登場から合体までに、いずれかのパーツに16発撃ち込んで破壊すれば、8万点のボーナスが追加される。 また、各ステージの終盤に登場する建造物で、目玉の形をしたデライラは、シーザーがフルパワーアップ状態で、同時に破壊することによってラザロと同じ8万点ボーナスを獲得することができる。

そして、このゲームの目玉である隠しキャラの存在が、このゲームの存在をアピールしていた。 それの有名所が、各ステージのある場所に6つ存在する建造物ゼグである。

破壊することにより、500点→1000点→4000点→一万点→4万点→8万点と上昇。 全部破壊することに出る得点の合計は、13万5500点となる。


これ以外にも、『迷宮組曲』ミロンや『チャレンジャー』のクジラなど、いろんな隠しキャラが登場し、1つだけ1UPのものを除いて、すべて得点アップである。 しかも、ほかのSTGと比べて異様なほど高くなっている。

これは、スターフォースに受け継がれてきた、「短時間でどれほど得点を稼ぐことができるか」というテーマを前面に出しているといえる。 だからこそ、2周目というものが存在せず、ゼビウスのように一千万点を達成するのにだらだらと長時間やるのと比べて、 スターソルジャーは短い時間でこのゲームの面白さをを前面に押し出すことができたのだ。

なお隠しキャラではないが、隠し要素として特定のステージにおける別の面にいけるワープが存在するが、 ゲームそのものをクリアしたい人ならともかく、そもそも得点には関係ないので、あまり有名ではないかと思う。

それと隠し要素の1つとして、裏面の存在がある。裏面を出すには、ゲームをクリアするかタイトル画面で隠しコマンドを入力すると行けるようになる。 その裏面の内容は、敵キャラのデザインがグロテスク的なものに変わっている。

それと難易度のほうは、ほかのゲームに漏れずかなり難しい。何しろ、最初のステージなのに、誘導弾をこれでもかと撃ちまくっている。 ちなみに裏面をクリアしても、特に何も無く1周で終わることになる。


このゲームは2つほど映像化されているが、その中でも有名なのが、映画『GAMEKING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』である。 この映画は、タイトル通り高橋名人と毛利名人がスターソルジャーを使って、真の名人は誰かを決めるというもの。 なぜ、高橋名人と毛利名人が戦うことになったのかは、第1回のキャラバンで高橋名人はもちろん毛利名人も参加することになったためである。

この映画は、はじめから終わりまでかなりぶっ飛んでいるのが特徴。 最初の対決前に始まる両名人の特訓は、完全にゲームとはまったく関係の無いものである。

高橋名人の場合は、スイカを指の連打で割ったり、人差し指でバイクを止めたり、工事現場で働いたり、寺で精神を統一したり…。 一方の毛利名人は、水泳をしたり、ラジコンをしたり、豆を猛スピードで別の皿に移し変えたり、トランプでピラミッドを立てたり…。


この特訓から見るように、高橋名人は連射力を鍛える特訓、毛利名人は集中力を鍛える特訓をしているが、ほとんどゲームと特訓との関係は無いということは前にも述べたとおり。

そして、いよいよ両名人の対決となるわけだが、ルールは5本勝負で1ラウンドの得点が多いとポイントをとることができ、3ポイント以上で勝利となる。 なお、シーザーはたった一機のみで、ゼク以外の隠れキャラを出すと失格となる。

真剣勝負とはいえ、所詮は映画。

ゲーム映像から見てもわかるが、なんと高橋名人は明らかに無敵技を使用している。これは、おそらく開発用のROMカートリッジを使用したためだと思われる。 しかも、実況やナレーターの煽りもものすごいことになっているがそれもそのはず、実況は『機動戦士Zガンダム』のカミーユ=ビダンでおなじみの飛田展男氏、 そしてナレーターは特撮ファンの間でおなじみの中江真司氏(ノンクレジットだが)である。

さらに子供たちの視線は真剣そのものであり、やらせとはいえ本質は一発勝負。これらをあわせると、この勝負が真剣であることがうかがい知ることができる。

さて勝負の結果は、3対2で毛利名人の勝利となったわけなのだが、総合得点では高橋名人がうわまっていたため、実質的には引き分けに終わった。 かなりあやふやな勝敗といってしまえばそれまでなのだが、この勝負により毛利名人の知名度は上昇し、高橋名人の人気も高まることになった。


私は、このゲームに対して非常に思い出深い。というのも、ファミコン本体を購入したついでにソフトも2本購入したが、そのうちの一本がこの『スターソルジャー』なのである。 当時コロコロの読者だった私は、このゲームをとことんまでやりこんだ。

このゲームでは、連射こそが命なのだが、自分の力で連打するのが普通だった。 同時期に登場した周辺機器『ジョイカードMk−U』は、連射機能がついていたために、邪道的な扱いを受けることになった。

しかし私は、このコントローラをこのゲーム以外でもかなり使っていた。 現在私が持っているジョイカードMk−Uは、結構酷使していたらしく、数年後に壊れてしまった。

久々にプレイしたときは、連射機能を持つコントローラを持っていなかったために、どうでもいいところでミスが目立ってしまった。 やはり、ジョイカードMk−Uは偉大であると同時に、子供のころから連射の腕を磨くことを怠ったふがいなさが現れてしまった。

最後になるが、実は私は毛利名人のことについて、ほとんど知らなかった。 高橋名人のカリスマがあまりにもすごすぎて、毛利名人ってどういうファミコンの名人なのか全然わからなかったのだ。

しかしネットなどで調べていくうちに、ゲームテクニックの名人であることがわかった。 つまりゲーム操作に関しては、彼の真の力を引く出すことになるわけだ。

そして、毛利名人が『技の名人』と呼ばれていたことも、いまさらながらに理解できた。現在の毛利名人は、ファミ通(前『ファミコン通信』)に所属している。 一方の高橋名人は、本職である広報の仕事に戻っているが、これは後に述べたいと思う。



本日のまとめ



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(06/6/9レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月21日
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