◆サンリオカーニバル◆
『コラムス』+『Dr.マリオ』+『テトリス』!?



発売日:1990年11月22日   発売元:キャラクターソフト   ジャンル:PZG
値段:3980円   おすすめ度:2.5(妙に地味ぃ〜な感じ)


キャラクターソフト初参入作品。 キャラクターソフトというゲームメーカーはほとんど聞かれない会社だし、 FCマニアからみれば「サンリオゲームを作ってる会社」としか認識がないというほど、全体的にほとんど知られていないメーカーである。

事実キャラクターソフト初参入の1990年は、ドラゴンクエストWやファイナルファンタジーVといった名作ソフトはもちろん、 それ以外にも良作、佳作的なソフトが豊作状態となり、キャラクターソフトのゲームは完全に埋もれた形となってしまった。

しかし時代が下るごとに、大部分のメーカーがSFCに参入し、FCをソフトがほとんど作ることがなかったのに対し、キャラクターソフトは1994年までずっとFCソフトを作っていた。 そしてほかのメーカーの人気ゲームをサンリオのキャラクターに置き換え、ゲームの値段もほかのメーカーがどんどんと吊り上げていくのに反し、 キャラクターソフトのゲームのゲームの半数以上は、3980円というとってもリーズナブルな値段(一番高いゲームでさえ5400円ほど)により、徐々にキャラクターソフトの名は上がっていくことになる。


このゲームのジャンルは、ぷよぷよといったいわゆる落ちものパズルである。モードは4種類あるが、ゲームのルールは一緒である。 そのルールとは、ぷよぷよよろしく落ちてくるサンリオキャラ(もしくは普通のブロック)を操作して積み上げ、同じキャラを縦横斜3つ以上消していくというもの。

ゲームの見た目的には『ぷよぷよ』だし、縦横斜め3つ以上消すルールは『コラムス』だし、さらには積み上げたブロックを横に引っ掛けてもブロックが落ちないところは『Dr.マリオ』に似ている。 さらにたまにブロックが落ちるスピードが落ちる(レベルが下がる)あたりも、どこかしらAC版『テトリス』に似てなくもない。

こうすると『サンリオカーニバル』は、4つの人気ゲームのパクリではないかということになる。しかしぷよぷよの場合、発売の時期が翌年であることから、ぷよぷよはパクってない。

一方コラムスやDr.マリオやテトリスの場合はというと、ルールや設定がかなり似ていることから、3つのゲームをパクったという認識があるものの、 サンリオカーニバルとパクられた3つのゲームの発売時期は微妙に近い(ただしAC版テトリスは1988年の12月に稼動しているため、 パクりの可能性は高いが、そこまで厳しくみる必要はないだろう)ため、正式なパクりなのかというのは少々疑問が残る(世間ではパクりということで一致はしている)。

話は変わってモードのほうだが、2つほどすさまじいツッコミがある。1つ目は、BGMのタイトル。 これは全モード共通だが、選択する4つのBGMのタイトルが意味不明ということ。

BGM自体はいいのだが、なぜかタイトルが『あしたのてんき』や『ひるごはん』といったBGMとはまったく関係のないというもの。 どこをどうすればこんな奇妙なタイトルになるのか、せめて『BGM1』とか『BGM2』ぐらいにしてほしかった。

2つ目は、『にゅうもんモード』のブロックの大きさ。なんと通常のブロックの大きさの4倍という大きさである。 その上、ゲームオーバーの条件であるブロック出現の最上段の位置が、ほかの3つのモードと変わっていないため、このモードで遊ぶことには適さなくなっている。

もっともこのモードは、このゲームに慣れるために作られたモードなので、これは致し方ないとはいえ、こんなに大きなブロックでゲームをするということは、ある意味前代未聞である。


もちろんゲームとしての面白さは、普通より少し上の位置にはあるのだが、いかんせんいろんなゲームの要素を次々にパクってることや、 先ほどにも書いたように、1990年は名作や良作、佳作の豊作の年だったことにより、わりかし地味な印象を受けてしまった。 後にキャラクターソフトは、ほかのメーカーのゲームをパクることになるのだが、それに関しては近いうちにレビューをすることにして…。

ところでキャラクターソフトってどういう会社なのかというと、サンリオのキャラゲーしか出していないことから、サンリオの子会社ではないかと誰もが思う。 キャラクターソフト設立の目的は、あまりゲームに興味がない女児をゲーム好きにするため。

しかしサンリオ一社だけで、巨大なゲーム市場に立ち向かっても、必ず返り討ちに遭うのは目に見えている。 そこでパソコンメーカーでありゲームメーカーであるアスキーと共同出資し、キャラクターソフトが誕生したわけだ。

現在キャラクターソフトはどうなっているのかというと、完全に音沙汰がないことから、どうやら親会社であるサンリオに吸収されたのではないかと思う。 一応、ゲームの版権はサンリオ側にあるのだが、キャラクターソフト設立の経緯からみるに、アスキー(現エンターブレイン)もキャラクターソフトの版権を持っているのではないだろうか。


私がキャラクターソフトの存在を知ったのは、94年のファミマガのアスキー特集にて。 最初は、何でアスキーが別の会社のゲーム(アスキー4本、キャラクターソフト1本というラインナップだった)と一緒に紹介されているのかが理解できなかったが、次第にアスキー系の子会社かなと信じ込むようになった。

そしてインターネットが発達した現在、キャラクターソフトという会社はどういう会社なのか調べたくなった。 その結果、確かにアスキーと関連がある会社だとわかったが、それ以上にサンリオと関わりが深い会社だということもわかった。 しかしキャラクターソフトが消えた時期などは、結局謎のままだったが。

キャラクターソフトの魅力といえば、他社の人気ゲームをサンリオのキャラクターにリニューアルされた以上に、 値段がほかのゲームソフトよりもとっても安いことなのだが、FCの価格(プレミアソフト除く)が暴落した今、その魅力は薄らいできてるのだが…。

個人的にゲームの面白さはいたって普通なのだが、ぷよぷよに慣れてしまったせいか、ブロックが引っかかっても落ちないのはつらい。 うっかりすれば即ゲームオーバーになることもザラではないので、女児におすすめできるかというと、少々疑問が残る。 でも、一度はまれば病み付きになるので、コラムス好きならやってみるのもいいかもしれない。



本日のまとめ



キャラでかっ!!

(06/5/2レビュー)
伝説のスターブロブ2への掲載:2019年4月18日
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